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難治性の慢性尿道炎

Manseinyodoen若い男性が、性的遊びをした後に、淋病やクラミジア尿道炎になります。これらのバイ菌は一般的な抗生剤では治らないので、決められた抗生剤が必要です。

治療により問題のバイ菌は死滅して、培養検査で検出されなくなります。………ところが、尿道からのウミ・分泌液と排尿痛が治らないでいつまでも続く人がいるのです。 

実はこの現象は、感染症がきっかけであっても、病気の本質ではないのです。隠れた排尿障害が膀胱三角部を刺激して頻尿になるはずなのに、症状が出ない人がいます。

イラスト①膀胱三角部の情報が脊髄神経回路に伝達しますが、回路が反応しなければ症状は出ないのです。

イラスト②たまたま性病によって急性尿道炎になると、そのために神経回路が作られます。その神経回路は排尿痛と尿道分泌液と白血球の増産を刺激する神経回路なのです。一度作成された神経回路には長期間消えません。

イラスト❸すると、膀胱三角部からの神経が尿道炎の神経回路を利用して情報を伝達させるのです。すると頻尿の代替として排尿痛、尿道分泌液、白血球増加となります。結果、原因不明の慢性尿道炎になるのです。

治療は、排尿障害の治療薬と頻尿治療薬を 服用すれば、症状は軽快するのです。面白いでしょう。

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前立腺肥大症の誤解

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前立腺が大きい前立腺肥大症だから、排尿障害が生まれて患者さんが悩まれていると、一般的に考えています。

ところが、前立腺肥大症の手術を行っても、オシツコの出の悪さや頻尿や残尿感や痛みが無くならない患者さんが、一定の割合で出現します。すると、執刀医は「歳のせい」「気のせい」「自律神経失調症」と診断し、それ以上の治療を行なってくれません。

その事実から考えると、前立腺が大きいからと判断して手術した事が、誤診であり治療のミスだったことが分かりますよね?

前立腺肥大症の真実は、次の通りです。

❶若い頃より排尿がアンバランスだった。

❷何十年も経過すると、膀胱括約筋が肥大し、同時に前立腺も大きくなった。

❸排尿障害のために膀胱に負担がかかる。

❹負担のかかった知覚神経の膀胱三角部が過敏になり、頻尿・残尿感・尿意切迫感・陰部痛などが後遺症として出現する。

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前立腺の手術しただけでは、膀胱三角部の後遺症は除去できないし、肥大した膀胱括約筋も未処置などで、は排尿障害は完全に治らないのです。そのような患者さんが何十人もおいでになりました。追加の内視鏡手術で、膀胱三角部の処置と膀胱出口を十分に切開・開放すれば、膀胱括約筋が収縮しにくくなり、症状は軽快しました。

例えば、2つのイヤホーンが絡み合った状態であった場合、2つに分離解くのが大変ですよね?小宇宙である人体の病気は、単純ではない筈です。(笑) 

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