尿管結石
61歳の男性患者さんです。10年前に尿道腫瘍(癌)を私が内視鏡で治療・切除しています。その後、定期的に経過を追っています。11月になって尿が汚れ、頻尿になったと訴えておられるので、腫瘍再発が頭の中をよぎったこともあり、今日11月25日(木)に膀胱鏡検査を行いました。
幸いにも、尿道腫瘍の再発は認められなかったのですが(ホッと一安心!)、左の尿管口の後がなぜか異常に膨瘤しています。
尿管腫瘍か?と思った時に... 私の視野に左尿管口から黒いものがチラッと見えているではありませんか!
近づいてよ~く見ると、尿管結石が膀胱内に出掛かっている出産場面です。26年間泌尿器科医を生業にしてこのシーンは初めてです。結石が顔を出したり引っ込んだりを繰り返しています。なかなか出てきません。
業を煮やして結石鉗子で摘もうとするも、滑ってしまってつかめません。「押してだめなら引いてみな」の逆で、「引いてダメなら押してみな!」を試み、結石の背後から尿管口に向かってしごいたら、ニュル~ッポンと出てきました。
鉗子で「しっかり捕まえた!離さないぞ!」という感じで、取り出してきました。結石の大きさは、7mm x 4mm x 3mmの大きさです。ヤレヤレでした。患者さんは仙骨神経ブロックをしているので痛みもなく無事にご帰還です。
尿管結石のリアルタイムでは初めての出産シーンでした。
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