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自転車で会陰部疼痛

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50歳代の患者さんが、慢性前立線炎症状で来院されました。
1997年と2003年の2回急性前立腺炎を発症して治療した経験があります。
2016年2月から、残尿感、頻尿、下腹部の痛みが治りません。慢性前立腺炎と診断されて治療続けていますが変わりません。特に趣味である自転車を乗ると、会陰部疼痛が出現するため自転車に乗れないでいました。
2016年4月に当院受診しました。
超音波エコー検査で、膀胱三角部が突き出ていて粘膜も白く目立っていて、明らかに膀胱頚部硬化症の影響所見です。

Cp34479m53preαブロッカーのハルナール、ユリーフ、フリバスと膀胱三角部の興奮を抑えるベタニスとアボルブを処方しました。
治療により症状は軽快しましたが、完全ではありません。
その後、薬剤を何回か変えましたが、結果は同じでした。
そこで、患者さんは内視鏡手術を強く希望され、実施しました。
予想通り、膀胱頚部硬化症で、膀胱出口の6時の位置が12時の位置まで盛り上がっていて、膀胱出口を狭くしています。この部分の向こう側が症状を作る膀胱三角部です。

Cp34479m53post前立腺は触れずに、膀胱出口の6時の位置と膀胱三角部を処置しました。
写真のように膀胱出口が三角形に開放されているのが確認できます。

術後3カ月で症状は、かなり軽快しました。

以前は趣味の自転車に乗ると、会陰部が痛くて仕方がありませんでしたが、現在は自転車に25kmも乗っても会陰部の痛みはなくなりました。

Cp34479m53prepost尿の勢いも術前に比べて驚くほど勢いが良くなりました。以前は公衆トイレで周囲の人を気にしながらチョロチョロしかオシッコが出なかったのに、今では堂々と人目も気にしないで排尿できます。
術後3カ月の超音波エコー検査でも、膀胱頚部と膀胱三角部が消失しているのが確認できます。

【患者さんの報告】
自分の股間に同居している前立腺が、この様な意志を
持っていたとは!(笑)
この様に持病に対して接せられるのも、先生の施術で
症状が軽快しているからに他なりません。

先日は、術後三ヶ月検診でお世話になりました。
最新型のエコー機でも検査して頂けて、切除された
膀胱頚部がフラットに写っていました。
もちろん、術中のライブでもその瞬間を見ていた訳
ですが、あのエコー写真を見た時に、妙に実感が
湧いたのも事実です。
検診時にもお伝えしましたが、非常に調子が良くて
もう8割から9割近く軽快しています。
本当に感謝しております。ありがとうございました。

それでも、術後二ヶ月くらいまでは、やはり辛い
日々も多々有りました。
そう言う時には、手術の諸先輩の方々の書き込みを
拝読しては、励みにして来ました。

先生も言われていた様に、その症状は百人百様。
同じ経緯をトレース出来るはずもないですが、
それでも経過の似ている方を励みにしていた処、
二ヶ月目を境にしてみるみるうちに症状が軽快して
行ったのは驚きでした。

先生のブログを読んでいる患者さんたちの中にも、
今この瞬間に辛い症状を耐えている方がたくさん
おられるかと思いますが、少しでも自分の「治る」
と言う体験が励みになってもらえたら、と思います。

まだこれから症状の波は襲ってくるかも知れませんが、
先生のアドバイスを守ってコントロールし、この
持病と上手く付き合って行くつもりです。

定期診察時に面白く奥深いお話を聞かせて下さい。
また、先生ご自身のお身体も、くれぐれもご自愛
下さいませ。
お腹のカテーテルが抜けたからと言って、露天風呂
とかではしゃいではいけませんよ(笑)

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