このブログのガイド

このブログは泌尿器科に関する情報を私というフィルターを通していろいろ解説しています。

慢性前立腺炎
難治性の慢性前立腺炎をとことん追求しています。

間質性膀胱炎
原因が不明の間質性膀胱炎を専門の研究者とは異なる観点から研究しています。

前立腺肥大症
ありふれた病名、前立腺肥大症ですが、調べると奥が深いのです。

包茎・包茎手術
若い男性の悩みの包茎について解説しています。

性行為感染症・性病
STD・性行為感染症・性病について正しい知識が持たれないために、誤解され、うつ病になる方もいます。正しい情報を写真付きで公開しています。「百聞は一見にしかず」です。

フォアダイス・真珠様陰茎小丘疹・膣前庭乳頭症
性の悩みの種の一つでも解決できますように。

開業医こぼれ話
クリニックを開業して20年以上も経過すると、さまざまなことを見聞きします。

代替医療の光と影
現代医療では軽んじられている医療、代替医療にスポットライトを当ててみました。

トワイライトゾーン
世の中には不思議なことがいっぱいあります。私が見聞きしたことを可能な限り正確に描写しました。
泌尿器科とは、全く無関係です。

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陰門掻痒症・陰嚢掻痒症・陰部掻痒症・陰裂掻痒症・肛門掻痒症・肛囲掻痒症

病名はいろいろありますが、要するに人に見せない大事なところが無性に痒い病気です。
原因として、精神的ストレス、糖尿病、カンジダ、前立腺肥大症、前立腺ガン、子宮筋腫、ギョウ虫、痔、神経症など考えられるあらゆる原因を医師によって告げられますが、その治療を行ってもなかなか治らないのが、現状です。

以前にも、「陰嚢のかゆみ」について述べました。

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メール返信できないあなたへ

高橋先生
突然のメールで恐縮ですが、私の陰茎部が添付写真のように腫れあがり、かなりの痛みを伴っています。
経緯は、20代中ごろ発生し(小指の頭位大きさ)泌尿器を受診「液」を注射針で抜いて貰いました。40台前半でも同様の治療をしました。
3週間ほど前、かなり腫れてきたので、泌尿器科を訪ねたところ「皮膚科」に回され、当院では手術できないと言われたので、注射針で抜いて貰いました。写真の黒い点2箇所は針の跡です。
治療後?3週間で腫れあがり、昨晩は痛みで眠れない状況です。(抜いた晩も赤く腫れあがり翌々日受診、徐々に腫れはひけました) 昨日、掛かりつけの医師より紹介頂いた病院でMRIを撮り1週間後に来診の指示ですが、痛みを我慢できません。
表皮の中の「袋」がパンパンに張って、衣類に当たるだけでも痛みが出、腫れ具合も亀頭の大きさ近くになっています。(時間に比例して大きくなります)
本日が日曜でなければ、今すぐにでも走って先生の受診を受けたいと望んでいます。
痛みで眠れなく、ネット情報を求めて先生のページにたどり着きました。アドバイス頂けましたら大変嬉しいのですが…。
何卒よろしくお願い申し下ます。 
62歳のオヤジです。

【回答】
4月19日にメールをいただいたMTさんへの回答。

メールがあなただけに返信できません。プロバイダーの相性が悪いのか?理由が分かりません。
そこで、ここに回答します。

写真を拝見しました。おそらく陰茎のう胞でしょう。先天性の良性疾患(袋)です。
手術で袋を除去すれば治るでしょう。

お大事に。


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治らない亀頭包皮炎の理由

他の医療機関で治療したが治らないと来院する若者(中には中年も)が多くいます。
病気は亀頭包皮炎です。ほとんどの患者さんがカンジダ性亀頭包皮炎です。

Candida【実験シャーレで培養されたカンジダ菌】
カンジダはカビ・真菌です。カビは植物に分類される病原体あるいは常在菌です。私たち人間は動物細胞の集合体である多細胞生物です。動物細胞は、原初のころ、葉緑体で光合成をおこないエネルギーを産生する植物細胞に全面的に依存していた存在ですから、動物細胞の究極体である人間は、植物細胞の血をひくカビ・真菌を攻撃・拒絶・否定することはできないのです。そのためカビに対して免疫を持っていません。

Candida16118243【患者さんの分泌物から採取したカンジダ菌】
では、なぜ我々人間は全身カビだらけにならないのでしょう。
それはバイ菌(細菌)のお陰なのです。人間の体には無数のバイ菌とカビとウィルスが一つの宇宙を形成しています。そして各々が微妙なバランスで拮抗して安定しているのです。特にバイ菌とカビは二大勢力です。

何かの原因でこのバランスが崩れると、どちらかが勢力を拡大し秩序が保てなくなります。この秩序の乱れを体が感知し炎症を起こします。
バイ菌が勢力を拡大した時には、白血球免疫(先天免疫)が働いてバイ菌を殺してくれます。しかし、カビが勢力を拡大したときには、白血球免疫や抗体免疫(獲得免疫)がいくら働いても、カビを殺すことができません。カビを殺せなくても、無駄だとわかっていてもバランスが崩れている間は炎症が止むことはありません。つまり延々と炎症は続き悪化していきます。

この現象は亀頭包皮炎についても同じことが起きます。それがカンジダというカビが原因のカンジダ性亀頭包皮炎です。
患者さんは一生懸命にペニスを洗います。石鹸を使いただひたすらに洗うのです。実はこの洗い過ぎがカンジダ性亀頭包皮炎の治りを悪くしている原因でもあります。「洗い過ぎが原因?」と不思議に思うでしょう。これには次のような訳があるのです。
石鹸で洗ってきれいになるのはバイ菌だけです。植物であるカビ(カンジダ菌)は、皮膚に根がはっていて洗っても取れません。結果としてバイ菌だけがいなくなりカンジダ菌は残るのです。カビとバイ菌の勢力バランスは崩れ、カビだけがドンドン増殖します。カンジダ性亀頭包皮炎は一層悪化します。

泌尿器科医や皮膚科医がファーストチョイスとして処方する軟膏、リンデロンVG軟膏やゲンタシン軟膏は、バイ菌の炎症を抑えるための治療薬ですから、カビであるカンジダ菌には効き目がありません。効き目がないどころか、バイ菌を殺してしますので、カンジダ性亀頭包皮炎はますます悪化します。

では、カンジダ性亀頭包皮炎の治療法について説明しましょう。
まず、おチンチンを洗い過ぎないこと、石鹸は絶対にダメです。お湯でササッとすすぐ程度にして下さい。洗えば洗うほどカンジダ性亀頭包皮炎は治らないと心に念じましょう。

薬は水虫の薬を塗ります。お勧めは「ラミシール軟膏」です。「ラミシールクリーム」が医師の処方箋なしに薬局で購入できます。医師の処方する「ラミシール軟膏」に比較して濃度が薄いですが効果があるでしょう。1日2回薄く(本当に薄く)縫って下さい。経過が長い人は、カンジダ菌が皮膚深くまで根をおろしていますから、3ヶ月くらいは辛抱強く治療を続けましょう。

カンジダ性亀頭包皮炎には3つのタイプがあります。
【1】亀頭の皮膚表面に赤い点々の発赤タイプ
【2】亀頭環状溝に白いカスがたまるウェットタイプ
【3】亀頭表面がパリパリの感じの乾燥タイプ
どれも治療は同じです。

感染症の本質についてお知りになりたい方は、別のテーマで解説いていますから、そちらをお読み下さい。

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両側尿管瘤 Ureterocele

以前に、「慢性前立腺炎の周辺疾患」として解説しています。重複しますが、再度ここで解説します。

6ヶ月前から、おしっこが途中で突然止まり、会陰部痛が出るようになった28歳の男性です。
大阪の地元の市立病院泌尿器科を受診し、「慢性前立腺炎」と診断されました。抗生剤(クラビット)の投与を受けましたが治りません。
そこで当院を受診しました。検査を実施すると全く違う事実が判明しました。
Ureterocele22398m2832din一般的な超音波エコー検査で、尿管口に袋状の物体が観察でき、その袋が収縮・拡張を繰返しています。

Ureterocele22398m282invert3D画像で確認すると、膀胱壁内の尿管も拡張しているようです。

Ureterocele22398m2853dpp3D画像で、膀胱三角部を中心に観察すると、右の写真のようです。
これは両側尿管瘤といって、尿管口が何らかの原因で狭くなり、尿管の末端が風船のように膨らんでしまったのです。

Netterureterocele医学専門書に掲載されているイラストです。【ネッタ・チバコレクションから】
上記のように解説してもなかなか理解できませんが、イラストを参考にするとイメージできるでしょう。

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若者の尿失禁

二十歳の男性が、2週間前から寝具を濡らすほどのお漏らしをしたと、近所の開業医の医師から紹介されました。
紹介状には下着が濡れる程度と記載がありましたが、本人の訴えはもっと深刻で敷布団がビッショリだというのです。
Overflowincont22701m20p右の写真は超音波エコー検査の所見です。
膀胱・前立腺を側面から観察している所見です。膀胱出口から前立腺部尿道にかけて開いている(赤い矢印の間)のが確認できます。前立腺部尿道が開いているのです。膀胱には100mlほどしか尿がたまっていませんから、通常であればこの部分は閉じていなければなりません。
Bns18317m20e右の写真は、二十歳の別の患者さんの超音波エコー検査の所見です。
上の写真の所見と比較して一目瞭然でしょう。前立腺部尿道が確認できません。排尿時以外は閉じているのが正常なのです。(実はこの写真にも異常所見がありますが、今回のテーマではないので説明は割愛します。)

Overflowincont22701m20p2右の写真は膀胱・前立腺を正面から観察している所見です。1番目の写真の所見と同じく前立腺部尿道(赤い矢印の間)が開いています。
1番目の写真と右の写真の緑の矢印は、拡張した静脈を示しています。排尿障害が存在すると、膀胱・前立腺周囲に排尿時に相当の負担がかかります。すると静脈が圧迫を受け静脈圧が高くなり、次第に静脈が拡張するようになります。
超音波エコー検査で膀胱・前立腺周囲に静脈が拡張した状態で確認できた場合は、「瘀血(おけつ)」や「うっ血」などと悠長なことを言っていないで、排尿障害の治療をすぐに始めなければなりません。
漢方や東洋医学が得意な医師は、「瘀血」や「うっ血」が原因で症状が出現すると誤解して、漢方薬の桂枝茯苓丸などの駆瘀血剤を処方します。しかし、瘀血やうっ血は、「原因の所見」ではなく、「結果の所見」ですから、治療が今ひとつにならざるを得ません。大雑把な診断は、治療の妨げになります。(目の前の結果=原因と誤解する医師はとても多いのです。)

治療として、この患者さんに排尿障害の治療薬であるα-ブロッカー(エブランチル)を処方したところ、薬の服用を続けている間(1ヵ月)は、尿失禁はなかったという結果になりました。しかし、薬を自己中止したら、再び尿失禁をしたので、あわてて薬の処方に来院されました。

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尿意と便意

Trigonhasei便秘をすると尿意が頻繁に感じることがあります。また、頻尿の患者さんには便意も生じることがあります。
尿は腎臓・尿管・膀胱・尿道という泌尿器を通過し、大便は食道・胃・小腸・大腸・直腸という消化器を通過します。臓器は別の役割を担っているのに、不思議に思われる方も多いでしょう。
その答えのヒントになるのが、右の発生学のイラストです。
胎児の発生初期には、「総排泄腔」という袋状の臓器があり、そこに胎児の老廃物(尿・消化管液)は集められ、へその緒を通じて母体に捨てられていました。
胎児が成長すると、総排泄腔の中央あたりに「尿直腸中隔」という壁が延びてきて、膀胱と直腸を上下に分割するのです。結果として総排泄腔の上が膀胱に、下が直腸になります。膀胱も直腸も元々は一つの臓器だったので、脊髄レベルでは神経支配が本当に隣り合わせです。中には膀胱と直腸の神経が一部共用している人も存在するので、尿意と便意が密接に連動する人がいるのです。

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脊髄腫瘍による神経因性膀胱 コメント相談より

「神経因性膀胱は治らない?」にコメント相談がありました。
内容がとても重いので、ここで詳細に回答します。
少しずつしか回答できませんので、お待ち下さい。
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【相談】
去年の夏に“脊髄星状細胞腫”と診断され、手術をしました。
その際に“T12-L1”の位置を一部骨切りをし、腫瘍を除去しようと試みました。
しかし、病理検査の分しか、取れませんでした。
その時に、神経に触れたのか、徐々に下肢に麻痺が出現し、歩く事(立位も)が出来なくなり、寝たきり状態になりました。
今年の4月には、排泄障害も出てきました。
症状が出る、数時間前までは、尿意があり、尿器に出てましたが。
その後、尿意が無くなり、失禁状態になりました。
数日後になると、今度は出なくなり、腹部の膨満感が酷く、バルーンを挿入すると、一気に“3000cc”ほど出ました。
それからは“バルーン”を留置しています。
今は尿意・便意は無く、時々“ペニス”が「ザワザワする」と言ってます。
脊髄の病気になると、一度機能が停止した部分は、戻らないと聞きましたが、かすかに感覚がある!?以上は、望みを途絶えたくないと思ってます。
このような症状でも、尿意が戻り、自尿が出るようになりますか?
彼はまだ“・・歳”です。

長くなりまして、申し訳ありません。
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【高橋クリニックからの回答】
星状細胞腫は、通常頭蓋内脳腫瘍の10%を占める腫瘍です。予後は様々で、頭蓋内の場合、外科的全摘出は不可能とされています。放射線感受性がないことが多いので、放射線治療は期待が持てないようです。
脊髄腫瘍の場合、硬膜内と硬膜外のどちらかに局在します。侵された脊髄レベルの症状が徐々にみられます。
硬膜外の場合は早い時期に神経根症状として痛み症状が顕著に表れます。
腫瘍の成長により、脊髄の圧迫・動脈静脈の閉塞による虚血、硬膜内・脊髄内の場合は直接浸潤による脊髄障害が出ます。

ご主人の症状に「痛み」が強く表現されていないので、おそらく脊髄内の星状細胞腫と思われます。
この病気の特徴から次第に麻痺や神経障害が出現するので、手術をしてもしなくても、必ず現在の症状になったと思われます。ですから、執刀医を責めたり、手術に対して後悔することは止めましょう。

腫瘍病変部が「T12とL1」という事実から、・・・

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「新内視鏡手術」 健康雑誌「わかさ」4月号

Wakasa健康雑誌「わかさ」4月号の別冊付録「尿のトラブルスッキリ解消!新作戦」で私の内視鏡手術が紹介されました。

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感染症の真実 共生関係

Sanmi1tai_3【曼荼羅図】
感染症の経過をみると、さまざまなパターンがあります。
一見して一貫性がないように思えるこの自然現象(病気はすべて自然現象)を注意深くみていくと、右のイラストのように思えます。
まるで仏教世界の曼荼羅図のようですが、これを使って複雑な感染症の世界を解説しましょう。理解できた時点であなたは解脱したのです・・・。
まずは、イラストの説明から・・・

【配置と役割】
この曼荼羅イラストは、人間を中心にバイ菌(細菌)・カビ(真菌)・ウィルスを配置しています。人間の上部には、白血球・免疫抗体が配置され人間を守護しています。
人間・バイ菌・カビ・ウィルスの輪郭が二重に表現されています。
一つ目の輪郭は、本来の背伸びをしていない、あるいは無理をしていない存在範囲です。
二つ目の輪郭は周囲に対して存在を過剰にアピールしている逸脱した状態を意味します。各々の調和が取れていない状態ともいえます。

一般の人の中にはバイ菌を敵視し、殺菌!消毒!抗生剤!とお題目のように唱え実行する人がいます。しかし人間はバイ菌がいなければ生きていけません。腸内に存在する大腸菌や乳酸菌は、発酵で人間に必要な栄養素(ビタミン)を産生します。バイ菌は人間から栄養を頂戴しエネルギーを作って、自らを生かしています。
この関係は、持ちつ持たれつの共生関係です。健康な状態の時には、この共生関係が良好だということになります。

人の体を調べれば分かることですが、人間にはバイ菌以外にもカビもウィルスも無数に存在します。人間の細胞の数が60兆といいますから、恐らく何十兆何百兆という微生物が存在するでしょう。カビやウィルスとの共生関係を示す知識を私は持ち合わせていませんが、おそらく共生関係にあるのでしょう。
病気にならないためには、この良好な共生関係を保つことです。共生関係のアンバランスが炎症や病気の原因です。

バイ菌が自己主張すると、守護神の白血球が抑えにかかります。ウィルスが自己主張すると、今度は免疫抗体が抑えにかかります。
ところが守護神である白血球も免疫抗体もカビを抑えることはできません。でもご安心下さい。バイ菌とカビは敵対関係にあり、いつもお互いを牽制し合い、その力関係は均衡状態で維持しています。常にバイ菌の方が強いのでカビは小さくなっています。
カビは植物に近い微生物です。我々人間は植物細胞に対して免疫がありません。元来動物細胞は植物細胞に寄生していましたから、遠い太古の過去のから植物に対して免疫を持つ必要がなかったのです。しかし、最近食物アレルギーや花粉症などの植物に対しての免疫異常が問題になっていますが、これは、ここ数十年の生命界の異常事態です。
Treponema免疫がつかない有名な病原菌として「梅毒」があります。梅毒の原因菌であるトレポネーマもやはり植物由来の菌らしいのです。
動物細胞にとって植物由来の細胞からできている病原菌は、免疫が獲得できない厄介な存在です。
(画像:戸田新細菌学 南山堂から)

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「排尿障害」フォーブス日本版3月号

Forbes経済月刊誌「フォーブス日本版」3月号(2月発売)180ページ~185ページにわたって「排尿障害」をテーマにした特集が掲載されています。

昨年の暮れに取材を受けました。
経済誌から取材を受けたのは初めてです。
取材記者によると、経済誌の読者に中高年の方もおられるので、健康をテーマに定期的に取材を行なっているそうです。
内容は、いつもブログの中で私が主張していることです。

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人生いろいろ、膀胱の表情もいろいろ?

以前に立体画像として観察できる3D4D(立体)超音波エコー検査について解説しました。
主に下部尿路症(膀胱・前立腺・尿道に関連していると思われる症状)を訴えて来院された患者さんのうち、平成19年9月~平成20年2月の5ヵ月間にこの検査を行った患者さんが実に300人を超えました。
この検査で分かったことは、普通の2次元(2D)超音波エコー検査では想像もつかなかった多彩な所見が得られたことです。もちろん病的な所見ですが、膀胱はいろいろな表情を実は示していたことが分かりました。
ここで、その表情を疾患別にまとめてご紹介しましょう。

Wnlmorifice_2【正常の膀胱表情】
まずは、膀胱底部の標準的表情です。
膀胱底部とは、膀胱出口周囲の膀胱の一番底に当る部分です。
男性だと前立腺に接しています。女性だとその裏に子宮が接しています。
膀胱出口の形状によって病気(下部尿路症)が出現します。
膀胱出口に向かってシワが何本か観察できます。これは膀胱縦走筋です。膀胱出口を開くために存在します。

Bnclose_2【正常の膀胱表情 イラスト】
上の画像をイラストで解説したのが右の図です。
膀胱出口(膀胱頚部)が中央に位置し、円形に観察できます。円はほぼ正円です。正円以外の膀胱出口の形状は、病気の原因になります。
排尿筋である輪状膀胱平滑筋がブーメラン状の形状をしています。
その間に膀胱三角部が存在します。

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未病#2

Mibyo以前に他のテーマのブログの中で「未病」について説明しました。
ここでは、もう少し一般的な概念として説明したいと思います。
私たちが、健康と病気を概念として考える時、右のような図をイメージします。つまり、「健康」と「病気」という2つの塊が別々に存在しています。健康な人が風邪にかかれば病気になり、1週間も経過すれば、健康になるという感覚です。2つの山を赤い矢印で示すように行ったり来たりです。まるでデジタル信号です。「オン・オフ」、「1・0」の繰り返しです。容易に理解できますね?

しかし・・・

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思い込み 「神経因性膀胱は治らない?」

この命題は、ある意味「本当」で、ある意味「嘘」です。
医師は、神経因性膀胱そのものは元の健全な膀胱に戻ることはないし、神経因性膀胱による症状(排尿障害)も治ることはないと、考えています。
私は、膀胱が元の健全な膀胱に戻ることはないと思っていますが、神経因性膀胱による排尿障害という症状は「治る」と考えています。
膀胱に力がないから排尿できないというのが神経因性膀胱の一般的な概念です。
私はこの概念を否定しています。例え本当に神経因性膀胱であっても治療法が的確であれば、排尿障害は治るというのが、私の自論です。

下記にその実例を上げましょう。

患者さんは岩手県在住の73歳男性です。
たまたま受けた健康診断でPSAが4.2(正常値は4.0以下)とわずかに高く、前立腺癌を疑われ、病院に入院して前立腺針生検を受けました。
12ヵ所の生検で1ヵ所から偶然に(12分の1ですから偶然と考えてよいでしょう)癌細胞が発見され、その後お決まりのホルモン療法を受けています。
前立腺癌の骨転移を調べる骨シンチ後に、まったくオシッコが出ない尿閉状態になり、それ以来6ヵ月間1日6回の自己導尿(自分でカテーテル・管を尿道から膀胱まで挿入し排尿する操作)を続けています。
大学病院から定期的に来る「神経因性膀胱専門」の偉い泌尿器科医は「神経因性膀胱」と当たり前のように診断し、自己導尿は一生続ける必要があると誰でも思いつく判断です。
患者さんにしてみれば、それまで自分の力で排尿できたのに、針生検や検査後から自然排尿できなくなったことを考えると納得がいきません。神経因性膀胱も以前からあったものだとの医師の判断です。
前立腺癌腫瘍マーカーのPSAは1を前後しています。患者さんの悩みは前立腺癌ではなく排尿障害であるにもかかわらず、主治医は執拗に放射線治療をすすめます。

さてさて、その患者さんが業を煮やして岩手から東京の高橋クリニックに来院されました。
検査で頑張って自尿が85ml、残尿が500ml以上です。患者さん曰く、「何とか自然排尿できた時は、直後の自己導尿での残尿は必ず500ml以上」という状態です。

ここで問題点を整理しましょう。・・・

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急性副睾丸炎の本当の原因

Epi21559m83283歳の男性が近所の開業医の先生から紹介されて来ました。
4日前から左の睾丸が痛くなり、昨日には右の睾丸も痛くなったというのです。しかも両方とも腫れてきたのでした。
触診で確かに両方の睾丸近くが硬く腫れていて、触ると痛がります。その上、水がたまっています。明らかに両側副睾丸炎です。
超音波エコー検査では、右の写真のようです。睾丸は丸く正常ですが、副睾丸は大きく不整形です。睾丸の周囲の黒い部分は炎症による体液(水)です。

Epi21559m833D4D超音波エコー検査に切り替えると、右の写真のようです。上の写真から想像できる立体画像です。

さて、ここで問題があります。急性副睾丸炎は、通常片方だけです。このご高齢の患者さんのように左右ほぼ同時に炎症を起こすことはまれです。一般的に急性副睾丸炎は原因不明ですが、両側同時に発症した場合には、システマティックな原因がある筈だと考えなければなりません。

患者さんに既往歴をお聞きすると、20年前に前立腺肥大症の経尿道的手術(TUR-P)を有名な病院で行なったが、手術直後もオシッコの出は悪かったとのこと。その後、金属ブジーで尿道拡張を何回か行ったというのです。最近、特に尿の出が悪くなっているというのです。

原因が判明しました。前立腺肥大症の内視鏡手術を行なったのですが、膀胱頚部硬化症だったのを見逃し前立腺しか削らなかったのです。そのため、膀胱から尿道に流入する尿はジェット流になり渦流が発生していました。最近、膀胱頚部の硬化が悪化し、ジェット流がさらに強くなり、射精管口から精管・副睾丸に炎症が波及して、今回の病状になったのです。

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重複腎盂尿管

患者さんがドクターショッピングをなさり、色々な病院でいろいろな検査を行ってきます。
ほとんどが無駄な検査で、「数打てば当る」的な発想です。検査をオーダーした医師の力量のなさがうかがい知れます。
大学病院や高度医療機関でさえもそうですから、私も注意しなければなりません。
慢性前立腺炎と診断されて悩まれた患者さんが、大学病院を点々とさまよい、その間に、数多くの検査を受けた後、高橋クリニックに来院されました。
Wureter21402cp59m2慢性前立腺炎の原因は探し当てたのですが、患者さんが持参された写真がとてもきれいだったので、ここでご披露しましょう。
この写真は、排泄性尿路撮影です。造影剤を静脈注射して時間を追ってレントゲン撮影するというものです。
この検査でたまたま「左重複腎盂尿管」が指摘されたのでした。腎盂尿管は、一つの腎臓に一つが原則ですが、先天的に一つの腎臓に二つ持っておられる方がいます。

Wureter21402cp59m重複腎盂尿管はそれほど珍しいものではありません。
ただ、検査・診断・治療の際に、病状を修飾することがあり、臨床の現場で医師を混乱させることがあるので注意が必要です。
上の写真は造影剤を使用した普通のレントゲン写真で、右の写真をコンピューター処理した立体画像です。きれいでしょう?画像をクリックして大きな画像でお楽しみ下さい。

ただし、この検査は、この患者さんと大学病院の医師には何の役にも立ちませんでした。
私には、重複腎盂尿管以外に重要な情報が得られましたが・・・秘密です・・・。

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粉瘤(アテローム)と蜂か織炎

粉瘤(アテローム)は体のいたるところにできます。
粉瘤は、そのままでは何事もないのですが、化膿するとオデキという状態になり、痛みがでてきます。
その状態で、自然に粉瘤が溶けてくれれば炎症は治まりますが、中にはひどくなり、蜂か織炎という状態になることがあります。
Ater1511m34
1週間前からおしりが痛いと来院した男性患者さんです。
右臀部にひょうたん型の腫れを認めます。
初めは、下の部分が痛み腫れだし、次第に上へと腫れが大きくなったそうです。
1週間も放置したため、次第に腫れと痛みが増して、歩くのがやっとという感じで来院されました。

Ater1511m342
横から観察すると、隆起が一目瞭然です。
下側の腫れの方が上側の腫れに比べて大きいのが分かります。
初めの炎症は、患者さんが説明したように下側だったのでしょう。
触れるとプヨプヨしていて膿が充満しているのが分かります。

Ater1511m348
超音波エコー検査では、腫れの上下に膿の存在が確認できます。
黒い部分が液体=膿です。所々に散在しているのが組織片(脂肪?)でしょう。
下部の白い部分は脂肪組織です。
上の腫れと下の腫れが画像上でも、連絡しているのが確認できました。

Ater1511m347
3D超音波エコー検査で検査すると、内腔の組織片の存在が具体的なイメージで確認できます。
内腔の凸凹は、皮下組織の脂肪の組織構造が、切開して中を開けなくても、そのままイメージとして観察されています。
だから?と言われると答えに窮しますが、臨床では一見無駄と思われる検査で、思わぬ発見をすることがあります。

Ater1511m343
痛みの原因は、皮下に貯留している膿ですから、これを注射器で極力吸引除去します。
昔は、一番腫れている個所に大きく十字切開をして、中に貯留している膿と溶けた粉瘤を除去していました。そして切開部は縫合しないで、中を十分に消毒をして開放創のままガーゼを突っ込んで処置を終えました。

Ater1511m345炎症を起こしている部分は酸性になっているので、組織のアルカリ性環境にしか効果がない局所麻酔は、注射を行なっても十分に効かず、患者さんは大層痛い思いをするのが常でした。
また、炎症を起こした開放創は、傷跡として残るのがほとんどで、粉瘤の炎症を繰り返す方の皮膚は傷跡だらけになります。
この患者さんも以前に炎症を繰り返しているらしく、患部に3箇所の傷跡が認められました。

Ater1511m346膿は白血球の死骸です。
白血球は、炎症の中で重要な役目をします。細菌を食べ細菌を白血球自身の中で劇薬成分で破壊します。
これ以上食べれなくなると自爆をします。自爆で飛び散った白血球の劇薬を含んだ中身は、周囲の組織を破壊します。組織が破壊されたという情報は、体中の白血球に届き、次々に白血球の援軍が来襲して患部の炎症は留まることを知らずにドンドン拡大するのです。

治療として、まず膿を可能な限り吸引すると、炎症の連鎖の原因である白血球の劇薬のスープを除去することになります。炎症の連鎖が治まると、体も炎症を収束させようという気になるのです。
吸引によって、腫れはなくなりました。吸引量は約50mlで、ごらんの様な血性膿でした。
患部にステロイドと抗生剤の軟膏を塗布します。ステロイドは白血球の興奮を抑えます。抗生剤は細菌を殺してくれるばかりでなく、白血球の興奮も抑えてくれます。
さらに抗生剤の注射と抗生剤・消炎鎮痛剤の内服で、私ができる治療は終了です。

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尿道口のアテローム

アテローム(粉瘤)は、体のいたるところに発生します。
今回紹介する患者さんは、尿道口近くに出来たアテロームの方です。

Paraorifisecyst20671m40一見すると、傍外尿道口嚢胞のようです。
傍外尿道口嚢胞は、透明感のある袋としての外観ですが、この患者さんはそうではありません。
そのつもりで手術を行ないました。
すると中身は透明な粘液ではなく、白い脂肪状の内容物でした。
結果として、アテローム(粉瘤)の傍外尿道口嚢胞タイプでした。
基本的には、手術は同じなので、心配する必要はありません。

Paraorifisecyst20671m402いつもの電気焼灼を行い、縫合せずに手術を終えます。
手術後は、消毒せずに白色ワセリン軟膏を塗ります。
最近の創傷処置の理論では、傷を消毒してはいけません。
乾燥させずに消毒しないように処置します。
すると、傷の周囲の細胞が容易に増殖し、満遍なく傷を覆ってくれるのです。その結果、傷はなくなります。

Paraorifisecyst20671m403手術2週間後、傷はほとんど分かりません。

写真は、患者さんの快諾を受けて掲載しています。

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死亡原因ではない前立腺ガンの罹患率

昨年暮れ、都内の泌尿器科医のクローズの食事会があり、私の1年後輩の和田鉄郎先生(現在、慈恵医大助教授)と久しぶりに話す機会がありました。
彼の研究テーマは前立腺ラテント癌についてです。ラテント癌とは潜伏癌のこと云います。他の病気が原因で亡くなられた方を病理学的調査をおこなってみると、相当数の前立腺潜伏癌が見つかったという研究です。
現在の前立腺癌の早期発見の状況について疑問を投げかける研究結果でしたので、皆さんにご披露しましょう。
(和田先生には許可を得ています。)

【最近の日本人の前立腺潜伏癌(ラテント癌)の臨床病理学的検討】
(日本泌尿器科学会誌78卷12号1987年)

Latentpcawada私の出身大学の病院で、2年間に不幸にも病気で亡くなられ、医学研究のため献体下さったご遺体で、解剖検査を行なった男性283人の前立腺病理学的精密検査を行なった前立腺潜伏癌の結果です。
亡くなられた原因である病気に、前立腺癌は含まれていません。
この研究は、彼がコツコツと地道な努力で得られたとても価値ある結果です。
大学で臨床ばかり行なっていて勉強や研究をおろそかにしていた私としては、とても頭が下がる思いです。
さて、この研究の結果、和田先生は現在の前立腺癌増加の理由について、(一般の泌尿器科医が信じて疑わない、PSA検査などの前立腺腫瘍マーカーの信頼性と前立腺癌の発見について)疑問を感じたそうです。

Latentpcawada2この表で示すように、80歳以上の男性では、50%の人に前立腺癌(潜伏癌)が存在していることが判明したのです。
40歳以上で前立腺癌の存在率は、何と24.2%です。今回の調べた男性が極々標準の人だと仮定すると、40歳以上の男性5人に1人以上の確率で前立腺癌が存在することになります。
50歳以上では、26.5%です。4人に1人以上です。これは恐るべき数字です。私は今年で55歳になりますから、このデータは人ごとではありません。
 
S07985090f007人間ドックや健康診断の際に、前立腺癌検診を50歳以上から勧められています。
通常、PSAという前立腺癌腫瘍マーカーの血液検査です。
しかし、50歳以上の男性でPSA検査陽性率が25%というのは聞いたことがありません。
実際に前立腺癌といわれても、目にしていなければピンと来ないでしょう。そこで前立腺癌について簡単に解説しましょう。
Nlpca右の図と解説は、Campbell-Walsh Urologyから複写したものです。前立腺の正常組織から前立腺癌への変化の様子を表しています。
Nmlp_2【1】
前立腺は精液の一部である前立腺液を産生する内分泌組織ですから顕微鏡で観察すると、分泌細胞を岸に並べた複雑な形の池のように見えます(図の左上)。
分泌細胞は均一で細胞質(細胞の中身)が明るく見えます。
右写真は実際の正常な前立腺組織像です。
(Sobotta実習人体組織学図譜 医学書院から)

【2】
何らかの原因で、分泌細胞が増殖して池の岸が厚ぼったくなります。
分泌細胞の核も大きく見えます。
核が大きくなる=核が限界まで活動(臨界状態)しているということです(図の真ん中の上)。
騒ぎを聞きつけてリンパ球が集まっています。増殖性炎症性萎縮と定義されています。

Pin_2【3】
池の岸の分泌細胞は、核も細胞も形や大きさが不ぞろいで、幾重にも重なるように池の面積を小さくしています。
対岸の岸と岸が連絡するような勢いです(図の右端)。
前立腺内皮細胞新生物と定義されています。
いわゆる前癌状態です。
右写真は、実際の組織像です。
(病理組織の見方と鑑別診断 医歯薬出版から)

Wellpca_1【4】
ついには対岸の岸がつながり、池は小さく区分けされてしまいます(図の真ん中の下)。
池の部分(前立腺液の収まっている空虚な部分)の面積が正常の組織と比較して極端に小さくなり、異型の分泌細胞(癌細胞)の面積が多くなる訳ですから、この時点で前立腺を触診すると硬い結節として正常な前立腺組織と容易に区別することが出来ます。
前立腺の直腸診で前立腺癌を診断できるのは、この時期です。
Modpca_1限局性癌と定義されます。腺管構造(池の部分)が均一で程よい大きさに保たれていて正常前立腺組織に近いのが高分化型といいます。
腺管構造が不均一に乱れ、小さくなり、癌細胞が増えるに従い、中分化型、低分化型と悪性度が増します。
右の写真は、上が高分化型、下が中分化型です。
腺腔構造が次第に不均一で小さくなるのが観察できます。
(病理組織の見方と鑑別診断 医歯薬出版から)
Poorpca_1【5】
癌の増殖は止まることを知りません。
最終的には前立腺液が溜まる池である部分(腺腔構造)がなくなり、細胞の塊だけになります(図の左下)。
増殖するあまり、癌細胞に一部は弾け飛び、他の臓器に転移します。転移性癌と定義されます。
右の写真は、低分化型の前立腺癌組織像です。一番上の正常の前立腺組織構造と比較して、全く異なる組織構造をとっていることが、容易に理解できるでしょう。
前立腺分泌細胞が癌化して、分泌細胞として本来どうしても必要な腺腔構造を忘却してしまった哀れな前立腺分泌細胞の姿がここに見ることができるのです。最近の事件の親の子殺しにも似ていると思えませんか?人間としてあるいは生命として子孫を残すことは最重要項目なのに、自分の子供を殺してしまうという哀れな事件を思い出されます。
(病理組織の見方と鑑別診断 医歯薬出版から)

S07985091f002_1前立腺癌の組織像と臨床上の経過をよく反映する分類に、グレソン分類Gleason scoreがあります。
前述したように前立腺癌の悪性度を高分化型、中分化型、低分化型と三つに分類しましたが、グレソン分類では、前立腺癌の細胞と組織像のパターン(顔)によって、悪性度gradeを1~5の5段階に分類します。
組織全体の内、最も多い面積を占めるパターンをprimary grade、次に優位なパターンをsecondary gradeとします。そしてprimary grade+secondary gradeの総和をもってGleason scoreとします。
例えば、PG1でSG3の場合は1+3=4となり、Gleason score4点になります。
すべての組織像がgrade1の場合は、PG1+SG1=2ですからGleason score2になります。
グレソン分類は、以上の考え方から、2点~10点までの9段階に分類します。2点~4点をlow score、5点~7点をmedium score、8点~10点をhigh scoreと区別します。当然low scoreの方が予後が良いと考えます。

グレソン・スコアでlow scoreと診断された組織の倍加時間(2倍の量に増えるにかかる時間)は、20年~30年とされています(和田先生からの受け売り)。例えば、70歳の男性で前立腺針生検の結果、low scoreであった時、前立腺癌が2倍の大きさに増えるまでには、患者さんは90歳~100歳になる訳です。そうなると、無理に前立腺癌の治療の必要があるのか?という疑問が出てきます。

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器械的反復刺激性包皮裂傷・包皮炎

器械的反復刺激性包皮裂傷・包皮炎なんて病名は聞いたこともないでしょう?私も初めてです。それもそのはず、私が作った造語の病名です。ほかに示すことのできる病名がないので、あえて作りました。診断する時に明確な病名がないので、説明する時に困ることがあります。そのような時には自作の病名を作ることがあります。(ほかに私が作った造語に真珠様陰茎小丘疹と膣前庭乳頭症があります。専門書にpearly penile papulesという病名はあったのですが、和訳病名がなかったので、患者さんに説明する時にまどろっこしいので、真珠様陰茎小丘疹という名称を作りました。真珠様陰茎小丘疹という名称は泌尿器科学会で正式な病名となりました。泌尿器科学会の医師たちは、私が作った造語だとは知らないでしょう。)
この病気で悩まれる患者さんが多いので、あえて病名を造語し、ここで解説しましょう。
患者さんからメール相談がありましたので、患者さんの承諾を得て、ここに掲載します。

Foreskininjuryメール相談
高橋先生へ
○○○○と申します。
HPを拝見いたしまして、私も1つ相談がしたいと思い、メールいたしました。
3年位前から包皮部分に丸く一筋のすり傷(?)のようなものができました。
通常は痛くもかゆくもなんとも無いのですが、マスターベーションやSEXなどですれてくるとすぐに痛くなります。(ちょっとした傷がすれると痛いのと同じです。しごきすぎると若干血がにじんでくることもあります。)

これとは別で以前泌尿器科に行った際、ついでに見てもらったところ「とりあえずこの薬を塗ってみたら?」と ゲンタシン軟膏という薬をもらって1ヶ月くらい塗ったのですが何の効果もありませんでした。
また擦り傷と思い、オロナインを塗ってみても効果なしでした。
いろいろ調べてみても性病ではなさそうで、単なる皮膚の病気かなと思っていますが、いかがなものでしょうか?
こんなのすぐに直ると思っていたのですが、3年間も直らず今後もこのままかと思うとうんざりします。
添付写真ではわかりにくいかも知れませんが、送付いたしました。”カリ”の部分の直下にある余裕のある包皮の少し下にあるピンク色の横に走っている筋です。
お忙しいところ恐縮ですがよろしくお願いいたします。
○○○○ ○○○○@hotmail.com

お答えいたします。
包皮が長いと、マスターベーションや性行為のピストン運動で、常に力が掛かるところができます。その力点の皮膚が弱くなり、切れたり赤くなったりします。
簡単にいえば、包皮皮膚のピストン疲労性障害です。
ピストンのストロークを変化させるか、包茎手術が予防法です。
お大事に。
高橋クリニック 高橋 知宏

お願い。
このような質問がたまにありますので、ブログに匿名で文章と写真を悩まれる方のために、できれば掲載したいのですが、よろしいでしょうか?無理は言いません。
お返事お待ちします。
お大事に。
高橋クリニック 高橋 知宏


高橋先生へ
ご回答ありがとうございます。
ブログ掲載に関しましては、どうぞ掲載してください。
私もブログを拝見していろいろと勉強になりましてので。
掲載時にはメール連絡をお願いします。
ところで、これは薬を塗ることによって直ることはないのでしょうか?
包皮が長いために包茎手術という対策がありましたが、仮性包茎ではありますが、それほど包皮が長いとは思っていません。日常から皮はむけておりますし。。。。
3年間ずっとこのまままで、SEXやマスターベーションを控えても自然回復はしなかったもので結構悩んでいます。
よろしくお願いします。

お答えいたします。
ご承諾ありがとございます。
さて、本質的には外傷とそれによる炎症ですから、傷のための軟膏を塗っていただくだけです。
包皮の絶対的長さが問題なのではなく、貴方のピストン運動で生じる力が、貴方の包皮のそのあまり具合と協力して、その部分だけに相応の負担としてかかるということです。
お大事に。
高橋クリニック 高橋 知宏

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傍外尿道口嚢胞

18931para傍外尿道口嚢胞(ぼうがいにょうどうこうのうほう)をご存知ですか?先天性の(生まれながらの)嚢胞(のうほう:体液がたまった小袋)が、尿道の傍らに生じる良性の腫瘤です。
ここでご紹介するのは20歳の男性です。物心ついた頃から腫瘤の気付きましたが放置してきました。青年になり気になりだしたので相談にみえました。
亀頭を正面から見ると、尿道口を隠すように腫瘤が観察できます。直径1cmほどです。

18931para2
外尿道口を開くように観察すると、尿道口の右壁から腫瘤の基部が確認できます。
このぐらい腫瘤が大きいく尿道口を塞ぐように占拠すると、尿線が曲がることがあります。
一般的に泌尿器科で行なわれる手術は、嚢胞を尿道の粘膜から切り離し切断面を吸収糸で縫合します。
しかし縫合することで尿道口の形が引きつれて尿線が曲がったり噴水状になることがあるので、手術の際には注意が必要です。

18931para3
亀頭を右真横から観察した写真です。
かなり前面に出っ歯ているのが確認できます。
20歳という年齢の若い男性が、このような状態で満足できる訳がありません。
遠めで見ても直ぐ分かるでしょう。
温泉などの公衆浴場で他人の目が気になったでしょう。
腫瘤が水をたわわに含んだブドウの状態の嚢胞であることが分かります。

18931para4
手術直後の所見です。
私が得意とする電気焼灼手術で嚢胞を全て焼きました。
電気焼灼手術は、電気的火花で少しずつ組織を焦がしていきます。
焦げる部分は、火花が当った0.1mm程度ですから、とても軽い火傷です。
ですから、傷の治りがとてもよい特徴をもっています。
また、縫合する必要がないので、ほとんど変形しません。

18931para5
手術4週間後の所見です。
尿道口の右側にほんの少し凹みがありますが、ほとんど気にならないそうです。
予想通り、尿道変形にはなりませんでした。
一番上の写真と2番目の写真と比較して下さい。
手術をしたかどうかも分からないほど治っています。
痛みもなく、尿線も真直ぐで、排尿もスムーズだそうです。
それを聞いて、執刀医の私もヤレヤレです。

18931para6
術後の亀頭右真横からの所見です。全く正常です。

【補足】
傍尿道口嚢胞は、機能的にはほとんど問題ないので、美容的な手術になります。
当院では、平成20年(2008年)から手術費用5万円になりました。

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腎腫瘍

昨日(2006年6月29日)のニュースで、あるプロレス団体のスター選手が、腎腫瘍になり試合の出場を断念したと報道されていました。スポークスマンは、記者団の質問に対して、限りなく癌に近いことをほのめかしていました。

Renaltumor
【資料】 The CIVA collection of medical illustrations vol.6


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非性病性硬化性リンパ管炎

Lymphadenopathyペニスに硬いしこりができた!といって驚いて相談に来られる男性がおられます。
診察すると、陰茎に帯状の不定形の硬いしこりが触れます。リンパ管が硬くなった状態、非性病性硬化性リンパ管炎です。
ハッキリした原因は不明ですが、過度の性行為によるペニスへの刺激が原因だろうとされています。ほとんどの方が自然治癒しますから心配入りません。難治性の場合は、手術的に切除する場合があります。
決して性行為感染症・STDではありませんから、くれぐれもご心配なさらないように。

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陰嚢のかゆみ 陰嚢掻痒症と排尿障害

臨床の現場では、時に原因が分からない病気に遭遇することがあります。
その例として、陰嚢掻痒症(いんのうそうようしょう)があります。別名、陰部掻痒症・陰門掻痒症です。女性の場合もあります。何しろ男女の区別なく、ハッキリした皮膚に所見もなく、外性器・肛門が痒くなる病気です。皮膚の所見は掻きこわしの所見だけです。
皮膚科は視診がとても重要です。皮膚にできた皮疹・湿疹・丘疹・発疹などを観察して、病気を診断するのです。なのに、皮膚が全く正常で、それでいて異常にかゆいのです。これでは皮膚科医も困るでしょう。原因が分からないので、取り合えず対症療法として痒み止めの軟膏や抗ヒスタミン剤を処方しますが難治性で再発を繰返すようです。
さて、ある時、皮膚科の病気に関して調べ物をしていたら、たまたま陰嚢掻痒症なる言葉を見つけ、詳細に読むと原因が前立腺肥大症・尿道狭窄となっているではありませんか!一般的な泌尿器科医にはこのような知識はありません。(私だけがないのか?・・・少し心配になりますが・・・)

220_1皮膚科の先生は、恐らく前立腺肥大症のような排尿障害は尿の切れが悪く、陰嚢に尿が付着してかゆくなるのだろう思っているのではないでしょうか。
しかしこれは誤解でしょう。なぜなら、陰嚢が尿でかぶれて痒みが生じるのであれば、赤ちゃんのオムツかぶれのように陰嚢皮膚が赤くただれていなければなりません。ところが陰嚢掻痒症の場合、ほとんど方が原因不明とされるように陰嚢皮膚は正常です。
では、なぜ痒くなるのでしょう。その原因を考えるのに関連痛という生理学的生体反応を知ると容易に理解できます。
生理学では、痒み=微細な痛み感覚として考えます。ですから陰嚢のかゆみ=陰嚢の痛みとして理解できます。もう少し正確に表現すれば、陰嚢の皮膚のかゆみ=陰嚢の皮膚の微細な痛みということになります。すでに説明したように、関連痛は現在痛みのある場所・部分とは異なる、離れた他の臓器・器官の刺激が、投影されて感じる痛みのことを指しています。しかし、そこには一定の法則があります。関連痛を感じている皮膚と同じ脊髄中枢の位置でコントロールされている臓器・器官の病的刺激の投影であるということです。
陰嚢の皮膚を支配している脊髄中枢は仙骨部脊髄2番~4番です。仙骨部脊髄2番~4番中枢で支配されている臓器は、膀胱・前立腺・尿道・直腸・子宮頚部(女性のみ)です。ですから、膀胱・前立腺・尿道・直腸の病的刺激で陰嚢は関連痛が生じることになります。
陰嚢のかゆみ(関連痛)を訴える患者さんに遭遇(診察)した場合、これらの臓器・器官の病気を選択肢として考えなければならないことになります。
19286m76scrbph【写真】の患者さんは76歳男性です。
夜間2回の頻尿と陰部のしめり感を訴え、近くの病院から紹介されて来ました。
ご覧のように陰嚢部の痒みで皮膚を掻き壊しています。陰嚢から股間にかけて皮膚が痛々しく見えます。
排尿障害を改善させれば、この痒みもおさまると考え、排尿障害の治療薬であるハルナールDを処方しました。
患者さんが服用し続けたら、かゆみは収まりました。Itch19286m77その結果、【写真】のように皮膚はきれいになり正常の状態に戻りました。

【参考】
最近(平成19年8月から)、産科用の3D4D超音波エコー検査を駆使して膀胱出口を観察しています。この陰嚢掻痒症の患者さんの立体画像を説明していますから参考にご覧下さい。

【注意】
先日、この記事を読んだ眼科医が来院しました。
診察室に入る直前に、クリニックのトイレで排尿してしまいました。この記事に書いてあるように、原因不明の陰嚢掻痒症は排尿障害が原因です。その原因を調べるために排尿障害の検査(尿をためた状態で行ういろいろな検査)を行わなければなりません。
そのことを注意すると、「そんなことは書いていない!」と逆切れされる始末。素人が失敗するのは分かりますが、医師だったらなおさら、書いていなくとも、「陰嚢掻痒症と排尿障害」というテーマを読んだのなら理解判断出来るでしょう。
「受付で排尿しないように注意しろ!」とか「トイレに張り紙をしろ!」などと院長の私に意見、あらゆる患者さんが来院するクリニックで(外科・整形外科・内科・胃腸科・泌尿器科・リハビリを標榜)、いちいち患者さんの病名が分かるような質問をしませんし、トイレにベタベタ張り紙もしたくありません。眼しか診ていない人間の発想でしょう。

「皮膚の所見も見ないで、なぜ排尿障害が原因と分かるのだ?」「直接触れない医師はダメだ!」と陰嚢掻痒症の眼科医が、それを治せるかも知れない泌尿器科医にさんざん意見をして(捨て台詞を吐いて)、診察券も受けとらずに帰っていきました。この先生は、きっと患者さんに対してもこうなのでしょう。(私に似ている・・・)
今までに眼科医が想像できる診察と治療しか受けていないから、治らないという事実に疑問を持たない哀れな医師です。

患者さんとして来院した医師が、「医師の理想」を語り、治療者としての医師(私)がそれを拝聴したという構図です。
私も含め、理想を語る医師のいけ好かないこと・・・人のふり見て我がふり直せ・・・ですね。

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メール相談 「陰茎と肛門のしこり」

突然のメール失礼いたします。
komon早速ですが、今コンジロームなのかどうか悩んでいます。
肛門にイボができてしまい、ちんちんに何かできものができていました。
ちんちんのできものは血管の通る場所なので膨らんでしまっているようにも感じていますが、気になります。
肛門のイボはなんなんでしょうか。
突然のメールで申し訳ございませんがお教え下さい。

inkei-h添付ファイルにて写真をお送りさせていただきます。お願い申し上げます。
○○○○

【高橋クリニックからの回答】
お答えいたします。
ペニスは血管腫です。
肛門は痔核(イボ痔)です。
どちらも、広い意味で血管腫です。心配いりません。
添付された、この写真とメール内容を他の悩まれる方々のためにブログに利用させていただけますか?もちろん内容は匿名です。
ご返事お待ち申し上げます。

高橋クリニック 高橋 知宏
クリニック:03-3771-8000
院長直通:03-3771-8034

相談者の方に快諾を得て、メール内容と写真を掲載しています。

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前立腺結石

前立腺結石は前立腺内に生じる結石です。発生原因は不明です。

17139m46bns3慢性前立腺炎症状で原因が膀胱頚部硬化症の患者さんの前立腺部尿道の内視鏡所見です。写真手前に精丘という精液の噴出孔が見えます。精丘の右横に小さな光る点3個は、小さな結石(石灰)です。

17139m46bns4近づくと尿道粘膜に結石を確認できます。左右に山吹色から茶褐色の結石が確認できます。

17139m46bns5さらに近づくと結石と粘膜の関係が明確に確認できます。画面左上の結石は粘膜に付着していますが、画面右の結石が尿道粘膜の中から顔を出しているように見えます。これは、左上のように粘膜に付着した結石が、周囲の粘膜に囲まれ吸い込まれて埋没していく様のようです。要するの前立腺結石は尿道粘膜に付着した石灰・結石が前立腺に吸収されたものと考えることが出来ます。

17139m46bns6膀胱頚部硬化症の内視鏡手術を行い、その後、実際に採取した前立腺結石です。
私の自論では、前立腺結石は排尿障害で尿道内に生じたジェット流が作る渦流が、結石を作ると考えています。すなわち、前立腺結石が存在すれば、必ず排尿障害があります。もしその時点で下部尿路の症状、例えば、頻尿・残尿感・尿漏れ・睾丸痛・排尿痛・会陰部痛・射精痛・尿道違和感などがあれば、原因は前立腺肥大症・膀胱頚部硬化症・膀胱出口閉塞症などの排尿障害だと診断できる訳です。
気をつけなければならないのは、排尿障害を言及せずに原因不明の前立腺結石が下部尿路症状の原因だと誤診する医師がほとんどだということです。注意が必要です。

calc17902m60bns病理組織検査を行なうと、組織内に取り込まれた小結石・石灰を認めrます。結石の周囲にリンパ球が集まり、慢性の炎症を起こしているのが判別できます。

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尿道下裂

時折、成人の尿道下裂の患者さんが来られます。尿道下裂は先天性の病気、いわゆる奇形です。3ヶ月までの胎児の時に、尿道の完成をみなかった状態を指します。程度の差はありますが、高度の場合、乳幼児の時期に小児科医に指摘されて泌尿器科あるいは小児外科で手術を行います。

今回、44歳の男性で排尿障害の患者さんが来られました。軽度の尿道下裂でほとんど問題ないのですが、外尿道口が狭いので、大きくしなければなりません。
そこで、外尿道口を拡げる手術と偽の尿道口を一つにまとめる手術を行うことにしました。

15296m44urethra実際の尿道口付近の所見です。大きく開いて見えるのは、偽の外尿道口です。

15296m44urethra2本当の尿道口は、直径2mmの金属の棒を挿入した所にあります。尿が出てくるのはこの狭い外尿道口からです。

15296m44urethra3偽の外尿道口と真の外尿道口に約1cmの距離がありますから、ここを電気焼灼で道を作ります。

15296m44urethra4電気焼灼で作った道と真の尿道口を確認しています。

15296m44urethra5さらに焼き進めていくと、真の尿道口と偽の尿道口が一つになります。作った道は、新しい外尿道口の後壁になります。

15296m44urethra6手術後、直径6mmのラテックス製カテーテルを挿入して、出来立ての尿道口が縮まらないように2週間留置・矯正します。2週間後が楽しみです。

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多発性粉瘤症 ご婦人編

以前に男性の多発性粉瘤症の患者さんを紹介しましたが、ご婦人でも同じ病気があります。以前の男性患者さんは陰嚢の粉瘤症でしたが、ご夫人の場合、大陰唇に生じます。

患者さんは31歳のご婦人です。陰部が化膿を繰り返すので来られました。拝見すると、両側の大陰唇に大小不同多数の粉瘤を認め、その内の2箇所が化膿していました。化膿は抗生剤で治せますが、粉瘤がある限り繰り返します。
粉瘤そのものは、皮脂腺の塊で悪い病気ではありません。しかし、ご婦人の性器が凸凹で美的に憂鬱になることがあります。そのことをお聞きすると、実は夫婦生活に支障があることが分かりました。通常のセックスは可能なのですが、ご主人が愛する奥様の性器を見ようとすると無下に拒否をしてしまうのでした。ご主人にさえ見せたくないというのが本心でした。
これでは若い夫婦の危機です。一肌脱ぎましょうと、手術をお薦めしました。ご婦人は今までの悩みが吹っ切れると快諾しました。

17231f31aterm2仙骨神経ブロックを行い十分麻酔を行いました。両側の大陰唇に白っぽい粉瘤を多数認めます。一見して大陰唇全体がイボイボです。

17231f31aterm5たくさんある粉瘤の1個1個をつまんで電気焼灼を行います。電気焼灼の熱源で粉瘤の脂肪の塊が軟らかくなります。この脂肪を全て取り除きます。

17231f31aterm6脂肪を取り除いただけでは、しばらくすると、また再発します。再発しないようにするため、脂肪を包んでいる被膜を取り除かなければなりません。

17231f31aterm9電気焼灼手術直後の所見です。大陰唇全体に無残な焦げ目が付きます。

17231f31aterm12取り除いた粉瘤の脂肪と被膜です。

17231f31fun2下記の御礼メールをいただいてから来院されました。手術後3週間経過した患部です。周囲の健康部に比較してわずかに色素が薄くなっていますが、傷跡はほとんど目立たなくなりました。ご婦人も明るく光り輝いています。握手をして手術の成功を喜び合いました。手術をすることで、悩める人の心を変えることが出来るのは、手術を行う外科医として無常の喜びです。

【御礼のメール】
「 高橋クリニック 高橋先生

今週の○曜日に粉瘤の手術をしていただいた○○です。大変お世話になりました。ありがとうございます。
その後、手術の傷の調子は順調です。今までは見た目や化膿した時の痛みでとても悩んだりストレスを感じていましたが、今は精神的にも、とてもスッキリしています。
翌日から仕事に行っていますが、会社の同僚に「なんか顔まで元気になったね」と言われました。今まではストレスが顔にまで出ていたのかもしれないですね。本当にありがとうございました。
ところで、先ほども申しましたが手術後の傷はいたって順調だと思っておりますが、一度先生にみていただいた方が良いでしょうか?当日の帰りは開放感からうっかりお聞きするのを忘れてしまいました。
お忙しいところ申し訳ございませんが、よろしくお願いします。

○○○○ 」

【補足】
平成20年(2008年)から、この手術の費用は5万円になりました。

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メール相談 「オナニー」

【相談】
「 小学校4年生中盤くらいからいつもオナニーをして一人で射精を毎日かかさず今まで続けて来たんですけど最近亀頭のさき(おしっこの出るところが)ゆびで開けるとだいぶ前よりも開いてきてるんですけどなにかの病気なのですか?
いろんなネットサイトでオナニーは癌よりも危険だと書いてありましたし、もうオナニーはやめるべきなのでしょうか?
不安なのでメールおくらせていただきました。  診断お願いします 」


【回答】
お答えいたします。
病気ではありません。体の発育による正常な現れです。
現在53歳の私も、子供の頃、たくさんオナニーをしました。ですが頭が悪くなったとも思いませんし、体が不健康になったとも思いません。(年はとったとは思いますが...)
やりたい時にオナニーをすればいいでしょう。

高橋クリニック 高橋 知宏
クリニック:03-3771-8000
院長直通:03-3771-8034

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陰茎粉瘤

以前、多発性粉瘤症について述べました。粉瘤は皮脂腺が限局性に増殖した状態をいいます。体のいたる所に出現しますが、陰部・外性器に発生すると「性病?」と心配・驚かれる方が多くおられます。
今回、45歳の男性の方が、陰茎に腫瘍が出来ていると、ご心配になり来院されました。
【写真1.2.3.4.】
17121m4517121m45217121m45317121m454
1.陰茎右側面近くに直径1.5cmの白っぽい平坦な腫瘍が確認できます。視診・触診で粉瘤に間違いありません。細菌感染で化膿しなければ、放置していて構いません。陰茎に真珠を入れる人から見れば、自然な真珠でうらやましがられるでしょう。でも来院した患者さんからすると、気になって仕方がないそうです。ご本人の強い希望で手術になりました。
2.私の得意とする電気焼灼で、粉瘤中心の皮膚に3mm程の穴を開け、そこから電気エネルギーを注入します。すると電気エネルギーの熱で硬い脂肪が柔らかくなります。あまり熱を加え過ぎると、脂肪が完全に溶けてしまい手術が難しくなります。適度な柔らかさになったら電気焼灼をストップします。指で強く圧迫すると、脂肪の塊が圧出されます。
3.さらに強く圧迫すると、脂肪の塊全体が創外に露出し、その根元に粉瘤の袋上皮が裏返って確認できます。
4.脂肪の塊を除去すると、裏返しになった粉瘤の袋上皮だけになります。

【写真5.6.7.8.】
17121m45517121m45617121m45717121m458
5.裏返しになった袋上皮をピンセットで把持して、電気焼灼で残さずに除去します。この袋上皮を残すと、粉瘤が再発するからです。
6.内容物を全て除去すると、直径4mm程のクレーターが残ります。この傷は小さな火傷として跡もなく2週間後にはきれいに治ります。
7.注射跡用のパッチシールを貼って手術は終了です。
8.手術で摘出した標本です。上の塊が縮んだ脂肪です。下の小さな塊が粉瘤の袋上皮です。

【注】写真の掲載に当たっては、患者さんに快諾を得ています。

【補足】
平成20年(2008年)から、この手術の費用は5万円になりました。

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尿のシミ出しpost-micturition dribble PMD

男性の方で排尿後のオシッコの「シミ出し」で下着を汚したり、太ももに尿が流れた経験をしたことがありませんか?思い当たる方も多いでしょう。どんなにペニスを振ってオシッコを切ってもシミ出しを抑えることが出来ないのです。
このオシッコの「シミ出し」を専門用語でpost-micturition dribble PMDといいます。専門書によれば、尿道球部の平滑筋(球海綿体筋)収縮が排尿後に十分に行われないため、尿道球部内のスペースに残った尿が後から排出する現象をいいます。この現象は、前立腺肥大症や排尿障害の患者さんで多く認められます。患者さんの中には尿失禁だと訴える場合が多いようです。オシッコの切れの悪さの一面でもあります。

専門書によれば、このPMDは上記のように原因不明の尿道球部収縮障害と結論して話が終わっています。専門書執筆を依頼されるほどの泌尿器科専門家が、男性の多くが経験しているであろう現象の根拠について、この程度にしか説明できない訳ですから、泌尿器科の病気にまつわるあらゆる現象に関して、一般病院の泌尿器科医がいかにいい加減な説明を行っているか容易に想像出来ます。

膀胱の2つの機能、蓄尿・排尿に関しては、様々なレベルの中枢をセンターとする反射回路が存在します。一番活躍しているのが仙髄(仙骨部脊髄中枢神経)で、腰髄・胸髄・延髄と拡がっていきます。
「シミ出し」現象で問題になるのが、膀胱-仙髄-尿道反射です。膀胱出口に尿が浸入あるいは存在すると、尿道が開くという神経反射です。膀胱出口付近に尿があれば、尿道が開いて尿を出しやすくするというこの反射機能は、考えてみればとても合目的です。当たり前と言えば、とても当たり前の機能に思えて仕方がありません。この当たり前の機能が正常に働いて尿道球部が開いたままになっているのであれば、(専門家のように)その現象を異常と考えるより、膀胱出口に尿が残っている排尿障害と考える方が自然な論理展開だと私は思います。
すなわち、排尿後の尿の「シミ出し」現象は、排尿障害があるという間接的な警告症状だと考えると、話が一本につながります。決して原因不明の現象ではありません。

PMDの簡単な対処法をお教えしましょう。
urethral milkingと呼ばれる方法です。陰嚢中心から肛門にかけての場所、いわゆる会陰部に両手人差し指と中指の指先を当てます。会陰部の真裏に問題の尿道球部があるからです。その会陰部をペニスに向かって4本の指先でしごくのです。しごく度に尿道球部に残る尿がピュッと飛び出ます。これを出なくなるまで何回か行えばOKです。

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尿道腺炎

尿道内には尿道がカラカラに乾かないように尿道腺という分泌腺が多数存在します。尿道腺から分泌される分泌液のお陰で、排尿時に尿道粘膜がピッタリくっ付いて排尿障害にはなりません。
ところが、この尿道腺が何かの原因で炎症を起こすことがあります。

【実例】 31歳 男性

次のようなメール相談が入りました。

「 高橋クリニック 高橋知宏先生
HPを拝見し、ご多忙中で恐縮ですが相談させていただきたくメールしました。
私は31歳の会社員です。年末に尿道より膿が出ている事に気づきもしかするとクラジミアかと思い、正月だったこともありそれから4日後に病院に行きました。気になる点は12月20日ぐらいに性行為があり、28日に高熱がでました。39度ぐらい。また4年前と7年前に菌が検出されない炎症をおこしたことがあり12年前ぐらいにクラミジアにかかったことがあります。
病院に行った際の症状ですが常にダラダラ膿が出ているような状態ででした。4日後には多少血が混ざっている事もありました。病院にいくとおそらくクラジミアでしょうと尿の提出とミノマイシンを一週間分処方されました。その後4日後ぐらいに膿がとまり一週間後に再検診にいくとクラジミアは陰性で原因はよくわからないとの事でした。先生のコメントは「淋菌だと思うけど菌は尿で出されてもういなくてたまたま検査した時にいなかったんでしょうね」との事でした。
とにかく症状がなくなったのでよかったと思い通常に生活していましたが3日後ぐらいに治療後初めて行為を行ったの際に尿道の中心あたり痛みを感じ中断しました。その2日後になぜだろうと思っていたら再度膿が出てきました。それとよく自分で触ってみると尿道の中心より少し亀頭よりのところにしこりができており、少しその部分が全体的に膨らんでいました。
翌日すぐ同じ病院に行くと前回の先生がいなく違う先生に診てもらうと「淋菌の症状だね、でも前回の治療にて白血球の現象から炎症は治っているのにね」、しこりについてきくと「それは炎症を治そうとした跡なので問題ないです」、その時にはペリカンの口ばしのようにパンパンに膨れていた膨らみについてきくと「リンパ腺がしこりで戻れなくなって膨らんでだけでほっとけば治る」とのことでした。
とにかくミノマイシン2週間分と尿検査をという事で検診は終了しました。
数日後、膿はとまり少しずつ膨らみも治ってきたので薬を服用していました。が薬と関係あるかどうかわからないのですが右わき腹から胃のあたりに赤いぶつぶつができており多少痒い場合がありました。よくみると全身(腕、おしり)に2~3個できてました。
8日後再診した際に淋菌は検出できずたまたま検出できなかったとかミノマイシンをその前に服用していたためそれによって検出できなかったのでは・・・とかなんかいろいろ言って「とにかく症状も治って、菌も検出できなかったので大丈夫です、しこりに関しては1年ぐらい残ります、ぶつぶつに関してはもう少し赤みをおびるんだけどなぁ~」と言われ「ダニですかね?」と聞くと「抗生物質のせいかダニかもね」と回答をいただきなんとなく検診は終わりました。
その2日後に自行為を行おうとした際に(勃起状態ではないとき)少し膿がでており「えっ!」とおもったのですが、その後は露骨に膿は出ませんでした。勃起して気づいたのが、尿道のしこりの先(しこり-亀頭)が下のほうだけ膨張せず途中まで膨らんでいるのですが、しこりより先がぺったんこです(下の部分のみ)。また射精後、小便したあとにも粘りのある液体がにじんでいたりして尿切れがわるいというか精子切れがわるい感じです。じんわり出てる感じでよくみると色も白というか黄色というか以前膿が出てたときと同じ色です。昔から尿切れはいいほうではないですし、ほんとうに数年に一回あるかどうかぐらいに射精時にペニスの付け根よりもう少し肛門よりのところに激痛がはしることがあります。だんだん不安になってきました。すべての(激痛以外)原因はしこりのせいなのか、それとしこりが治った後膨張は前のように戻るのか知りたいです。
通っていた病院の検診も待ち時間4時間検診5分と先生の態度もはやく帰ってくれ早く捌かなきゃいけないんだという印象がありますし(露骨に)質問に対してはほとんどと言っていいほど「ん~わかりませんねぇ~」での回答です。自分の生活で今後何に気をつければよいかまったくわかりません。ただこの病気になったとき最初に行った病院だったので同じところの方がいいのかと思い通いましたが不信感でいっぱいです。
このへたくそな文で内容が伝わったかどうか不安ですが先生の見解を教えていただけないでしょうか。宜しくお願い致します。 」

この患者さんとメールのやり取りをしているうちに、高橋クリニックに直接来院されました。確かに尿道の近くに硬いふくらみを触知できます。内視鏡検査を後日予定しました。16597m31実際、内視鏡検査で尿道内を拝見すると、尿道口から2cmと4cmの地点の尿道腺から膿が出ていました。【写真】は尿道口から一番奥の4cmの地点の尿道腺から膿が出ている様子です。白い←で示したのが正常の尿道腺排出口です。下の黒い←は膿です。

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セカンド・オピニオン 尿膜管残存

「尿膜管」とは聞きなれない言葉でしょう?私たちが母親の子宮に存在した時に、へその緒を介して母親から栄養と酸素をいただいています。逆に胎児にとって不必要な老廃物はへその緒を介して母親に処理してもらいます。胎児の膀胱にたまったオシッコは膀胱と連絡している尿膜管という管がおへそにつながっていて、へその緒から排泄しています。
出産と同時に尿膜管のほとんどは「正中臍じん帯」と呼ばれる線維組織に変化します。urachus
正常人には膀胱の上部に痕跡程度に尿膜管が存在しますが、管というほどのスペースはなくチョッとしたふくらみがある程度です。
(図は標準泌尿器科学・医学書院から)

ところが中には、この尿膜管が管としてあるいはスペースとして残っている方がおられます。程度はまちまちで、憩室・嚢胞・瘻などの呼ばれ方をします。炎症が起きると発熱・痛み・膀胱刺激症状(頻尿・残尿感など)が出現しますから、場合にっては外科的な手術が必要になります。


【実例】 37歳男性
ある日、血尿があり驚いて地元の市立病院泌尿器科を受診しました。CTスキャン・MRI検査を受けたところ、膀胱腫瘍の診断でした。内視鏡検査を行ったら、腫瘍はなく尿膜管残存と確定診断を受けました。ところが患者さんの一番の気になるところは血尿の原因ですが、それに関しては言及されません。恐らく尿膜管に腫瘍が出来ていて、そこからの出血だろうということです。2月末に開腹手術が予定されました。患者さんはセカンド・オピニオンを希望して高橋クリニックを受診しました。

来院時の超音波エコー検査は次の通りです。16617m37urachus
膀胱・前立腺を真横から観察した図です。図の上が腹部前面で下が背中臀部です。図中の【BLADDER】膀胱、【PROSTATE】前立腺、【URACHAL↓↓↓↑↑↑】尿膜管と思われる部分を示しています。矢印で囲まれたスペースが管状に観察でき尿膜管がハッキリとイメージできます。しかし、どこにも腫瘍らしい陰影は確認できません。

Urachus20501m21tandenたまたま内視鏡手術中に発見した尿膜管遺残の痕跡です。
膀胱頂部に乳首のような形のものを発見しました。膀胱腫瘍ではありません。恐らく尿膜管と膀胱の接合部の痕跡でしょう。

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メール相談 「血尿」

「高橋先生へ
はじめまして。○○区在住の○○(43歳)と申します。ネットで高橋先生のHPを拝見してご相談させていただきました。
最近血尿が出るようになりました。以下血尿が出たときの様子です。
1/27(木):朝大便をしてる時(多分排尿の最後だったと思います。鮮血でした。)
1/28(金):昼休みの時(排尿の最初から最後までワイン色の尿が出てました。最後には内臓みたいなものが出ました。血液の固まりだったのかもしれませんが、よく見ませんでした。)
1/30(日):夕方(排尿の最後にほんの少しだけ出ました。鮮血でした。)
以上のような症状です。ネットで調べたところ悪性腫瘍の可能性が高いようで不安です。明日か明後日に泌尿器科(出来れば高橋先生のクリニック)に行こうと思っています。 一人で悩んでも仕方がないので、病院に行くのが一番ですね。高橋先生のアドバイスをいただけると幸いです。それでは、失礼します。 ○○○○」


「お答えいたします。
血尿が出た場合は必ず原因を調べないと、後々後悔をします。近くの泌尿器科医で結構ですから受診して下さい。
お大事に。 高橋クリニック 高橋 知宏」


「高橋先生
こんばんは。先日メールを差し上げた○○です。ご回答いただきありがとうございました。
早速近所の泌尿器科(○○○の○○○○病院です)で検査をしたところ、早期の膀胱ガンであることがわかりました。15日に内視鏡による手術をする予定です。悪性の腫瘍と診断されてときは少し狼狽えましたが、先生が早期発見なのでそれほど心配することはないと言ってくださいましたので今は少し落ち着いています。
高橋先生、適切なアドバイスをありがとうございました。感謝の言葉もありません。ご連絡が遅れてすみませんでした。それでは、失礼いたします。 ○○○○」

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多発性粉瘤症

「粉瘤」という病気をご存知ですか?簡単にいえば表皮にできる分泌性の脂肪の塊で良性腫瘍です。体のいたる所にできます。多いのが顔、おしりなどです。時に細菌感染を起こし、「糞瘤」という臭い匂いと膿が出るものに変身します。

今回ご紹介する患者さんは30歳男性です。16504m30aterome尖圭コンジローマがなかなか治らないので高橋クリニックを受診しました。陰茎の根本と左大腿部に小さな尖圭コンジローマが出来ていたのですが、直ぐに治る状態です。ところが目に留まったのが陰嚢から陰茎にかけて多発する「粉瘤」です。

大きいもので直径が1.5cm以上あります。16504m30aterome8良性腫瘍ですから放置していて構わないのですが、病気を知らない異性が見たら恐らく引いてしまうでしょう。正式病名は「多発性陰嚢粉瘤症」です。女性の場合もあり、女性の場合は「多発性陰唇粉瘤症」といいます。尖圭コンジローマを治すと同時に、粉瘤を治しましょうと提案をしました。患者さんは快諾です。もちろん手術料金は尖圭コンジローマ手術のみにしました。

仙骨神経ブロックと局所麻酔の併用を前処置として行い、早速手術です。16504m30aterome7 16504m30aterome2電気焼灼で腫瘤の中心に穴を開け、その中に電極を刺入させます。さらに通電すると脂肪の塊が柔らかくなり、腫瘤を指で圧迫すると潮の花のように吹き出たり、ラードのようにクネクネと出てきます。

この病気の厄介なところは、脂肪の塊だけを除去しても再発してしまうのです。16504m30aterome3 16504m30aterome4脂肪を作る袋が存在していて、この袋を除去しなければ、また脂肪の塊が出来てしまうのです。再発させないために次のことを行います。まず、脂肪の塊を指で強く押し出すと、開けた穴から、脂肪と共にその袋が裏返しに出てきます。裏返しになった袋をピンセットでつまみ、さらに電気焼灼で袋を可能な限り焼き取ります。これで手術は完璧です。

手術直後の写真です。大きな目立つ粉瘤は全て除去しました。16504m30aterome6膨らみが大きかったので、手術しても陰嚢の皮膚は所々で余っていますが、時間が経過すると次第にしぼんで正常に戻ります。2週間後の患者さんの傷の具合が楽しみです。今日だけ入浴は出来ませんが、明日からはOKです。消毒も包帯・ガーゼもしません。

写真は手術で16504m30aterome5除去した脂肪の塊の一部と、電気焼灼で焼け焦げた無残な袋の姿です。この袋の完全除去がこの手術の肝です。手がけた粉瘤は完全除去しましたが、つまめないような小さな粉瘤は残念ながらそのままです。

手術後2週間後の所見です。16504m30大きな粉瘤の跡はなくなりしぼみました。まだ小さな粉瘤は確認できますが、手術前の陰嚢の外観から比べるとかなりスマートになりました。患者さんは現在の状態でほぼ満足なさっています。将来残っている粉瘤が大きくなったら手術することになりました。

【補足】
平成20年(2008年)から、この手術の費用は5万円になりました。

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尿道憩室

36歳のご婦人がセカンドオピニオンで高橋クリニックを受診なさいました。悩んでおられる病気は「尿道憩室」です。
お話からは経過は次のようでした。
平成16年5月頃からたびたび急性膀胱炎を繰り返します。不思議に思って婦人科を受診すると、尿道から膿が出ているというのです。そして尿道の下が膨らみ、そこを押すと尿道から膿が押し出されてくるのです。
婦人科の紹介で泌尿器科を受診すると、「尿道憩室」と診断されました。現在は「尿道憩室炎」状態であり抗生剤を処方され、炎症が起きる都度抗生剤が必要になると診断されました。完全に治すためには手術が必要で、大きな病院を紹介するとのこと。手術が嫌でどうにかならないものかと、高橋クリニックへセカンドオピニオンために来院したのです。

さて、実際に患者さんを拝見すると、16480f362写真のようです。【U】は尿道口、【D】は尿道憩室の膨らみ、【V】は膣口です。一般的に、尿道口と膣口の距離はもっと短いのですが、患者さんの場合、尿道憩室の膨らみがその間に存在しています。この膨らみの部分を圧迫すると、憩室内に貯留している尿が尿道から噴出するのです。

超音波エコー検査で調べると、写真のようです。16480f363【U】は尿道、【D】は尿道憩室の膨らみ、【V】は膣、【B】は膀胱です。図の点と点の間が1cmです。直径約1cmの憩室の確認ができます。超音波エコー検査からも解剖学的に予想通りの位置に憩室が存在しており、他の臓器との癒着やつながりはないようです。視診と検査から病気の状態を立体的に把握することが、治療に大いに役立ちます。


ここで私が「尿の飛び方が、真直ぐではなかったのではありませんか?」と質問すると、小学生の頃、和式トイレで用を足すと、便器を汚してしまい、母親に注意散漫で行儀が悪いと怒られていたそうです。何のことはない、尿道憩室が尿線を乱していたためにコントロールができていなかっただけなのです。

治療法は手術以外ないと説明し、患者さんは納得してお帰りになりました。
尿道憩室は男女共に起きる病気です。先天性(生まれつき)の場合と後天性(ケガや他の病気が原因)の場合があります。このご婦人の場合は先天性だったのでしょう。

【注意】病気啓蒙のため患者さんに承諾を得て写真掲載しています。

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メール相談 「射精後の腹痛」

「初めて相談させていただきます。
現在、○○○○に10年以上前より在住いたしており、将来もこの地において働いていく者です。 現在までに当地のドクター複数人に診察してもらっても原因は判明せず、非常に困っております。 大変失礼ながらお知恵を拝借いただけたらとても幸いに存じます。
現在私は○○歳ですがこの症状は12歳の頃、初めて射精をした直後から起こっております。状況は射精後、非常に強烈な腹痛に悩まされ、トイレに行ってそのまま暫く待ってちょろちょろと尿が出てきて、その腹痛のまましばらくいますとまたちょろちょろと排尿をして、という腹痛が状況として約1時間ほど続く事です。 
この腹痛は毎回射精後に絶対に起こるというものではなく、時々おこること、そして例えば射精前にお風呂に入って体全体を暖めていたりした場合にはとても起こりにくいこと(起こらないわけではありません)、もしくは逆に腹痛時にトイレにいた場合、下腹部に湯たんぽをあてて暖めてあげるとこの痛みの症状がとても和らぎ、腹痛の時間(この腹痛の時間中、おしっこがちょろちょろ、と出ます)も割と短く済むこと、またどういう関連なのかはわからないのですが射精直後に「ごろごろごろっ」とおなかの下腹部辺りから小さな音がする事もあります。 そのような時には決まってその後、腹痛はおきません。 また射精前にトイレに行っておいて排尿を済ませておきますとこの腹痛はとてもおこりにくくなります(起こらないわけではありません。 但し、とてもおこりにくくなります)。 
しかしながら射精前に排尿を済ませておいてもからだが冷えていたりしますと必ずと言ってもよいほど射精後にこの腹痛がやってきます。 ですのでからだを暖かくしておく、ということと排尿、という二つの事柄がこの強烈な腹痛にはとても関連があると考えられます。
腹痛、と書きましたが自分のイメージとしては射精後の精子が尿管の膀胱と前立腺とを切り替える弁のあいだにつまり、それが腹痛を引き起こしている、といったイメージでおりました(なので射精後に残尿感が起こり、それがひいては腹痛の原因になる、といった感じでしょうか)。 そして約1時間ほどトイレの上で座っておなかをさすっておりますとその間、少しずつ尿がたまって時々ちょろちょろ、と排尿され、またしばらくすると少し尿がたまってまたちょろちょろと排尿され、という感じです。 ですので約1時間ほどするとこの(腹痛とむすびついている)排尿感も薄らぎ、トイレから出てくることができるという感じです。
それとは別にここ数年来、たまに理由もわからず尿道が痛くなることもあります。 この場合、痛くなるのは丁度睾丸と尾底骨の中間のようなところ、で異常に痛くなりますが直ぐに去ります。 そしてこのような症状は半年から1年に一回起こるかどうかです。 それと関係あるのかどうかはわからないのですが肛門が夜就寝中にいきなり強烈に締め付けられるような感じ(内側に引き込まれるような感じ)でそのあまりの痛さに目がさめることもまた半年から1年に一回ほど起こります。 その場合、トイレにいっていきむのですが便はでません。 そしてしばらく10分ほどいきんでいると自然にこの痛みは去ります。
今回、ご相談させていただけたら、と思いましたのはこの上記の射精後に襲ってくる強烈な腹痛が果たして前立腺や膀胱、尿道などに由来するものなのかどうなのか、という点です。 射精後、排尿感が高まり、それが腹痛の原因になる、とも考えられるのですがこれはもう30年近く続いている症状でなんとかしたいのですが当地の医者では全く理由がわからず困っております。 また20代の時に日本の泌尿器科に相談したこともありますが「大した事はない」の一言で終わってしまっており、解決には結びついてはおりませんでした。いまだに射精後に強烈な腹痛が襲ってきますのでとても難儀致しております。
お忙しいところ、お手を煩わせて大変申し訳ございませんが何卒、お知恵を拝借いただけましたら幸いです。
○○○○」

【解説】
射精前にお風呂に入って体全体を暖めていたりした場合にはとても起こりにくい
腹痛時にトイレにいた場合、下腹部に湯たんぽをあてて暖めてあげるとこの痛みの症状がとても和らぎ
何かの原因で神経が過敏になっている時には、暖めるとその感覚は鈍感になります。

射精直後に「ごろごろごろっ」とおなかの下腹部辺りから小さな音がする
そのような時には決まってその後、腹痛はおきません
(膀胱・前立腺-脊髄神経-膀胱・前立腺)反射回路が存在していてます。何かの原因でこの回路がオーバーヒートすると、(膀胱・前立腺-脊髄神経-腹膜)反射回路あるいは(膀胱・前立腺-脊髄神経-腸管)反射回路に変化するのではないでしょうか。腹膜に刺激が移行した場合は「腹痛」に、腸管に刺激が移行した場合には「ごろごろごろ」になるのでしょう。

射精前にトイレに行っておいて排尿を済ませておきますとこの腹痛はとてもおこりにくくなります
排尿を済ませておいてもからだが冷えていたりしますと必ずと言ってもよいほど射精後にこの腹痛がやってきます
排尿を我慢した状態は交感神経が緊張状態です。貴方の場合、この交感神経が緊張状態にあると、(膀胱・前立腺-脊髄神経-腹膜)反射回路にスイッチが入るのでしょう。

イメージとしては射精後の精子が尿管の膀胱と前立腺とを切り替える弁のあいだにつまり、それが腹痛を引き起こしている
残念ながら、解剖学的には尿管は膀胱だけに連絡しており、前立腺は尿道だけに連絡しています。そのような弁構造は存在しないのですが、生理学的神経支配ではそのような関連があるのかも知れません。言い換えるとハード的にはそのような構造にはなっていませんが、ソフト的にはそのような関連があるのかも知れません。

たまに理由もわからず尿道が痛くなる
膀胱・前立腺の「関連痛」として尿道痛があります。

肛門が夜就寝中にいきなり強烈に締め付けられるような感じ(内側に引き込まれるような感じ)でそのあまりの痛さに目がさめることもまた
やはり膀胱・前立腺の「関連痛」で肛門及び直腸内痛があります。

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メール相談 男性の「尿漏れ」

「はじめまして、よろしくお願いします。私は○○に住む30代前半の男です。
実は11月中ごろより尿漏れをしているようで、困っています。具体的にはツツーっと内股を垂れた感覚があるのですが、パンツにシミが付くほどではないのです。それが1日にかなり頻繁にあります。他には尿の勢いが弱いかな?と感じられ、放尿した後の切れ(?)が悪い感じがします。
症状が出てから泌尿器科には行ったのですが、初診時にポータブルのエコー(?)と肛門からの前立腺の触診を受けました。クラミジアの疑いがあるとの事で、クラビット錠を1週間分内服して尿検査の結果を聞きに来るようにとの事でした。尿検査の結果、オシッコは綺麗で淋病、クラミジアの心配はないとのことでした。あと1週間クラビット飲んで問題があればまた来てくださいとの事だったのですが、尿漏れは止まりませんでした。
再度行くと、尿はきれいだし、ポータブルで取ったエコー(?)の写真も問題ないと。尿の勢いも以前と比べると悪い気がし右足の土踏の痛みが出ることがある事と腰の痛みというか疲れがたまっている感じがすると話すと、(ちなみに整形外科ではどちらも異常なしでした。)首を傾げられとりあえずケイシブクリョウガン(ツムラの25番)を飲んでみてと。次回尿の勢いを検査するから言われました。
その後病院へは行き難く行っていませんが、症状は依然あります。心配になってインターネットで調べていて、先生のお話をみました。助けていただきたく、メールしました。予想される病気は何ですか?悪いことばかり考えてしまい不安です。また、遠方からなのですが、先生のところで見てもらったら、何回ぐらい通院しなければなりませんか?
あと、費用の方はどれ位かかりますか?
上記の説明の他に付け加えで、今年の9月中ごろクラミジアと思われる症状(無色透明のチョットネバネバした液が出た)があったのと、お尻に赤いできものがあってそこから白い膿や膿の封入体?(たらこよりも小さな白い粒々が人間の皮のような弾力のある厚めの膜中に入っていていた)見たいなのがあり、クラビット等の抗生剤を1ヶ月を自己内服してました。」

【解説】
尿漏れをしているようで、困っています。
ツツーっと内股を垂れた感覚があるのですが、パンツにシミが付くほどではないのです
これは、膀胱・前立腺の刺激が錯覚を起こす「関連痛」の症状でしょう。一般的には痛み・しびれですが、異常感覚として尿漏れ感を訴える患者さんがおられます。本当にツツーっと垂れたのならば、相当下着やズボンが濡れます。

クラミジアの疑いがある
恐らく主治医はクラミジア性慢性尿道炎か慢性前立腺炎を疑ったのでしょう。

尿の勢いも以前と比べると悪い気がし
貴方の病気の本当の正体です。

右足の土踏の痛みが出ることがある事と腰の痛みというか疲れがたまっている感じがする
これも「尿漏れ感」と同じ「関連痛」による錯覚・異常感覚です。

予想される病気は何ですか?
膀胱頚部硬化症あるいは膀胱排尿筋内尿道括約筋協調障害による排尿障害が、膀胱・前立腺に負荷を掛けたことによる膀胱・前立腺刺激症状でしょう。

先生のところで見てもらったら、何回ぐらい通院しなければなりませんか?
私が予想した通りの病気であるかどうかの診察・検査のために一度来院して下さい。それから通院回数が決まります。

クラミジアと思われる症状(無色透明のチョットネバネバした液が出た)があった
クーパー腺などの尿道腺から分泌される正常粘液でしょう。クラミジアにはそんな症状はありません。

お尻に赤いできものがあってそこから白い膿や膿の封入体?(たらこよりも小さな白い粒々が人間の皮のような弾力のある厚めの膜中に入っていていた)
感染性アテローム(粉瘤)です。いわゆるオデキです。

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尿管結石

61歳の男性患者さんです。10年前に尿道腫瘍(癌)を私が内視鏡で治療・切除しています。その後、定期的に経過を追っています。11月になって尿が汚れ、頻尿になったと訴えておられるので、腫瘍再発が頭の中をよぎったこともあり、今日11月25日(木)に膀胱鏡検査を行いました。
幸いにも、尿道腫瘍の再発は認められなかったのですが(ホッと一安心!)、左の尿管口の後がなぜか異常に膨瘤しています。
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尿管腫瘍か?と思った時に... 私の視野に左尿管口から黒いものがチラッと見えているではありませんか!
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近づいてよ~く見ると、尿管結石が膀胱内に出掛かっている出産場面です。26年間泌尿器科医を生業にしてこのシーンは初めてです。結石が顔を出したり引っ込んだりを繰り返しています。なかなか出てきません。
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業を煮やして結石鉗子で摘もうとするも、滑ってしまってつかめません。「押してだめなら引いてみな」の逆で、「引いてダメなら押してみな!」を試み、結石の背後から尿管口に向かってしごいたら、ニュル~ッポンと出てきました。
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鉗子で「しっかり捕まえた!離さないぞ!」という感じで、取り出してきました。結石の大きさは、7mm x 4mm x 3mmの大きさです。ヤレヤレでした。患者さんは仙骨神経ブロックをしているので痛みもなく無事にご帰還です。
尿管結石のリアルタイムでは初めての出産シーンでした。
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内視鏡の画像では結石はとてつもなく大きいですが、実際の大きさは写真のようです。
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カンジダ性膣炎

ご婦人が風邪などで抗生剤を長期に内服を続けると、オリモノ(帯下)が急に多くなり陰部が非常に痒くなることがあります。いわゆる感染性膣炎です。原因としては、カンジダと呼ばれる真菌(カビ)やトリコモナスと呼ばれる寄生虫が原因になります。

女性の膣はデーデラン桿菌という乳酸菌によって守られています。乳酸菌はその名の通り乳酸という酸性物質を産生して、体の他の常在菌を抑えて膣を保護しています。そのため、女性のオリモノは乳酸菌の酸性物質その物で、チーズの臭いがする発酵物質なのです。
抗生剤を病気治療などで長期に内服されると、この乳酸菌は簡単に死んでしまいます。そのためにカンジダなどのカビの勢力が強くなりカンジダ性膣炎になってしまいます。

カンジダ性膣炎のご婦人から採取したオリモノの位相差顕微鏡像:
画面の右に斜めに走る構造物がカンジダの菌糸です。画面の左にりんごの実がなっているように見えるのが、カンジダの胞子です。大きさが6~7μmです。
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胞子の発芽:
画面中央に寄りに、胞子が芽を出そうとする瞬間(発芽)を確認できます。
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カンジダ性膣炎そのものは性行為感染症・STDではありませんが、場合によって性交渉を持った相手の男性が包茎であると、カンジダ性亀頭包皮炎になることがあります。

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パイプカット

パイプカットとは?

正式の医学名称は両側精管結紮術(りょうそくせいかんけっさつじゅつ)といいます。精子の通り道である精管を切断してしばる手術です。目的は、ご存知、男子不妊です。
精子を造る睾丸(精巣)と精子の貯蔵庫である精嚢腺(せいのうせん)をつないでいる管が精管です。この管をカットすることで精嚢腺には精子が貯蔵されなくなり、射精した精液には精子が存在しない状態になります。パイプカットをしても精液は出ますのでご心配なく。ちなみに睾丸で造られた精子は睾丸で吸収されてしまいます。また、男性の精力は同じかあるいは増加してきます。
女性の不妊術として、卵管結紮術が存在します。男性のパイプカットに方が体の負担は軽いので、現在ではこちらの手術が主流です。
精管は陰嚢の精索(せいさく)の中に含まれています。医師は触診で精索の中から直径2mmの精管を見つけ出してカットします。この見つけ出す技術が美容外科の先生には難しく、熟練した泌尿器科専門医ならではの仕事になります。麻酔は痛みのない仙骨神経ブロックを行います。

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当院では手術料金98,000円です。
当院での手術希望の方は、診療時間内に電話で直接お申し込み下さい。
院長直通:03-3771-8034
クリニック:03-3771-8000

パイプカット手術承諾書

パイプカットのパイプこと精管は男性のものですが、ご夫婦の場合、ご主人の生殖能力は奥様の財産でもあるのです。ですから、奥様の承諾なしにご主人の判断だけでパイプカット手術を行うと、場合によっては法律で罰せられます。
パイプカットをご希望の方は、下記に示す手術承諾書が必要です。
このページを印刷するかお手持ちの便箋などに書き写し、手術当日にご持参ください。


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               パイプカット手術承諾書

私たち夫婦は両側精管結紮術(通称:パイプカット)の手術を受けることを希望します。
この手術によって、男子不妊症になることを理解しています。
また、精管再吻合手術は入院を必要とする比較的大きな手術になり、
顕微鏡手術で難しく、その成功率は50%であることも認識しています。

平成   年   月   日


   ●ご主人の署名:              


   ●奥様(配偶者)の署名:          

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                  精液検査

精液検査(実例写真)パイプカット手術前位相差顕微鏡200倍像
無数に光る白い粒はすべて精子です。
顕微鏡観察上の密度から見るとこの精液には1ml当たり1億個以上の精子が存在しています。
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手術後精液検査パイプカット手術後位相差顕微鏡200倍像
あれほど存在した精子は精液中には全く認められません。パイプカット手術の成功です。
精液中に含まれるリンパ球やリン酸塩の結晶のみが観察できるだけです
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実際のパイプ(精管)断面
写真は手術で一部切除した精管断面の顕微鏡像です。短径が2mm、長径が3mmです。真中のすき間を精子が通過します。
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頻尿

【概念】
一日の尿の回数は、一般的に3回~8回、平均5回前後です。この回数より多い状態を頻尿(ひんにょう)といいます。一回尿量は正常であれば300ml~500mlですが、頻尿の場合、一回尿量が100ml前後まで少なくなります。
頻尿と混同されるのが多尿(たにょう)です。多尿は異常に尿量が多いために起きる症状です。一回尿量は正常です。原因の病気としては、尿崩症(にょうほうしょう)、糖尿病、心因性多飲などがあります。
頻尿と似た症状に尿意切迫(にょういせっぱく)があります。トイレに行って排尿することはありませんが、尿意が常に感じるか、尿意が突然襲って来る状態です。頻尿の親戚症状と捉えることが出来ます。
排尿後の残尿感も頻尿と親戚症状です。

【頻尿を起こす病気】
下部尿路(膀胱・前立腺・尿道)が何らかの原因で過敏になった場合に頻尿が起きます。
具体的な病名を上げれば次のようです。
●急性膀胱炎
慢性膀胱炎
●間質性膀胱炎
●急性前立腺炎
慢性前立腺炎
●慢性尿道炎
前立腺肥大症
●神経因性膀胱
●尿路結石

上記の色々ある病気のうち、尿検査で異常と出る可能性が高いのは、急性膀胱炎・急性前立腺炎・尿路結石です。逆に言えば、その他の大多数の病気は尿検査で正常と出てしまう可能性が高いのです。ですから、尿検査で異常がないからと即、病気が完全否定されたことではないことを知っておく必要があります。他の様々な検査を行うことで必ず異常所見が出ます。特に一般臨床の医師には知っておいて欲しいものです。誤解・誤診で苦しむのは医師ではなく患者さんなのですから。

あるサイトの動画の中で、頻尿について私が簡単にコメントしています。ご興味がありましたらご覧下さい。

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排尿痛

【概念】
オシッコの時に痛みが出るのを排尿痛(はいにょうつう)といいます。痛みの時期と場所で次のように分類でき、原因の病気も推理出来ます。
●出始めから前半の痛み
●後半から最後の方の痛み
●排尿直後の痛み
●尿道先端の痛み
●尿道中間の痛み
●尿道の奥の痛み

●出始めから前半の痛み
1.急性尿道炎(淋病・クラミジア・雑菌)

●後半から最後の方の痛み
1.前立腺炎
2.急性膀胱炎・慢性膀胱炎

●排尿直後の痛み
1.前立腺炎
2.急性膀胱炎・慢性膀胱炎
3.尿管結石

●尿道先端の痛み
1.急性尿道炎(淋病・クラミジア・雑菌)

●尿道中間の痛み
1.慢性前立腺炎

●尿道の奥の痛み
1.慢性前立腺炎

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血尿

【概念】
尿に血液が混じる現象を血尿(けつにょう)といいます。肉眼的にハッキリ確認できる血尿を肉眼的血尿、顕微鏡でしか確認できない血尿を顕微鏡的血尿といいます。

【血尿の原因】
血尿には何らかの原因が必ずあります。疲れただけでは血尿にはなりません。ですから血尿を認めた時には、必ず泌尿器科医か腎臓専門の内科医の受診をお薦めします。
●慢性腎炎
●尿路結石
●急性膀胱炎
●急性前立腺炎
●腎腫瘍
●尿管腫瘍
●膀胱腫瘍
●尿道腫瘍
●血管奇形
●子宮内膜症
●隣接臓器癌の尿路臓器への浸潤

【実例1】 2ヶ月続いた血尿の原因は?
患者さんは60歳男性です。平成16年1月に血尿に気づきました。内科の主治医に相談したところ、尿管結石でしょうとそのまま放置。何もしないで血尿は収まりました。4月になり再び血尿が出現、様子を見ましたが一向に収まらないので、6月16日当院に紹介で来院しました。血尿はご覧のように明らかです。超音波エコー検査で膀胱の左後ろ壁に1.5cm×1.0cmの腫瘍陰影を認めたので、膀胱鏡検査を行いました。写真のように乳頭腫状の膀胱腫瘍です。
grosshematuria.jpg BT60y15494echo.jpg BT60y15494neck.jpg

【実例2】 半年間続く生理ごとの出血性膀胱炎

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【実例】 出血のない膀胱腫瘍
43歳の男性の方が、セカンドオピニオンで来院されました。人間ドックの超音波エコー検査で膀胱に怪しい影が認められたというのです。
地元の大学病院泌尿器科で内視鏡検査を受けたところ、膀胱粘膜に検査した医師が今まで見たこともない腫瘍が認められたとのこと。早速手術を薦められ、入院予約をしたのですが、「今まで見たこともない」というフレーズが妙に引っかかり、インターネットで私のクリニックを検索して来院なさいました。
私が行った超音波エコー検査でも、下の写真のように18mm×13mm大の腫瘍陰影が確認できます。黒く見えるのが尿のたまった膀胱です。膀胱の三角部といわれる場所に、ウサギが耳を立てたように見えるのが膀胱腫瘍です。
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内視鏡検査では、写真のような表面平滑の腫瘍が観察できました。一見しては炎症性によるポリープで悪性所見はないようですが、やはり念のために組織検査が必要です。前の大学病院で検査手術をお薦めしました。
膀胱腫瘍だからといって必ずしも血尿がある訳ではありません。
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慢性膀胱炎

【概念と疫学】
頻尿・残尿感があり、尿検査を行っても異常がなく、「気のせい」「精神的」と診断されてしまう病気に慢性膀胱炎があります。
尿検査で異常が出るのは、細菌感染が原因の尿路感染症や尿路結石や癌の時の血尿だけです。それ以外の泌尿器科の病気では、尿検査に異常を認めません。
尿検査だけで異常がなければ、「心の病気」と診断してしまう医師にも問題があります。その背景には女性、特に若い女性には排尿障害がないという思い込みや誤解が医師や一般の人にあります。また患者さん本人も排尿障害を自覚していない場合がほとんどです。私は慢性膀胱炎の本当の原因は排尿障害だと信じています。


下の写真は、膀胱粘膜濾胞変性の慢性膀胱炎の内視鏡所見です。膀胱粘膜が凸凹しているのが観察できます。こんな状態でも尿検査は異常なしです。
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下の写真は、膀胱粘膜白苔変性の慢性膀胱炎の内視鏡所見です。膀胱出口から膀胱三角部にかけて白い苔(こけ)状の粘膜変性が確認できます。この方も尿検査には異常なく、「気のせい」と診断されていた女性です。
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下の写真は、内視鏡で観察された膀胱出口の多数のポリープです。慢性膀胱炎の患者さんには炎症性ポリープと呼ばれるこのようなポリープの存在を観察できます。従来は特に意味のない存在としか認識されていませんでしたが、私はこのポリープの存在を排尿障害の証拠と認識しています。
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分類
慢性膀胱炎の分類は次の分け方があります。
●感染の原因による分類
1.細菌性慢性膀胱炎
2.非細菌性慢性膀胱炎
●年齢による分類
1.若年型慢性膀胱炎
2.中高年型慢性膀胱炎

細菌性慢性膀胱炎
雑菌による慢性膀胱炎です。ほとんどの原因に重篤な基礎疾患があります。
例えば、子宮癌・直腸癌・膀胱癌・糖尿病・脳卒中・脳梗塞・寝たきり・脊髄損傷などです。基礎疾患が重篤であるので、慢性膀胱炎の症状を訴える方はごく少数です。

非細菌性慢性膀胱炎
雑菌が原因でない慢性膀胱炎です。原因となる基礎疾患がありませんから、原因不明で恐らく「気のせい」あるいは「精神的」「心因性」と診断されてしまう膀胱炎です。一番多いタイプの慢性膀胱炎です。

若年型慢性膀胱炎
10代後半から30代後半までに起きる慢性膀胱炎です。このタイプが非細菌性慢性膀胱炎の一番多い膀胱炎です。写真の白苔変性の慢性膀胱炎はこのタイプです。
私見では、患者さんが気が付かない排尿障害が慢性膀胱炎の原因と考えています。

中高年型慢性膀胱炎
更年期(45歳~55歳)を過ぎてから起きる非細菌性慢性膀胱炎です。女性ホルモン低下が主な原因です。写真の濾胞変性の慢性膀胱炎はこのタイプです。

【症状】
●オシッコが近い(頻尿ひんにょう)
●残尿感(ざんにょうかん)
●常に尿意で悩ませられる(尿意頻拍にょういひんぱく)
●下腹部が重い、痛い、しびれる
●排尿後の尿道の痛み
●陰部の痛み
●肛門の痛み
●足の痛み、しびれ
●腰痛・背部痛
●血が出る(血尿)

【検査】
●尿検査
●超音波エコー検査
●尿流量測定ウロフロメトリー検査
●残尿量測定検査
●膀胱鏡検査

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慢性前立腺炎

【概念と疫学】
若い男性の治りにくい病気に慢性前立腺炎があります。下半身の多彩の症状によて、「心の病気」と誤診されてしまう病気でもあります。
慢性前立腺炎、特に非細菌性慢性前立腺炎については、その原因が未知の細菌やウィルス説・アレルギー説・膠原病説・骨盤内静脈鬱滞説・心因性説など様々な原因が挙げられています。私は排尿障害が原因であると唱えています。


【症状】
その多彩な症状としては、具体的には次に列挙する取り留めのない訴えです。
●頻尿
●会陰部(陰嚢と肛門の間)の疼痛
●恥骨部疼痛
●尿道痛(先端・全体・奥など)
●大腿(太もも)の不快感(しびれ・痛み)
●足の裏の不快感(しびれ・痛み)
●腰痛
●背部痛
●射精時の痛み・射精後の痛み
慢性前立腺炎と診断される方はまだいい方で、下半身の様々な症状のために、大した検査もしないで心因性・精神的と診断される方がかなり多くおられます。

これら多彩な症状は精神的に起きる症状ではなく、脊髄中枢の過敏さによる関連痛なる生理学的反応です。
ところが私も含めて医師が関連痛なる生理現象について勉強したのは、遠い過去、医学部の3年生頃です。
臨床医になってそんな知識は頭の片隅に存在しないので、患者さんの訴える症状を心因性・精神的と誤診してしまうのです。

【分類】
●細菌性慢性前立腺炎
●非細菌性慢性前立腺炎

細菌性慢性前立腺炎
狭い意味での慢性前立腺炎です。細菌感染で発症する前立腺の炎症です。細菌の種類としては、クラミジアや腸内細菌が挙げられます。治療は抗生剤の投与です。

非細菌性慢性前立腺炎
この記事を読まれている方のほとんどの原因が、細菌を証明することのできない非細菌性慢性前立腺炎の方でしょう。細菌感染を証明しようと、前立腺マッサージ後の前立腺液検査や尿検査を何回も行っても証明できないことが多い病気でもあります。医師によっては感染を証明できないから「気のせい」「心因性」「ストレス性」などと誤診する事例が多い病気でもあります。

この状態を他の病名で呼ぶ医師も存在します。
●前立腺疼痛症
●前立腺症
●陰部神経症
●骨盤内静脈鬱滞症候群

【実例】
下の写真は、非細菌性慢性前立腺炎と他の医療機関で診断され、13年間治らないので来院した43歳の男性患者さんの内視鏡写真です。症状は突然襲って来る尿意と頻尿です。脊椎麻酔をして膀胱出口を観察していますが、まるで巾着のように狭くすぼまっています。膀胱頚部硬化症の所見です。膀胱出口の直径が2mmしか開いていません。これでは排尿する時に、膀胱や前立腺に負担がかかり辛い症状が出現しても不思議ではありません。この患者さんのように、本当は排尿障害を主体とした膀胱頚部硬化症であるのに、症状が慢性前立腺炎と似ていて、細菌が証明されないので非細菌性慢性前立腺炎と誤診される患者さんが後を絶ちません。
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下の写真は、上記と同じ患者さんの手術直後の内視鏡写真です。膀胱出口が大きく開きました。直径10mm程になり排尿障害も改善されました。頻尿も次第に収まりました。
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さらに慢性前立腺炎について詳しくお知りになりたい方は、慢性前立腺炎ページをご覧下さい。

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前立腺肥大症

【概念と疫学】
最近よく耳にする病名に前立腺肥大症という言葉があります。
高齢者の病気だと思っておられる方がほとんどでしょう?実は若い方にも出てくる病気です。
私のクリニックでは30代後半~40代前半の方の手術をすることが時々あります。
ところが、多くの医師、内科医ばかりでなく泌尿器科医も若い方の前立腺肥大症はないと思っておられるので、排尿障害や頻尿などの症状が出現しても気のせいにしてしまい、患者さんが苦しむ事例が比較的多くあります。

近年、日本人にも前立腺肥大症になる男性が増加傾向にあります。統計予想によると、日本人男性が80歳までに80%の方が前立腺肥大症になるそうです。残りの20%は前立腺肥大症の逆で前立腺が萎縮してしまうのです。
なぜ高齢者になると、前立腺が肥大するのでしょう。これには食生活の欧米化によるところが大です。なぜ食生活の欧米化が前立腺肥大症を造るのかを説明しましょう。

戦後の復興で食生活は豊かになり、また欧米食を国も目標としてきました。事実、欧米食は旧来の日本食に比べてはるかに高カロリー・高タンパク・高コレステロールです。これら栄養素は男性ホルモンの材料です。欧米食により男性ホルモンの分泌は高齢になっても盛んです。男性ホルモン分泌が盛んであることは、性行為が高齢者になってもできるということです。
生物学的にいえば、年を取ったオスにいつまでも生殖能力があるのでは若いオスにとっては死活問題です。種の繁栄から考えれば、若いオスの生殖活動を自然界が支えなければなりません。そこで、年を取ったオスの精液を亡き者にすればよいと自然、ここではDNAがある意志を持つのです。
前立腺は前立腺液を分泌する臓器です。前立腺液は精液の3分の1を占める構成成分です。その役目は精子を保護し精子にエネルギーを与える役目をします。つまり、射精で女性の膣内に発射された精液中の精子をいつまでも生かし続けさす役目を担っているのです。前立腺液が少なくなれば体外に出された精子は生きていけなくなります。前立腺液が出ないようにするには、前立腺組織内の分泌腺を他の組織で置き換えてやればよいのです。その他の組織こそ前立腺肥大症の組織なのです。この現象は自然が作ったパイプカット、男子不妊手術と呼べる組織変化です。本来なれば年齢と共に男性ホルモンは低下し前立腺はそれと呼応するように萎縮していました。それとは逆に男性ホルモン分泌がいつまでも盛んであればあるほど、前立腺はそれと呼応するように前立腺肥大症になるのです。

下の写真は前立腺肥大症の内視鏡写真です。6時の位置にある小さな半球状のドームは精液が噴出する「性丘(せいきゅう)」呼ばれる直径3mmの尿道内の構造物です。
この性丘から膀胱に向かって覗いているシーンですが、本来ならば膀胱が見えなければなりません。
ご覧のように、前立腺肥大症によって尿道が圧迫されて膀胱を見ることができません。
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上記の症例の前立腺肥大症の手術(TUR-P 経尿道的前立腺切除手術)直後の内視鏡写真です。
先ほどまで確認できなかった膀胱内腔を見ることができます。前立腺肥大症による尿道圧迫が解除されたからです。
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【症状】
症状の発生原因は前立腺肥大症による尿道閉塞と膀胱刺激が主な原因です。
●オシッコが近い(尿道閉塞)
●息み時間が長い、すぐにオシッコが出ない(尿道閉塞)
●切れが悪い(尿道閉塞)
●尿が散る、便器を汚す(尿道閉塞)
●トイレに間に合わずに漏らしてしまう(膀胱刺激)
●途中で尿が止まる(尿道閉塞)
●残尿感がある(膀胱刺激)
●いつまでも尿意が残る(膀胱刺激)
●寝てから何度もトイレのために目が覚める(膀胱刺激)
●水に触れたり水の音を聞くと尿意が出る(膀胱刺激)

【検査】
●尿検査
●尿流量測定ウロフロメトリー検査
●残尿量測定検査
●内視鏡検査
●尿道造影レントゲン検査

尿検査
尿路感染を調べます。

尿流量測定ウロフロメトリー検査
下図は、正常な排尿状態の男性の検査結果です。縦軸の高さが尿の勢い(ml/秒)の良さです。横軸がオシッコにかかった時間(秒)です。
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下図は前立腺肥大症の男性の排尿状態です。正常の方と比べてオシッコの勢いの悪さは一目瞭然です。
uroflowBPH.jpg

内視鏡検査
内視鏡検査で前立腺肥大症による尿道閉塞状態を実際に確認して、手術の適応を決めます。前立腺肥大症と思っていたら、前立腺癌や膀胱癌の場合があります。

下の2枚の写真は、膀胱出口から前立腺部尿道にかけての内視鏡写真です。膀胱出口は大きく丸く開いているのが正常ですが、前立腺肥大症で左右から圧迫されていて十分開いていません。
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下の2枚の写真は、前立腺肥大症で圧迫された前立腺部尿道の内視鏡写真です。6時の位置に確認できる半球状のドームは「精丘(せいきゅう)」と呼ばれる精液の発射口です。正常であれば、この位置から膀胱が見えなければなりません。
BPHob.jpg

下の2枚の写真は、精丘から尿道にかけての内視鏡写真です。「くびれ」は尿道括約筋が圧迫している部分です。
BPHfr.jpg


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