重複腎盂尿管
患者さんがドクターショッピングをなさり、色々な病院でいろいろな検査を行ってきます。
ほとんどが無駄な検査で、「数打てば当る」的な発想です。検査をオーダーした医師の力量のなさがうかがい知れます。
大学病院や高度医療機関でさえもそうですから、私も注意しなければなりません。
慢性前立腺炎と診断されて悩まれた患者さんが、大学病院を点々とさまよい、その間に、数多くの検査を受けた後、高橋クリニックに来院されました。
慢性前立腺炎の原因は探し当てたのですが、患者さんが持参された写真がとてもきれいだったので、ここでご披露しましょう。
この写真は、排泄性尿路撮影です。造影剤を静脈注射して時間を追ってレントゲン撮影するというものです。
この検査でたまたま「左重複腎盂尿管」が指摘されたのでした。腎盂尿管は、一つの腎臓に一つが原則ですが、先天的に一つの腎臓に二つ持っておられる方がいます。
重複腎盂尿管はそれほど珍しいものではありません。
ただ、検査・診断・治療の際に、病状を修飾することがあり、臨床の現場で医師を混乱させることがあるので注意が必要です。
上の写真は造影剤を使用した普通のレントゲン写真で、右の写真をコンピューター処理した立体画像です。きれいでしょう?画像をクリックして大きな画像でお楽しみ下さい。
ただし、この検査は、この患者さんと大学病院の医師には何の役にも立ちませんでした。
私には、重複腎盂尿管以外に重要な情報が得られましたが・・・秘密です・・・。
| コメント (8) | トラックバック (0)
最近のコメント