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急性副睾丸炎と慢性副睾丸炎

男性患者さんで、睾丸を痛がる男性をみることが時々あります。
片側の睾丸がパンパンに腫れていて、発熱のある患者さんです。触診で触れると硬くなっていてとても痛がります。睾丸と副睾丸の境界線がなくなっていて副睾丸が腫れています。
この状態が急性副睾丸炎というものです。治療は積極的な抗生剤の投与と睾丸部の冷却です。副睾丸の腫れは、長い人であれば3か月くらい続きます。
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問題になるのは、睾丸が痛くなったにもかかわらず、睾丸は腫れてもいず、左右差がなく、熱も出ていない状態の慢性副睾丸炎と診断される患者さんです。抗生剤を長期に投与されても痛み症状は改善しないのです。ここに挙げた症例もそのような患者さんです。

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下部尿路症LUTS(Lower Urinary Tract Syndrome)

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下部尿路症と言われる症状は、ここに挙げるいろいろな代表的な症状があります。
始めの2つが排尿困難が原因の症状です。
次に挙げる赤線で囲んだ3つの症状は、主に尿意にかかわる症状です。
最後に痛み系の症状があります。

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頻尿と排尿障害

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前回、尿意について解説しました。今回は頻尿などの病的症状が、前立腺肥大症などの排尿障害でなぜ起きるのかを解説しましょう。
ネズミの尿道をしばり、排尿障害を人為的に作ります。何もしないコントロール群と8週間しばり、その後開放して6週間経過したネズミの膀胱を電子顕微鏡で観察します。右がコントロール群で左が排尿障害群の膀胱平滑筋の様子です。
排尿障害群の膀胱平滑筋の細胞の核が消失しています。

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尿意の秘密

1日に10回も20回もトイレに行かれて頻尿で苦しんでいる人からすれば、毎日何回も感じている尿意を泌尿器科医は熟知していると思うでしょう?
ところが、泌尿器科医を始めとして医学にたずさわるすべての人間で、膀胱のどこが尿意を感じているのか証明できる人はいません。理由が分からないにもかかわらず、尿意を抑える治療薬は存在するのです。おかしな話です。ここでは、先日の講演会で私が話した事を中心に「尿意」について解説しましょう。
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専門書によると、尿意はイラストのような仕組みで感じています。
つまり、膀胱粘膜が伸展すると、アセチルコリンAchやアデノ三リン酸ATPなどの生物活性物質が放出され、裸の膀胱感覚神経を刺激して尿意を知覚するというものです。

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