病気の考え方

潰瘍性大腸炎の裏の原因

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 原因不明の難病として、安倍総理大臣が辞めることになった「潰瘍性大腸炎」と言う病気があります。潰瘍性大腸炎はなかなか治らないので「難病指定」になっています。原因不明ですが自己免疫疾患として、免疫抑制剤を投与されますが、確実に効果が得られないので、難病指定になっているのです。このニュースを見て、過去に私が考えた事を思い出しました。

 

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 当院に2006年(平成18年)3月〜12月の10か月の間に来院された慢性前立腺炎の465人の患者さんの内、「潰瘍性大腸炎」の既往歴のある人が6人もいました。慢性前立腺炎の患者さんの1.3%が潰瘍性大腸炎になるのです。……ここで疑問を持ちました。実は、潰瘍性大腸炎の発生率は、日本全国で10万人近くで、発生率が0.08%なのです。すると、慢性前立腺炎の比率と比較して、一般の国民の発生率の16倍以上になるのです。慢性前立腺炎の患者さんは排尿障害が原因ですから、潰瘍性大腸炎の原因も排尿障害かもしれません。下記のブログが当時の私の記事です。

 

http://hinyoukika.cocolog-nifty.com/cp/2006/12/post_56e0.html

 同様に原因不明の間質性膀胱炎も、自己免疫疾患と思われています。小血管が多くなり点状出血が認められ、粘膜に潰瘍が認められ(ハンナ型)、20回〜40回の頻尿、そして治療薬としてアレルギー治療薬であるIPDが処方されます。しかし、この薬を飲んでも治る人はいません。

 さらに慢性前立腺炎の患者さんの10%近くの人に、過敏性腸症候群の方がおられます。どう考えても、これは排尿障害が原因でしょう。

 潰瘍性大腸炎の患者さんも、原因不明の潰瘍ができ、さらに出血やひどい下痢症になるのです。自己免疫疾患と考えられて免疫抑制剤を使用されていませんが、完全に治療効果が得られずに、安倍総理大臣のようになるのです。

Kaiyodaityo2_20200831091201  体内に溜まった水分をオシッコで十分に出せないと、体が工夫して様々な症状を作るのです。それがいろいろな病気として誤診されるのです。膀胱を支配するのは、①自律神経、②知覚神経、③免疫(リンパ球・白血球・マクロファージ)、④血管(動脈・静脈)です。これらを利用して、膀胱にインプット・アウトプットする訳ですから、あらゆる臓器に影響を与えます。しかし、一般の医師は膀胱の影響だけしかないと、思い込んでいますから、様々な病気を原因不明や自己免疫疾患と思ってしまうのです。結果、間質性膀胱炎や潰瘍性大腸炎が「難病指定疾患」と定義されてしまうのです。例えば尿管結石の疝痛発作や、脳のクモ膜下出血の際に、嘔吐する患者さんが多いのです。その際に胃腸の病気だと思いますか?膵臓ガンや胆嚢炎の際には、背中が痛くなります。筋肉痛と思いますか?
 排尿障害が原因の病名としては下記の如くです。
Kaiyodaityo_20200831091201 🅰️知覚神経ルート
❶慢性前立腺炎
❷間質性膀胱炎
❸過活動膀胱
❹膀胱疼痛症
❺慢性骨盤疼痛症候群
❻舌痛症
❼慢性胃痛症
❽坐骨神経痛
❾幻臭症
🅱️自律神経ルート
❶多汗症
❷下痢症

C3 免疫ルート➕自律神経ルート

❶花粉症
❷慢性副鼻腔炎
❸間質性膀胱炎
❹潰瘍性大腸炎

右のイラストは膀胱を中心とした、さまざまなルートによって作られた病気です。ですから、排尿障害を中心に治療すれば、難治性の症状は軽快してコントロールが必要できるのです。……もちろん私独自の理論です。

 一般の医師はある臓器の症状があれば、病気の原因がその臓器だけが原因と思ってしまうのです。原因が追求出来ないと、原因不明、自己免疫疾患と誤診?するのです。人間の体は、あらゆるシステムで管理されているのですから、障害があると、あらゆるシステムを利用してシステム・バランスを保とうとするのです。その結果、原因不明の病気になってしまうのです。人間の体は単純ではありません。医師はあらゆる事を考えなければならないのです。

病気はある意味でマジックなのです。一見すると、原因が分からないのです(笑)。

 

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排尿機能障害の具体的理由

Sphinc1膀胱出口が開くためには、尿道括約筋が開きながら引っ張ると、収縮している膀胱出口が開くのです。膀胱出口は、常に膀胱括約筋で閉じられているのです。一般の医師は、排尿時に膀胱括約筋が自らの力で開いていると思っているのです。

そして排尿障害のある人は、膀胱括約筋が緩まないからだと思い込んでいるのです。初めのイラストは正常の排尿の表示です。

左が蓄尿時を表現しています。膀胱括約筋と尿道括約筋のつながりの位置に注目してください。❶排尿時には、骨格筋である尿道括約筋が下に向きに開きながら引っ張ります。❷膀胱括約筋が閉じていても、尿道括約筋に負けて膀胱括約筋が引っ張られ、膀胱出口は開きます。❸さらに腹圧でオシッコが出るのです。

Sphinc2_20200810104301 次のイラストは、排尿障害の人の解説です。蓄尿時の膀胱括約筋と尿道括約筋の連結線(点線)をご覧ください。膀胱括約筋の外側につながっていて、尿道括約筋の外側に付着しています。

❶この状態で尿道括約筋が下に向きながら開くと、❷どう考えても膀胱出口は閉じるでしょう。❸その状態で腹圧をかけてオシッコをすると、出口が狭くなっていますから、ジェット流になって、オシッコは散るのです。そして膀胱内圧は上昇するので、膀胱粘膜や膀胱壁の筋肉(縦走筋・輪状筋)に負担がかかり、点状出血・ハンナー型潰瘍→間質性膀胱炎、肉柱形成→神経因性膀胱、膀胱憩室→先天性と誤診されるのです。そして膀胱括約筋に物理的負担がかかるので、生体反応が起きて、膀胱括約筋が次第に肥大してしまい、膀胱出口がますます狭くなり、さらに排尿障害が強くなってしまうのです。

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 3枚目のイラストは、膀胱括約筋と尿道括約筋を機械に見立てたものです。正常の場合は、膀胱括約筋(緑)と尿道括約筋(赤)が連結しています。尿道括約筋が外側に移動すると、膀胱括約筋は下向きに移動します。すると出口は開きます。

 排尿障害になりやすい人は、連結線が膀胱括約筋の外側に付着して、尿道括約筋にも外側に付着すれば、尿道括約筋が外側に移動すれば、膀胱括約筋は上向きになります。すると出口も上向きになりますが、膀胱内圧で負担がかかり出口は閉じてしまうのです。

 この膀胱括約筋と尿道括約筋の連結具合が人によって様々なので、排尿機能も様々なのです。手術で、この連結を修正することはできません。治療としては、膀胱括約筋の緊張をゆるめて、上向きにならないようにするのです。それがα1ブロッカーのユリーフ・ハルナールです。手術としては、出口の部分を切除すれば、膀胱括約筋が上向きになっても出口が閉じないのですから、出が良くなるのです。

Sphinc5 実際に1本の連結線が存在する訳ではありません。膀胱括約筋と尿道括約筋は何十本もの平滑筋線維と連結しているのです。しかし、その平滑筋線維の緊張度が均一でなければ、この連結線のお話しのような現象が起こるのです。そしてα1ブロッカーは全ての平滑筋の緊張を緩めるので、膀胱括約筋の平滑筋も連結線の平滑筋も緩めるので、私が解説した現象が低下して、排尿障害が改善するのです。

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 ご覧いただいて想像出来るように、この現象は前立腺とは無関係です。排尿障害が原因で膀胱括約筋が肥大して、それが原因で腹圧をかけると前立腺に負担がかかり、前立腺が大きくなるのです。この現象は男女問わないことになります。神経因性膀胱も排尿機能障害も具体的な概念のないウソの診断名になります。ですから、全ての排尿障害には、α1ブロッカーが必須です。

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針生検の弊害

Wbc3_20200204172801 PSA値が高いことで、泌尿器科の医師はガン細胞を見つけるために、懸命に前立腺針生検を行います。

針生検を行うと、前立腺が10カ所(6本〜18本)近く傷だらけになります。傷に対して白血球が集まり炎症を起こします。傷のために損傷した細胞を貪食細胞(好中球、マクロファージ、樹状細胞)が集合して食べ、前立腺の外に運び出します。また、顆粒細胞(マスト細胞)も刺激され、炎症を起こし、貪食細胞を刺激し更に集めます。マクロファージは平滑筋細胞が変身する場合もありますから、針生検の後は大騒ぎです。もしもガン細胞が存在すれば、過剰に刺激されますから、悪性度の高まる可能性が出て来るのです。

貪食細胞で食べられたガン細胞は、その対処方法として、細胞分裂して細胞を増やすしかありません。密度が高く狭い前立腺の中で、貪食細胞が全ての癌細胞を捕獲できるとは思えません。その結果、生き残った癌細胞が増え、突然変異のガン細胞が生まれ悪性度が増すのです。PSA検査が全国に普及したために針生検の症例が増えて、その結果、前立腺ガンで死んでしまう患者さんが増えたと、私は考えています。

 

1975年の前立腺ガンの死亡者数は1,200人だったのが、2017年には12,000人を超えました。10倍にもなったのです。1990年ごろから、PSA検査が普及したために、針生検が増えたからでしょう。

 

これは泌尿器科学会では、非常識な考え方ですから、医師は誰も信じてくれません。ガン細胞を生き物ではなく、物として考えているので、無謀な検査をするのです。

 

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長寿と平行して悩むオシッコの病気

Cef5cd9711f94492bdc54b5af2340476 私が研修医の頃、80歳過ぎの前立腺肥大症の患者さんの割合は、おおよそ20%ほどでした。時代が過ぎて現在では、高齢者男性の80%の人が前立腺肥大症になるとされています。その理由は何故でしょうか?泌尿器科学会でも明確な理由が分かっていません。さらにご婦人の過活動膀胱の患者さんも増えています。500万人以上もいるとされています。どう考えても、平均寿命の増加が原因でしょう。グラフは、前立腺肥大症の増加する罹患率を示しています。その増加率の比例して前立腺ガンの患者さんも増加しています。その理由は、前立腺肥大症になるとPSA値が高くなり、隠れていた見つける必要のないラテント癌を発見するからです。

Sohaisetu それでは平均寿命が伸びると何故オシッコの病気が増えるのでしょうか?まずは発生学的な視点から考えてみましょう。膀胱と直腸は元々は同じ臓器だったのです。それが総排泄腔といいます。その総排泄腔が胎児の6週目から、真ん中にクビレが入り始め、7週目で二つに分離するのです。分離した前側が膀胱で、後ろ側が直腸になります。膀胱からは尿管と腎臓ができ始め、直腸には大腸が結合します。その結果、膀胱には尿が溜まり、直腸には大便が通過するのです。

Anal発生学的には同じ臓器なのですが、通過する尿と大便によって出口が変わったのです。直腸の出口、つまり肛門はイラストのようになっています。出口は内肛門括約筋と外肛門括約筋で構成されています。内肛門括約筋は、外肛門括約筋の内側に隣接しています。内肛門括約筋は不随神経で支配されており、外肛門括約筋は随意神経で支配されています。排便の際に内肛門括約筋は、固形の大便が出やすいように漏斗状にするために収縮をします。しかし外肛門括約筋が開くと、真後ろに位置する内肛門括約筋は強制的に開かされてしまいます。きれいな漏斗状になるので、大便がスムーズに出るのです。

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膀胱の出口の構造は、直腸の出口=肛門と少し異なります。なぜならば、肛門と違って液体である尿を溜めておかなければいけないからです。肛門と同じ構造では、液体である尿が漏れ出てしまうからです。それを防ぐために、内尿道括約筋と外尿道括約筋の位置が上下に離れて分かれています。ですから、排尿する際には、外尿道括約筋が
開いても内尿道括約筋を直接開くことは出来ないのです。あくまでも間接的に開いているのです。肛門と違い、内尿道括約筋は外尿道括約筋ほどは開きません。

Bladderaging

排尿の際に、膀胱の圧力が膀胱出口にかかります。膀胱括約筋(内尿道括約筋)に物理的な圧力が若干掛かります。この圧力が毎日繰り返し繰り返し長期間続けば、かなりの負担が掛かるのです。オシッコの回数が毎日5回だとすると、365回✖️5回=年間1,825回になり、50年で9万1,250回になります。膀胱出口を9万1,250回も叩けば、膀胱括約筋が次第に肥厚・肥大するのは当然です。それが、60年70年80年も継続すれば膀胱括約筋はさらに肥厚・肥大して排尿障害が強くなります。男性の場合は、膀胱括約筋の下に前立腺にも負担が掛かり、前立腺は次第に大きくなり、前立腺肥大症になるのです。ご婦人は前立腺かないので、見た目では肥大症のような変化がないので、過活動膀胱、間質性膀胱炎と診断されるのです。

以上のように、もともと膀胱の出口は、構造的に欠陥があったから、平均寿命が伸びるほど、排尿障害の患者さんが増えるのです。要するに、排尿障害が原因のいろいろな病気(前立腺肥大症、慢性前立腺炎、過活動膀胱、間質性膀胱炎、膀胱疼痛症など)は、加齢とともに増えるのは当然なのが人間なのです。病気になったとしても、ガッカリしないでくださいね。

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夜間多尿の理由

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夜間頻尿の理由のひとつに「夜間多尿」という現象があります。夜間多尿は寝てからのオシッコの量が多い場合を意味します。定義として、1日の尿量の33%が夜間の尿量とします。例えば、毎日のオシッコが1.8リットルとすると、夜間だけで600㎖以上の尿量がある場合です。高齢者や高血圧の患者さんが、疫学的調査で夜間多尿が多く認められています。その理由について学会の有名な医師の説明によると、❶水分の摂り過ぎ、❷高齢者、❸抗利尿ホルモンの低下、❹塩分の摂り過ぎ、❺高血圧、❻腎臓に障害がある、等などの様々な理由をあげています。

 

多くの医師は、生化学的な観点からしか物事を考えないのです。そのため、理由が明確に追求できないのです。しかし、解剖学的構造学的な観点から考えると見えて来るものがあります。

Aortakidney 解剖学的腎臓の位置は寝ている時の姿です。起き上がっている時とでは、状態が異なります。起き上がると、腎臓の重さで下に移動します。おおよそ5cm以上です。10cm以上落下して症状がでると、「腎下垂・遊走腎」と云います。その症状が、腰痛、脇腹痛、吐き気などです。その理由は、腎下垂で腎動脈が引き伸ばされたために、腎血流量が低下して、ある意味で腎臓が阻血・虚血状態になるので、腎臓が痛くなり、腰痛・脇腹痛・吐き気になるのです。ちょうど、狭心症や心筋梗塞の胸の痛みと同じです。

Aortakidney2 高齢者になると、筋力が低下して、腹腔内の脂肪も減り、腎下垂の確率が高くなります。さらに動脈硬化のため、引き伸ばされた腎動脈の内腔が狭くなるのです。高血圧の人は、さらに動脈硬化が強いので、さらに狭くなります。

Yakantanyo_20200129112301 高齢者が日中に起き上がる、座る、立つと、腎臓は下垂して腎血流量が低下します。腎臓に注がれる水分が少なければ、日中の尿量は減少します。そのため排出できなかった水分が体内の細胞外液として残されてしまいます。寝て横になると、腎臓が元の位置に戻ります。血流が回復すると、体は「今がチャンスでだ!」と腎臓にたくさんの水分が流れて、たくさんの尿量が作られます。その結果、「夜間多尿」になるのです。排尿障害で膀胱容量が小さくなっている人は、当然、夜間頻尿になるのです。

昼間の水分が体内に残っている訳ですから、それを改善するために、夜間の抗利尿ホルモン分泌を抑えて多尿にするのです。

対策として、❶水分を控える❷昼間に1時間ほど昼寝したり横になることです。また、❸治療薬としては、合成抗利尿ホルモンのミニリンメルトOD錠があります。

 

夜間多尿はいろいろな原因説明がありましたが、本当の原因は動脈硬化と高齢者による腎下垂が原因です。その理由でいろいろな原因が一筋にまとまりました。

 

夜間多尿は、体を正常にするために、体に大量に溜まった水分を少しでも少なくする目的で、夜にオシッコをたくさん出しているのです。抗利尿ホルモン単独で夜間多尿を抑えると、さらに水分が体に溜まり、血液が水っぽくなる=低ナトリウム血症になり、頭痛、吐き気、食欲不振、錯乱、ケイレンなどの症状が発症して、本当の病気になってしまうのです。ですから、水分は控え目にすることと、日中に昼寝でもして、日中の尿量を増やしましょう。

 

 

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射精と逆行性射精のメカニズム

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 誰でも若いころ、射精すると「ピュー!」と精液が勢いよく出るのが普通です。しかし、年を重ねる毎に、勢いは弱くなります。でも、その出力の理由は、一応、精嚢腺の収縮によるものだと一般的に思われています。しかし、精嚢腺の袋程度が収縮しているとは思えません。明確には説明されていないので、私の考えを解説しましょう。

 以前から解説したように、排尿障害に関与する膀胱括約筋が関与しています。膀胱括約筋は、前立腺と膀胱の境界線、すなわち膀胱頸部の周囲から前立腺の半分以上の部分を覆っています。それを示すのが、初めのイラストです。左のイラストは、膀胱と前立腺を下から観察した状態です。右のイラストは、膀胱と前立腺を正面から見た状態です。

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 射精の直前に、精嚢腺が収縮して、前立腺部尿道内に【精子+精嚢腺液】が分泌されます。そして、その直後に膀胱括約筋が収縮します。膀胱括約筋は前立腺の左右にありますから、膀胱括約筋が収縮(赤い矢印)すると、前立腺も圧迫されて収縮します。前立腺内には、前立腺液が溜まっていますから、尿道内の【精子+精嚢腺液+前立腺液】が混ざり、前立腺の収縮で排出=射精(白い矢印)するのです。そそれを示すのが、2枚目のイラストです。

 排尿障害の治療薬であるα1-ブロッカーで効果の高いユリーフ・シロドシン,ハルナール・タムスロシンを服用すると、副作用で「逆行性射精」になることがあります。効き目がいいのに、射精した時に精液が出ないことを嫌がる中年以降の患者さんが結構いるのです。中年以降で妊娠の必要がなければ問題がない筈なのですが……。

 射精後にオシッコが出にくいと、感じる患者さんはおられます。その理由は、射精時の一時的な後遺症として、膀胱括約筋が収縮したままになるからです。当然、膀胱出口は狭くなり、オシッコが出にくいのです。

 逆行性射精という言葉は、実は本質的に正確な症状名ではありません。α1-ブロッカーは膀胱括約筋を収縮させない、つまり緩めることで、排尿を改善する作用があるのです。その効果で射精の際に、【膀胱括約筋を収縮させない=前立腺を収縮させない】ために精液が出ないのです。ですから「逆行性」で精液が膀胱に逆流する訳ではありません。その証拠に、逆行性射精の後のオシッコに、精液は混じっていません。

  逆にα1-ブロッカーを服用していもないのに、精液が出ない患者さんがたまに来院されます。これも膀胱括約筋が収縮しないからです。排尿障害がもともとあって、日ごろ膀胱括約筋は収縮し続けているので、肝心の射精時に膀胱括約筋が収縮しなくなるのです。見方を変えると、「満足にオシッコも出せない男に、子供を作らせるか!」と言う神様の気持ちなのでしょう。

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過活動膀胱の後遺症「低活動膀胱」

インターネットで調べると、私が否定する医学常識がたくさん掲載されています。その例として、実例をご紹介しましょう。
7c78c626a866459fb17b65e459e3335c過活動膀胱を放置すると、「低活動膀胱」という病気になるとされています。ある有名な医師のインターネットで得られた説明が下記の通りです。(……)に私の反論意見を記載しました。

https://www.google.co.jp/amp/s/tokusengai.com/_amp/_ct/17252274

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「低活動膀胱」とは、これは膀胱の筋肉の力が低下して、うまく縮まらなくなり、たまった尿をスッキリ出せなくなる状態です。長い間、過活動膀胱で過敏に働き続けた筋肉が疲れて衰えてしまって働きが弱り、低活動膀胱になるのです。(ある意味で、神経因性膀胱でしょう。では、神経因性膀胱と思われる患者さんの多くに、過去に過活動膀胱であるかと言うと、そんな事はないのです。)

膀胱の筋肉の収縮が起こらなくなると、尿意をあまり感じなくなります。過活動膀胱によって頻尿で困っていた人は「よくなった」と勘違いすることもありますが、そうではありません。

低活動膀胱が進行すると、膀胱が本来持っている排尿機能が失われ、膀胱はただ尿をためるだけの袋になってしまいます。(膀胱はもともと強い排出力はありません。膀胱の出口が開くか開かないかにかかっています。オシツコの勢いは、単に腹筋や内臓の重量による腹圧の力です。)

そうなると、うまく排尿できなくなって、膀胱に絶えず尿がたまってしまいますから、細菌感染症や結石症が起こりやすくなります。(膀胱内の尿は無菌です。また、膀胱結石も排尿障害がなければ出来上がりません。)

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その理由として、過活動膀胱が原因だとされています。
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「過活動膀胱」になるいちばんの原因は、加齢に伴って膀胱への血流が低下することで、膀胱の神経が傷ついたり、硬くなったりすることです。膀胱の柔軟性が失われ、尿を十分にためられなくなります。
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以上の解説は、私から言うと余りにも支離滅裂のいい加減です。目の前の患者さんの所見だけを見て、適当に説明しているだけです。物事は目の前の三次元だけでなく、四次元的な発想をしなければ理解できません。四次元=時間経過も考えないといけません。

過活動膀胱になる理由が、加齢による血流障害と神経障害とされていますが、もしもそうだとすれば、40歳以上、日本人の半分以上、五千万人以上が過活動膀胱になっても不思議ではありません。現実には820万人です。ハッキリした原因も追求もしないで「加齢のせい」にしているのです。では、十代、二十代の過活動膀胱の患者さんも加齢が原因だと思われますか?加齢が原因だとするには矛盾があります。

低活動膀胱になる原因が、膀胱の筋肉が働きすぎて筋力が低下したからと掲載されています。人間の体で鍛えているのに、疲れたから筋力が低下すると言うのは非常識な考えです。鍛え続けていれば、筋力は衰えることはありません。

筋力が低下するのは、筋肉が鍛え過ぎたからではなく、外部から無理やり鍛えられたからです。筋肉の閾値を超えて負荷を掛けられたからです。

以上から分かるように、泌尿器科の一流の医師でさえ、この程度の一貫性のない論理なのです。ましてや普通の医師ならもっとダメでしょう。

Oabmec3過活動膀胱の原因は、膀胱出口が十分に開かない排尿機能障害が原因なのです。そのため、排尿する度に膀胱に負担がかかり、膀胱の壁の筋肉がマッチョになるのです。膀胱が積極的に働いたからマッチョになったのではなく、無理矢理の圧力がかかったからマッチョになったのです。相対的に膀胱三角部にも負担がかかり、頻尿や尿意切迫感になり、原因不明の病名である「過活動膀胱」と診断されるのです。

この時点で、膀胱がどんどん疲弊(ひへい)するのは当然です。医師が原因追求もせずに、患者さんの具合を放置するのは、医師としてあまりにも無責任です。自分たちの名誉や出世だけにしか興味を持たない情けない人格の医師ばかりです。

この過活動膀胱の状態が長期間継続すると、悪循環で膀胱出口はますます開かなく硬くなります。すると膀胱壁は収縮できなくなり、壁は次第に萎縮するのです。膀胱三角部の過敏症もマックスになり、脊髄神経回路は情報収集をブロックするために、尿意が無くなるのです。この状態を(低活動膀胱」と表面的な診断をされてしまうのです。

過活動膀胱も低活動膀胱と同じ流れで、時期の違いでしかありません。治療はどちらも排尿障害を積極的に治療しなければなりません。

物事は医学に限らず、本質を見極めないで見えている表面的な事しか考えないので、どんどん不思議な現象になっていくのです。

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ガン治療の考え方

C70067aff1b642dcafd6b76222215fd9医師は癌の治療の際に、癌細胞を物として扱っています。ホルモン剤や抗がん剤の攻撃する標的=的まと=物体として扱っているのです。 攻撃手段を考える医師は、当然、生きた人間ですが、攻撃を受ける癌細胞もその人の生きた細胞なのです。それを意識のない単なる的として攻撃するのですから、必ずしも上手く行く訳がありませんでしょう?

癌細胞は生き物です。それも数ミクロンの大きさの細胞が無数(少なくても数10万個)に集まっているのです。内服薬や注射などで、抗ガン剤やホルモン剤で攻撃しても、癌細胞集団の外周の毛細血管の流れている部分の癌細胞しか死滅しません。集団の中心部分に存在する癌細胞は死滅しません。さらに悪いことに、中心部の癌細胞は、周囲の癌細胞が死滅したことを認識するのです。

その対策として、当然ながら癌細胞を増やすために、細胞分裂を繰り返すのです。何回も何回も細胞分裂を繰り返すと、そのうち当然変異の癌細胞が生まれるのです。それがそれまでの癌細胞よりも悪性度のとても高い癌細胞になるのです。例えば、前立腺ガンでいえば、去勢抵抗生前立腺ガンになるのです。

癌の治療をする医師は、癌細胞を殺すことだけに固執すると、生命体同士の戦いという事を忘れ、逆に患者さんの寿命を短くさせるのです。それを避けるために、癌細胞は物質的な標的ではなく、患者さんの個性に準じた生命体だと思いながら、対策しなければならないのです。

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オシッコがゼロの患者さんの頻尿

Rf34858m46頻尿を訴え、千葉から40代の男性患者さんが平成28年8月の初めに来院されました。症状は3月頃より発症し、膀胱炎の診断で、抗生剤と抗コリン債を処方されましたが治りません。頻尿の程度は、1時間に1回のペースです。

実は、この患者さんは、私と同じで慢性腎不全が原因で、血液透析を実施しており、尿が1滴も出ない人でした。それでも、頻尿と残尿感が出るのです。不思議でしょう? 膀胱内に尿がたまっていないので超音波エコー検査ができません。そこで患者さんに許可を得て、尿道からカテーテルを入れ、水を100ml注入し、超音波エコー検査を実施しました。膀胱と前立腺が描出され、診断のための貴重な判断材料が確保できました。

Rf34858m462すると、膀胱三角部が肥厚し、膀胱三角部の粘膜の硬化像がハッキリとしていました。この所見は、膀胱三角部の過敏さを示唆しています。つまり、過去において排尿障害が潜在していたことが予想できます。過去の既往をお聞きすると、膀胱尿管逆流症で、両側の尿管膀胱再吻合手術をされていました。そのため、両側の腎臓がダメになり、その後、慢性腎不全になった経緯がありました。

このことから、実は排尿障害が以前からあって、そのために膀胱内圧が極端に高くなり、膀胱尿管逆流症になったと推察もできます。もしかすると、過去の主治医は、形態学的な異常に目を奪われ、膀胱尿管逆流症のみを治し、膀胱内圧の上昇の原因である排尿障害に手を付けなかったために、腎臓がさらに悪くなったのかも知れません。ある意味で、医療による被害者かも知れません。

前立腺の過敏さを抑える意味でαブロッカー(エブランチル・ハルナール・ユリーフなど)を、膀胱三角部の過敏さを抑える意味でβ3作動薬(ベオーバ・ベタニス)を処方しました。1か月後患者さんが来院しました。予想通り、頻尿は改善し、2時間に1回のペースになったと大喜びです。

余談がありました。地元の薬局で処方箋を渡したら、そこの薬剤師の先生が、「おしっこが作られないのに、何故、おしっこの出やすくする薬を処方されたのですか?」と質問されたそうです。腎臓内科の主治医にも同じ質問を受けたそうです。私の説明をその患者さんは、しどろもどろにしましたが、「???」と分かってもらえなかったそうです。

薬剤師も医師も、クスリと表面的な適応病名のことしか考えないのです。クスリの薬理作用とその対応する生体反応を詳細に考えれば容易に理解できる筈です。ユリーフをはじめとするαブロッカー(エブランチル・ハルナール・ユリーフなど)は、前立腺肥大症の排尿障害のクスリですが、実は膀胱出口の膀胱括約筋や膀胱三角部の緊張と興奮を抑える薬剤です。緊張がゆるめば、おしっこが出やすくなり、興奮が収まれば頻尿が改善するのです。β3作動薬は主に膀胱三角部の興奮を鎮めて頻尿を改善するのです。クスリの作用機序の本質を考えないで、病名とクスリの保険適応で薬剤を決める悪しき慣習があるのが、治療を妨げるというエピソードです。

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抗コリン剤の効果

 Smmechm_20190921100001 膀胱平滑筋の細胞膜にムスカリン受容体(レセプター)というスイッチがあります。このスイッチを入れと平滑筋は収縮するのです。

ムスカリン受容体の多い平滑筋は、膀胱壁の筋肉(膀胱縦走筋+膀胱輪状筋)です。副交感神経から放出されるアセチルコリンがムスカリン受容体のスイッチに入ると、膀胱壁の平滑筋が収縮して、膀胱は小さく収縮し、オシッコが出るのです。このアセチルコリンは脳神経中枢でも利用されている生物活性物質です。

「頻尿」の患者さんに、抗コリン剤を処方すると、ムスカリン受容体がブロックされて平滑筋を弛めようとします。膀胱の収縮を阻止する訳ですから、膀胱内の水圧が低下して、尿意が抑えられ頻尿が少なくなるとされています。抗コリン剤(ベシケア・トビエース・ネオキシテープ)が過活動膀胱の治療薬になるのです。

尿が溜まった状態で、膀胱内圧が上昇すると尿意を感じ、それが何らかの原因で極端になるから頻尿になると一般的に思われています。過活動膀胱や頻尿の患者さんに抗コリン剤を処方すると、頻尿が確かに治ります。しかし、数十パーセントの確率で、オシッコが出なかったり出にくくなったりすることがあります。これは、抗コリン剤が膀胱壁(膀胱縦走筋+膀胱輪状筋)を収縮させないので、尿意が強くてもオシッコが出なくなり苦しむのです。そこに一般的な「尿意理論」の矛盾があります。オシッコが出なくなるほど膀胱の緊張がゆるんで、内圧が下がっているのに、なぜ尿意が強く出るのでしょうか?オシッコが出ないほど膀胱がゆるんでいるのに…実は、この理論が間違っているとしか思えません。

「尿意」とは、学会の常識では《膀胱粘膜が内圧を感じていている》とされています。しかし、おそらく昔からある見かけ上の間違った概念で、本当は《膀胱出口の膀胱括約筋と膀胱三角部の平滑筋が主に感じている》と、私は考えています。そこが過敏になると、内圧に関係なく尿意を強く感じるのです。その括約筋と三角部の平滑筋にムスカリン受容体が豊富であれば、その興奮を抗コリン剤でゆるめることが出来き、そうでなければ、尿意は無くならないのです。

Bladside2抗コリン剤の的であるムスカリン受容体は、膀胱を収縮させるための膀胱壁(膀胱縦走筋+膀胱輪状筋)に多く分布していると思われます。要するに、動力装置のスイッチなので、抗コリン剤が膀胱を収縮しないように抑える作用が強く出るのです。膀胱内圧が少し低下するので、尿意が落ち着くと考えますが、副作用として尿閉や尿が出にくくなってしまいます。膀胱が収縮しないので、膀胱に腹圧をかけても、膀胱の形がオシッコの出にやすい形にならないからです。本来、オシッコの際に膀胱は漏斗状になるのですが、膀胱壁が収縮しないので、漏斗状になれなくなります。

抗コリン剤は脳神経中枢にも作用しますから、また、認知症の副作用も最近では懸念されています。極力避けるべきだと言う専門家もいます。ムスカリン受容体に作用するアセチルコリンは副交感神経から放出されます。見方を変えると、アセチルコリンを共通とする、脳神経中枢と副交感神経の繋がりを強く感じます。内臓を積極的に動かす副交感神経の方が、自律神経のサブ=副ではないのではと思えて仕方がありません。逆に交感神経の方がサブ=副なのでは?と思えます。

 

 

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