前立線

ユリーフ、ハルナール、フリバスの違い

 Subtype 排尿障害の治療薬であるα1ブロッカーには、ユリーフ(シロドシン)、ハルナール(タムスロシン)、フリバス(ナフトビジル)があります。患者さんによっては、効果が同じ人もいれば、特定のものしか効果の出ない人もいます。

その理由は、表を見れば分かります。α1ブロッカーには、作用するα1受容体のサブタイプが微妙に違うのです。

❶ユリーフは、α1受容体のサブタイプA>>>B・Dにしか効果がないのです。
❷ハルナールは、α1受容体のサブタイプA>Dに効果があるのです。
❸フリバスは、α1受容体のサブタイプD>>Bに効果があるのです。

Yurif 人によって、α1受容体のサブタイプ分布が同じ比率ではないので、クスリも人によって合う合わないが存在します。サブタイプAが分布のほとんどの人には、ユリーフがダントツに効果が得られますが、フリバスは当然ながら効果が得られません。その場合には、ハルナールは、ほどほどの効果が得られます。

α1受容体は、交感神経の分泌するアドレナリンに反応する受容体なのです。α1ブロッカーは、この受容体であるスイッチをブロックするのです。イラストは、3種類の木が受容体のサブタイプです。交感神経である太陽からの日光がアドレナリンです。日傘をさして受容体に日陰を行なっているのがα1ブロッカーです。イラストは、日傘がユリーフでα1−Aサブタイプに日陰を作っているのです。

Yurif2 サブタイプ受容体が、毎日α1ブロッカーで抑制されると、体は他のサブタイプを増やそうとします。例えばAタイプが多かった人にユリーフを続けると、Dタイプが増えるので、今度はフリバスの方が効くようになるのです。病気と言うのは常に一定ではないので、変化を気配りしなけれなならないのです。まるで政治の変化と同じでしょう。代議士が隠れて、主流の政治グループから、他のグループに移行すると主流グループが困る事があるのと同じです(笑)。

 

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前立腺ガンの本質#2

Hari2  前立腺ガンを発見するために、日本の医師は針生検をしたがるのです。しかし、50歳〜70歳の男性の40%〜60%には前立腺ガンが必ず存在します。80歳以上の患者さんにおいては、80%前後も存在します。ですから、PSA値が高いと言って針生検すれば、2人に1人の50%にはガン細胞が見つかるのです。10カ所〜20カ所も針で刺すのですから、前立腺は当然として外傷性炎症が起きます。炎症ではイラストのように白血球やマクロファージが集中して、傷付いたガン細胞を多数貪食します。すると、傷付かなかった生き残りのガン細胞は『何とかしなければ!』と思い、対応策としてガン細胞を無理やり増やそうと細胞分裂を繰り返します。ガン細胞の細胞分裂は、ある意味でとてもリスクがある分裂なのです。ガン細胞は細胞分裂をすると、ソックリ同じ細胞が作れないからです。その中に悪性度の高い細胞が突然変異で生まれるのです。

 ですから針生検をしてはいけないのです。しかしながら、針生検をされた患者さんが、たくさんおいでになります。そこで、針生検をされた患者が、これ以上悪化しないように治療しなければなりません。人を助けるのが、私の使命だからです。

 触診とエコー検査でガンを発見したからと言って、何もしないと考えてはいけません。必ず治療しなければいけません。そこで治療としては、前立腺ガンに男性ホルモンを徹底的に低下させることが一般的ですが、それが原因で「去勢抵抗性前立腺ガン」が発生して悪性度が増して亡くなる人が増えるのです。残りの寿命が短い人に対しては、この治療で問題ありませんが、平均寿命が82歳を超える現在では、この治療は欠点です。そのために男性ホルモンを低下される治療をしてはいけません。

❶触診やエコー検査で発見できなかた患者さんや針生検で発見されたステージⅠと診断された患者さんは、半年に1回の触診とエコー検査をすべきだと思います。ず〜と前立腺ガンが出現しない患者さんが、多数存在します。しかし悪性度が高いグリソンスコアが7〜10の患者さんの場合は、エストラサイトの微量な治療を始めます。次の解説を参考にして下さい。

Hari7_20200825164601 ❷ステージⅡ・Ⅲの場合は、微量なホルモン治療を行います。大量のホルモン治療を行うと、数年後には悪性度の高い去勢抵抗性前立腺ガンになるのです。その場合、ホルモン治療の抵抗性になるので、どんな治療をしても着実に悪化してしまいます。積極的に治療すればするほど、悪性度が増すと思ってください。治療を10分の1にすれば、悪性度が増すまで10倍かかると考えるのです。
 そこで私が利用するのが昔からある「エストラサイト」です。エストラサイトは、男性ホルモンを直接は低下させません。この薬は「女性ホルモン+抗ガン剤」なのです。前立腺ガンが生まれた直接の原因は、男性ホルモンが低下するのですから、男性ホルモンはそのまま維持します。女性ホルモンと抗ガン剤で、イラストで示すようにフェンシングで少しずつ殺害するのです。大砲で攻撃するように一気に殺害すると、中心の前立腺ガン細胞が、懸命に細胞分裂をを起こしますから悪性度が増すのです。

 そこで、エストラサイトの普通の処方が毎日4カプセルを1週間あるいは2週間に1回1カプセルだけを処方するのです。男性ホルモンの低下はしませんから、ガン細胞は気付きません。しかし、女性ホルモンと抗ガン剤でも前立腺ガン細胞は死滅します。投与量が28分の1〜56分の1しか処方しませんから、死滅するガン細胞はほんのわずかです。ですから、中心のガン細胞が気が付かないので、一生懸命に細胞分裂をしません。それを続けると、触診やエコー検査でも、次第に前立腺ガンの塊りが柔らかく小さくなるのです。

❸触診で悪性度が高い場合やステージⅣで骨転移している場合は、エストラサイトだけでは不十分です。その場合には、「イクスタンジ」を併用します。悪性度の高い去勢抵抗性前立腺ガンは、ガン細胞自身が自分を活性化させる男性ホルモンを作るのです。細胞内の男性ホルモンを抑えるのがイクスタンジです。イクスタンジも毎日4カプセルですから、投与量は抵抗性をさせないように、エストラサイトと同じく、1週間あるいは2週間に1回1カプセル処方します。例えば、処方は月曜日にエストラサイト1カプセルであれば、火曜日にイクスタンジを1カプセル服用するのです。

Pcazal ❹ガン細胞が抵抗性能力を作らないように、すべての細胞をリラックスさせる薬剤を併用治療として行っています。その薬がザルティアです。ザルティアは平滑筋の緊張を緩めてくれるのです。

 その作用を利用して、排尿障害の原因である前立腺平滑筋の緊張を緩め、さらにインポテンツの患者さんの陰茎動脈の緊張を緩めて勃起しやすくするのです。すべての細胞には一酸化窒素NOが存在します。細胞が緊張を緩める作用があります。そして細胞内にはこの一酸化窒素を分解する酵素があるのです。細胞は常に緩んでいる訳でもなく、常に緊張している訳でもありません。必要に応じて、緊張したり緩んだりするのです。ザルティアは緩みを元に戻す一酸化窒素を分解する酵素を抑えて緊張させないのです。

 ガン細胞にも、この一酸化窒素と分解酵素があるのです。ガン細胞が緊張状態だと、治療薬に抵抗するに決まっています。ですから、ガン細胞の緊張を緩めて治療薬を受け入れさせるのです。そのためにザルティアを併用するのです。

 

 

 

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前立腺ガンの本質#1

  更年期を過ぎると、男女着実に性ホルモンが低下します。生まれてから50年以上の間、男性ホルモンに依存していたのは、脳中枢とペニスと前立腺なのです。男性ホルモンによって、脳中枢はポジティブになり、ペニスは勃起し、前立腺は精液を充実させるのです。物理的に負担がかかるのは、胃と肺と心臓と前立腺だけです。前立腺からすれば、オシッコで物理的負担が一生かかります。男性ホルモン低下に対して少しでも良い環境にしようと、積極的に努力するのです。

 そこで前立腺が自分の細胞で男性ホルモンを作ることにします。それが、前立腺ガン細胞なのです。前立腺ガンの治療で、男性ホルモンを徹底的に低下させるとガン細胞がは次々に死滅します。当然、前立腺は焦って男性ホルモンを作ろうととするのです。それが前立腺ガン治療の5年後によく生まれる悪性度の高い「去勢抵抗性前立腺ガン」なのです。この細胞はホルモン治療ではまったく効果が得られないので、副作用の強い抗癌剤を使用するのです。しかしながら、この治療を行なっても、抗癌剤を使用しない患者さんと比較して、寿命は6ヶ月の違いしかないのです。

 PSA値が高いと、最近の泌尿器科医師は触診もしないで、針生検をして無理やり前立腺ガン細胞を発見し、ホルモン治療した事が、致死性の高い病気にしてしまったのです。ある意味で、泌尿器科の常識による被害者が、前立腺ガンの患者さんとも言えます。私の考えは、泌尿器科では非常識ですから、信じてもらえなくても仕方がないと思います。

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 前立腺ガンと他のガンとの生存率の比較が右の表です。この表でお分かりのように、5年生存率100%、10年生存率95%以上は前立腺ガンだけです。と言う事は、前立腺ガンは他の臓器のガンと比較すると、ガンと考えることでいいのでしょうか?最近の前立腺ガンの患者数と死亡者数の増加は、PSA検査と針生検のし過ぎだと考えられるのです。ある意味で、「過剰診療」と思われています。アメリカでは、過剰診療を防ぐために、PSA検査を意味もなく行ってはいけないと規制しました。日本はPSA検査や針生検をアメリカから輸入したにもかかわらず、患者さんのPSA検査の制限をしないのは、患者さんの為ではなく、自分たちの存在のためだと思えてなりません。

Db8d923ef0af44d2ab970f46f499ac20  ですから、この現象を少しでも避けるために、私は考え方を工夫して、実戦しています。
❶先ずはPSA値が高くても針生検しないように努力します。触診とエコー検査で確認出来なければ、その患者さんは、ガンが存在したとしてもステージⅠです。右の表から分かるように、ステージⅠの患者さんは、健康な人の寿命と全く同じなのです。通常は排尿障害、前立腺肥大症や膀胱頸部硬化症があるために、PSA値が高くなったと考えて排尿障害の治療を行えばいいのです。

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このグラフは1996年に発表されたものです。現在では、PSA検査がとても多くなったので、発見しなくてもいい悪性度の低い患者さんが多くなっていますから、死亡率は多少少なくなっているでしょう。

❷触診やエコー検査で発見出来るのが、ステージⅡとⅢとⅣです。一般的にガンを発見したら、必ず針生検をするのですが、逆に針生検をすることで悪性度を増すことになるのです。悪性度が高いと、積極的なホルモン治療や手術や放射線を行いますが、去勢抵抗性前立腺ガンや骨転移になる患者さんがかなりの確率で生まれるのです。結局は針生検が原因なのです。

 実は前立腺針生検で死亡率が高くなるのです。このイラストは、針生検で悪性度を確認した患者さんの生存率を比較したグラフです。
悪性度が低い患者さん、悪性度が中間の患者さん、悪性度が高い患者さんの5年生存率は、それぞれ95%、70%、30%です。ですから、「早く発見して早期に治療しましょう」と言うグラフです。素人であればそう考えるでしょう。しかし真剣に考える医師であれば、針生検をしたことをキッカケに、悪性度の高い前立腺ガンが致死性の高いガンになったと見えます。

 以上のデータから、針生検をして前立腺ガンを見つけた場合、3割の悪性度が高い人が5年以内に7割が死ぬのです。そして5割の悪性度が中間の人が5年以内に3割が死ぬのです。悪性度が低い1.5割の人が0.5割死ぬのです。前立腺ガンが針生検で発見された患者さんの数と生存率から計算すると、5年以内に1%+16%+22%=39%の患者さんが亡くなることになります。針生検でガンを発見する意味があるとは思えません。

Glyson

❸では、このような性格の前立腺ガンをどのように対処して治療すれば良いのでしよう。私考え方と方法を解説します。先ずは悪性度=グリソンスコアを前立腺針生検をしないで予想するのです。右のイラストは私の触診の考え方です。グリソンスコアが6以下の場合は、左右どちらかに前立腺肥大症の弾力性のある硬結が触れます。通常前立腺肥大症は左右均一に存在しますから、どちらかだけに存在していた場合は、前立腺肥大症ではなく必ず前立腺ガンです。
 この硬結が、前立腺肥大症よりも、弾力性がなく明らかに硬いのであれば、悪性度が中間のグリソンスコア7前後です。正確に言うとグリソンスコア6~8と思われます。グリソンスコアは顕微鏡で悪性度の種類は観察して、多い順番ごとを足すのです。例えばグリソンスコア6はグリソンナンバー3+3=6なのです。グリソン7はグリソンナンバー4+3または3+4=7なのです。ですから、硬さにはある程度の幅があるのです。

Ef3a32cb2d294e37943c8fcecbb175e6  前立腺ガンは他のガンと比較して、悪性度は少ないと考えられます。右の表をご覧下さい。他の臓器に比較して「前立腺ガンは本当にガンなの?」と思えませんか。実際にPSA検査が普及し始めた1990年頃から前立腺ガンは増加し、前立腺ガンでお亡くなりになる方も増えたのです。PSA値が少しでも高いことを口実に、前立腺の針生検をすることで、前立腺ガンの悪性度を増加させているとも思えます。ある意味で、PSA検査は泌尿器科が収益を上げるための材料なのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

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前立腺ガンの手術後で悩まれる患者さん

Pcaopside 初めまして。男性67歳です。
一か月半前に前立腺がん切除術を受けました。
尿漏れは覚悟していました。酷い状況で、現在まだ一向に良くなっていかずにむしろ安定的に
多い感じです。尿漏れパッドは一日五枚前後(150mL*2回吸収タイプ)で交換します。

退院後、薄い血尿がしばらくあったのですが、一か月で消えました。
時折、尿道が痛む程度です。
退院以来、勃起は一度もありません。

尿意は四六時中あるという感覚で、一日20回以上はトイレへ通います。
が、日中はなかなか膀胱に溜めることができず、パッドに垂れ流してしまうことになります。
しかし、たまに日中でも溜まった場合では、尿勢が極端に弱く、二筋、三筋に分かれ、散乱して
便器にすら入らず辺りを汚します。また、小水を出そうと陰茎をズボンから出そうと急いでも、
大抵は出す瞬間に尿がこぼれ出て、またズボンを汚すのも大変多い。
うっかりして、パンツ、ズボンを濡らすこともいまだにあるという体たらくに意気消沈しています。

これでは、外出がままならず、今後どうなってゆくのか不安です。

一方、これも不思議なことに退院後すぐから、夜間は尿漏れはなく、頻繁ではあるものの
3~4回程度のトイレ通いで済んでいます。(手術前は夜間一回程度でした。)
これにはたまたま一種救いを感じております。

一体、手術によって、私の尿道が異常変形してしまったのかなどと素人考えで、どうなって
しまったのかと悩みます。

今後回復するのかと不安で仕方なく、何か、良くなっていくためにご助言を下さいません
でしょうか。
【回答】
手術によって陰部神経を切除されたので、勃起しなくなったのです。よくあることです。
前立腺を摘出して、膀胱と尿道を縫合する時に、膀胱の過敏な膀胱三角部に縫合糸がかかるので、尿意が常にかかるのです。尿道の痛みも膀胱三角部の症状です。
対症療法として、過敏さを抑えるために膀胱括約筋の緊張を緩めるユリーフ・シロドシン、膀胱三角部を緩めるベオーバ・ベタニスを服用すべきです。
お大事に。

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前立腺の触診

Gsstage0PSA値が高いからと言って、すぐに前立腺針生検を迫る医師がたくさんいます。基本的には、先ずは前立腺の触診をしなければなりません。触診でガンを触れることがなければ、正常あるいは前立腺肥大症です。触診で正常であっても排尿機能障害である膀胱頚部硬化症でも前立腺肥大症でもPSA値は上がりやすいのです。

例え前立腺内にラテント癌が存在していてもPSA値は上がりません。PSA値が高いからと言って、前立腺針生検をすると、寝ているガン細胞(ラテント癌)を起こしてしまい、それが原因で悪性度の高い前立腺ガンに変身させて寿命に影響を与えてしまう可能性があるのです。

Gsstage1触診で判定できる前立腺ガンについて解説しましょう。イラストはステージ❷の前立腺ガンの触診所見です。触診で判断できる硬結には2つのタイプがあります。先ずは前立腺肥大症の硬さの前立腺ガンです。前立腺肥大症は通常であれば左右対象の筈です。部分的に前立腺肥大症の硬さを感じられる硬結の場合は、グリソンスコア6以下の良性に近い前立腺ガンです。2番目は石のように硬い硬結です。これはグリソンスコア6以上の悪性度が高めの前立腺ガンです。悪性度が高いガンの場合は、細胞の密度が高いので高くなるのです。

Gsstage2次に考えるのが悪性度の高い前立腺ガンの触診所見です。この前立腺ガンの硬結は、さらに本当の石のように硬く凸凹しています。したがって悪性度はグリソンスコア 7・8・9・10と考えられます。そしてステージも❸❹と高くなるのです。

触診だけで、ここまで判断できるのです。さらに、PSA値÷前立腺の大きさ=0.2以下であれば、悪性度は少ないはずです。また触診で硬結が確認されずに、エコー検査で前立腺ガンが確認出来なければ、正常あるいは、最悪でラテント癌のステージ❶でしかありません。

 PSA値が高いことで、触診もしないで針生検を行なってラテント癌を発見した場合、積極的なホルモン治療、放射線治療、手術治療になります。これは、患者さんの為ではなく、医師たちの増収の為としか思えません。

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PSA値が上昇する前立腺ガンの3タイプ

Psacell ❶イラストて示すのが、一般的なPSAが漏出するイメージです。このパターンの場合は、PSAの漏出は微々たるものですから、通常は高くなりません。腺腔膜を越えられない、この程度のガン細胞は、悪性度は低い細胞レベルですから、そっとするべきです。

Psacell2 ❷前立腺ガンが増殖して、腺腔内に広がるイメージです。前立腺の外側に出るよりも、内腔に浸潤する方が容易です。この場合もPSAはわずかしか漏出しません。やはり腺腔膜を越えられない、この程度のガン細胞も増殖能力が、それ程高くない中間型の悪性度グリソンスコアGS6〜7程度ですから、針生検はすべきではありません。

Psacell3 ❸前立腺ガンが腺腔内に留まらないで、外に増殖したイメージです。内腔にたくさん増殖すると、これ以上の隙間がないので、外側に増殖します。この場合はPSAは高めになります。腺腔膜を破ることの出来る、前立腺ガンは悪性度が高いグリソンスコアGS8〜10でしょう。

この3タイプに前立腺肥大症や膀胱頸部硬化症などの排尿障害があると、PSAの腺腔に常に圧力がかかるので、PSAは漏出しやすくなりますから、予想以上にPSAは高くなるのです。

ですから、PSA値が高い患者さんの場合は、触診やエコー検査で前立腺ガンを確認できなければ、前立腺ガンがあったとしても❶と❷のタイプですから、先ずは前立腺肥大症や排尿障害の治療を行い様子を見るべきです。すぐに針生検を行うのは、過剰な診療になります。

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PSA値が高くなり悩まれている患者さんへ

PSA値が高いから十分に調べもしないで、前立腺針生検を迫る医師がおいでであれば、下記の文章を参考にお渡しください。

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 主治医の先生に申上げたいことがあります。PSA値が高いと、即、前立腺針生検を実施するのはお控えください。先ずは必ず前立腺の触診を行い、前立腺ガンの硬結が触れるか否かを確認してください。もしも硬結が触れなければ、前立腺ガンが存在したとしても、ステージ①ですから10年生存率は健常者と同じなので、ガンを発見する必要はありません。さらに、硬結が触れた場合、その硬さや形状で悪性度グリソンスコアがおおよそ予想できます。前立腺肥大症に近い硬さであれば、グリソンスコア6前後です。かなり硬ければグリソンスコア7~8です。硬さが歪であればグリソンスコア9~10と考えていいでしょう。

 Pcagraf PSA検診に関して、世界的レベルのマスコミや学会では、乳がんと同様に前立腺ガンの過剰診断・過剰治療が問題になっています。しかしながら、日本では未だにPSA検査、針生検をやめてはいません。日本の状況を振り返ってみると判明することがあります。1975年頃は、前立腺ガンの死亡者数が1,200人ほどでしたが、2019年の現在では12,000人以上になっているのです。
1975年頃は、前立腺ガンの罹患数(前立腺ガンが発見された人数)が2,000人ほどだったのが、2019年の現在では78,000人以上になったのです。

この数字から客観的に調べると分かることがあります。
1975年の罹患数➗死亡者数=2,000人➗1,200人=1.7倍
2019年の罹患数➗死亡者数=78,000➗12,000人=6.5倍

時代とともに、前立腺ガンの罹患数が1.7倍⇒6.5倍と、まるで放物線のように急激に増加しているのです。しかしながら、前立腺ガンの死亡者数は角度の低い直線状です。このグラフから分かることは、今話題の「過剰診療」なのです。

Caseamengアメリカとイギリスの前立腺ガンの罹患数と死亡者数の比較したグラフです。PSA検診を行っていないイギリスの死亡者数と、PSA検診を行っていたアメリカの死亡者数がほぼ同じなのです。にもかかわらず、罹患数はアメリカが極端に多いのです。これは明らかにPSA検診による「過剰診療」なのです。

過剰診療でも、「たくさんの人を助けることが出来るのだからいいんだ!」とお思いですか?前立腺ガンと診断された患者さんのその後の人生において、ガンのことしか考えなくなるのです。ポジティブになれないので人生のQOLが低下してしまうのです。医師は患者さんを幸せにするのが使命なのに、患者さんを不幸にしてもいいのでしょうか?

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日本の前立腺ガンの死亡者数を注目すると、この40年間に10倍も増えているのです。その原因は不明とされていますが、グラフで示すように、PSA検診の普及により前立腺ガンの罹患数も死亡者数も増えたと考えることが出来ます。

その理由は、PSA検査で前立腺ガンが疑われ、前立腺針生検をして前立腺ガンが発見され、治療されるからです。???とお思いでしょう。これはラテント癌が関与しています。ラテント癌は60歳代~70歳代で50%、80歳代で60%も存在しているのです。その寝ているラテント癌をPSA値が高いことを理由に、前立腺針生検を行い、ホルモン療法で前立腺ガンを刺激しまくっているのです。それが理由で前立腺ガンの悪性度は増して、命にかかわる前立腺ガンに変身するのです。

PSA値が高い=前立腺ガンとは考えないで、PSA値が高くなる理由を考えてください。今の日本では80歳までに80%の男性が前立腺肥大症になると言われています。前立腺肥大症の原因のベースには、排尿機能障害があるのです。排尿機能障害があると、必ずPSA値は高くなるのです。触診と超音波エコー検査で前立腺ガンが確認できなければ、前立腺ガンが存在したとしてもステージ①と考えて前立腺針生検はしないでください。PSA値が高い=排尿機能障害と考えて、積極的に前立腺肥大症や排尿機能障害の治療を行ってください。お願いします。

【備考】
http://hinyoukika.cocolog-nifty.com/bph/2017/11/post-e77b.html

ご質問は下記にどうぞ。
高橋クリニック 高橋知宏(無名の開業医)
東京都大田区中馬込2-22-16
03-3771-8000

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慢性前立腺炎の手術の工夫

先日、関西のお医者さんを手術しました。以前から慢性前立腺炎症状で悩まれていた患者さんです。

排尿機能障害が原因の病気ですから、左右対称に切開あるいは切除すると、再度排尿機能障害に陥りやすいのです。そこで、非対称に切開を行うのです。ではどちら方向に切開をすれば良いでしょうか?

Kimon鬼門・裏鬼門の方角ラインは、北東→南西のラインです。私は手術室の位置関係で北に向かって手術をしています。ですから、幸運の方向ラインである北西→南東に向かって切開手術をするのです(笑)。

Opbns術前の患者さんの膀胱出口を観察すると、前立腺はそれほど大きくはありませんが、6時の位置の前立腺中葉が12時の方向に盛り上がってします。下から出口を見上げるようなイメージ=Bar in the sky柵形成=膀胱頸部硬化症なのです。

Opbns2先ずは、6時の盛り上がりを縦に切開します。次に膀胱出口の12時の位置が硬いので12時の方向に切開します。事前に解説したように手術後に左右対称では、術前の病的左右対称と同じなので、4時〜5時の位置と10時〜11時の位置を切開します。

Opbns3手術後、イラストのように膀胱出口は解放されます。ご覧のように左右非対称にしました。この切開の方向は鬼門の方向ではなく、幸運の北西→南東の方向です。患者さんに幸運が舞い降りますようにという気持ちを含めてです。

Kesagakeさらに袈裟懸けの方向=左肩→右腰は、イラストのように身体を守るイメージです。ですから、この方向の切開は避け、右肩→左腰の方向の逆袈裟切りを行ったのです。

術後に患者さんは、現在の体調のイメージを次のように語られました。「今まではサイドブレーキを掛けながらアクセルを踏んで車の運転していた印象だったが、術後はサイドブレーキを外して自由に運転しているような感じです!」とおっしゃったのです。なかなかいい表現です。……良かったですね、先生!さらに改善されることを期待致します。

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ステージⅠで悩まれる患者さん

PSA値が4.0を超えて前立腺ガンを疑われ、針生検を行いました。結果、10本中5本に前立腺ガンが見つかり、悪性度はグリソンスコア8で比較的悪性度が高かったのでした。放射線治療や手術を選択肢として提示されたのですが、患者さんは拒否して、現在、代替医療のクリニックで治療を受けています。

ところがPSA値が下がらず心配で心配、代替医療の主治医にご相談したところ、なぜか私を紹介されたのです。11月8日にご夫婦でお越しになりました。前立腺ガンの患者さんの多くがご夫婦でお越しですから、一目見て「前立腺ガンだな」と思いました。

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お話しをお聴きして、現在の状況を知りたいので、早速、エコー検査と触診を行いました。現在、ホルモン治療は行なっていませんから、針生検前と変わらないはずです。しかし、エコー検査で観ても、触診を行なってもガンを見つけることができません。エコー検査では直径たった3mmでも発見できます。結果、ステージ1の前立腺ガンを発見されたと考えるべきです。

エコーをよく見ると、膀胱出口が硬く見え、膀胱排尿筋が正常の方向には向いていません。そのため膀胱三角部が厚くなっています(赤い↔)。前立腺石灰も確認できます。前立腺周囲の静脈瘤も確認できます。つまり、排尿障害による後遺症の形状変化です。排尿障害によるPSA値の上昇だったのです。それを前立腺ガンだ疑われて隠れていたラテント癌が見つかったのです。ステージ1の前立腺ガンの5年生存率は悪性度に関係なく92%です。

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この生存率は、前立腺ガンでなかった健康の人の5年生存率と同じです。これは見方を変えれば、ステージ1の5年の死亡率8%は、もしかすると、針生検の影響かも知れません。ですから、前立腺ガンが触診とエコー検査で見つけることの出来ないラテント癌は、針生検をしてラテント癌を刺激しないで経過観察するべきです。そうすれば、触診とエコー検査で見つけることの出来るステージ2を発見してから治療しても、手遅れにはならないのです。ステージ2の5年生存率は表で示すように93%と、ステージ1の生存率よりも逆に高いのです。

ガンは悪性疾患ですが、すべてのガンが同じではありません。周囲の状況に応じて変化するガンも存在します。同じガンでも静かに沈黙を守ってくれるガンもいれば、大暴れをするガンもいます。細胞の悪性度を確認するために針生検をして、逆にガン細胞を刺激して、大暴れをするガンに変身させるかもしれないのです。だから私は、針生検をしないで、悪性度やステージを予測して経過観察したり治療するべきだと考えているのです。ガンをなるべく怒らせないように、ソッと静かに治療すべきだと思うのです。

医師はヒトの病気を軽快させて生活レベルを向上させることが使命のはずなのに、ガンに執着し続けることで、逆にヒトの生活レベルをトコトン下げているのです。

 

 

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PSA値が高いため、悩まれる患者さんへ

Ilastpsaps4PSA値が高い=前立腺ガンと思われている素人の方もいれば、専門の医師もいます。その医師たちが、「針生検しなければならない!」「針生検しなければ、治療ができない!」と強引に自分たちの何も考えないワンパターンの治療をすすめるのです。

PSA値の上がる原因は、前立腺ガンだけではなく、膀胱頸部硬化症などの排尿障害や前立腺肥大症、慢性前立腺炎、前立腺結石症、神経因性膀胱、先天性PSA漏出症など 、いくつもの原因があるのです。

逆に、ステージ0〜1の隠れた前立腺ガンは、発見する価値はまったくないのですが、さまざま理由でPSA値が高くなっている場合には、針生検によって寝ている前立腺ガン(ラテント癌)を刺激し起こして、悪性度を増し、結果、寿命に影響のある前立腺ガンを作ってしまう可能性があるのです。

M3pcatransition2PSA値が高くても、前立腺ガンで高くない=ステージ0〜1の患者さんを針生検で刺激しないように、PSA値を高くしている原因を追求するべきです。単純に前立腺ガンだけを見つけることは、総合的に考えて患者さんに不利益をもたらします。

先ずは、ステージ0〜1の確認をします。エコー検査で前立腺内にガンの陰影を認めない事です。次に前立腺の触診をします。硬結を触れない、前立腺の硬さが左右均等であれば問題ありません。

さらにPSA値が高くなる他の原因をエコー検査で確認します。❶前立腺の大きさが40cc以上あれば高くなる根拠です。❷前立腺の形が悪いと排尿障害が強い可能性が高いので、PSA値が高くなります。特に前立腺が膀胱に突出した形状です。❸前立腺結石を認めたら、やはり排尿障害を意味します。❹膀胱の粘膜が厚く凸凹デコボコしていれば、長年の排尿障害のために肉柱形成されたと判断します。

PSA漏出が高くてお悩みの方は、東京都大田区ですが、どうぞ頑張って起こしください。チェックしてステージ0〜1の可能性があるとしても、半年か一年に一回当院に定期的にチェックして頂ければ幸いです。

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