ラジオ放送に出演
6月1日の土曜日の午前10時半に、名古屋のCBCラジオから生放送のインビューを受けました。お相手の北野誠さんは、お笑い芸能人です。電話で直接お話ししました。事前に質問を受け取り、回答を送りました。すると、台本を送って頂きました。インタビューでの会話のやり取りは、台本通りにはいきませんでしたが、ほぼ6割ほどは話せたと思います。しかし私も緊張しましたから、恥ずかしながら多少どもってしまいました。さて、台本の内容は下記のようでした。
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【ズバリこの人に聞きたい!】
2019年 6月1日10時30分~(10分)
ゲスト:高橋クリニック院長 高橋知宏(たかはし・ともひろ)先生
03-3771-8000
「ズバリこの人にききたい」コーナーTM・CI~BG(変更)
加藤:話題の本の著者や、話題の人に、インタビューするコーナーです。
今日のテーマは、「排尿トラブル」です。
ゲストは、書籍「本当はこわい排尿障害」の著者で、日本泌尿器科学会専門医で、高橋クリニック院長の高橋知宏(ともひろ)先生です。
中高年のおよそ半数が、頻尿や尿漏れ、排尿時の痛み、残尿など、何らかの「排尿障害」を抱えているといわれます。
高橋先生は、「膀胱の出口が十分に開かない」ことに着目した治療により、全国から「シモの悩み」を抱えた患者が訪れています。
今週は、「排尿トラブル」をテーマに伺います。
北野:高橋知宏(たかはし・ともひろ)先生です。
電話がつながっています。
ゲスト:(あいさつ)
Q1:排尿障害、排尿トラブル、どんなものがある
*一般的に思われているのは、前立腺肥大症と神経因性膀胱です。しかし、これは排尿機能障害の結果の一部です。
- 排尿機能障害はいろいろな病気を作ります。
慢性前立腺炎、間質性膀胱炎、過活動膀胱、心因性頻尿、膀胱疼痛症などです。他に関連症状として、陰部搔痒症、舌痛症、慢性胃痛症、腰痛症、坐骨神経痛、多汗症、花粉症、過敏性腸症候群、自律神経症などがあります。
Q2:なぜ、排尿障害がおこる?
*発生学的に膀胱と直腸は一覧双生児です。ところが、膀胱出口は液体である尿を溜めなければなりません。結果、個体の大便を溜める直腸の出口=肛門に比較して尿漏れがないような構造=出にくい構造=排尿機能障害になりやすいのです。
また、四足歩行の両生類(3億6000万年前)から二足歩行の類人猿(2800万年前)までに完成した膀胱が、二足歩行になってからの膀胱からすれば期間は短く環境に適応していないのでしょう。
Q3:尿漏れの原因、どんな病気と関係ある?病気じゃない時は?
*腹圧性尿失禁、切迫性尿失禁、追っかけ漏れ、錯覚漏れの4つです。
どちらも排尿機能障害が原因です。
❶腹圧性尿失禁:排尿障害で腹圧を長年かけているので骨盤底筋の位置が下がったので、外尿道括約筋が緩むため
❷切迫性尿失禁:排尿障害で膀胱が過敏になり、尿意を我慢することができなくなり、結果的に条件反射で腹圧をかけ尿が漏れるのです。
❸追っかけ漏れ:排尿障害があると、尿道が反射的に拡張して排尿します。排尿が終わると尿道全体が収縮するのですが、排尿障害が続くと拡張したままになり、男性の場合、尿道の奥が振り切れないので、後から尿が漏れるのです。
❹錯覚漏れ:排尿障害のヒトは頻尿になるのですが、人によって脊髄神経回路の個性によって嘘の漏れ感覚を作るのです。
Q4:頻尿の原因、どんな病気と関係ある?
A:患者さんが自覚するしないに無関係に、排尿機能障害が原因で、膀胱三角部に負荷がかかり過敏になり、それが頻尿を作ります。
先ほど記載した、前立腺肥大症、神経因性膀胱、慢性前立腺炎、間質性膀胱炎、過活動膀胱、膀胱疼痛症などです。
Q5;排尿障害がかゆみの原因に?
A:男性の場合は、陰嚢掻痒症で皮膚炎と誤診されます。ご婦人の場合は、膣の痒みでカンジダ性膣炎と誤診されます。男女共通では肛門の痒みで肛門周囲炎と誤診されます。
診断された系列の治療で治り再発がなければ、診断が正しかったと考えて良いでしょう。しかし、なかなか治らないのであれば、それは誤診と考えます。
排尿障害が原因で膀胱三角部が興奮して脊髄神経回路を介して頻尿になるのが普通ですが、脊髄神経回路の個性によって頻尿にならずに、他の部位の痒み感覚になるのです。
Q6:排尿障害の予防、対策は?
A:もともと人間は発生学的および解剖学的に考えて、排尿機能障害の素因があります。昭和10年(1935年)ごろの平均寿命は50歳に満たなかったので、排尿機能障害の症状は顕在化しませんでした。ところが現在では、平均寿命が80歳を越えて90歳近くにまで延びています。その結果、排尿機能障害の症状が顕在化したのです。
- 予防
排尿の際には、腹圧をかけ息んでオシッコをしないでください。それをやると、膀胱出口に負荷がかかり、膀胱出口がマッチョになり、さらに排尿機能障害が強くなるのです。
- 対策
無知な医師が「血液をサラサラにするために水分をたくさん飲みなさい、出来れば2リットル以上飲みなさい」とテレビで放映してから、多くの人々が水分を多く摂取するようになりました。そのため膀胱に増々負荷がかかり症状が顕在化したのです。水分摂取は出来れば1日1リットル程度に制限してください。ちなみに水分を多く摂ろうが撮るまいが、血液は体内の内部環境ですから「常にサラサラ」です。
「本当はこわい排尿障害」 集英社新書800円+税
北野:高橋先生ありがとうございました。「ズバリこの人に聞きたい」でした。
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