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尿道口の水泡 傍尿道口嚢胞

子供の頃から、尿道口の周囲の嚢胞・水疱が出来ている男の子がいます。自然治癒しないで、大人になっても結構存在します。

 

傍外尿道口嚢胞(ぼうがいにょうどうこうのうほう)をご存知ですか?先天性の(生まれながらの)嚢胞(のうほう:体液がたまった小袋)が、尿道の傍らに生じる良性の腫瘤・水泡、です。

Bull1ここでご紹介するのは20歳の男性です。物心ついた頃から腫瘤の気付きましたが放置してきました。青年になり気になりだしたので相談にみえました。
亀頭を正面から見ると、尿道口を隠すように腫瘤が観察できます。直径1cmほどです。

 

外尿道口を開くように観察すると、尿道口の右壁から腫瘤の基部が確認できます。
このぐらい腫瘤が大きいく尿道口を塞ぐように占拠すると、尿線が曲がることがあります。
一般的に泌尿器科で行なわれる手術は、嚢胞を尿道の粘膜から切り離し切断面を吸収糸で縫合します。

しかし縫合することで尿道口の形が引きつれて尿線が曲がったり噴水状になることがあるので、手術の際には注意が必要です。あ医師は後遺症を嫌がり、手術をしません。

 

Bull2亀頭を右真横から観察した写真です。
かなり前面に出っ歯ているのが確認できます。
20歳という年齢の若い男性が、このような状態で満足できる訳がありません。
遠めで見ても直ぐ分かるでしょう。

温泉などの公衆浴場で、他人の目が気になるでしょう。

腫瘤が水をたわわに含んだブドウの状態の嚢胞であることが分かります。

 

 

Bull3手術直後の所見です。
私が得意とする電気焼灼手術で嚢胞を全て焼きました。
電気焼灼手術は、電気的火花で少しずつ組織を焦がしていきます。
焦げる部分は、火花が当った0.1mm程度ですから、とても軽い火傷です。
ですから、傷の治りがとてもよい特徴をもっています。
また、縫合する必要がないので、ほとんど変形しません。

 

Bull4手術4週間後の所見です。
尿道口の右側にほんの少し凹みがありますが、ほとんど気にならないそうです。
予想通り、尿道変形にはなりませんでした。
一番上の写真と2番目の写真と比較して下さい。
手術をしたかどうかも分からないほど治っています。
痛みもなく、尿線も真直ぐで、排尿もスムーズだそうです。
それを聞いて、執刀医の私もヤレヤレです。

 

Bull5_20210907164201 【補足】
傍尿道口嚢胞は、機能的にはほとんど問題ないので、美容的な手術になります。

当院では、平成20年(2008年)から手術費用5万円になりました。現在は3万円にしました。

この手術を行なっているのは私だけです。一般の医師は嚢胞に針を刺して中身を吸引するか、入院させて下半身麻で袋の皮膜を切除して縫合するのです。しかしながら、これらの治療は何度でも再発するのです。

その理由は、嚢胞は二重構造で亀頭に密着している水溶液を産生する内膜を残してしまうからです。電気焼灼手術は、亀頭を傷付けずに内膜のみを焼くからです。

 

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