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難病指定の間質性膀胱炎の患者さん

Ic37779pp 「ハンナ型間質性膀胱炎」の難病指定されたご婦人が、栃木県からはるばるお越しになりました。
6年前に間質性膀胱炎と診断され、これまでに5回も「膀胱水圧拡張術」を受けたのです。当然として治らないので、インターネットで当院を見つけて来院されたのです。

症状は、毎日10回の頻尿と夜3回の夜間頻尿です。そして陰部の痛み、特に尿道口が痛いのです。

 初診時にエコー検査わや行いました。膀胱三角部は盛り上がっています。膀胱出口付近の粘膜は硬化があり、膀胱縦走筋の先端が2つに大きく裂けています。膀胱括約筋も目立ちます。

これらの所見は全て排尿機能障害の後遺症の所見です。にも関わらず、膀胱水圧拡張手術で膀胱を5回も無理やり膨らませただけですから、治る訳がありません。

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  2枚目の写真は、慢性前立腺炎の患者さんのエコー所見です。男性の場合は、前立腺が存在しているので、膀胱出口が膀胱側に盛り上がっています。

 でも、このご婦人患者さんのエコー所見は、まるでこの男性の所見と同じにように前立腺が存在するが如く見えますよね?つまり、排尿障害障害があると、膀胱縦走筋と膀胱粘膜の距離が次第に開き、さらに膀胱括約筋が肥大し、遂には膀胱三角部が肥大して厚くなるのです。ですから、慢性前立腺炎の男性患者さんのエコー所見と、間質性膀胱炎の女性患者さんとのエコー所見が似てしまうのです。

 膀胱出口がこんな状態の膀胱に、水圧拡張手術で病気が治ると思えますか?つまり、間質性膀胱炎は原因不明の膀胱自体の病気ではなく、排尿機能障害による膀胱の過敏さ=頻尿+痛みなのです。

 それなのに、疲れて過敏になった膀胱を物理的に無理やり膨らませる治療に、どう考えても効果が出る訳がありません。その膀胱水圧拡張手術を日本全国の大学病院や有名病院で実施しているのです。医師としては、本当に情けない!

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 さらに膀胱三角部を拡大して90度に回転させて見ると、何に見えますか?宇宙人あるいはゾンビに見えませんか?

 

 

 

Oni3  長期間かけて排尿機能障害で膀胱三角部が、こんなに4も変形しているのです。このような変形の原因である排尿機能障害を治さなければ治る訳がありません。私独自の考え方ですが、いろいろな検査で獣やお化けや怪獣が見えたら、彼らが自己主張してるために症状がドンドン悪化するのだと、私は思っています。

 

 

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