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尿意と便意

Trigonhasei便秘をすると尿意が頻繁に感じることがあります。また、頻尿の患者さんには便意も生じることがあります。
尿は腎臓・尿管・膀胱・尿道という泌尿器を通過し、大便は食道・胃・小腸・大腸・直腸という消化器を通過します。臓器は別の役割を担っているのに、不思議に思われる方も多いでしょう。
その答えのヒントになるのが、右の発生学のイラストです。
胎児の発生初期には、「総排泄腔」という袋状の臓器があり、そこに胎児の老廃物(尿・消化管液)は集められ、へその緒を通じて母体に捨てられていました。
胎児が成長すると、総排泄腔の中央あたりに「尿直腸中隔」という壁が延びてきて、膀胱と直腸を上下に分割するのです。結果として総排泄腔の上が膀胱に、下が直腸になります。膀胱も直腸も元々は一つの臓器だったので、脊髄レベルでは神経支配が本当に隣り合わせです。中には膀胱と直腸の神経が一部共用している人も存在するので、尿意と便意が密接に連動する人がいるのです。

この知識があれば、日常生活を快適にするのに応用できます。
前立腺肥大症などの排尿障害がある人は、便秘に注意しましょう。直腸に溜まっている大便を出そう出そうと身体が思うと直腸を刺激しますから、その刺激が膀胱をも刺激し頻尿や残尿感になります。逆に直腸が大便を保持しようと頑張ると、膀胱括約筋も頑張ろうとするので排尿障害が強く出ます。

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コメント

骨盤底筋を鍛えるために肛門、膣を締める体操をしていますが排尿障害がある場合には止めた方が良さそうですね。
膀胱括約筋も頑張ってしまいそうです。

尿漏れ予防と排尿障害・・・・対応は相反するようですね。どうしたらいいものでしょうか?悩みます。

【高橋クリニックからの回答】
骨盤底筋を鍛えても、膀胱括約筋は鍛えられませんから心配入りません。
なぜなら、膀胱括約筋は内臓の筋肉ですから、鍛えられません。
「腹筋運動したら胃が鍛えられる」という間違いと同じです。

投稿: | 2008/08/20 21:48

ありがとうございました。
膀胱括約筋は鍛えられないのは良く分かりました。

常に肛門、膣を締めていると尿道がリラックスしないので
排尿障害の人にはやはり悪影響があるのではと心配してしまいますが、心配しなくても良いという事ですね?

投稿: | 2008/08/26 21:46

今日赤い血尿が初めてでました。出終わりのほうでです。どのような症状が考えられますか?現在19歳です

高橋クリニックからの回答
急性前立腺炎です。
あるいは、膀胱出口周囲の静脈瘤でしょう。
地元の泌尿器科を受診してください。

投稿: たかし | 2009/03/30 14:31

40歳・男性です。10日程前から、辛いものを食べた翌日の様に、肛門の出口辺りに熱を感じます。そして、便意と尿意が同時にきます。尿を出した後、すぐに便意が生じたり、同時に生じます。尿を出す際に、痛みはありませんが、尿道に熱さを感じます。また、勃起すると急に便意が生じ、その際は下痢の時の様な便意ですが、便の状態は正常です。(下痢ではない。) 前立腺がんや直腸がんの症状にも同じものがある様なので、早速病院に行く予定ですが、泌尿器系か消化器系(直腸)のどちらが適していますか。また、今の状態から何の病気の可能性がありますか。尿・便には血は混じっておりません。

【回答】
慢性前立腺炎症状でしょう。
http://hinyoukika.cocolog-nifty.com/cp/
をご覧下さい。

投稿: りょうじ | 2009/07/20 02:28

80代の男性です。私の父親なのですが、先日まで心不全で入院していました。自宅に連れて帰ろうと思うのですが、元々自宅では自分で尿器を使って排尿していました。でも、入院してから、看護婦さんに聞くと尿意が無いのでオムツに失禁していると言われました。
便は今まで通り、便意をもよおしてトイレまで連れて行ってもらい、排便しているようですが。
尿意と便意は別ものなのでしょうか?私の勝手なイメージでは尿意があれば便意もあるのでは?と考えてしまいます。
【回答】
尿意は膀胱と前立腺の知覚です。
便意は直腸の知覚です。
発生学的に直腸と膀胱は兄弟ですから、その中枢は脊髄で近接しています。
しかし、長男と次男が別人格であるように、各々独立自立しています。」

父も高齢なので、ある程度の物忘れはありますが、トイレで行えないにしても、これまでのように尿器を使用して自分で行えるようになるものでしょうか?
【回答】
恐らく、前立腺肥大症などの強い排尿障害があり、そのため尿意が強くなり過ぎて、逆に尿意が消失したと考えます。
「陰極まれば陽になり、陽極れば陰になる」というイメージです。
積極的な前立腺肥大症や排尿障害の治療を行えば尿意は回復するでしょう。

投稿: | 2014/11/06 10:48

80歳尿失禁の患者さん、「陰きわまれば陽・・・」のいい加減な答えは話になりません。少しは勉強して答えなさい !
尿意喪失は、おそらくオムツによる尿意の最高中枢、前頭葉機能の低下によるもので、脳の廃用障害に近いものです。脳のDopamine賦活性のアマンタジン50mgから100ー150mgを勧めます。

投稿: 田中 | 2017/01/11 14:57

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