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膀胱出口の欠点

Bladrect_2 膀胱と直腸は、一卵性双生児なのです。胎児4週目に総排泄腔の中央にくびれが生じて、胎児6週目にはドンドンくびれが深くなります。そして胎児7週目に、膀胱が前に、直腸が後ろに完成するのです。


75d150fa02b74e0597a96cb801ffabab 同じ臓器な のにも関わらず、膀胱出口と直腸出口(肛門)が不思議なことに構造的に異なります。その理由は貯めて出す排泄する物が異なるからです。
膀胱出口と肛門の構造を比較すれば理解できます。直腸は大便の塊りを出さねければなりません。そのために肛門は大きく開かなければなりません。そのために、内肛門括約筋と外肛門括約筋が同じ高さの平面状になります。内側の肛門括約筋は常に収縮しているので、随意筋の骨格筋である外側の肛門括約筋が開いてくれると、不随意筋の内肛門括約筋は負けてしまい開いてしまいます。

Bladderactive_20201114101801 ところが、膀胱には、大便と違って液体である尿を溜めなければなりません。ですから肛門と同じ構造では、液体の尿が漏れてしまいます。そこで、液体が漏れ出ないように、内括約筋(内尿道括約筋=膀胱括約筋)と外括約筋(外尿道括約筋)の位置を上下にずらしたのです。肛門のように外括約筋が開くと、内括約筋は容易に開いてしまいます。ところが膀胱出口の場合は、内括約筋と外括約筋が同じ平面に位置していませんから、外括約筋が開いても容易に内括約筋が開く訳がありません。間接的に開いているだけです。

 この状態で長期間・何回も何回も排尿すれば、内括約筋が外括約筋に負けないように、次第に肥大して排尿障害が出現するのは当然です。江戸時代のように平均寿命が50年もなかった頃であれば、排尿障害で悩む人はいなかったでしょう。しかし、現在の日本のように平均寿命が80年も超えるのであれば、8割の人が排尿障害になるのです。その証拠に、80代の男性の8割が前立腺肥大症になるのです。何故かと言えば、前立腺肥大症の原因は、実は排尿障害なのです。

排尿障害があると、スムーズに尿は出ません。出が悪いと腹圧をかけて排尿します。でも、膀胱出口がそのままで十分に開かないのです。当然、膀胱の圧力が前立腺に負荷がかかります。腹圧の負荷に負けない様に、生体反応として前立腺が大きく硬くなるのです。それが前立腺肥大症の原因です。

 女性の場合、中高年齢の34.5%の人びとが腹圧性尿失禁、切迫性尿失禁になるのです。その理由は、膀胱出口が十分に開かないと、無意識に腹圧をかけて排尿します。前立腺はないので、問題ないと思いますよね?しかしながら、何十年もかけて、排尿のたびに腹圧をかけると、膀胱が骨盤の正常の位置から下に移動します。同時に尿道括約筋の位置も下に移動するのです。排尿が出にくい位置の膀胱出口は下がると、膀胱出口が開きやすくなるのです。また、尿道括約筋も下に移動すると、尿道括約筋が閉じなくなるのです。結果として、咳やクシャミなどで腹圧性尿失禁になるのです。

以上に事から分かるように、人間は年齢を重ねれば重ねるほど、排尿障害になるのです。それが膀胱出口の欠点なのです。高齢者が多くなった日本では、それまで地味だった泌尿器科が、繁盛するのは当然です(笑)☺️。男性の場合は前立腺肥大症・PSA高値・慢性前立腺炎・神経因性膀胱、女性の場合は過活動膀胱・間質性膀胱炎・腹圧性尿失禁・切迫性尿失禁が増えてしまったのです。

 

 

 

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