« 2008年2月 | トップページ | 2008年11月 »

尿意と便意

Trigonhasei便秘をすると尿意が頻繁に感じることがあります。また、頻尿の患者さんには便意も生じることがあります。
尿は腎臓・尿管・膀胱・尿道という泌尿器を通過し、大便は食道・胃・小腸・大腸・直腸という消化器を通過します。臓器は別の役割を担っているのに、不思議に思われる方も多いでしょう。
その答えのヒントになるのが、右の発生学のイラストです。
胎児の発生初期には、「総排泄腔」という袋状の臓器があり、そこに胎児の老廃物(尿・消化管液)は集められ、へその緒を通じて母体に捨てられていました。
胎児が成長すると、総排泄腔の中央あたりに「尿直腸中隔」という壁が延びてきて、膀胱と直腸を上下に分割するのです。結果として総排泄腔の上が膀胱に、下が直腸になります。膀胱も直腸も元々は一つの臓器だったので、脊髄レベルでは神経支配が本当に隣り合わせです。中には膀胱と直腸の神経が一部共用している人も存在するので、尿意と便意が密接に連動する人がいるのです。

続きを読む "尿意と便意"

| コメント (6) | トラックバック (0)

脊髄腫瘍による神経因性膀胱 コメント相談より

「神経因性膀胱は治らない?」にコメント相談がありました。
内容がとても重いので、ここで詳細に回答します。
少しずつしか回答できませんので、お待ち下さい。
------------------------------------------------------------------
【相談】
去年の夏に“脊髄星状細胞腫”と診断され、手術をしました。
その際に“T12-L1”の位置を一部骨切りをし、腫瘍を除去しようと試みました。
しかし、病理検査の分しか、取れませんでした。
その時に、神経に触れたのか、徐々に下肢に麻痺が出現し、歩く事(立位も)が出来なくなり、寝たきり状態になりました。
今年の4月には、排泄障害も出てきました。
症状が出る、数時間前までは、尿意があり、尿器に出てましたが。
その後、尿意が無くなり、失禁状態になりました。
数日後になると、今度は出なくなり、腹部の膨満感が酷く、バルーンを挿入すると、一気に“3000cc”ほど出ました。
それからは“バルーン”を留置しています。
今は尿意・便意は無く、時々“ペニス”が「ザワザワする」と言ってます。
脊髄の病気になると、一度機能が停止した部分は、戻らないと聞きましたが、かすかに感覚がある!?以上は、望みを途絶えたくないと思ってます。
このような症状でも、尿意が戻り、自尿が出るようになりますか?
彼はまだ“・・歳”です。

長くなりまして、申し訳ありません。
------------------------------------------------------------------
【高橋クリニックからの回答】
星状細胞腫は、通常頭蓋内脳腫瘍の10%を占める腫瘍です。予後は様々で、頭蓋内の場合、外科的全摘出は不可能とされています。放射線感受性がないことが多いので、放射線治療は期待が持てないようです。
脊髄腫瘍の場合、硬膜内と硬膜外のどちらかに局在します。侵された脊髄レベルの症状が徐々にみられます。
硬膜外の場合は早い時期に神経根症状として痛み症状が顕著に表れます。
腫瘍の成長により、脊髄の圧迫・動脈静脈の閉塞による虚血、硬膜内・脊髄内の場合は直接浸潤による脊髄障害が出ます。

ご主人の症状に「痛み」が強く表現されていないので、おそらく脊髄内の星状細胞腫と思われます。
この病気の特徴から次第に麻痺や神経障害が出現するので、手術をしてもしなくても、必ず現在の症状になったと思われます。ですから、執刀医を責めたり、手術に対して後悔することは止めましょう。

腫瘍病変部が「T12とL1」という事実から、・・・

続きを読む "脊髄腫瘍による神経因性膀胱 コメント相談より"

| コメント (10) | トラックバック (1)

« 2008年2月 | トップページ | 2008年11月 »