間質性膀胱炎の問題点
間質性膀胱炎は、難病指定の疾患として、公に認められています。
間質性膀胱炎は、診断基準が設けられており、治療は最終的に膀胱水圧拡張術になります。また、膀胱水圧拡張術を行なっても、平均で8か月で再発します。さらに、膀胱は次第に萎縮小さくなり、最終的には膀胱摘出術+人工膀胱を作られてしまうのです。
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【診断基準】「間質性膀胱炎(ハンナ型)」
A.症状
頻尿、尿意亢進、尿意切迫感、膀胱不快感、膀胱痛などの症状がある。(注)
注)症状には、頻尿、夜間頻尿、尿意亢進、残尿感、尿意切迫感、膀胱不快感、膀胱痛などがある。その種類や程度は多岐にわたるので、症状の特定や程度の規定はできない。
B.検査所見
膀胱内にハンナ病変を認める。(注)
注)ハンナ病変とは、正常の毛細血管構造を欠く特有の発赤粘膜である。病理学的には、上皮はしばしば剥離し(糜爛)、粘膜下組織には血管の増生と炎症細胞の集簇がみられる。ハンナ病変はハンナ潰瘍又は単に潰瘍と称されることもある。
注)膀胱拡張術後の点状出血を認める場合も間質性膀胱炎と診断されるが、今回対象となるハンナ型とは異なり間質性膀胱炎(非ハンナ型)と分類される。膀胱拡張術後の点状出血とは、膀胱を約80cm水柱圧で拡張し、その後に内容液を排出する際に見られる膀胱粘膜からの点状の出血である。
C.鑑別診断
上記の症状や所見を説明できる他の疾患や状態がない。(注)
注)類似の症状を呈する疾患や状態は多数あるので、それらを鑑別する。例えば、過活動膀胱、膀胱癌、細菌性膀胱炎、放射線性膀胱炎、結核性膀胱炎、薬剤性膀胱炎、膀胱結石、前立腺肥大症、前立腺癌、前立腺炎、尿道狭窄、尿道憩室、尿道炎、下部尿管結石、子宮内膜症、膣炎、神経性頻尿、多尿などである。
<診断のカテゴリー>
Definite:A、B、Cの全てを満たすもの。
上記B.検査所見で以下の2型に分類し、間質性膀胱炎(ハンナ型)を対象とする。(注)
①間質性膀胱炎(ハンナ型):ハンナ病変を有するもの。
②間質性膀胱炎(非ハンナ型):ハンナ病変はないが膀胱拡張術時の点状出血を有するもの。
注)①の患者の方が高齢で症状も重症で、病理学な炎症所見が強い。治療方法も異なるので、この2者の鑑別は重要である。
<重症度分類>
日本間質性膀胱炎研究会作成の重症度基準を用いて重症を対象とする。
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これらの症状が、他の多くの病気と共通するにもかかわらず、それぞれの病気の症状が何故出るのかという理由を明言している文献や医師はいません。
それなのに、診断基準でいい加減に診断して、病名を付けている事に疑問を感じます。表目的な所見だけで診断するのが、科学・医学でしょうか?
診断基準に記載されている「点状出血」は、排尿障害の患者さんの内視鏡手術で、よく見掛ける所見です。間質性膀胱炎専門の医師は、ほとんどが内視鏡手術を行わない医師たちですから、寄って集まって、こんないい加減な判断基準を作成したのでしょう。
症状が強く、過敏になっている膀胱を膀胱水圧拡張術で無理やりに膨らませ、膀胱の平滑筋・粘膜・神経・血管を破壊・分断する治療を知的医師の行う行状とは到底思えません。今まで何を修行してきたのか!とお思えて仕方がありません。安易な暴力的破壊的治療は、日本で開発されたものではなく、欧米で考案されたものです。この治療で至るところに傷ついた膀胱は、その傷を必ず治します。平滑筋も粘膜も神経も血管も治ります。ところが、傷は正常に戻る訳ではありません。それぞれが、瘢痕・ケロイドを作りながら治るのです。瘢痕・ケロイドは硬い組織です。膀胱は膨らむ臓器にもかかわらず、そこら中に硬〜い瘢痕・ケロイドが出来ますから、膀胱は膨らまなくなります。さらに瘢痕・ケロイドは痛みが出て、膀胱は小さく萎縮して、症状は強くなるばかりです。
私の考える間質性膀胱炎の周辺疾患のイメージは、この図式の通りです。基本的原因は、軽微な排尿障害です。それが長期に渡って慢性的に繰り返されるので、膀胱出口周辺に形態学的変化が生じ、膀胱の過敏さが様々な形で作られます。その一つ一つの症状の組合せと、診断する医師によって、急性膀胱炎・心因性頻尿・過活動膀胱・間質性膀胱炎・心身症・自律神経失調症・膀胱疼痛症とバラバラに診断されるのです。排尿障害を治療しないから、間質性膀胱炎は難病指定になってしまったのです。
今までに、間質性膀胱炎と診断された患者さんを内視鏡手術で何人も治してきました。もしも、原因不明であるならば、内視鏡手術で治る訳がありません。過去に学会でも発表しました。しかし、学会場での反応は今一でした。医師であっても常識から逸脱することは、なかなか難しいのです。
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