« PSA検診が前立腺ガンを減らすという根拠 | トップページ | グリソンスコア8:悪性度の高い患者さんが治療して6年 »

膀胱水圧拡張手術と膀胱三角部

間質性膀胱炎の治療として膀胱水圧拡張手術があります。
頻尿で苦しむ、敏感で小さく萎縮した膀胱を、水圧で無理矢理風船のように膨らませる治療が膀胱水圧拡張手術です。しかし、この方法は、素人でもチョッと考えれば思い付く短絡的な治療法です。この治療法を行っても効果が継続できるのは、平均で8カ月です。効果が持続しないのは、それなりの理由があるからです。

Img_0879
膀胱で壁が一番厚くて、一番敏感な部分が膀胱三角部なのです。
この部分の敏感さが、間質性膀胱炎の症状を作っているのです。しかし、膀胱水圧拡張手術で膀胱を膨らませても、厚くなって頑丈な膀胱三角部はビクともしません。その代わり、膀胱水圧拡張手術で傷付いてしまった膀胱の他の部分は萎縮し瘢痕化するために膀胱はさらに小さくなります。その結果、膀胱内圧が高まり膀胱三角部を刺激して、症状は益ます強くなるのです。

間質性膀胱炎お究極の治療法が、膀胱摘出術+人工膀胱増設術です。
2010年の泌尿器科学会で、東京大学の報告で興味深いものがありました。
間質性膀胱炎の患者さんで膀胱全摘出術を実施したのが、4例ありました。その内、2例が膀胱を全て除去して人工膀胱を作った患者さんと、他の2例が、膀胱三角部を残して膀胱を切除して、人工膀胱を三角部に縫合した患者さんでした。膀胱を全て除去した患者さんは、症状が取れましたが、膀胱三角部を残した患者さんは症状が取れなかったという報告です。会場の雰囲気は、『そうか…膀胱は全て切除した方が良いんだ…』という感じでした。私ひとり、『…だったら、膀胱三角部だけ治療すれば良いでしょう…』と思っていました。何故、皆んな気が付かないんだろう?と、悶々としていました。

« PSA検診が前立腺ガンを減らすという根拠 | トップページ | グリソンスコア8:悪性度の高い患者さんが治療して6年 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« PSA検診が前立腺ガンを減らすという根拠 | トップページ | グリソンスコア8:悪性度の高い患者さんが治療して6年 »