前立線

PSA値が上昇する前立腺ガンの3タイプ

Psacell ❶イラストて示すのが、一般的なPSAが漏出するイメージです。このパターンの場合は、PSAの漏出は微々たるものですから、通常は高くなりません。腺腔膜を越えられない、この程度のガン細胞は、悪性度は低い細胞レベルですから、そっとするべきです。

Psacell2 ❷前立腺ガンが増殖して、腺腔内に広がるイメージです。前立腺の外側に出るよりも、内腔に浸潤する方が容易です。この場合もPSAはわずかしか漏出しません。やはり腺腔膜を越えられない、この程度のガン細胞も増殖能力が、それ程高くない中間型の悪性度グリソンスコアGS6〜7程度ですから、針生検はすべきではありません。

Psacell3 ❸前立腺ガンが腺腔内に留まらないで、外に増殖したイメージです。内腔にたくさん増殖すると、これ以上の隙間がないので、外側に増殖します。この場合はPSAは高めになります。腺腔膜を破ることの出来る、前立腺ガンは悪性度が高いグリソンスコアGS8〜10でしょう。

この3タイプに前立腺肥大症や膀胱頸部硬化症などの排尿障害があると、PSAの腺腔に常に圧力がかかるので、PSAは漏出しやすくなりますから、予想以上にPSAは高くなるのです。

ですから、PSA値が高い患者さんの場合は、触診やエコー検査で前立腺ガンを確認できなければ、前立腺ガンがあったとしても❶と❷のタイプですから、先ずは前立腺肥大症や排尿障害の治療を行い様子を見るべきです。すぐに針生検を行うのは、過剰な診療になります。

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PSA値が高くなり悩まれている患者さんへ

PSA値が高いから十分に調べもしないで、前立腺針生検を迫る医師がおいでであれば、下記の文章を参考にお渡しください。

********************

 主治医の先生に申上げたいことがあります。PSA値が高いと、即、前立腺針生検を実施するのはお控えください。先ずは必ず前立腺の触診を行い、前立腺ガンの硬結が触れるか否かを確認してください。もしも硬結が触れなければ、前立腺ガンが存在したとしても、ステージ①ですから10年生存率は健常者と同じなので、ガンを発見する必要はありません。さらに、硬結が触れた場合、その硬さや形状で悪性度グリソンスコアがおおよそ予想できます。前立腺肥大症に近い硬さであれば、グリソンスコア6前後です。かなり硬ければグリソンスコア7~8です。硬さが歪であればグリソンスコア9~10と考えていいでしょう。

 Pcagraf PSA検診に関して、世界的レベルのマスコミや学会では、乳がんと同様に前立腺ガンの過剰診断・過剰治療が問題になっています。しかしながら、日本では未だにPSA検査、針生検をやめてはいません。日本の状況を振り返ってみると判明することがあります。1975年頃は、前立腺ガンの死亡者数が1,200人ほどでしたが、2019年の現在では12,000人以上になっているのです。
1975年頃は、前立腺ガンの罹患数(前立腺ガンが発見された人数)が2,000人ほどだったのが、2019年の現在では78,000人以上になったのです。

この数字から客観的に調べると分かることがあります。
1975年の罹患数➗死亡者数=2,000人➗1,200人=1.7倍
2019年の罹患数➗死亡者数=78,000➗12,000人=6.5倍

時代とともに、前立腺ガンの罹患数が1.7倍⇒6.5倍と、まるで放物線のように急激に増加しているのです。しかしながら、前立腺ガンの死亡者数は角度の低い直線状です。このグラフから分かることは、今話題の「過剰診療」なのです。

Caseamengアメリカとイギリスの前立腺ガンの罹患数と死亡者数の比較したグラフです。PSA検診を行っていないイギリスの死亡者数と、PSA検診を行っていたアメリカの死亡者数がほぼ同じなのです。にもかかわらず、罹患数はアメリカが極端に多いのです。これは明らかにPSA検診による「過剰診療」なのです。

過剰診療でも、「たくさんの人を助けることが出来るのだからいいんだ!」とお思いですか?前立腺ガンと診断された患者さんのその後の人生において、ガンのことしか考えなくなるのです。ポジティブになれないので人生のQOLが低下してしまうのです。医師は患者さんを幸せにするのが使命なのに、患者さんを不幸にしてもいいのでしょうか?

Pcadeadno

日本の前立腺ガンの死亡者数を注目すると、この40年間に10倍も増えているのです。その原因は不明とされていますが、グラフで示すように、PSA検診の普及により前立腺ガンの罹患数も死亡者数も増えたと考えることが出来ます。

その理由は、PSA検査で前立腺ガンが疑われ、前立腺針生検をして前立腺ガンが発見され、治療されるからです。???とお思いでしょう。これはラテント癌が関与しています。ラテント癌は60歳代~70歳代で50%、80歳代で60%も存在しているのです。その寝ているラテント癌をPSA値が高いことを理由に、前立腺針生検を行い、ホルモン療法で前立腺ガンを刺激しまくっているのです。それが理由で前立腺ガンの悪性度は増して、命にかかわる前立腺ガンに変身するのです。

PSA値が高い=前立腺ガンとは考えないで、PSA値が高くなる理由を考えてください。今の日本では80歳までに80%の男性が前立腺肥大症になると言われています。前立腺肥大症の原因のベースには、排尿機能障害があるのです。排尿機能障害があると、必ずPSA値は高くなるのです。触診と超音波エコー検査で前立腺ガンが確認できなければ、前立腺ガンが存在したとしてもステージ①と考えて前立腺針生検はしないでください。PSA値が高い=排尿機能障害と考えて、積極的に前立腺肥大症や排尿機能障害の治療を行ってください。お願いします。

【備考】
http://hinyoukika.cocolog-nifty.com/bph/2017/11/post-e77b.html

ご質問は下記にどうぞ。
高橋クリニック 高橋知宏(無名の開業医)
東京都大田区中馬込2-22-16
03-3771-8000

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慢性前立腺炎の手術の工夫

先日、関西のお医者さんを手術しました。以前から慢性前立腺炎症状で悩まれていた患者さんです。

排尿機能障害が原因の病気ですから、左右対称に切開あるいは切除すると、再度排尿機能障害に陥りやすいのです。そこで、非対称に切開を行うのです。ではどちら方向に切開をすれば良いでしょうか?

Kimon鬼門・裏鬼門の方角ラインは、北東→南西のラインです。私は手術室の位置関係で北に向かって手術をしています。ですから、幸運の方向ラインである北西→南東に向かって切開手術をするのです(笑)。

Opbns術前の患者さんの膀胱出口を観察すると、前立腺はそれほど大きくはありませんが、6時の位置の前立腺中葉が12時の方向に盛り上がってします。下から出口を見上げるようなイメージ=Bar in the sky柵形成=膀胱頸部硬化症なのです。

Opbns2先ずは、6時の盛り上がりを縦に切開します。次に膀胱出口の12時の位置が硬いので12時の方向に切開します。事前に解説したように手術後に左右対称では、術前の病的左右対称と同じなので、4時〜5時の位置と10時〜11時の位置を切開します。

Opbns3手術後、イラストのように膀胱出口は解放されます。ご覧のように左右非対称にしました。この切開の方向は鬼門の方向ではなく、幸運の北西→南東の方向です。患者さんに幸運が舞い降りますようにという気持ちを含めてです。

Kesagakeさらに袈裟懸けの方向=左肩→右腰は、イラストのように身体を守るイメージです。ですから、この方向の切開は避け、右肩→左腰の方向の逆袈裟切りを行ったのです。

術後に患者さんは、現在の体調のイメージを次のように語られました。「今まではサイドブレーキを掛けながらアクセルを踏んで車の運転していた印象だったが、術後はサイドブレーキを外して自由に運転しているような感じです!」とおっしゃったのです。なかなかいい表現です。……良かったですね、先生!さらに改善されることを期待致します。

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ステージⅠで悩まれる患者さん

PSA値が4.0を超えて前立腺ガンを疑われ、針生検を行いました。結果、10本中5本に前立腺ガンが見つかり、悪性度はグリソンスコア8で比較的悪性度が高かったのでした。放射線治療や手術を選択肢として提示されたのですが、患者さんは拒否して、現在、代替医療のクリニックで治療を受けています。

ところがPSA値が下がらず心配で心配、代替医療の主治医にご相談したところ、なぜか私を紹介されたのです。11月8日にご夫婦でお越しになりました。前立腺ガンの患者さんの多くがご夫婦でお越しですから、一目見て「前立腺ガンだな」と思いました。

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お話しをお聴きして、現在の状況を知りたいので、早速、エコー検査と触診を行いました。現在、ホルモン治療は行なっていませんから、針生検前と変わらないはずです。しかし、エコー検査で観ても、触診を行なってもガンを見つけることができません。エコー検査では直径たった3mmでも発見できます。結果、ステージ1の前立腺ガンを発見されたと考えるべきです。

エコーをよく見ると、膀胱出口が硬く見え、膀胱排尿筋が正常の方向には向いていません。そのため膀胱三角部が厚くなっています(赤い↔)。前立腺石灰も確認できます。前立腺周囲の静脈瘤も確認できます。つまり、排尿障害による後遺症の形状変化です。排尿障害によるPSA値の上昇だったのです。それを前立腺ガンだ疑われて隠れていたラテント癌が見つかったのです。ステージ1の前立腺ガンの5年生存率は悪性度に関係なく92%です。

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この生存率は、前立腺ガンでなかった健康の人の5年生存率と同じです。これは見方を変えれば、ステージ1の5年の死亡率8%は、もしかすると、針生検の影響かも知れません。ですから、前立腺ガンが触診とエコー検査で見つけることの出来ないラテント癌は、針生検をしてラテント癌を刺激しないで経過観察するべきです。そうすれば、触診とエコー検査で見つけることの出来るステージ2を発見してから治療しても、手遅れにはならないのです。ステージ2の5年生存率は表で示すように93%と、ステージ1の生存率よりも逆に高いのです。

ガンは悪性疾患ですが、すべてのガンが同じではありません。周囲の状況に応じて変化するガンも存在します。同じガンでも静かに沈黙を守ってくれるガンもいれば、大暴れをするガンもいます。細胞の悪性度を確認するために針生検をして、逆にガン細胞を刺激して、大暴れをするガンに変身させるかもしれないのです。だから私は、針生検をしないで、悪性度やステージを予測して経過観察したり治療するべきだと考えているのです。ガンをなるべく怒らせないように、ソッと静かに治療すべきだと思うのです。

医師はヒトの病気を軽快させて生活レベルを向上させることが使命のはずなのに、ガンに執着し続けることで、逆にヒトの生活レベルをトコトン下げているのです。

 

 

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PSA値が高いため、悩まれる患者さんへ

Ilastpsaps4PSA値が高い=前立腺ガンと思われている素人の方もいれば、専門の医師もいます。その医師たちが、「針生検しなければならない!」「針生検しなければ、治療ができない!」と強引に自分たちの何も考えないワンパターンの治療をすすめるのです。

PSA値の上がる原因は、前立腺ガンだけではなく、膀胱頸部硬化症などの排尿障害や前立腺肥大症、慢性前立腺炎、前立腺結石症、神経因性膀胱、先天性PSA漏出症など 、いくつもの原因があるのです。

逆に、ステージ0〜1の隠れた前立腺ガンは、発見する価値はまったくないのですが、さまざま理由でPSA値が高くなっている場合には、針生検によって寝ている前立腺ガン(ラテント癌)を刺激し起こして、悪性度を増し、結果、寿命に影響のある前立腺ガンを作ってしまう可能性があるのです。

M3pcatransition2PSA値が高くても、前立腺ガンで高くない=ステージ0〜1の患者さんを針生検で刺激しないように、PSA値を高くしている原因を追求するべきです。単純に前立腺ガンだけを見つけることは、総合的に考えて患者さんに不利益をもたらします。

先ずは、ステージ0〜1の確認をします。エコー検査で前立腺内にガンの陰影を認めない事です。次に前立腺の触診をします。硬結を触れない、前立腺の硬さが左右均等であれば問題ありません。

さらにPSA値が高くなる他の原因をエコー検査で確認します。❶前立腺の大きさが40cc以上あれば高くなる根拠です。❷前立腺の形が悪いと排尿障害が強い可能性が高いので、PSA値が高くなります。特に前立腺が膀胱に突出した形状です。❸前立腺結石を認めたら、やはり排尿障害を意味します。❹膀胱の粘膜が厚く凸凹デコボコしていれば、長年の排尿障害のために肉柱形成されたと判断します。

PSA漏出が高くてお悩みの方は、東京都大田区ですが、どうぞ頑張って起こしください。チェックしてステージ0〜1の可能性があるとしても、半年か一年に一回当院に定期的にチェックして頂ければ幸いです。

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前立腺肥大症の手術後の症状で苦しむ患者さん

 Tur37362m71pp1 6年前に前立腺肥大症の最先端の手術HoLEP(経尿道的ホルミウムレーザー前立腺核出術)を受けたにもかかわらず、2年後からは、下腹部の痛みや会陰部の痛みや皮膚の病気が出てきました。執刀した医師はもちろんのこと、色々な病院にz相談に行きましたが、どこに行っても「異常なし」と診断され、本当に困っていた焼津市からお越しになった60歳代の患者さんです。

Tur37362m71pp2

早速、超音波エコー検査を行いました。180㏄だった前立腺が19㏄と約10分の1の大きさになっていました。膀胱出口から前立腺に向かってVの字に十分に開いていますから、排尿には問題ないでしょう。しかし、問題が判明しました。2枚目の超音波エコー所見で分かるように、膀胱三角部が残っているのです。

Turp1このような事例は、たびたび経験しています。この患者さんの受けたHoLEPという前立腺肥大症の手術は、レーザー光線で前立腺をくり抜きます。

Turp2くり抜いた前立腺が膀胱内に落ちます。それを特殊なミキサー器械で細かく砕いて、膀胱から吸い出します。

Turp3手術後には、見事に前立腺は空っぽになり手術は成功です……と一般の先生は、そう思うのです。ところが、前立腺肥大症の頻尿などの症状を作っているのは、膀胱出口近くにある膀胱三角部なのです。泌尿器科医師は前立腺肥大症の治療は前立腺にしか考えないのです。ですから、前立腺肥大症の手術後に症状の無くならない患者さんに対しては「気のせい」「年のせい」などと患者さんのせいにするのです。

さて、この患者さんもこのパターンで、膀胱三角部が完全に残っていたので、その後のいろいろな悩まれる症状が出てきたのです。膀胱出口の緊張をゆるめるユリーフ・シロドシンと膀胱三角部の興奮を鎮めるベオーバ・ベタニスを処方したところ、1週間で痛みなどの症状は半減したと喜びのお電話がありました。

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追っかけ漏れ

Bcf68c1909f04569baec95aa6478d057 テレビのCMなどで、男性がトイレから出て来た直後にズボンにオシッコのシミが付くことがあります。「尿漏れ」、「追っかけ漏れ」と呼ばれています。尿漏れパッドの購入をススメていますね。

医学用語では「遺尿enuresis」と言います。これは尿失禁の現象ではなく、オシッコ直後に尿道に残った(遺留)尿が、体の動きで尿道が圧迫されて漏れ出て来る現象なのです。泌尿器科学会では、体質的であると考えられていますが、実は明確な理由があるのです。

Ansinokkake_20190827161001
初めのイラストは男性の下部尿路(膀胱・前立腺・尿道)を表しています。排尿の前には尿道(青色のライン)全体は必ず閉じています。排尿の際には(2枚目のイラスト)、膀胱出口と前立腺が、それぞれ膀胱括約筋と尿道括約筋によって開きます。

Ansinokkake2_20190827161001
尿の勢いによって尿道全体も直径が大きく太くなります(青いライン)。しかし、尿道は尿の勢いだけに依存しているばかりでなく、排尿の際に反射的に尿道の緊張が緩んで、尿道が太くなるのです。そして、排尿が終わると、膀胱出口から尿道口の尿道全体が収縮閉じて、尿道内の尿を無くすのです。

Ansinokkake3_20190827161001
排尿機能障害があると、本人が自覚あるいは自覚していないに関わらず、尿道は必死になって太くして、尿流抵抗を極限まで下げるのです。ところが、排尿が終わっても尿道は『まだまだ終わっていないよ!』と誤解して、尿道を閉じないで太いまま継続するのです。当然、尿道内に尿が残ってしまいます。これが「遺尿」です。排尿が終わってペニスを一生懸命に振っても、ペニスの根元から前立腺にかけての尿道球部は振れませんから、尿道球部にタップリの尿が残って(赤いスペース)しまうのです(3枚目のイラスト)。この現象は、排尿機能障害の患者さんに形成される条件反射と言えます。ある意味で、ネガティブな条件反射です。

膀胱の排尿が終わる時間と尿道が閉じる時間とが、ほぼ一致するのが、正常です。しかし、排尿障害があると、両者に時間が次第に延長して、さらに時間差が出てきます。経過が長ければ長いほど、この時間差のギャップが開いて来るのです。それが、遺尿という現象になるのです。

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「遺尿」の対策としては、排尿後にミルキング(Milking牛の乳しぼり)を行えば良いのです。ミルキングとは、会陰部(陰嚢〜肛門の間)を手を使って、圧迫しながら前方に押して、尿道球部に残った遺尿をペニスの方向にしぼり出すのです(4枚目のイラスト)。その直後にペニスを振ることで移動した遺尿を外に出すことが出来ます。この操作を2〜3回行えば、尿道球部の遺尿は無くなります。結果、下着などにオシッコのシミが出来なくなります。

Okkakemore

「遺尿」現象は、排尿機能障害が原因で起こった条件反射ですから、排尿機能障害の治療薬であるα1ブロッカーを服用すれば多少とも改善します。なぜ完全に改善しないかと言えば、一度作られた条件反射は生涯残るからです。

 

 

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追っかけ漏れ

Bcf68c1909f04569baec95aa6478d057テレビのCMなどで、男性がトイレから出て来た直後にズボンにオシッコのシミが付くことがあります。「尿漏れ」、「追っかけ漏れ」と呼ばれています。尿漏れパッドの購入をススメていますね。

医学用語では「遺尿enuresis」と言います。これは尿失禁の現象ではなく、オシッコ直後に尿道に残った(遺留)尿が、体の動きで尿道が圧迫されて漏れ出て来る現象なのです。泌尿器科学会では、体質的であると考えられていますが、実は明確な理由があるのです。

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初めのイラストは男性の下部尿路(膀胱・前立腺・尿道)を表しています。排尿の前には尿道(青色のライン)全体は必ず閉じています。排尿の際には(2枚目のイラスト)、膀胱出口と前立腺が、それぞれ膀胱括約筋と尿道括約筋によって開きます。

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尿の勢いによって尿道全体も直径が大きく太くなります(青いライン)。しかし、尿道は尿の勢いだけに依存しているばかりでなく、排尿の際に反射的に尿道の緊張が緩んで、尿道が太くなるのです。そして、排尿が終わると、膀胱出口から尿道口の尿道全体が収縮閉じて、尿道内の尿を無くすのです。

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排尿機能障害があると、本人が自覚あるいは自覚していないに関わらず、尿道は必死になって太くして、尿流抵抗を極限まで下げるのです。ところが、排尿が終わっても尿道は『まだまだ終わっていないよ!』と誤解して、尿道を閉じないで太いまま継続するのです。当然、尿道内に尿が残ってしまいます。これが「遺尿」です。排尿が終わってペニスを一生懸命に振っても、ペニスの根元から前立腺にかけての尿道球部は振れませんから、尿道球部にタップリの尿が残って(赤いスペース)しまうのです(3枚目のイラスト)。この現象は、排尿機能障害の患者さんに形成される条件反射と言えます。ある意味で、ネガティブな条件反射です。

膀胱の排尿が終わる時間と尿道が閉じる時間とが、ほぼ一致するのが、正常です。しかし、排尿障害があると、両者に時間が次第に延長して、さらに時間差が出てきます。経過が長ければ長いほど、この時間差のギャップが開いて来るのです。それが、遺尿という現象になるのです。

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「遺尿」の対策としては、排尿後にミルキング(Milking牛の乳しぼり)を行えば良いのです。ミルキングとは、会陰部(陰嚢〜肛門の間)を手を使って、圧迫しながら前方に押して、尿道球部に残った遺尿をペニスの方向にしぼり出すのです(4枚目のイラスト)。その直後にペニスを振ることで移動した遺尿を外に出すことが出来ます。この操作を2〜3回行えば、尿道球部の遺尿は無くなります。結果、下着などにオシッコのシミが出来なくなります。

「遺尿」現象は、排尿機能障害が原因で起こった条件反射ですから、排尿機能障害の治療薬であるα1ブロッカーを服用すれば多少とも改善します。なぜ完全に改善しないかと言えば、一度作られた条件反射は生涯残るからです。

 

 

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前立腺ガンの性格


926325e66a47463789354919242fee71 前立腺ガンは、ご存知のように多くが前立腺の外腺から発生します。外腺はそれまで散々内腺と硬〜い前立腺被膜によって挟まれ圧迫され続けたのです。そんな時に更年期になり頑張っていたエネルギーの男性ホルモンが一気に低下したために、男性ホルモンに依存していた外腺の細胞が、体質的にさらに苦しくなり、才能のある前立腺細胞が、遂に男性ホルモンを究極作ることのできるガン細胞に変身したのです。つまり、前立腺外腺の細胞は物理的にもホルモン的にも、常に緊張状態が続いた結果です。前立腺外腺は生まれてから更年期に至るまで、一生緊張状態にあったとも言えます。

Sitenno

さらに検査のための針生検で刺激(攻撃)され、ホルモン治療で刺激(攻撃)される訳ですから、ず〜っと緊張しっぱなしです。刺激されれば刺激されるほど、攻撃されれば攻撃されるほど、才能のある前立腺ガンは抵抗力を増して前立腺ガンの悪性度を高める=男性ホルモンを作ることのできる=去勢抵抗性前立腺ガンの原因になるかも知れません。でしたら、ガン細胞が緊張しないように『リラックス』させてあげれば良いことになります。

ガン細胞の緊張を解くリラックスさせる方法を考えてみました。

❶排尿機能障害の治療薬であるα1ブロッカーのフリバスが、前立腺ガンの再発を抑えてくれるという文献データがありました。α1ブロッカーは平滑筋だけでなく、その他の細胞の緊張をも解いてくれるのでしよう。それを元に、当院で前立腺ガンの患者さんにはフリバスを処方しています。でも、効いているとは思えない患者さんもおられます。これは、フリバスの作用するα1受容体が主にα1‐d受容体で、前立腺ガンによってはα1‐d受容体が存在しないので、フリバスを処方してもガン細胞の緊張が取れないのでしょう。

Furo

❷やはり排尿機能障害の治療薬であるザルティア=タダラフィルは、細胞膜表面の受容体を介さないで全ての細胞の緊張を抑えてリラックスさせてくれます。細胞が裸でゆっくりとお風呂に入っているイメージです。当然、前立腺ガン細胞も同じで、リラックスして緊張も取れるでしょう。緊張が取れれば、裸ですから防御能力は低下して、医師の行う様々な治療攻撃に負けてしまうのです。

ですから、今後の前立腺ガンの患者さんには、前立腺ガン細胞をリラックスさせる排尿機能障害の治療薬であるフリバスと、さらにザルティアを処方するつもりです。もちろん、この考えは私の思い付きですから、正しいかどうかは、今後を観ていかなければ分かりません。

 

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PSA値と前立腺ガン発見率

PsariskPSA値が高いと前立腺がんを強く疑われます。このグラフは日本泌尿器科学会が公表しているものです。見て分かるように、PSA値が4.0を超える(〜10.0)と前立腺がんの発見率は40%〜50%を超えます。

しかし、高橋クリニックでPSA値が高いと言われて来院された患者さん500人の中、私の触診とエコー検査でがんを見つけることが出来たのは、60人つまり500人の12%でした。しかし、棒グラフの発見率と比べると、28%〜38%のこの差はどうしてでしょうか?

 

Stage5y_20190707170401これは、実は私が『前立腺針生検』を行わないで診断しているからです。針生検をすれば、前立腺に隠れているガン細胞(ラテント癌)が発見されるからです。エコー検査や触診で見つけることの出来ない前立腺がんは、ステージ❶と言う事になります。ステージ❶の前立腺がんの5年生存率と10年生存率は、ガンのなかった健康な人とまったく同じ生存率なのです。触診で判定可能なステージ❷、ステージ❸も5年生存率は健常人ろほぼ同じ生存率です。それでは、針生検をしてまで前立腺ガンを発見する必要があるのでしょうか?……ガンを発見したことで、ガン死のリスクよりも、ガンの恐怖で精神的に追い詰めることの方が、患者さんの人生のQOL(人生の充実度)低下のリスクの方がはるかに高いと思います。

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