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間質性膀胱炎のエコー所見

Ice1間質性膀胱炎のご婦人患者さんが全国から大勢来院されます。その患者さん達は、内視鏡検査のみに異常が認められ、その他の検査では異常なしと言われます。その結果、原因不明の間質性膀胱炎と診断されるのです。

私は間質性膀胱炎の原因がすべて超音波エコー検査で確定できます。初めのイアスとが正常のエコー所見です。膀胱出口が閉じています。膀胱排尿筋が膀胱出口に向かっています。

 

 

Ice2  2枚目のイラストが間質性膀胱炎の患者さんのエコー所見です。。
❶膀胱出口部分が膀胱側に突出します。
❷膀胱出口が「Vの字」に常に開いています。
❸膀胱出口が突出したので、相対的に膀胱三角部が厚くなります。
❹排尿筋の走行が乱れ厚くなります。
❺膀胱のエコー側面像では、正常では膀胱括約筋は見えません。排尿障害が増強すると、膀胱括約筋が肥大して、エコー側面像で確認できるのです。
❻尿道周囲結石、尿道周囲の静脈瘤は慢性的排尿障害の結果です。
❼膀胱三角部から膀胱出口にわたって粘膜の硬化像が認められます。

9e3a89b714fb48699af37528a9de76e8 これらの所見は、一つでもあれば、長期間にわたって排尿障害が続いた証明になります。したがって症状に左右されずに排尿障害の治療を積極的に行うべきです。性別に関係なく、排尿障害の治療薬であるユリーフ・シロドシン、ハルナール・タムスロシンを飲むべきなのです。これらのクスリは、前立腺を緩めるのではなく、男女共通の膀胱括約筋を緩めてくれるのです。

写真は間質性膀胱炎の膀胱のエコー写真です。

一般の医師は、そんな知識もないのです。私だけのおかしな考え方です。(笑)




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慢性前立腺炎のエコー所見

Bphecho1原因不明の慢性前立腺炎の患者さんがたくさん来られます。尿検査、CT検査、エコー検査で異常を認めないと言うのです。

しかし、私がエコー検査を行うと、必ず異常所見を認めるのです。そこでエコー所見をイラストで解説しましょう。初めのイラストは正常所見です。前立腺は膀胱と接しています。膀胱出口は通常閉じていますから、一見不明瞭です。膀胱縦走筋である排尿筋は膀胱出口に向かっています。

Bphecho3 慢性前立腺炎の患者さんのエコー所見は2枚目のイラストです。前立腺の大きさに関係なく、形の変化に注目します。
❶膀胱出口部分が膀胱側に突出します。
❷膀胱出口がVの字に常に開いています。
❸膀胱出口が突出したので、相対的に膀胱三角部が厚くなります。
❹排尿筋の走行が乱れ厚くなります。
❺前立腺のエコー側面像では、正常では膀胱括約筋は見えません。排尿障害が増強すると、膀胱括約筋が肥大して、エコー側面像で確認できるのです。
❻前立腺結石、前立腺周囲の静脈瘤は慢性的排尿障害の結果です。
❼膀胱三角部から膀胱出口にわたって粘膜の硬化像が認められます。

Ec3237113795451c978756e36c35b4aa 以上の所見がどれか一つでも認められれば、排尿障害長期間潜在化していると考え、排尿障害の治療を行うと、慢性前立腺炎症状は軽快します。

写真は慢性前立腺炎の患者さんのエコー所見です。イラストを覚えていれば、すぐに判断できますね。

また、これらの所見は、前立腺肥大症、神経因性膀胱、PSA高値の患者さんの所見と共通です。つまり何十年もの排尿障害が存在したと考えます。

 

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間質性膀胱炎の真実

間質性膀胱炎は原因不明で難病指定にもなっています。原因不明は実は間違いです。

間質性膀胱炎の原因は、患者さんが自覚しない軽度の排尿障害が原因なのです。患者さんが自覚しないから、医師も調べないで原因不明も間質性膀胱炎と診断するのです。

9e3a89b714fb48699af37528a9de76e8 エコー検査でで膀胱出口を観察すると、長期間の排尿障害の後遺症による変形が認められます。
❶膀胱三角部の肥厚
❷膀胱排尿筋も変形
❸膀胱括約筋の肥大
❹膀胱出口粘膜の硬化像
❺膀胱出口周囲の静脈瘤

2枚の写真は、間質性膀胱炎と診断され、治らないで悩まれたご婦人のエコー所見です。

Bc9d71d685114a3cb18f7cf22c20e28d画像診断だけの⑴以上の所見が一つでもあれば、長期間の排尿障害が認められるのです。ですから、積極的に排尿障害の治療をすべきです。
α1-ブロッカーである①ユリーフ・シロドシン②ハルナール・タムスロシン③フリバス④エブランチルのどれかを処方します。

⑵様々の関連症状である頻尿・尿意切迫感・尿失禁・痛み・激痛・痒み・痺れなどいろいろあります。その症状は膀胱三角部の感覚なのです。正常であれば、単なる尿意・頻尿です。ですから頻尿の治療薬であるβ3作動薬である①ベタニス②ベオーバを処方します。

地元の医師は、泌尿器科学会の発行している「ガイドライン」しか信じません。この考え方を教えても、患者さんを集めるため、金儲けのためだと、否定されます。……ゴメンなさい。エコー検査をしても写真の1/10の一般的な画像を見て、『異常無し』と思うのです。大学病院では、泌尿器科医ではない画像診断だけのエコー専門の医師が見ているだけですから、やはり異常無しと思うのです。

 過活動膀胱、膀胱疼痛症、鬱血性骨盤疼痛症候群、神経因性膀胱、慢性前立腺炎の全てが、同じ原因です。

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間質性膀胱炎の対処法

遠方で当院に来院できない方への助言です。

以前から間質性膀胱炎の原因について、私のブログで詳細に解説しています。その原因が次の通りです。
❶排尿の膀胱出口にある膀胱括約筋と、尿道括約筋のバランスが乱れる。
❷膀胱括約筋が十分に開かないで排尿するので、腹圧の物理的負荷が膀胱括約筋にかかる。
❸何十年と毎日繰り返されると、当然の生体反応として、膀胱括約筋が肥大する。
❹膀胱括約筋が肥大すれば、膀胱出口は尚一層と開き難くなる。
❺排尿時に膀胱内圧が上昇する。
❻膀胱内圧の上昇=尿がパンパンに溜まった=尿意切迫感→頻尿=過活動膀胱になる。
❼膀胱内圧の上昇→膀胱三角部に負荷→尿意+痛み→間質性膀胱炎になる。

以上の事から分かるように、排尿障害が間質性膀胱炎の根本原因なのです。しかしながら、一般の泌尿器科医は原因不明の炎症と思っているので、排尿障害の治療薬を処方してくれません。そこで、地元の医師に次のようなウソを言ってください。
「オシッコが出にくいのです。」「過去に神経因性膀胱と診断されました。」

このように告げれば、排尿障害の治療薬であるα1-ブロッカーであるエブランチルと、β3作動薬であるベタニス・べオーバを処方してもらえるでしょう。

 

 

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触診の価値

Gigital 多くの泌尿器科医師が、PSA値が高くなった初診の患者さんに対して、前立腺の触診をしません。触診で確認出来ても出来なくても針生検で診断できるのだから、患者さんの肛門に指を入れて触診をするなんて無駄だと思っているのでしょう。

しかし、患者さんにとっては、入院して麻酔をかけて針生検をして、術後に出血をしたり急性前立腺炎や慢性前立腺炎になる患者さんが多くいます。ガンの発見だけを優先にしている事が常に正しいとは限らないのです。ステージ(Ⅰ)であれば、多くの患者さんは健康のヒトと寿命は同じです。

触診で判明することは、イラストの通りです。
❶硬さ
ⅰ)前立腺の硬さ、ⅱ)前立腺肥大症の硬さ、ⅲ)石の硬さに区別できます。正常の前立腺の硬さは低い悪性度でグリソン・スコアが5以下です。前立腺肥大症の硬さは中間の悪制度で、グリソン・スコアが6〜7程度です。石の硬さの悪性度は高く、グリソン・スコア8・9・10です。
❷表面の形状
ⅰ)滑らかなな場合は、ガン組織が前立腺を超えていないのでステージ(Ⅱ)になります。ⅱ)凸凹している場合は、悪性度が高く前立腺組織を超えていると考えステージ(Ⅲ)以上でしょう。

❸拡がり方
ⅰ)前立腺の右側だけか左側だけの場合は、悪性度が低めでステージ(Ⅱ)でしょう。ⅱ)左右両側に存在する場合には悪性度が高くステージ(Ⅲ)以上と判断します。

どうですか? 触診だけで、一瞬にして、かなりの情報が得られるでしょう。これだけで治療を開始できますね。私のマイルドな治療を開始すれば、悪性度が高くならない副作用も少ないのです。私の治療法は近日ご紹介致しましょう。

針生検で悪性度を確認しなくても、触診で判明するのです。しかしながら、触診で触れないガン細胞が稀に存在します。ある意味でステージ(1)です。その場合は、半年に一回の頻度で経過観察すれば良いのです。

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