高橋クリニック「休診のお知らせ」

Clinicsakura

院長の高橋知宏が、慢性腎不全という大病したため、当分の間、診療は午前中だけです。

また、院長が精密検査のため、大学病院に受診することがあり、臨時休診することがあります。
初診の患者さんは、事前に高橋クリニックにお電話で、休診日を直接ご確認ください。ご迷惑をおかけします。Img_0006

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本当はこわい排尿障害

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ついに2019年1月17日から私の書いた新書「本当はこわい排尿障害」が販売になりました。

私の治療で軽快した患者さんが実は作家で「先生のユニークな考え方をもっと公開すべきだ」と言って出版社を紹介し、トントン拍子に出版されることになりました。
ご覧のようにクリニックの受付けカウンターに置いています…さてさて売れるでしょうか?たくさんの人に読まれることで、多くの悩まれる患者さんが救われる筈です。
Amazonでもご購入できます。

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膀胱・直腸の違いで分かる病気の本質

膀胱と直腸は、元々は同じ臓器だったのです。
以前にも、膀胱の発生学的構造について解説しました。そこでおさらいです。

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まずは、胎児の4週の時点で、膀胱の基礎が出来上がります。それが、「総排泄腔」です。その形はとてもシンプルです。総排泄腔の前に「へその緒」が繋がっています。総排泄腔の前後の真ん中辺りにクビレが生じます。これを「尿直腸中隔」と呼びます。イラストでは「中隔」と示しています。
胎児の6週に成ると中隔というクビレがドンドン深くなっていきます。深くなるに連れ、総排泄腔の前は膀胱に、背後は直腸になろうと変形します。つまり、膀胱と直腸は、発生の途中では同じ臓器だったのです。ですから、出産後に成長して成人になれば、別の臓器と思われますが、神経的には脊髄神経で繋がっている方もおられます。その証拠に、膀胱炎になると便意を催すヒトもいれば、下痢すると頻尿になるヒトも存在します。
胎児の7週に成ると、尿直腸中隔は完成して膀胱と直腸は完全に分離独立します。膀胱の末端は、体壁皮膚の外側まで通過して「尿道」になります。胎児の11週には男性の場合は、この尿道から芽が出て、それが「前立腺」になります。背後の直腸は、大腸(S字結腸)の末端と接続して、大腸は直腸まで連続します。

ここまで見ると、膀胱も直腸も、ほぼほぼ同じ臓器です。何が違うかと言うと、膀胱は腎臓・尿管と繋がり尿を溜め排泄し、直腸は消化器官末端の大腸と繋がって大便の通り道です。尿管の粘膜細胞である移行上皮が膀胱の粘膜として広がり、大腸の粘膜細胞の円柱上皮が広がり直腸の粘膜になるのです。最初は同じ臓器なのに、粘膜細胞は異なるのです。
さて、ここで疑問が生じます。オシッコが出なくなる「神経因性膀胱」の原因は、膀胱の力が無くなったから尿が出なくなると言われています。しかし、直腸の力が無くなったから大便が出なくなる病気は存在しません。もともと直腸には、そのような力がある構造でもなく、大便の塊を腹圧をかけて押し出す際に、便意を感じてチョコっと力を補助するだけです。直腸の筋肉はただ単に蠕動(ぜんどう)運動するだけです。膀胱もほぼ同じで、尿を溜める時に膨らみ、尿を出す時に一滴も残らず閉じるだけの力があればよく、肝心の排出力は腹圧をかけて尿が出るだけです。ではどうして、「神経因性膀胱」という病気で尿が出なくなるのでしょうか。それは、生まれは同じ双子の臓器ですが、膀胱出口の構造が直腸の出口よりもシンプルではないからです。

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ここで、先ず直腸の出口=肛門の仕組みを見てみましょう。内〇〇括約筋と外〇〇括約筋が隣り合わせで接しています。排便の際には、外〇〇括約筋が開きますが、内〇〇括約筋は軽く収縮します。なぜなら、直腸の縦走筋と協力して、直腸を漏斗状に姿を変えて大便が出やすくするのです。ここで容易に分かることは、内〇〇括約筋が頑張っても骨格筋である外〇〇括約筋には負けてしまうので肛門は容易に開くのです。

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直腸と比較すると、膀胱の出口は少し複雑です。
内〇〇括約筋と外〇〇括約筋が上下に位置しているのです。
排泄物が液体の膀胱の場合は、直腸と同じに隣接していると、尿が漏れ出てしまうからです。しかし、排尿時は、直腸と同じ動きをします。外〇〇括約筋が開こうとすると、内〇〇括約筋が収縮して同時に膀胱縦走筋が収縮します。その相互作用で膀胱の頸部は漏斗状に姿を変えて排尿しやすくなります。
ところが、直腸と違い、内と外〇〇括約筋が上下に位置していて、外〇〇括約筋の力が内〇〇括約筋に十分な伝わりません。そのため、微妙なバランスで内〇〇括約筋が開くことになります。もしも、このバランスが乱れれば、内〇〇括約筋は十分に開かず、排尿障害になるのです。

つまり、直腸は内〇〇括約筋と外〇〇括約筋が並行に位置し、膀胱は内〇〇括約筋と外〇〇括約筋が縦に位置しているのです。力の強さは、骨格筋・随意筋である外〇〇括約筋の方が、内臓筋・不随意筋である内〇〇括約筋よりもはるかに強いのです。ですから、並行に並んでいる直腸の場合は、内〇〇括約筋は外〇〇括約筋の言いなりです。そのため、外〇〇括約筋が開くと内〇〇括約筋が容易に開いてしまうのです。しかし、ある程度の距離を置いて縦に並んだ膀胱の場合は、内〇〇括約筋が自己主張するので、外〇〇括約筋の言いなりにならないのです。その程度は、歳を重ねるごとに強くなり、また男性の場合は前立腺が大きくなるほどに強くなるのです。

便秘などの大便の出が悪いのは、大便の固さに問題があるのです。しかし尿は液体ですから、出の悪さは膀胱出口の開閉だけに依存しています。内尿道括約筋(膀胱括約筋)と外尿道括約筋の連携プレイが問題になるのです。神経因性膀胱は膀胱全体の筋肉の力がないからと言うのは「嘘」です。『治らないんだ😞』と詐欺被害者になってしまいます。騙されてガッカリしないでください。ですから、神経因性膀胱などの治療には、内尿道括約筋を緩める薬や手術で内尿道括約筋をカットしてあげればいいのです。

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医療サイトの投稿原稿#12 「痛みで悩むご婦人」

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アメリカ在住の30代のご婦人が、2017年の9月から、夜間に突然、陰部がとても痛くて目が覚めました。陰部全体の痛みと尿道が引っ張られるような痛みです。これ以降、毎晩起こる痛みのため不眠症になってしまいました。
地元アメリカで、泌尿器科・婦人科などいろいろな医師を受診し、治療を受けましたが治りません。何回も通院すると、医師に見放されたような態度を取られてしまいました。患者さんは、そのような状況になってもくじけないで、インターネットで情報をいろいろ収集しました。その中で、私の書いているブログ記事をたまたま発見したのです。
地元のアメリカでは、私の推薦するクスリを調達できなかったので、日本にいる家族に連絡して、α-ブロッカーのエブランチルを送ってもらい服用してみました。すると、今まで自覚していなかったオシッコの出が良くなったのです。痛みには、それほど効き目がありませんでしたが、私の理論が正しいことを実感したのでした。

その後、日本に帰郷して、関東近県の地元の内科の先生に、無理にお願いして、お祖父さんにフリバスを処方して頂き、それを服用を始めました。すると、どうでしょう!あれほど苦しんでいた痛みが無くなり、夜グッスリと眠れるようになったのです。地元の内科の先生も、その話しを聞いて驚いたそうです。
日本滞在中に私の診療所へ受診しようと、2018年6月末に来院されました。
早速、エコー検査をすると、写真のように膀胱縦走筋(膀胱排尿筋)の走行が、膀胱出口に向いていません。当然、膀胱三角部が厚くなっています。厚さが約7mmです。正常は2mmです。厚さ2mmで排尿回数5回が正常だとすると、7mmだと、オシッコの回数は15回〜18回のはずです(私の自論展開)。しかし、この患者さんの排尿回数は、1日たったの4回でした。
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膀胱三角部で作られた頻尿のエネルギーがまったく表現されていません。これは、患者さんの脊髄神経回路の特性によるものです。しかし、脊髄に送られた情報(エネルギー)をそのまま貯めておくことはできません。そこで、脊髄が新たな神経回路を形成したのです。それが「痛み」症状なのです。
フリバスは、前立腺肥大症の治療薬でお馴染み、排尿障害治療薬のα1-ブロッカーです。もちろん保険適応外ですが、膀胱出口の緊張をゆるめ、男女関係なく排尿障害の治療に役立ちます。また、α-レセプターは、膀胱出口ばかりでなく膀胱三角部にもありますから、膀胱三角部の興奮もフリバスで抑えられたのでしょう。また、排尿障害のため振動して硬くなった膀胱出口も、膀胱三角部と同じくセンサーが形成されるので、膀胱出口の情報も脊髄を介して痛み症状になったのです。
このような症例に遭遇した場合、一般的には①頻尿症状がなければ、陰部疼痛症・うっ血性骨盤疼痛症候群、②頻尿症状があれば、過活動膀胱・間質性膀胱炎・膀胱疼痛症候群、③子宮筋腫があれば、子宮筋腫の関連痛、④他に症状がなければ、陰部神経症と診断されるのが「落ち」でしょう。病気の症状発現のためには、「ブラック・ボックス」である脊髄神経回路が介入していることを医師は肝に銘じるべきです。
また、この患者さんはフリバスで痛みが消失しましたが、不十分な場合、炎症による痛みではありませんから、通常の痛み止め(ロキソニンなど)は無効です。脊髄中枢の「痛み回路」抑制効果のある、リリカ・トラムセットが有効です。

フリバスは地元の内科の先生に継続して処方いただき、さらに膀胱三角部を的確に抑えるベタニスを追加で処方しました。

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医療サイトの投稿原稿 「神経因性膀胱が治らないと言う誤解」

 膀胱の収縮力低下の結果、オシッコが出なくなる病気を「神経因性膀胱」と呼びます。
一般的に泌尿器科の医師は、男性で前立腺が大きくなく残尿量が多ければ、神経因性膀胱と診断します。また、女性の場合でも残尿量が多ければ、やはり神経因性膀胱と診断します。その理由は、排尿障害の明確な原因がなく、単純に膀胱の収縮力が低下しているからだとされます。そして、脊髄神経や脳の精密検査を行い、脳梗塞の後遺症だ、椎間板ヘルニアの影響だ、二分脊椎だ、馬尾神経障害だ、過去の骨盤内手術の後遺症だなどを理由に、「治りません」と結論づけるのです。
治療手段は、「生涯に渡って膀胱カテーテル留置か、毎日何回もの自己導尿しかありませんね。」と告げるのです。ここには、病気を治そうと努力する医師の姿が一かけらも見えません。
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このイラストは、排尿の際の膀胱周囲の物理的力を表現しています。
① 自分の意志で尿道括約筋が開く
② 呼応して自動的に自律神経で膀胱括約筋が開く
③ 蓄尿の重量(重力)
④ 膀胱が収縮する
⑤ 臓器の総重量(重力)がかかる。
⑥ 腹筋・腹圧がかかる
以上の6つの要素で排尿します。
この中で、物理的力が一番強いのが腹筋・腹圧です。2番目が各臓器の総重量、3番目が膀胱収縮力です。その3番目の強さの膀胱収縮力が無くなったからと言って、オシッコが出なくなるでしょうか?どう考えても、他に原因があるとしか思えてなりません。
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ここで、簡単にできる実験をお示しします。
点滴のビニール・バック溶液に着色し、点滴を全開にします。5分後、中身は空っぽになります。当たり前の光景です。点滴バックに外から圧力は掛かっていません。点滴を全開にしたので、溶液の重量(重力)で空っぽになっただけです。これから考えれば、膀胱の収縮力が欠如しても、膀胱出口が十分に開いていれば、オシッコは完全に出るはずです。まして腹筋・腹圧、臓器の重さ、畜尿の重さの三つの力が働くのですから、オシッコが出ない訳がありません。結局、オシッコが出ない神経因性膀胱の原因は、膀胱出口が十分に開かないためです。尿道括約筋は、骨格筋・横紋筋で自分の意志で開きます。しかし、膀胱括約筋は内臓筋・平滑筋の自律神経支配で自分の意志では開くことが出来ません。あくまでも尿道括約筋と連動してオートマティックに膀胱括約筋が開くのです。神経因性膀胱の患者さんは、このオートマティックが故障していると考えられます。その原因として、膀胱出口が硬くなってしまった膀胱頚部硬化症や前立腺肥大症が考えられます。
膀胱出口を開くための自律神経支配のオートマティックを直すことは出来ませんが、膀胱出口を緩めたり開くことは可能です。
① 保存的にはαブロッカー(エブランチル・ハルナール・ユリーフなど)を利用して膀胱出口の緊張を緩める。
② 前立腺肥大症の硬さを柔らかくするために抗男性ホルモン剤(アボルブ・プロスタール)を投与する。
③ 保存的治療で改善が得られなければ、外科的治療・経尿道的内視鏡手術を行い、膀胱出口を円錐状・漏斗状に開放する。膀胱括約筋と尿道括約筋は、男性で3㎝~4㎝、女性で2㎝の距離があるので、術後の尿失禁の心配はない。
神経因性膀胱を専門とする医師は、膀胱内圧測定や筋電図などを駆使して、神経因性膀胱を次のように分類します。
1弛緩性膀胱、2無抑制膀胱、3過活動性膀胱、4排尿筋括約筋協調不全
これらの分類は、ダメになり疲弊した膀胱の現状を分類しているだけで、患者さんの悩みや苦しみに対して何の解決にもなりません。
貯水タンクから水の流出がなければ、タンクの排水口が何かで詰まったと考え、排水口を点検・清掃して修理するでしょう。貯水タンクに収縮力がないから流出しないとは思いませんね。それと同じで、自己導尿して尿の排出できるのに膀胱収縮力がないからと診断するのは見当違いです。

【医療関係読者からの感想】

また、以下には高橋先生の記事の感想をいただきましたので、一部を記載させていただきます。
記事は全体の89.8%の方が満足していると回答しており、


・眼前の患者に診断をつけたら終わりではなく、病態生理を突き詰めてどうしたらその症状を改善できるかという、医療の根本姿勢を考えさせられるお話でした。
・明日からの外来で、患者への説明と頻尿への治療に役立てたいと思います。ありがとうございました。
・以前からブログを拝見し勉強させていただいてます。
・ぜひ継続してください もっと勉強したいです
・他科の医師としてとても勉強になりました。
・専門外ですが患者さんから相談されることがありますので、大変参考になりました。
・神経因性膀胱の診断でも膀胱出口が硬くなってしまった膀胱頚部硬化症や前立腺肥大症があることに今まで気づいておらず中々薬の効果が出ない人がいると思っておりました。とても参考になりました。

などのお声をいただいております。
今後の執筆のモチベーションにしていただけますと幸いです。

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慢性前立腺炎と慢性膀胱炎の見方

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この記事は、泌尿器科の専門医に読んで頂きたいですね。

慢性前立腺炎の症状は、下部尿路症LUTS (Lower Urinary Tract Syndrome)の一部です。他には、前立腺肥大症、慢性膀胱炎、過活動膀胱、間質性膀胱炎、膀胱疼痛症などです。

これら下部尿路症の症状の中心にあるのが、膀胱の症状です。頻尿、残尿感、痛み、下部尿路周辺の痛み・痒み・シビレ・不快感です。この症状の組合せによって、病気が決まると考えます。例えば、
①前立腺肥大症は、尿の出が悪くて、頻尿や夜間頻尿があって、前立腺が大きい場合です。
②慢性前立腺炎は頻尿・痛みがあって、前立腺が小さく年齢も比較的若い場合です。
③慢性膀胱炎は頻尿・残尿感があって、年に何回も症状が起きて、尿検査で白血球や常在菌が発見される場合です。
④過活動膀胱は頻尿・尿意切迫感があって、検査に異常がない場合です。
⑤間質性膀胱炎は頻尿・痛みがあって、膀胱粘膜に異常所見が認められた膀胱です。
⑥膀胱疼痛症は痛みが主で、ハッキリした原因かない膀胱です。

どうですか?このように並べて比較すると、症状は、ほぼほぼ同じで、チョッとした検査結果の違いにしか見えませんね?症状の作成の元は膀胱ですが、原因の違いによって症状の違いが出るのではなく、膀胱を神経支配している仙骨神経の仙髄2番〜仙髄4番レベル(人によっては腰髄4番〜仙髄5番)の神経回路が作る違いです。
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症状の多様性は、膀胱と排尿障害の程度と脊髄神経回路との組合わせの結果です。それが、病気の多様性を作るのです。排尿障害が強くて前立腺が大きいと前立腺肥大症、前立腺が大きくないと神経因性膀胱、前立腺のないご婦人も神経因性膀胱と診断されます。排尿障害はそれ程でもなく前立腺が小さいと慢性前立腺炎、前立腺のないご婦人の場合は過活動膀胱、頻尿と痛みで間質性膀胱炎、痛みだけだと膀胱疼痛症と診断されます。

慢性前立腺炎の患者さんは、医師が「炎症」と言う固定観念に縛られて、ひたすら炎症を抑えるクスリ、抗生剤・抗菌剤・セルニルトン・エビプロスタットを処方するのです。しかし、慢性前立腺炎の本質は排尿障害と膀胱の過敏さですから、炎症の治療で治る訳がありません。積極的に排尿障害の治療と膀胱刺激症状の治療をすればいいのです。

排尿障害による慢性膀胱刺激の患者さんは、定期的に頻尿や残尿感などの膀胱の症状が出現し、さらに尿検査で白血球やバイ菌が確認されるので、膀胱「炎」と誤診断されます。

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膀胱の構造から考えた治療の選択肢

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慢性前立腺炎や間質性膀胱炎などの下部尿路症の主な原因は、患者さん本人が気付いていない排尿障害です。
機能性排尿障害が、膀胱括約筋を肥厚させ、さらに強い器質性の排尿障害になります。
それと同時に膀胱三角部が肥厚・過敏になります。
膀胱出口の膀胱括約筋と膀胱三角部が肥厚して排尿障害が強くなるため、膀胱体部にも負担が掛かります。
膀胱括約筋のスイッチである受容体は、α1受容体ですから、治療薬はα1ブロッカーのユリーフ、ハルナール、フリバスです。
膀胱三角部のスイッチである受容体は、β3受容体ですから治療薬はβ3作動薬であるベタニスです。
膀胱体部のスイッチである受容体は、ムスカリン受容体ですから、治療薬は抗コリン剤のベシケアなどです。
下部尿路(膀胱・前立腺・尿道)の慢性的病気は、この膀胱括約筋と膀胱三角部と膀胱体部の三つ巴で作られる症状です。ですから、α1ブロッカーとβ3作動薬と抗コリン剤の3つを駆使すればいいのです。

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ところが、この理論で治療しても、すべての患者さんがスッキリ、ピッタリと治る訳ではありません。
なぜなら、平滑筋に作用するスイッチである受容体は、万人が常に均一均等に配分している訳ではないからです。膀胱括約筋=α1受容体、膀胱三角部=β3受容体、膀胱体部=ムスカリン受容体とデジタルにキッチリと配分しているとは限りません。
イラストのグラフで示すように、人によって、受容体の分布配分が様々です。
私なら、まずはα1ブロッカーを投与します。早めに結果を出す時や患者さんの症状が強い際には、β3作動薬を併用します。この処方で大方8割の患者さんは症状が軽快します。
一部の患者さんでは、効果がイマイチの場合があります。その場合には、α1ブロッカーの種類を変えるか、抗コリン剤を併用します。

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排尿障害が原因のいろいろな病気

医師になって約40年(正確には39年)、それまで蓄積した臨床体験から、一見、排尿障害と無関係に思える病気の原因が、排尿障害と密接に関係している事が分かりました。
原因を分かりにくくしているのが、膀胱や前立腺を神経支配している、脊髄神経回路だったのです。
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脊髄神経回路は、人によってさまさまな症状を作ります。医師は、その神経回路の様子を想像出来ませんから、たくさんの原因不明の病気を創るのです。その発想の貧弱さが、結局は患者さんたちを苦しめて来たのです。

①排尿「機能障害」→膀胱括約筋の肥大・膀胱三角部の過敏

②膀胱括約筋の肥大→排尿障害の悪化→前立腺に負担→前立腺肥大症→排尿障害がさらに悪化

③前立腺に負担→PSA値の上昇→前立腺癌を疑われる→前立腺針生検

④膀胱に負担→膀胱の疲弊→膀胱の弛緩→神経因性膀胱→治らない病気と誤解

⑤膀胱の疲弊→膀胱の萎縮→間質性膀胱炎→水圧拡張術→さらに萎縮が進む

⑥膀胱三角部の過敏→神経回路の興奮→❶慢性前立腺炎❷慢性膀胱炎❸過活動膀胱❹膀胱疼痛症❺慢性骨盤疼痛症候群❻線維筋痛症❼舌痛症❽慢性胃痛症❾幻臭症➓坐骨神経痛→気のせいと誤解

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医療サイトの投稿を断念

私が契約した医療サイトに、1月から12篇も投稿しているのに、未だ4篇しか公開されていません。
そこで、質問メールを送ったところ、下記の回答が寄せられました。

-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
高橋知宏先生 御侍史

平素より大変お世話になっております。
いつも○○○○への投稿、誠にありがとうございます。

10月のサイトリリースに合わせまして、
改めて原稿を確認し、読者からのご意見を元に掲載基準の見直しを行いました。

その結果ですが、大変申し訳ありませんが
「古代医師の地位」の原稿以外は掲載は見送らせていただきます。

○○○○は様々な医療従事者が閲覧されるメディアであり、医療従事者といえども読者の前提知識は揃っておりません。泌尿器科の医師と他科の医師、コメディカルなど読者の職業や専門により、曲解され、それが日常の臨床行為に影響する可能性があります。そのため、臨床内容に関しての仮説や私見の掲載は、正誤にかかわらず本サービスでは控えさせていただきます。

またもう1点お問い合わせいただいておりました
「古代医師の地位」につきましては、閲読数は約2,600程度となります。サイトの移行完了後は週次で閲読数などのレポートは執筆者の皆様に配信いたします。お待たせをしておりまして誠に申し訳ございません。

また何かございましたらご連絡くださいませ。今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。
-------------------------------------------------------
○○○○編集部 ○○○○
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-

○○○○編集部 ○○○○ 様
ご返信ありがとうございます。
私なりに思う事があり、掲載させて頂きます。

私の投稿内容の影響を一般の素人ではなく、医学知識を十分お持ちの、医師をはじめとする医療関係者に対する、このような「…曲解され…」可能性発言は、本当に上から目線の発言としか思えません。ある意味で、貴社のサイトの視聴者に対する侮辱です。専門外とはいえ、医学情報に対してご自分でお読みになり、理解して正否を判断する筈です。それを盲目的に信じて実行する訳がありません。この表現は、群れを成して突き進む牛や豚・羊に対する侮辱表現です。
Img_1401
初めての投稿の際に、現在の医療常識を別の観点から見れば、新たな病気の解決策が見つかるという私の信念をお認め頂き、さらに偏った内容の投稿を採用して頂き、とても喜んでいました。それまでの4つの投稿に対して、サイトの医療関係者の視聴者から頂いた多くの感想にも励まされました。
恐らく、貴社の方針の変更で、下記のようなメッセージを送られたのでしょう。貴社の中心的存在である医療関係者の指示でしょうか?収集した文献やデータから研究者の意向で作り上げた知識だけに固執した医療関係者によくある考え方です。患者さん一人一人を十分に診もしないで、数字やデータだけで統計を取るワンパターン思考の人間が多いのです。そのような見知らぬ人の作ったエビデンスに固執した人間は、私のように無名の非常識な意見に対しては、本能的に合わないのです。

沢山の患者さんの臨床経験や体験を元に閃めいた知識を元に、患者さんを助けようとする無名の医師の知恵よりも、世界的名声や権力を持った研究者や医師たちの作り上げた、固定観念に縛られたデータや文献を信じて止まないのです。「長い物に巻かれろ」的な小心者的配慮です。

医学の歴史上、常識からの進歩はありませんでした。コルトコフの発見した血管雑音しかり、種痘しかり、聴診器しかり、産ジュク熱しかり、脚気の原因を発見した高木兼寛先生しかり、常識菌であったピロリ菌しかり、アメリカでの否定されたPSA検査の有効性しかりです。既にある知識に執着・固執する事が、患者さんに不利益を与える犯罪とも言えます。

私は、これまでに日本泌尿器科学会総会、東部総会、城南地区(目黒区・世田谷区・品川区・大田区)泌尿器科講演会、大森医師会研究会などで、十数回も講演・発表しています。その際に、視聴者からの感心こそあれ、否定されたことはありません。つまり、非常識な知識を公開している訳ではありません。

私はブログを10サイト持ち、各種の病気に関する私の考えや検査結果・治療成果を正直に公表しています。そのため、常識的な治療で治らない多くの患者さんが、北は北海道から南は九州・沖縄まで、中には海外からもたくさんお越しになります。その患者さんの時間と交通費のことを考えたら、病気が治っても、ある意味で患者さんには時間と金の無駄使いという不利益です。医療サイトを介して、私の突拍子もない考えをヒントに、全国の医療関係者が、自分なりに消化吸収し理解して、地元の悩まれている患者さんを助けて頂ければと思い投稿したのです。
しかし、このような返信内容では、私の信念を曲げてまで、貴社に平服して、これ以上投稿する気持ちが無くなりました。今後一切の投稿は致しませんので、ご了承ください。

【備考』
ちなみに、投稿原稿は下記の通りです。

投稿日 テーマ
1   PSAが高くなる理由
2   三つの膀胱炎
2/25 オシッコの臭いで悩む若者
3/11 神経因性膀胱が治らないという誤解
3/25 古代医師の地位
4/8 前立腺癌の自然増加
5/3 前立腺針生検の弊害
5/27 ひとりの体に二人の自分
6/13 更年期とコレステロール
6/21 禁句「病は気から」
7/10 痛みで悩むご婦人
7/27 治る病気と治らない病気

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あるサイトの投稿を断念

私が契約した医療サイトに、1月から12篇も投稿しているのに、未だ4篇しか公開されていません。
そこで、質問メールを送ったところ、下記の回答が寄せられました。

-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
高橋知宏先生 御侍史

平素より大変お世話になっております。
いつも○○○○への投稿、誠にありがとうございます。

10月のサイトリリースに合わせまして、
改めて原稿を確認し、読者からのご意見を元に掲載基準の見直しを行いました。

その結果ですが、大変申し訳ありませんが
「古代医師の地位」の原稿以外は掲載は見送らせていただきます。

○○○○は様々な医療従事者が閲覧されるメディアであり、医療従事者といえども読者の前提知識は揃っておりません。泌尿器科の医師と他科の医師、コメディカルなど読者の職業や専門により、曲解され、それが日常の臨床行為に影響する可能性があります。そのため、臨床内容に関しての仮説や私見の掲載は、正誤にかかわらず本サービスでは控えさせていただきます。

またもう1点お問い合わせいただいておりました
「古代医師の地位」につきましては、閲読数は約2,600程度となります。サイトの移行完了後は週次で閲読数などのレポートは執筆者の皆様に配信いたします。お待たせをしておりまして誠に申し訳ございません。

また何かございましたらご連絡くださいませ。今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。
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○○○○編集部 ○○○○
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○○○○編集部 ○○○○ 様
ご返信ありがとうございます。
私なりに思う事があり、掲載させて頂きます。

私の投稿内容の影響を一般の素人ではなく、医学知識を十分お持ちの、医師をはじめとする医療関係者に対する、このような「…曲解され…」可能性発言は、本当に上から目線の発言としか思えません。ある意味で、貴社のサイトの視聴者に対する侮辱です。専門外とはいえ、医学情報に対してご自分でお読みになり、理解して正否を判断する筈です。それを盲目的に信じて実行する訳がありません。この表現は、群れを成して突き進む牛や豚・羊に対する侮辱表現です。
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初めての投稿の際に、現在の医療常識を別の観点から見れば、新たな病気の解決策が見つかるという私の信念をお認め頂き、さらに偏った内容の投稿を採用して頂き、とても喜んでいました。それまでの4つの投稿に対して、サイトの医療関係者の視聴者から頂いた多くの感想にも励まされました。
恐らく、貴社の方針の変更で、下記のようなメッセージを送られたのでしょう。貴社の中心的存在である医療関係者の指示でしょうか?収集した文献やデータから研究者の意向で作り上げた知識だけに固執した医療関係者によくある考え方です。患者さん一人一人を十分に診もしないで、数字やデータだけで統計を取るワンパターン思考の人間が多いのです。そのような見知らぬ人の作ったエビデンスに固執した人間は、私のように無名の非常識な意見に対しては、本能的に合わないのです。

沢山の患者さんの臨床経験や体験を元に閃めいた知識を元に、患者さんを助けようとする無名の医師の知恵よりも、世界的名声や権力を持った研究者や医師たちの作り上げた、固定観念に縛られたデータや文献を信じて止まないのです。「長い物に巻かれろ」的な小心者的配慮です。

医学の歴史上、常識からの進歩はありませんでした。コルトコフの発見した血管雑音しかり、種痘しかり、聴診器しかり、産ジュク熱しかり、脚気の原因を発見した高木兼寛先生しかり、常識菌であったピロリ菌しかり、アメリカでの否定されたPSA検査の有効性しかりです。既にある知識に執着・固執する事が、患者さんに不利益を与える犯罪とも言えます。

私は、これまでに日本泌尿器科学会総会、東部総会、城南地区(目黒区・世田谷区・品川区・大田区)泌尿器科講演会、大森医師会研究会などで、十数回も講演・発表しています。その際に、視聴者からの感心こそあれ、否定されたことはありません。つまり、非常識な知識を公開している訳ではありません。

私はブログを10サイト持ち、各種の病気に関する私の考えや検査結果・治療成果を正直に公表しています。そのため、常識的な治療で治らない多くの患者さんが、北は北海道から南は九州・沖縄まで、中には海外からもたくさんお越しになります。その患者さんの時間と交通費のことを考えたら、病気が治っても、ある意味で患者さんには時間と金の無駄使いという不利益です。医療サイトを介して、私の突拍子もない考えをヒントに、全国の医療関係者が、自分なりに消化吸収し理解して、地元の悩まれている患者さんを助けて頂ければと思い投稿したのです。
しかし、このような返信内容では、私の信念を曲げてまで、貴社に平服して、これ以上投稿する気持ちが無くなりました。今後一切の投稿は致しませんので、ご了承ください。

【備考』
ちなみに、投稿原稿は下記の通りです。

投稿日 テーマ
1   PSAが高くなる理由
2   三つの膀胱炎
2/25 オシッコの臭いで悩む若者
3/11 神経因性膀胱が治らないという誤解
3/25 古代医師の地位
4/8 前立腺癌の自然増加
5/3 前立腺針生検の弊害
5/27 ひとりの体に二人の自分
6/13 更年期とコレステロール
6/21 禁句「病は気から」
7/10 痛みで悩むご婦人
7/27 治る病気と治らない病気

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尿意の秘密

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膀胱や前立腺の数々の病気を調べ研究して治療するに当たって、基本的な概念を明らかにする必要があります。その対象が「尿意」です。
泌尿器科学会で名だたる先生たちが唱える、尿意のメカニズムは次のようです。
まずは、膀胱の基本的構造をイラストで示しました。膀胱粘膜があり、その下に粘膜下組織、平滑筋層、神経組織のC線維があります。
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①オシッコがたまり膀胱が膨らむと、当然、膀胱粘膜が引き伸ばされます。
②すると、膀胱粘膜からATPやアセチルコリンなどのさまざまな「生物活性物質」が放出されます。
③それら生物活性物質が膀胱粘膜のすぐ下に存在するC線維を刺激して、それが脊髄神経回路に伝達されて尿意になるのです。
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もしも、この通りだとすると、説明できない現象があります。
頻尿や尿意切迫感を抑えるβ3作動薬のベタニスや抗コリン剤のベシケア・ステーブラ・トビエースなどは、膀胱の平滑筋を緩める働きがあります。そのお陰で、頻尿や尿意切迫感の患者さんが、オシッコを我慢できるようになるのです。しかし、もしそうだとしたら、平滑筋が緩み、膀胱がさらに膨らみ、膀胱の粘膜はなお一層伸びて、生物活性物質が大量に放出される筈です、すると、頻尿の尿意切迫感が強くならなければなりません。したがって、この理論は、間違いです。
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では、どのように考えればいいのでしようか?
ヒントは、β3作動薬や抗コリン剤が平滑筋にしか効かないことにあります。そして、平滑筋を緩める=尿意が低下する点にあります。平滑筋細胞は、細胞間が電気結合=ギャップ結合で繋がっていて、1個の細胞の情報がすべての細胞に伝わります。つまり、1個の細胞の意識が、すべての細胞の共通の意識になるのです。膀胱が膨らむと、平滑筋は引き伸ばされて緊張(赤いギザギザ線)し、平滑筋全体に伝達されます。その緊張情報=膀胱内圧=尿意情報が神経に伝達されて尿意になるのです。この仕組みは、ほぼ神経細胞と一緒です。神経は線状なので1次元ですが、平滑筋は立体的なので3次元です。膀胱平滑筋は、収縮と弛緩する物理的な動力装置としての働きと、機能的な感覚センサーとしての働きがあるのです。

実は平滑筋には他にも違う働きがいろいろあります。動脈壁の中膜にある平滑筋は、動脈壁の内膜に溜まった悪玉コレステロールを食べて泡沫細胞になります。これはマクロファージ=貪食細胞と同じです。また、動脈壁の内膜に集まった泡沫細胞を固めるために平滑筋がコラーゲンを作ります。これは線維芽細胞と同じです。

以上のように平滑筋には、多彩な能力があるのです。その平滑筋には、私たちが知らない能力があるかもしれません。その不明の能力が原因不明の病気に関与しているかもしれません。そういう意味では、平滑筋の興奮を抑える大豆イソフラボンが、さまざまな病気の予防に役立つ可能性があります。

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誤解

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今まで解説してきた下部尿路症は、基本的考え方は恐らくこうでしょう。

①前立腺肥大症は、前立腺肥大症が膀胱を刺激して、頻尿・残尿感・尿意切迫感が出現する。前立腺の手術をしても治らない人がいる。
②急性膀胱炎は、バイ菌が刺激して、膀胱粘膜が過敏に反応して、頻尿・残尿感が出る。若いご婦人のこの病気はセックスの後に起こる。しかし、高齢者の場合は原因不明である。
③慢性前立腺炎は、前立腺の炎症が膀胱を刺激して、頻尿・排尿痛・陰部の痛みが出る。抗菌剤を長期間投与しても治らない。
④間質性膀胱炎は、膀胱の粘膜に原因不明の炎症が起きで、頻尿・膀胱の強い痛みになる。萎縮した膀胱を水圧拡張しても治らない。
⑤過活動膀胱は、原因不明で頻尿・尿意切迫感・切迫性尿失禁になる。
⑥膀胱疼痛症候群は、原因不明で軽い頻尿程度がある程度、主症状は排尿に関係なく膀胱の痛み。麻薬の痛み止めを服用しても治らない。

結局は、すべての病気の原因を膀胱が受け止めて、下部尿路症状を作っているのだろうという考え方です。その割には、原因と思われる病態を治療してもなかなか治りません。さらに原因が別としても、膀胱は同じですから、同じ症状でもいいと考えられませんか?何故いろいろと違う症状なのでしょう。明らかな膀胱粘膜の炎症である細菌性急性膀胱炎と同じ頻尿・残尿感・排尿痛にならないのでしょう?……どうしてでしょうか?
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これには、理由があるのです。
前回解説したように、疫学的調査で症状を比較すると、尿勢低下のみが「機能障害」です。一般的に、病気の症状は、機能障害が原因で、その他の症状を作っていると考えられます。機能障害で排尿時に膀胱括約筋と膀胱三角部が弛緩しないため、膀胱出口が開かないために排尿障害になります。弛緩しない膀胱括約筋と膀胱三角部は、縦走筋と力比べするために、膀胱括約筋・膀胱三角部が肥大化・肥厚化し、ますます排尿障害を悪化します。
①排尿障害が悪化すると、
ⅰ.膀胱内圧のエネルギーが、長期間前立腺を刺激したため、前立腺が対応反応して肥大化→「前立腺肥大症」になる。
ⅱ.膀胱内圧が長期間に渡って上昇するので、膀胱自身が疲弊する。疲弊の結果、
a)膀胱が弛緩する→「神経因性膀胱」
b)膀胱が萎縮する→「間質性膀胱炎」

さらに膀胱三角部は尿意を知覚するセンサーですから、肥厚化によって尿意エネルギーは大量に産生されるために、脊髄神経回路を介して、頻尿・残尿感・尿意切迫感・切迫性尿失禁・膀胱の痛み・陰部の痛み・シビレ・痒みになるのです。
①男性で不定愁訴があって、前立腺が大きくないと、→「慢性前立腺炎」
②尿検査で白血球/細菌が見つかると、→「慢性膀胱炎」
③検査結果がほぼ正常で精神的に落ち込むと、→「心因性頻尿」
④検査結果が多少異常があっても、痛みがとても強いと、→「膀胱疼痛症」
⑤痛みの領域が広いと、→「慢性骨盤疼痛症候群」
⑥検査結果がほぼ正常だと、→「過活動膀胱」

ご覧のように、下部尿路症で付けられた診断名の根拠が、如何にいい加減か分かります。診断名から治療しても、病気が治るとは思えません。診断名を考案した医師たちの短絡的な発想が情け無い。表向きの症状だけで病名を作るのは、素人でも作れることです。
イラストで示すように、病気の根本的原因は、排尿障害と膀胱括約筋・膀胱三角部の肥大化と異常興奮が原因です。そのために、排尿障害の治療薬であるα1ブロッカーと、膀胱三角部の興奮を抑えるβ3作動薬と抗コリン剤が必要になるのです。

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下部尿路症のいろいろ

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「下部尿路症」には、次のようないろいろな病気があります。
①前立腺肥大症
前立腺が大きいから頻尿になる。
でも、手術で前立腺を除去しても、頻尿が治らない患者さんが存在する。「歳のせい」にされる。
②急性膀胱炎
バイ菌が原因で膀胱粘膜が炎症を起こし頻尿になる。頻尿=炎症?=バイ菌と単純に思われる。
③慢性膀胱炎
バイ菌はいないのに、繰り返し膀胱炎症状の頻尿になる。頻尿=炎症?=見つからないバイ菌=不潔にしている
④過活動膀胱
バイ菌も明確な原因もなく、頻尿になる。ダメな膀胱
⑤間質性膀胱炎
膀胱粘膜下の間質に炎症所見が認められる。バイ菌はいない。アレルギーが原因と思われている。頻尿と痛みが併発する。
⑥膀胱疼痛症
バイ菌はいない、膀胱粘膜に炎症もない。頻尿±ただ痛みが前面に出る。
⑦非細菌性慢性前立腺炎
前立腺に明確な原因もなく、頻尿や痛みが出る。只ひたすらに抗生剤とセルニルトンを処方するだけ。
⑧慢性骨盤疼痛症候群
男女問わず、原因不明で痛み±頻尿で苦しむ。
⑨神経因性膀胱
排尿直後にもかかわらず、残尿が50㎖以上も残っている。そして頻尿±残尿感±不快感が出る。原因は膀胱の神経がダメになった➡︎治せない。
⑩前立腺がんの手術後の頻尿
手術前には、なかった頻尿が手術後から頻繁に出る。主治医は、手術の後遺症だからと言って、何もしてくれない。理由は、膀胱と尿道を接合縫合する際に、膀胱三角部を縫ったからです。

以上の病気の原因はいろいろだったり、不明ですが、症状は似たり寄ったりの頻尿・残尿感・尿意切迫感です。しかし同じような症状なのに、症状を作る明確な原因が突き止められていません。何となく膀胱が過敏になっているから、という対症療法で済ませるので、すべての病気をいい加減にしか治せないのです。こんな事で、よく偉そうに泌尿器科学会を専門医がリードしていますよね?

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これらの下部尿路症の患者さんのいろいろな症状のうち、ある一定の確率で尿勢低下=排尿機能障害を認めます。機能障害が病気の原因で、膀胱を苦しめていると考えるべきです。治療としては、排尿機能障害を中心にα1ブロッカーであるユリーフ・ハルナール・フリバスを処方して、膀胱三角部の過敏反応を抑えるために、β3作動薬のベタニスと、抗コリン剤であるベシケア・ステーブラ・トビエースを処方します。
世間では、頻尿や尿意切迫感だけに振り回されて、原因を追求せずに、β3作動薬や抗コリン剤だけを処方しています。もちろん、それだけでも症状が落ち着く患者さんもおられますが、繰り返し症状は出てきて、次第に治療が困難になるほど症状が強くなります。なぜなら、患者さんの脊髄神経回路がバージョンアップするからです。そして、過活動膀胱➡︎間質性膀胱炎➡︎膀胱疼痛症➡︎慢性骨盤疼痛症候群という表面的な病名に診断されてしまうのです。そも病名に流れる根底には、ただ一つ「排尿障害」があるのです。

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平滑筋の秘密

膀胱炎や慢性前立腺炎患者さんの頻尿や残尿感などの知覚異常の症状が、平滑筋に作用する抗コリン剤やβ3刺激剤で緩和することに疑問を感じませんか?知覚異常に対して平滑筋という筋肉をゆるめるクスリです。

一般的に人体には知覚神経の末端に特有な形状のセンサーがあります。痛みセンサー、圧力センサー、熱センサー、冷感センサー、触覚センサーなど本当にいろいろです。しかし、……しかしです、膀胱には尿意を感じるセンサーが発現されていないのです。センサーがないのに、何故、尿意を感じることができるのでしょうか?
泌尿器科学会で超有名な専門医たちは、そこに「C線維」という裸の神経線維があり、そこに膀胱粘膜から放出された化学伝達物質が、C線維という裸の神経を刺激して「尿意」を感じると説明しています。……裸の神経?そのような神経は、自律神経の末端だけです。体性神経なのにセンサーなしで、裸はおかしいだろう!膀胱だけが、センサーがなく、こんな原始的な形状とは、その考え方に絶対に無理があります。電話機がないのに、電話線に向かったしゃべると情報が伝わるというマンガの様なお話しです。

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組織学的に平滑筋は、無数にある細胞の一つ一つがつながっているのです。1つの細胞の意識➡︎無数の細胞の意識と同じなのです。それが細胞間結合(電気結合・ギャップ結合)です。その無数にある平滑筋の一部に自律神経が付着しています。自律神経からの情報・命令を一部の平滑筋が受け取ると、その情報を細胞間結合を介して、次々に無数の平滑筋に伝達します。つまり、平滑筋は動力装置としての働きの他に、伝達装置としても働くのです。

Semi2016sensorこの形状を見ていると、何かに見えませんか?……そうなんです、……知覚神経とセンサーの組合せです。実は、平滑筋そのものが「センサー」なのです。ですから、膀胱の平滑筋が緊張すると、尿意が強くなり、平滑筋が緩むと尿意がなくなるのです。教科書的な知識だけが全てだと思っている、貧弱な発想の専門医師が原因です。抗コリン剤やβ3作用剤が尿意を抑える作用があるのは、平滑筋の緊張を低下させてくれるからです。つまり、抗コリン剤とβ3作用剤の2つは、どちらもセンサーに直接作用するのです。同じ意味で、ユリーフ・ハルナール・フリバスなどのα1-ブロッカーも、平滑筋の緊張を低下させるので、頻尿・残尿感を軽快させることになります。

以上のように排尿障害し続くと、何故に頻尿・残尿感・尿意切迫感などの症状が発現するのでしようか?実は、膀胱三角部の括約筋は、圧力センサーでもあるのです。通常は蓄尿で膀胱内圧が高まると、その圧力が膀胱三角部の圧力センサーを刺激して尿意を感じるのです。ところが、膀胱三角部が肥厚したために膀胱三角部の組織密度が高まり、膀胱内圧の反応閾値に関係なく、圧力センサーが過剰に反応してしまうのです。

治療としては、膀胱括約筋の緊張を緩めて上げれば良いのです。そのために、ユリーフ・ハルナール・フリバスなどのα1-ブロッカーの処方です。ご婦人の場合は、エブランチルしか処方できません。
次に膀胱三角部に特異的に作用するベタニスなどのβ3刺激剤が有効になります。
また、膀胱内圧を下げることで、膀胱三角部の圧力センサーを二次的に刺激しないように、輪状筋の過敏性収縮を抑えることです。そのために、ベシケア・ステーブラ・トビエースなどの抗コリン剤が必要になります。
一般的に、抗コリン剤で膀胱収縮力が低下するというデータはありませんから、縦走筋には抗コリン剤の作用するムスカリン受容体は、おそらく分布が少ないのでしょう。ですから、膀胱内側の薄い輪状筋だけに抗コリン剤が作用するのです。

ところが、抗コリン剤にもβ3作用剤のも「副作用」として排尿障害が起こることがあります。抗コリン剤では服用した患者さんのうち5%未満程度、β3作用剤の場合は1%未満程度でしょう。これには、理由があります。
本来は、膀胱内側の輪状筋だけにあるはずのムスカリン受容体が、膀胱外側の縦走筋にまで及ぶ人がいるのです。同じくβ3受容体も縦走筋にまで及ぶ人がいるのです。そのため、排尿時に膀胱出口を開こうとする縦走筋が収縮できなくなってしまうからです。

縦走筋のムスカリン受容体やβ3受容体の分布が少なければ、副作用が出る確率は低いです。前立腺肥大症が大きく成長して、排尿時に縦走筋の負担が大きいと、縦走筋はとても疲弊します。そのため、受容体の分布がわずかであっても収縮しにくくなるので、排尿障害が顕著に出ます。

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過活動膀胱OABの診療ガイドライン

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日本泌尿器科学の作成した過活動膀胱のガイドラインについて問題点を解説しましょう。
先ずは、一般医のためのアルゴリズムです。



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原因不明の「過活動膀胱」
⬇︎➡︎細菌➡︎膀胱炎➡︎抗生剤治療➡︎治らない‼︎
⬇︎⬅︎抗コリン剤+β3作用剤
治らない‼︎
⬇︎
専門医へ
*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー
問診と尿検査で感染症を否定すれば、それが過活動膀胱と診断されます。
抗コリン剤やβ3作用剤で容易に治らない患者さんを専門医に紹介する手順です。
オーソドックスの簡単な検査とすぐ手に入る治療薬で治らない場合は、過活動膀胱の専門医に紹介されます。

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2番目のアルゴリズムは、専門医の診断・治療手順です。

*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー
紹介の治らない「過活動膀胱」の患者さん
⬇︎➡︎神経疾患➡︎神経の治療➡︎後遺症➡︎治らない‼︎
⬇︎➡︎前立腺肥大症➡︎肥大症の治療➡︎歳のせい➡︎治らない‼︎
精密検査
⬇︎……➡︎行動療法?➡︎治らない‼︎
⬇︎……➡︎神経作動薬➡︎治らない‼︎
⬇︎……➡︎電気治療➡︎治らない‼︎
⬇︎……➡︎磁気治療➡︎治らない‼︎
⬇︎……➡︎ボツリヌス菌毒素➡︎治らない‼︎
膀胱摘出‼︎
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過去に神経疾患、例えば脳梗塞・脳出血・脊髄疾患などの既往があると、神経内科、整形外科、脊髄外科に紹介するので、過活動膀胱の治療はされません。前立腺肥大症があれば、その治療に専念しますが、結局は過活動膀胱の原因をつかめないまま電気治療、磁気治療、外科手術に至るのです。究極、膀胱を摘出です。過活動膀胱の患者さんから見たら、最終ゴールは膀胱全摘?という印象でしょう。

偉い先生たちが寄ってたかって決めたアルゴリズムが、この程度なのです。
ここの問題点は、ただ1つです。過活動膀胱の発症原因を突き止めていないこと。原因の根本治療せずに、只ひたすら対症療法、頻尿・尿意切迫感・切迫性尿失禁の治療に徹していることです。前立腺肥大症や膀胱炎の際にも、過活動膀胱の症状になる理由を突き止めもしないで治療することが、対症療法に過ぎません。もっと本質的に考えなければなりません。下部尿路の多くの病気の症状で、何故、頻尿・残尿感・尿意切迫感が発症するのかということです。

こんなアルゴリズム:診断治療手順は、チョッと勉強すれば、素人でも思いつくことです。プロフェッショナルな3人以上集まって「文殊の知恵」とならないのはなげかわしい!獲得した知識の奥深さを認識しないで、ただひたすらダラダラと積んでいるだけだから、医師としての責務を果たすことができないのです。

【参考資料】
過活動膀胱の診療ガイドライン

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見えてきた排尿障害の仕組み

過去にたくさんの排尿障害の仕組みを考察してきました。
検査所見の存在に対して、疑問点が常にありました。排尿障害の患者さんには、男女問わず、膀胱出口が硬く盛り上がっていました。その理由については、排尿障害のために膀胱出口が排尿時に振動するので、次第に膀胱出口が盛り上がると考えていました。でも実際に、内視鏡手術の際に膀胱出口を切開・切除すると、そこは必ず平滑筋組織です。もしも振動エネルギーで盛り上がっているのであれば、線維組織のはずです。つまり、盛り上がった膀胱出口の組織は、膀胱括約筋の二次的な姿なのです。排尿障害の患者さんの膀胱括約筋は、必ずマッチョなのです。

マッチョになるためには、振動エネルギーではなく、筋トレによるものだと考えられます。筋トレ?……膀胱括約筋の筋トレ相手は、排尿時に収縮する膀胱出口周囲の縦走筋です。つまり何らかの理由で、排尿時に膀胱括約筋が柔らかく弛緩しないので、縦走筋に引っ張られる際に鍛えられたのでしょう。

そう考えると、α1-ブロッカーであるユリーフやハルナールなどの即効性の理由が理解できます。α1-ブロッカーは、前立腺や尿道の緊張を緩めるのではなく、膀胱括約筋=内尿道括約筋の緊張を緩めるので、膀胱出口が開きやすくなるのです。
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膀胱の構造は、大きく分けて膀胱体部、膀胱三角部、膀胱出口(膀胱頸部)に分けられます。筋肉の観点から見ると、膀胱体部は二層構造で、内側が輪状筋、外側が縦走筋です。輪状筋は、膀胱の横方向の直径を小さくするように収縮させます。縦走筋は膀胱の外側に存在し、膀胱の天辺の部分が膀胱出口に向かうように収縮させます。この2つの筋肉の働きで、膀胱は膨らんだり縮んだりするのです。膀胱出口は複雑で、膀胱出口ギリギリまで輪状筋と縦走筋が到達し、その内側に膀胱括約筋=内尿道括約筋が位置します。先ほど説明したように、排尿障害のある人は、膀胱出口周囲の膀胱括約筋が発達・肥厚しています。これは、縦走筋と膀胱括約筋の排尿時の動きがシンクロせずに、逆にバランスが悪く、縦走筋が収縮する時に膀胱括約筋が緩まないで対抗している証拠です。

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この画像は、3Dエコー検査で観察した膀胱出口の所見です。
見て分かるように、膀胱出口を中心とした同心円状ではありません。
これを分かりやすく説明したのが、次のイラストです。


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イラストで見えるように、輪状筋は、膀胱三角部を挟んでブーメランの様な形をしています。
何故この様な形状をしているかは、それなりの理由があります。
発生段階で、尿管の原基を囲むように輪状筋が発達したからです。そして、尿管の原基から膀胱三角部が形成したのです。

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3Dエコー画像を元に、下部尿路の基本的構造を左のイラスト側面像で示しました。
膀胱出口周囲に存在する赤い部分が、どちらも膀胱括約筋です。
前の部分が膀胱出口前面で、後ろの部分が膀胱三角部に当たります。
膀胱内側の肌色の部分が輪状筋で、外側の空色の部分が縦走筋です。

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健常であれば、右のイラストで示すように排尿時に、前後の膀胱括約筋が先ず緩みます。
そして縦方向に収縮した縦走筋の意のままに膀胱出口は開き、オシッコがスムーズに出るのです。
一連の動作は自律神経によってコントロールされており、人の意識は息むだけです。
この排尿に関わるいくつかのステップに支障が出ると、排尿障害になるのです。

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排尿障害の患者さんは、どう言う訳か膀胱三角部も含め、排尿時に弛緩しないでギューっと収縮します。縦走筋が収縮して膀胱出口を開こうとしても十分に開かないのです。
この経過が長期間に渡ると、膀胱括約筋が縦走筋と筋トレしていることになり、イラストのように次第にマッチョになります。排尿障害の患者さんをエコー検査で観察すると、膀胱出口前部の膀胱括約筋と膀胱三角部の膀胱括約筋が厚くなり、膀胱側に突出しています。

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この膀胱括約筋の肥厚は、イラストで表現したように、まるで膀胱出口を鍵でロックした状態になるのです。
この状態が何十年も続けば、縦走筋や輪状筋は疲れ果てて、男女関係なく神経因性膀胱と診断されます。排尿時の圧力が前立腺を刺激して、前立腺肥大症になります。膀胱三角部が突出すると、中葉肥大型と判断される形状です。
排尿障害の患者さんの内視鏡手術の際には、この固くなった膀胱括約筋の切開・切除が重要になります。ところが、前立腺肥大症だと、「肥大症」とい言葉に翻弄されて前立腺しか手術しないので、手術後も排尿障害が続くのです。

以上のように排尿障害し続くと、何故に頻尿・残尿感・尿意切迫感などの症状が発現するのでしようか?実は、膀胱三角部の括約筋は、圧力センサーでもあるのです。通常は蓄尿で膀胱内圧が高まると、その圧力が膀胱三角部の圧力センサーを刺激して尿意を感じるのです。ところが、膀胱三角部が肥厚したために膀胱三角部の組織密度が高まり、膀胱内圧の反応閾値に関係なく、圧力センサーが過剰に反応してしまうのです。

治療としては、膀胱括約筋の緊張を緩めて上げれば良いのです。そのために、ユリーフ・ハルナール・フリバスなどのα1-ブロッカーの処方です。ご婦人の場合は、エブランチルしか処方できません。
次に膀胱三角部に特異的に作用するベタニスなどのβ3刺激剤が有効になります。
また、膀胱内圧を下げることで、膀胱三角部の圧力センサーを二次的に刺激しないように、輪状筋の過敏性収縮を抑えることです。そのために、ベシケア・ステーブラ・トビエースなどの抗コリン剤が必要になります。
一般的に抗コリン剤で膀胱収縮力が低下するというデータはありませんから、縦走筋には抗コリン剤の作用するムスカリン受容体は、おそらく分布が少ないのでしょう。ですから、膀胱内側の薄い輪状筋だけに抗コリン剤が作用するのです。

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血尿で困惑したご老人

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92歳のご高齢の男性が、血尿でご家族と一緒に来院されました。
前立腺の出血か腎臓からの出血かと私は思いました。 尿検査で確認すると、尿の全てが真っ赤です。
前立腺の出血は、出始めの尿だけです。腎臓からの出血は、出始めから最後まで血尿です。膀胱からの出血は、そのどちらかです。
そこで、エコー検査をすると、排除障害があるようで、残尿が200ml以上も残っていました。すると、前立腺のすぐ後ろの膀胱に直径2センチ程のイビツな陰影が確認できました。

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側面、正面の2枚の写真に赤い影が見えますね。これは、ドップラーエコーで血流を確認したところ、イビツ陰影の中心に動脈血流が確認できたのです。間違いなく膀胱腫瘍(膀胱ガン)です。
90歳超えで、いろいろな病気をたくさんお持ちなので、地元の医科大学病院にご紹介しました。
大学病院の内視鏡検査の結果も、やはり膀胱腫瘍でした。治療をどうするかを現在検討中だそうです。

今回の膀胱腫瘍は、直径2センチくらいの大きいものでしたが、エコー検査で判別できるのは、5ミリ(0.5センチ)くらいまで確認できます。膀胱には、同じように炎症性ポリープも観察することもありますが、その場合、ドップラーエコー検査で血流を確認できれば膀胱腫瘍、確認できなければ炎症性ポリープと判定します。


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グリソンスコア5+5=10のラテント癌

今回、ご紹介するのは、PSA値が高く心配になり、平成29年6月に来院した72歳の男性患者さんです。
平成28年にPSA値が5以上になり、診療所や大学病院で前立腺針生検をすすめられました。当院初診時には、超音波エコー検査でも触診でも、前立腺癌の所見は認められませんでした。

夜間頻尿(2回~6回)があり、超音波エコー検査で前立腺結石と膀胱三角部の肥厚を認めたので、排尿障害によるPSA値上昇と判断したのでした。
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その後も超音波エコー検査と触診を2回実施しましたが、前立腺癌の所見は得られませんでした。
その間、PSA検査を受け、その値が11を超えることもあり、患者さんは悩みました。また、周囲の友人のアドバイスも受け、私に内緒で、某がんセンターで前立腺針生検を受けてしまったのです。その結果、12本中2本に前立腺癌が発見されてしまいました。それもグリソンスコア5+5=10の悪性度の一番高い前立腺癌でした。
エコー検査や触診で確認できなくて、針生検で12本中2本ですから、ステージⅠのラテント癌ということです。問題なのは、悪性度の高いグリソンスコア10の前立腺癌を針生検で刺激してしまったことにあります。患者さんは、急いで当院を受診して今後の方針を相談に来られました。半ば後悔をしているようです。
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先ず、針生検した病院での治療方針が決まるまで、骨シンチ、MRI検査の結果待ちで3週間ほどありました。主治医は何も考えずに、計画を立てて待っています。
その間に針生検による傷害を治すために、体内の免疫・炎症システムが活発になります。結果、免疫細胞に傷付いた癌細胞は、マクロファージに貪食されるか、別の場所に運ばれてしまいます。それが、前立腺癌の骨転移や前立腺癌の浸潤になる可能性もあるのです。

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能力の高い前立腺癌細胞が、自分たちの受けている状況を何もせずに傍観している訳がありません。癌細胞にとって、出来ることは、細胞分裂しかありません。癌細胞が細胞分裂をすればするほど悪性度が増すのです。癌細胞は通常3〜6週間に1回バラバラに分裂しますから、放置できません。
治療方針が決まるまで、エストラサイトを週1回1カプセルの低容量を服用してもらいました。その後、重粒子線治療を決めたのですが、人気で混んでいるため9月に開始することになりました。それまで、エストラサイトを続けて服用していただきました。

今回の記事は、この患者さんからのご希望で掲載しました。いろいろな体験をされる患者さんがおられます。記事を参考にベストの選択をされてください。


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泌尿器科の医師は、排尿障害と言う基本概念に戻れ!

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①前立腺ガンの腫瘍マーカーであるPSAが高くなる原因のほとんどが、前立腺肥大症や膀胱頚部硬化症による排尿障害が原因です。500人中の88%、440人が排尿障害でPSAが高い患者さんでした。

②慢性前立腺炎の患者さんも調べると、前立腺肥大症や膀胱頚部硬化症などの患者さんが自覚しない「隠れ排尿障害」が認められ、排尿障害の治療を行うと症状は軽快します。

③間質性膀胱炎や過活動膀胱の女性患者さんにも、「隠れ排尿障害」が潜んでいて、排尿障害を治療すると、症状は軽快します。

④陰部がかゆくなる陰嚢掻痒症・陰部掻痒症・陰門掻痒症(肛門のかゆみ)などの患者さんにも、「隠れ排尿障害」が潜んでいて、排尿障害を治療すると、かゆみは軽快します。

⑤原因不明の坐骨神経痛の患者さんの中にも、一定の割合で、「隠れ排尿障害」が潜んでいて、排尿障害を治療すると、痛みが軽快します。

⑥神経因性膀胱は、膀胱に力が無くなったから排尿できないと、一般的に考えられます。しかし、なぜ突然に神経因性膀胱になるのかという議論はなされません。長年かけて膀胱出口が十分に開放されないために、疲労・疲弊してしまった膀胱を「神経因性膀胱」と診断しているだけです。ダメになった膀胱を検査結果で、幾つにも分類しても、患者さんを治すことができませんから、全く意味がありません。隠れ排尿障害であったために、患者さんは排尿障害を自覚していません。しかし、膀胱は次第に疲れて、ある日突然に排尿障害を自覚して、それが神経因性膀胱と診断されるのです。

病気の原因をおろそかにして、目に見える症状だけに振り回されている医師は、素人同然です。長い年月をかけて得た知識と経験を利用して、患者さんの病気し本質を見つけようではありませんか!


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夜尿症・おねしょ

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夜尿症いわゆる「おねしょ」は、子供の成長と共に改善すると思われていました。
本来、膀胱は尿がある程度たまると反射的に収縮して排尿するのが本能です。起きている時には、膀胱からの情報が脊髄を介して膀胱の収縮を抑えます。
夜尿症・オネショの発生率の年齢分布は、このグラフの通りです。
5歳で15%、12歳で10%、大人で0.5%存在します!千人で5人=1億人で何と5万人!にもなります。

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しかし、幼少期の睡眠時には、脊髄回路が未成熟のために、膀胱からの情報が脊髄を介して十分に脳に到達出来ません。「尿が満杯になった!」という情報が脳に到達しなければ、脳が膀胱を抑えることは出来ませんから、膀胱は身勝手に収縮・排尿=尿失禁=夜尿症・オネショになるのです。

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順調に発育・成長すると、脊髄に夜間の排尿抑制回路が形成されるので、夜間に目を覚まさなくても、オシッコを我慢でき、オネショにならないのです。

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ところが、オネショに関して、まったく無頓着であると、この抑制回路が形成されずに、逆に、尿意=排尿と言う尿意・排尿反射回路が形成されてしまい、大人になっても、夜尿症・オネショが治らなくなるのです。

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このオネショの対策として、
①夜間に尿がたまったことを見計らって、子供を無理に起こす。
②オネショしたら、警笛を鳴らすセンサーを装着して、その都度起こす。
③膀胱の尿意を鈍感にする次のクスリを服用する。
ⅰ)ブラダロンⅱ)抗うつ剤(トフラニール・アナフラニールなど)
④最近、採用されたのが、抗利尿ホルモン剤です。夜間に利尿ホルモンが作用して、日中に身体にたまった水分をオシッコで出そうとします。その作用を抑えることで、夜間を尿量が減少して、尿意、排尿反射回路を育てないようにするのです。ミニリンメルトが商品名です。

とりあえず、積極的にオネショを治そうとしないと、大人になっても生涯オネショ人間になってしまいます。

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尿失禁と骨盤底筋体操

咳やクシャミなどで、オシッコが漏れるのを腹圧性尿失禁と言います。
前立腺肥大症の男性と比べて、女性患者さんの方が、はるかに多いのです。その理由は、一般的に何回も出産したからと言われていますが、出産経験のない患者さんもおられます。それから考えると、出産の有無は無関係です。

どうして、ご婦人に腹圧性尿失禁が多いのかを考えてみましょう。
イラストは、ご婦人の排尿の仕組みを分かりやすく描きました。
膀胱出口が開くためには、膀胱括約筋と尿道括約筋の両者が協調しなければなりません。膀胱括約筋は、膀胱出口を前後左右(平面方向)に開いてくれます。尿道括約筋は、膀胱出口を下の方向(縦方向)に引っ張ります。その2つの力学的ベクトルで膀胱出口は、ロート状(円錐状)に開くのです。
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ところが、膀胱括約筋は、内臓の筋肉=平滑筋で出来ており、尿道括約筋は、骨格筋=横紋筋で出来ています。その力は、尿道括約筋>>>>>膀胱括約筋です。更年期を過ぎた頃には、弱者である膀胱括約筋は疲れ切って、膀胱出口を十分に開けなくなり、膀胱出口が尿道括約筋に強く引っ張られてしまいます。その結果、膀胱出口が尿道側に「お辞儀」するように狭くなるのです。

「息んでリキんで」オシッコをする習慣のあるご婦人は、この現象が隠れていて尿失禁が生じやすくなります。その理由は、
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①腹圧をかけてオシッコするため、強力な腹圧のために膀胱を固定している靭帯や筋膜がゆるみます。尿道括約筋は外側に引っ張る方向にあったのが、尿道括約筋の位置が下にズレたため、内側に引っ張る方向になるのです。この状態は尿道括約筋が閉まらなくなります。
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②膀胱括約筋が、力んだ尿道括約筋に負けて、膀胱出口の本来の境界線の位置が、尿道側に下降し、二次的な膀胱出口ができてしまいます❶。本来の膀胱出口と尿道括約筋は十分に距離❷がありますが、二次的膀胱出口と尿道括約筋の距離❸は極端に短くなります。この状態にあると、尿道括約筋に膀胱内圧が直接作用するので、尿道括約筋は容易に開いてしまいます。

①+②の2つの理由で、腹圧や咳などで膀胱内圧が急激に高まると、尿道括約筋が簡単にゆるみ、尿失禁になるのです。オシッコが漏れてしまう腹圧性尿失禁の患者さんは、本質的には長年の間、オシッコが出にくいヒトなのです。結局のところ、オシッコが出にくいから、オシッコが漏れるように身体が変身したと言うのが真実です。腹圧をかけて息めば息むほど、膀胱出口の境界線は、次第に尿道括約筋に近接するのです。

さて、腹圧性尿失禁の対策として、骨盤底筋体操があります。体操することで尿道括約筋の緊張が高まり、尿道括約筋の走行が、内側の方向→平行あるいは外側の方向へ向かうので、尿道括約筋が締まりやすくなり尿失禁が減少するのです。
ただし、尿道括約筋の位置が下方に位置していない時期に体操で骨盤底筋である尿道括約筋を鍛えると、膀胱括約筋と尿道括約筋の力の差がますます増えます。その結果、排尿ごとに膀胱出口が強く引っ張られるので、逆に尿失禁しやすくなるかもしれません。男性のように硬い前立腺が、尿失禁を防がないので、ご婦人の場合は尿失禁が多くなるのです。
ご婦人が尿失禁を作らないためには、この隠れた排尿障害を早期に発見して、αブロッカーを服用させるべきです。隠れた排尿障害の症状としては、頻尿、冷え性などがある筈です。

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痛みで苦しむご婦人

アメリカ在住のご婦人が、昨年の9月から、夜間寝ていると、陰部が口で表現できない痛みで目が覚めました。これが原因で眠れなくなってしまいました。
地元アメリカでいろいろな医師に受診し治療を受けましたが治りません。何回も通院すると、医師に見放されるような態度を浴びせらました。そこで、患者さんはくじけないで、インターネットで情報を採集しました。その中に、私の書いているブログを発見したのでした。
地元のアメリカでは、私の推薦するクスリを調達できませんから、日本にいる家族に連絡して、エブランチルを送ってもらい服用してみました。すると、オシッコの出が良くなったのです。痛みは、それほど効き目がありませんでしたが、私の理論が正しいことを認識したのでした。

その後、日本に帰郷して、関東近県の地元の内科の先生に無理にお願いして、お祖父さんにフリバスを処方して頂き、服用を始めました。すると、どうでしょう!あれほど苦しんだ痛みが無くなり、夜グッスリと眠れるようになったのです。
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日本に滞在中に高橋クリニックへ受診しようと、来院されました。
早速、エコー検査をすると、写真のように膀胱括約筋の走行が、膀胱出口に向いていません。当然、膀胱三角部が厚くなっています。厚さが約7mmです。正常は2mmです。厚さ2mmで排尿回数5回が正常だとすると、7mmだと、オシッコの回数は15回〜18回のはずです。しかし、この患者さんの排尿回数は、1日たったの4回でした。

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膀胱三角部で作られたエネルギーが頻尿の症状として表現されていません。これは、患者さんの脊髄神経回路の特性によるものです。しかし、脊髄に送られた情報(エネルギー)をそのまま貯めておくことはできません。そこで、脊髄が新たな神経回路を形成したのです。それが「痛み」症状なのです。


フリバスは、前立腺肥大症の治療薬でお馴染み、排尿障害治療薬のαブロッカーです。保険適応は男性にしかありませんが、膀胱出口の緊張をゆるめ、男女関係なく排尿障害の治療に役立ちます。また、αレセプターは、膀胱出口ばかりでなく膀胱三角部にもありますから、膀胱三角部の興奮もフリバスで抑えられたのでしょう。また、振動して硬くなった膀胱出口もセンサーが形成されるので、膀胱出口の情報も脊髄を介して痛み症状になったのです。

フリバスは地元の内科の先生に処方していただき、さらに膀胱三角部を的確に抑えるベタニスを追加で処方しました。


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膀胱出口閉塞症・症候群と言う考え方

アメリカには膀胱出口閉塞症と言う考え方がありますが、具体的に明確な定義がありません。日本では、膀胱に関する病気がたくさんあります。膀胱の病気には、アレルギー性膀胱炎・細菌性急性膀胱炎・慢性膀胱炎・心因性頻尿・過活動膀胱・膀胱疼痛症・間質性膀胱炎・うっ血性骨盤疼痛症候群・慢性骨盤内疼痛症候群・神経因性膀胱などです。ところが、すべての病気が原因不明です。
この中で、ハッキリした原因があるのはアレルギー性膀胱炎と細菌性急性膀胱炎の2つだけです。この2つ以外の病気の原因は、とてもいい加減です。

①慢性膀胱炎:
陰部を不潔にしている、お尻を拭く時に後ろから前に拭くので不潔になる、などの理由で膀胱炎になるとされる。患者さんが一生懸命に陰部を清潔にしても治らない。
②心因性頻尿:
ストレスなどで神経が過敏なった結果、頻尿になる。
③過活動膀胱:
原因不明で頻尿・尿意切迫感・切迫性尿失禁の総合的病名。
④膀胱疼痛症:
原因不明の膀胱を中心とする痛みの病気。他の膀胱の病気に併発することがある。
⑤間質性膀胱炎:
極端な頻尿と痛みを伴う病気である。アレルギーと思われている。膀胱粘膜の所見で確定診断をする。
⑥うっ血性骨盤疼痛症候群:
ご婦人の原因不明の下半身疼痛を示す病名。うっ血所見(静脈血の低下・静脈瘤)があります。
⑦慢性骨盤内疼痛症候群:
慢性前立腺炎の別名。
⑧神経因性膀胱:
膀胱に力がなくなったからオシッコが出ない・・・その理由は不明。

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これらの患者さんを調べると、多かれ少なかれ、排尿障害が隠れています。ところが、極端な排尿障害ではないので、診察している医師が重要視せずに無視するので、結果、原因不明になるのです。その根源は、排尿の仕組みを正確に理解していないからです。尿道括約筋が開くから、連動して(白い破線矢印⇕)膀胱出口が自動的に開いて排尿すると思っているのです。生身の生体の扉が、そんな単純な仕組みで出来ていると思う方がおかしいでしょう。

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尿道括約筋は開くのではなく、引っ張っている(けん引)のです。特に膀胱三角部が尿道括約筋のギリギリ手前まで伸びていますから、前後方向に開きます。同時、に膀胱括約筋が収縮することで、膀胱出口がロート状に開くので尿がスムーズに出るのです。

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膀胱括約筋は内臓の筋肉=平滑筋です。尿道括約筋は体を動かすための骨格筋=横紋筋です。
力強さは、横紋筋>>>平滑筋ですから、年齢を重ねる毎に平滑筋=膀胱括約筋は疲労困憊して十分に収縮できなくなります。すると、力強い横紋筋=尿道括約筋だけが頑張るので、イラストの如く、膀胱出口が逆に狭くなり(ガチン)、オシッコが出にくくなるのです。

その状態が、繰り返し繰返し、長期間に渡って繰り返されると、膀胱出口は硬くなります。また、膀胱三角部もその振動で硬くなります。組織が硬くなると言う事は異常現象ですから、情報収集のためにセンサーが生まれ、脊髄神経回路と密接の繋がります。これがすべての病気の症状出現と結びつくのです。
膀胱三角部が過敏になれば、頻尿・残尿感・尿意切迫感・尿失禁になります。それぞれの症状の程度と組合せにより、慢性膀胱炎・過活動膀胱・間質性膀胱炎と診断されるのです。
膀胱三角部と連結している脊髄神経回路がバージョン・アップすると痛み症状が強くなり、膀胱疼痛症・間質性膀胱炎・慢性前立腺炎,慢性骨盤疼痛症候群と診断されるのです。
膀胱出口の硬さが増して、膀胱全体が疲弊すると、神経因性膀胱と診断されるのです。神経因性膀胱の専門医は、ダメになった膀胱をいろいろな検査で分類分けするのです。ダメになった理由を追求しないで、……「神経がダメになったのだから、治せませんね。」と、安易な診断をするのです。本当に無能です。
このように考えれば、極端なオシッコの出の悪さを自覚しなくても、病気が作られるのは理解できるでしよう。


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PSA値141で悩む患者さん

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健診の血液検査で、PSA値が何と141も高かかったので、医療関係者の娘さんとご一緒に60歳代の患者さんが心配そうな面持ちで来院されました。
エコー検査の所見は、写真で示すように、前立腺の外腺に相当な体積(3.44㏄)で前立腺ガンを確認できます。赤い矢印➡が前立腺ガンで青い矢印➡が精嚢腺です。
触診でも右葉〜中央にかけて硬結が触れます。間違いなく前立腺ガンです。触診の硬さからすると、グリソンスコア7〜8でしよう。

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患者さんは、針生検は受けたくないが、手術か放射線治療を選択したいという雰囲気です。しかし、針生検を受けないと、希望する治療法は選べません。私が唱える、「針生検が逆に前立腺ガンに火をつけて、悪性度が増すかもしれない」という理論にも納得しているので、決断がつかないのです。
グラフで示すように、前立腺針生検直後から悪性度の高い前立腺ガンの患者さんの生存率は極端に低下します。前立腺針生検するまでに、隠れていた悪性度の高い患者さんがすでに多く亡くなっていあたというデータはありません。どう考えても前立腺針生検が引き金になっていたのでしょう。

そこで、患者さんに提案をしました。針生検の2日前と前日の2日間だけエストラサイト(女性ホルモン+抗ガン剤)を1カプセル服用して、針生検によるガンの興奮を一時的に抑えること。術後、毎週1回1カプセル服用して、その後のガンの興奮を抑え込もうというものです。患者さんは、私の提案を承諾して頂けました。


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陰部の痛みを「歳のせい・気にせい」と言われた高齢者

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以前からオシッコが近い70歳過ぎのご高齢の患者さんです。ご家族3人でお越しになりました。
昨年の夏頃から陰部がピリピリ痛くて仕方がありません。そこで、診療所や病院を3軒受診しましたが、前立腺肥大症の診断で、ハルナールとセルニルトンを処方されましたが、症状は改善しません。
最近では、肛門まで痛くなり、肛門科を受診しましたが、いぼ痔があるだけで、特に問題なしと診断されたのです。
泌尿器科の医師は、「歳のせい・気のせい」とまで言われてしまいました。
早速、超音波エコー検査を行いました。この写真だけでは分かりにくいので、下にコメントを記しました。

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すぐに分かることは、膀胱括約筋ふが四方に分裂していることです。これは、排尿障害によって、膀胱括約筋に物理的負荷がかかった結果です。そのため、膀胱三角部が厚くなり、膀胱刺激症状がいくつも作られても不思議ではありません。陰部のピリピリ感も肛門の痛みも膀胱刺激症状の一つと考えられます。
前立腺も大きさは31㏄と若干大きいだけです。治療薬としては、
①ユリーフ
排尿障害を改善させるため
②アボルブ
前立腺を柔らかくすることで、前立腺から膀胱三角部への緊張がゆるませるため
③ベタニス
膀胱三角部の緊張をゆるませるため

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膀胱炎を繰返すご婦人

2004年から、膀胱炎を毎年4回〜5回起こしてきたご婦人が、ご夫婦で来院されました。

2018年までの15年間に、少なくても、のべ65回の膀胱炎に苦しんでいるのです。当然、当院に来院するまで、たくさんの病院・診療所を受診し、その都度その都度、尿検査でバイ菌(大腸菌・肺炎桿菌・プロテウス菌など)が確認されて「膀胱炎」と診断されました。いろいろな抗生剤(アミカシン・クラビッド・ミノマイシン・ST合剤・ホスミシン・セファレキシンなど)の処方を繰り返されていました。(患者さんから頂いたメモ用紙から)

しかし、数ヶ月で膀胱炎は、すぐに再発してしまうのです。そして、最近では次の膀胱炎まで、1カ月も持たなくなりました。患者さんは、重複腎盂尿管があるために慢性腎盂腎炎を心配されています。抗生剤の効かない耐性菌が検出されたと、さらに心配はつのるばかりです。

早速、超音波エコー検査を行いました。
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膀胱を横から観察した所見です。
膀胱括約筋が、膀胱出口ではなく明後日の方向に向いています。本来ならば、点線の矢印のように膀胱出口に向いていなければなりません。これは排尿障害による膀胱括約筋の形状変化です。
その結果、膀胱三角部が厚くなっています※。正常であれば、膀胱三角部の厚さは2mmですが、この患者さんの場合は9㎜と4倍以上厚くなっています。
膀胱三角部は、尿意を感じるセンサーですから、厚くなればなるほど頻尿になります。2㎜=5回とすると、9㎜=20回以上ということになります。ところが、患者さんの頻尿は1日15回ですから、毎日5回以上の頻尿のエネルギーが隠れていることになります。そのため、定期的に溜まったエネルギーを発散するのです。それが、繰り返される膀胱炎になるのです。

さて、このご婦人は、毎日なんと3リットルもの水分を摂取していました。医師がよく言う「膀胱炎だから、水分を多く取りなさい。」という言葉に翻弄されたのです。バイ菌が原因ではない膀胱炎の場合、水分を多く取ることで、ますます症状は悪化します。
まずは、水分摂取を控えることを指導しました。次にα−ブロッカー(ユ…)で排尿障害の改善を図り、ベタニスで膀胱三角部の過敏さを抑えることを目標にしました。

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未病と病気

病気には必ず原因があります。
だからと言って、必ず症状が出るわけではありません。
しかし、ひとたび症状が出ると、なかなか治らない病気もあります。
その理由を簡単に示すと、右のイラストのようです。
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原因と脊髄神経回路が密接に繋がるから、症状が発現するのです。
ところが、原因と神経回路が十分にリンクしていない、あるいは、神経回路が未完成であると、症状は出ないのです。それが、いわゆる「未病」です。
症状が出ないから安心とは言えません。例えば、慢性前立腺炎や間質性膀胱炎の患者さんは、病気が発症する前から、軽度の頻尿や冷え症があります。

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それらの症状が極端に悪化して、極端な頻尿や足のシビレや痛みなどが出て、慢性前立腺炎や間質性膀胱炎と初めて診断されるのです。
脊髄神経回路は、ある意味で、ブラック・ボックスです。医学がどんなに進歩しても、神経回路を認識・把握することはできません。

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未病の状態が長く続くと、神経回路が完成されて、ある日突然に症状が出現するのです。患者さんの多くが、「それまで何でもありませんでした。ある日、突然です。」とおっしゃいます。何でもなかったのが「未病」だったのです。
神経回路が完成されて、症状の強度が高まったり、複数の症状が出たりするのです。排尿障害が原因の場合は、イラストのような症状、頻尿・残尿感・尿意切迫感・痛み・かゆみ・シビレ・違和感などになるのです。
これらの症状の強さと組合せにより、現場の医師が、慢性前立腺炎、慢性膀胱炎、過活動膀胱、間質性膀胱炎、膀胱疼痛症候群、前立腺症、慢性骨盤疼痛症候群と、簡単なパズルゲームの解答のような診断をするのです。医師は、もっと想像力を働かせて診断・治療しなければならないのです。

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膀胱括約筋の変形

排尿時に、尿道括約筋が尿道側にけん引されます。その際に膀胱括約筋が収縮することによって、膀胱出口がロート状に開くことで、排尿します。
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この膀胱括約筋と尿道括約筋の連携が円滑にできないと、排尿障害になります。尿道括約筋は、ヒトの意志で収縮しますが、膀胱括約筋は自律神経の働きで、ヒトの意志ではコントロールできません。排尿障害の患者さんは、長年に渡って、膀胱括約筋の断端が、尿道括約筋によってけん引され続けるので、断端が変形します。今回、その変形した症例をいくつかご紹介しましょう。

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まずは、ほぼ正常な膀胱括約筋の姿です。正常であれば、膀胱括約筋の方向は一方向に向かっています。その方向は、膀胱出口です。膀胱括約筋によって膀胱出口が開けば、尿道括約筋のけん引力は、膀胱出口だけにかかるので、膀胱括約筋には影響は及びません。実は、50歳代の頃の私の膀胱括約筋の姿です。

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60歳代患者さんの膀胱括約筋の拡大写真です。
膀胱括約筋の末端の方向が2つに分かれています。
下の方向に分かれている部分は、尿道括約筋によって力強くけん引された結果です。

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30歳代患者さんのエコー検査所見です。
排尿障害が原因の慢性前立腺炎症状で苦しまれています。
やはり、膀胱括約筋が2方向に分かれています。

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70歳代患者さんです。
過去に前立腺肥大症の内視鏡手術を受けています。ところが、手術の後も、頻尿や痛みが治りません。
エコー検査の所見では、前立腺は削り取られていますが、膀胱三角部が手つかずで残っているので、症状がなくならないのです。
膀胱括約筋も2方向に分裂しています。

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この患者さんの膀胱括約筋は、実に大きく分裂しています。
長年かかって、繰り返し膀胱括約筋に物理的負担がかかると、こんなにも大きく開いてしまうのです。

排尿障害の患者さんが、皆んながみんな膀胱括約筋が変形している訳ではありません。多くの患者さんに認められます。2方向性の分裂所見のない患者さんの場合は、膀胱括約筋の方向が膀胱出口に向かずに、尿道括約筋の方向に向くことになります。いわゆる偏向型です。ご婦人の排尿障害の患者さんの場合は、ほとんどが分裂型ではなく、この偏向型が多いのです。

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平滑筋のスイッチ

前立腺肥大症・慢性前立腺炎・過活動膀胱・間質性膀胱炎などの治療に使用される薬剤のほとんどが、平滑筋に影響する薬理作用を持っています。
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平滑筋は、すべての内臓を構成する筋肉です。体を動かす時に使う筋肉は骨格筋(横紋筋)です。内臓の筋肉とはいえ、筋肉ですから、収縮と弛緩を繰り返します。収縮=緊張、弛緩=リラックスの状態です。その動きの典型的なものが胃や大腸の蠕動運動です。これらの動きは、骨格筋に比べてとても複雑です。その理由は、たくさんの平滑筋細胞がお互い密接に連絡しあって情報交換をしているからです。一部の平滑筋は自律神経(交感神経・副交感神経)と連絡しており、そこから得た情報を隣接する平滑筋に次々と伝達するのです。まるで、伝言ゲームのようです。

自律神経に関わらないのが、一酸化窒素NOです。一酸化窒素が平滑筋にそばに存在すると、受容体を介さないで無条件で平滑筋内に侵入します。一酸化窒素は、平滑筋をリラックスさせる作用があるのですが、平滑筋の中で、直ぐに消滅してしまいます。
何の受容体かは不明ですが、大豆イソフラボンの受容体、正露丸の受容体、タガメットがブロックする受容体(H2レセプター)なども、長年の臨床経験上ある筈です。

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交感神経に反応するのが、膀胱・前立腺の平滑筋のα₁−受容体、β₃−受容体です。
副交感神経に反応するのが、平滑筋のM−受容体です。
交感神経が興奮すると、膀胱出口・前立腺にあるα₁−受容体を刺激し、オシッコを出にくくします。さらに、膀胱三角部にあるβ₃−受容体を刺激し、尿を我慢させます。受容体は平滑筋に変化を促す【スイッチ=受容体】です。逆に副交感神経が興奮すると、膀胱体部の平滑筋にあるM−受容体を刺激して膀胱を収縮させます。

この仕組みを考慮して病気の治療を考えると、次のようです。
排尿障害が病気の原因ですから、膀胱出口・前立腺をリラックスさせるために、α₁−受容体をブロックするクスリとして、ユリーフ・ハルナール・フリバスを使用するのです。
また、膀胱三角部をリラックスさせるために、β₃−受容体刺激剤のベタニスを使用するのです。
さらに、膀胱体部をリラックスさせるために、M−受容体をブロックするクスリとして、ベシケア・ステーブラ・ウリトス・トビエースを使用します。
ただし、平滑筋の数々の受容体の分布は、患者さんの膀胱や前立腺の位置によって異なるので、その組合せの影響で、とても効くヒトもいれば、まったく効かないヒトもいます。

平滑筋の緊張をリラックスさせることで、膀胱や前立腺の過敏な症状が軽減できるのかと言えば、平滑筋は筋肉としての動力装置でもありますが、実はセンサー・感覚器でもあるのです。

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レーザー光線手術をしたのに、頻尿・痛みが治らない患者さん

70歳代の男性患者さんがご夫婦で来院されました。
2年前から恥骨部分が痛くて仕方がないそうです。5年前に尿閉を繰り返したので、レーザーを使った前立腺肥大症の手術を行いました。
しかし、手術後も頻尿は改善せずに、毎日15回の頻尿と、夜間2回の頻尿です。さらに、恥骨の痛みが加わり、患者さんは苦しみ悩んでいるのです。
複数の病院を受診して、CT検査などの精密検査をしたにもかかわらず治らないので、精神科にも受診させられました。
娘さんが、インターネットで高橋クリニックを見つけて来院しました。
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早速、超音波エコー検査をおこなうと、写真のような所見です。
これをご覧になっただけでは、ハッキリ分からないでしょう。
そこで、説明を加えたのが、次の写真です。

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黒く見える大部分が尿の見えるところです。
レーザー光線で手術を行い、切除された部分が三角形線で示す部分です。
口を開けたヘビのように見える膀胱括約筋の上に、膀胱三角部(赤い→)がハッキリ確認できます。
これで、患者さんの痛み症状と頻尿症状が、前立腺肥大症の手術を行ったにもかかわらず治らなかった理由です。

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排尿障害→前立腺肥大症→頻尿になる理由を解説しましょう。
排尿障害によって、排尿中に膀胱出口は十分に開きませんから、膀胱出口が振動します。
その振動により、膀胱三角部が過敏になり肥厚します。
膀胱三角部は、尿意のセンサーですから、ここが過敏になると、頻尿や痛みが作られます。

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最先端のレーザー光線手術で、前立腺肥大症の主な部分(腺腫)を摘出して、それを細かくスライスして膀胱から除去します。
前立腺肥大症の手術だから、前立腺さえ除去すれば良いと、未熟な医師が考えるのです。

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ところが、前立腺は小さくなって、オシッコの出は良くなりましたが、過敏になった膀胱三角部が手付かずです。結局、過敏になったセンサーはそのままですから、症状が治る訳がありません。
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【前立腺肥大症=排尿障害→頻尿+痛み】
と考えて、短絡的に前立腺肥大症を手術さえすれば、症状がなくなる!と思い込んでいるのです。病気は、そんなに単純ではありません。
本当は、
【排尿障害→前立腺肥大症+膀胱三角部の過敏→排尿障害の悪化+頻尿+痛み】
というのが、この病気の仕組みなのです。
治療は、前立腺肥大症と膀胱三角部の処置が必要になります。
ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー
この状態を解決するためには、膀胱三角部を落ち着かせることを目標とします。
①膀胱出口の緊張を緩めるために、ユリーフ
②膀胱三角部を直接に緩めるために、ベタニス
③残っている前立腺の硬さを柔らかくするために、アボルブ
④痛みは脊髄中枢で合成された痛みなので、脊髄中枢の興奮を抑える、トラムセット

以上の治療で改善が得られなければ、内視鏡手術で膀胱三角部を処置すればよいのです。


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去勢抵抗性前立腺ガンCRPCの発現率

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前立腺ガンを標準治療でテストステロン(男性ホルモン)を抑制するホルモン治療を行うと、4年~5年で効かなくなります。この状態の前立腺ガンを去勢抵抗性前立腺ガンCRPCと呼びます。

どの程度の頻度で、この状態になるのか明確に記された文献がないので、いろいろ調べてみました。すると、こんな表を見つけました。癌が骨転移する確率と、その予後(生存期間)です。
前立腺ガンの場合、骨転移が発現する確率が、【65%~75%】とかなりの高さです。2人に1人以上の危険率で骨に転移したということになります。ただし、初めから骨に転移した人は別です。ホルモン治療しているにもかかわらず、骨にガン細胞が転移すると言う事は、すなわち、ホルモン治療では抑えることが出来なくなった前立腺ガンと言うことになります。つまり、【骨転移≒去勢抵抗性前立腺ガン】ということです。

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先の表と同じサイトには、前立腺ガンの治療経過を示すイラストが併記されています。
このように、治療法・治療経過がイラストで表示できるほど、決まりきった前立腺ガンの個性なのです。では、どうして前立腺ガンは、このような性格が出てくるのでしようか?

前立腺ガンに、この特有な個性を促した要素かあるかもしれません。治療する前と後では、何が違うかと言うと、毎日のホルモン治療がキッカケです。ホルモン治療は、前立腺ガンを相当抑えることは出来ますが、完璧ではありません。そのために、ガン細胞がバージョンアップして、去勢抵抗性前立腺ガンが生まれるのです。「毎日」の治療がいけないのです。ガン細胞に治療を気付かせるのが去勢抵抗性前立腺ガンが生まれる原因だと私は考えています。

もしそうだとしたら、毎日ではなく、ガン細胞が気付かせない治療法を選択すれば良いと思います。つまり、密かに計画的に気付かないようにガン細胞の食事に毒を盛るような暗殺をするのです。
もう1つの考え方として、毎日大量の薬を間断なく連続して治療を続けると、ガン細胞の変身のストッパーを毎日1個ずつ外してしまうのではないでしょうか?そのため、治療を少量で1週間に1錠、2週間に1錠であれば、ガン細胞の変身ストッパーを外す時間がかかって、7年〜14年以上延ばすことが出来るかもしれません。
教科書的の知識だけが、常に正しいとは限りません。教科書的な知識の境界線を超えるような柔軟な発想で、目の前の事実の本質を見極めるべきです。

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間質性膀胱炎のヘパリン治療

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過去に、間質性膀胱炎の治療法でヘパリン膀胱注入した効果例の報告がありました。

ヘパリンが間質性膀胱炎になぜ?効果があるのか、よく分かりませんが、効き目があるのなら試すべきでしょう。

ヘパリン20,000単位20ml+キシロカイン4%10ml+重そう(商品名メイロン)20ml
の混合液50mlを膀胱内に注入して、1時間後に排尿するというものです。
ヘパリンは、膀胱粘膜を修復する、キシロカインは膀胱粘膜の神経を麻痺させる、重そうはキシロカインが膀胱粘膜に浸みやすくする、と言うものです。あくまでも表向きの理論です。本当かどうか不明です。

【ヘパリン 】★【キシロカイン】★【ヘパリン】
【メイロン】→⬇︎⬇︎⬇︎⬇︎⬇︎⬇︎⬇︎⬇︎⬇︎⬇︎←【メイロン】
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
【膀胱粘膜】【膀胱粘膜】【膀胱粘膜】【膀胱粘膜】

Img_1115なぜなら、間質性膀胱炎の治療法である水圧拡張手術は、無理矢理に膀胱を膨らます方法です。そのような手段をとれば、膀胱粘膜を始め膀胱の壁は、必ず破壊されます。それなのに、同じ医療機関で実施される治療法が、今度は膀胱粘膜を修復する治療を採用するのは、矛盾に満ちていると思えませんか?

膀胱粘膜の傷害が、間質性膀胱炎の原因と思っているのであれば、膀胱水圧拡張手術は行ってはいけません。膀胱の粘膜が過敏になった原因を追求しない現代医療はナンボのものなのでしょうか?

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予想以上に早く確認された前立腺ガン

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72歳の男性患者さんです。
去年の8月にPSA値が5.61と高く心配になり、関西からお越しになりました。
超音波エコー検査や触診で、前立腺ガンは確認できませんでしたから、経過観察にしました。

ところが9カ月後の5月に、PSA値が8.658と若干高くなったので、心配になり再度患者さんがお越しになりました。超音波エコー検査では、以前確認できなかった陰影が前立腺の左に(赤い矢印)確認されました。陰影の大きさは0.89ccの体積です。触診でも、前立腺の左に硬結が触れました。明らかに前立腺ガンです。

前立腺ガンは、倍加速度が速いもので2年と言われていましたが、例外もあると認識さました。前回、エコー検査でも触診でも認識できなかった前立腺ガンが、たった9カ月で確認できるまでになった訳ですから、倍加速度2年というのは正直安心できません。注意深く観察するためには、出来れば半年に一度のペースが良いのでしょう。

遠方から飛行機に乗って、3か月に一度来院される患者さんもおられますが、さすがに半年に一度で十分でしょう。交通費が勿体ないと思います。

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過敏性腸症候群と下部尿路症との密接な関係

Img_1083_24月26日の夜に城南泌尿器科懇話会が開催されました。
特別講演で「排便排尿機能障害ー自律神経と微細炎症の視点からー」というテーマで、公立黒川病院・管理者・東北大学名誉教授の本郷道夫先生が講演されました。

この先生のご専門は、消化管の機能性疾患です。代表的な病気は、最近流行りの過敏性腸症候群です。
今回の講演では、過敏性腸症候群の患者さんにかなりの確率で、下部尿路疾患すなわち慢性前立腺炎・間質性膀胱炎・過活動膀胱・膀胱疼痛症候群・慢性骨盤疼痛症候群などの病気が合併しているというのです。
ー★ー★ー★ー
そこで、過敏性腸症候群について考察してみましょう。
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過敏性腸症候群の病態生理(発病の仕組み)のキーワードは次の通りです。
①視床下部(Hs)
②副腎皮質刺激ホルモン(CRH)
③セロトニン
④肥満細胞(Mast Cell)
⑤サイトカイン(Cytokine)
⑥腸内細菌
このフローチャートでは、何が最初の原因が定かではありません。あたかも、精神的ストレスが原因のように思えます。しかし、原因が分からないと短絡的にストレスのせいにするのは、医学会でよくある慣習です。ストレスだけで病気にはなりません。病気があるからストレスになるのです。表面上の症状、うつ病状態を見て、そのように判断するのです。
本郷道夫先生の講演内容から推察すると、次のような仕組みのようです。
ー★ー★ー★ー
①特定の腸内細菌が腸粘膜を微細に傷つけます。
②すると、腸粘膜の樹状細胞や肥満細胞がサイトカインを放出するので、腸に微細な炎症が生じます。
③その結果、腸管が過敏になりコントロールが難しくなるのです。
④この微細な炎症が長期間続くと、脳中枢の視床下部が気づき、副腎皮質刺激ホルモンを分泌します。
⑤すると、肥満細胞が活性化されて、サイトカインの分泌が盛んになり、過敏性腸症候群がますます悪化するのです。

腸内細菌が原因とする裏付けの動物実験があります。
健常者と過敏性腸症候群のヒトの腸内細菌叢を比較すると、細菌の分布が明らかに違います。また、動物実験で、健常者の便と過敏性腸症候群のヒトに便をネズミの腸内に移植すると、過敏性腸症候群の患者さんの便を移植を受けたネズミだけが、過敏性腸症候群のネズミになるのです。

Img_1084セロトニンの関与については、治療薬であるイリボーが、その証明になります。つまり、イリボーは、セロトニンの効果を抑制する作用があるので、効果が出てくるのです。
ー★ー★ー★ー
過敏性腸症候群の原因はともかく、腸の症状の他に様々な症状が発生します。うつ病、不安神経症、腹痛、腰痛などです。さらに、一見無関係と思われる病気、慢性前立腺炎、間質性膀胱炎、過活動膀胱、膀胱疼痛症候群、慢性骨盤疼痛症候群、線維筋痛症、逆流性食道炎などの病気と合併することが多いのです。
線維筋痛症の専門書には、間質性膀胱炎の合併率は10%にも上ります。また、慢性前立腺炎の患者さんで、過敏性腸症候群を以前から治療されている患者が時々おられます。
実際に、慢性前立腺炎の患者さんの中で、私の処方したクスリの他に、内科の医師が処方した過敏性腸症候群の治療薬を併用したら、症状がかなりの軽快したそうです。

過敏性腸症候群といろいろな下部尿路症の病気の間には、発症に関与する共通点があるのかもしれません。それを調べることで、病気の本質が将来に判明するといいですね。

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前立腺ガンの居場所

触診とエコー検査で確認できた前立腺ガンは、この6年間で100人以上もいました。その中で、前立腺外腺の他にガン陰影を発見したのは1例だけです。99%が外腺に認めました。
その他に前立腺全体を悪性度の高い癌が拡がっていた患者さんが1人いまいたが、この患者さんは、エコー検査では、前立腺全体に拡散したために確認はできませんでした。この様な患者さんは、本当に稀です。

しかるに、今の泌尿器科医師は、前立腺の深部中央の前立腺組織採取を懸命に行っているように思えます。
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例えば、この写真の患者さんは、前立腺尖部の左に厚さ2ミリ程度のガン組織の塊りを確認できます。
前立腺の境界線ギリギリに接した外腺に認めます。

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この写真の患者さんは、前立腺の右側に厚さ4ミリ程度のガン組織の陰影を確認できます。
やはり、前立腺の境界線ギリギリに接した外腺に認めます。

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この写真の患者さんは、前立腺の右側奥の膀胱の裏側に厚さ4ミリ程度のガン組織の陰影を確認できます。
やはり、前立腺の境界線ギリギリに接した外腺に認めます。

これらの写真をご覧になって分かるように、前立腺ガンのほとんどが、前立腺の外腺に発生します。それにも、かかわらず触診もしないで、前立腺の内腺に向かって針を何本も刺すのです。前立腺ガンが見つからないばかりでなく、下手すると前立腺ガンを傷つけいためるだけです。そのせいで前立腺ガンは発見できませんでしたが、針生検が残った前立腺ガンを刺激して悪性度を増すのかもしれません。

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病気と症状と治療のタイミング

慢性前立腺炎、慢性膀胱炎、間質性膀胱炎、過活動膀胱、前立腺肥大症、神経因性膀胱、PSA高値などの患者さんが全国からお越しになります。
その理由は、地元の病院やクリニックでは治らないからです。
治らない原因の第一は、まずは病気の本質を治療しないからです。例えば、慢性前立腺炎や慢性膀胱炎は、「炎」という取りあえずの病名に合わせた治療しかしないからです。また、間質性膀胱炎や過活動膀胱は原因不明の病気ですから、頻尿や痛みに対する治療しかしないからです。更に、前立腺肥大症は、頻尿の出現理由を考えないで治療するからです。
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病気の本質は、「排尿障害」です。
排尿障害→膀胱三角部の過敏→脊髄神経回路の構築→症状(頻尿・尿意切迫感・残尿感・痛み・シビレ・かゆみ)の発現です。それぞれの病気の仕組みは、下記の通りです。
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
★慢性前立腺炎=排尿障害➕膀胱三角部の過敏➕脊髄神経回路の完成
★慢性膀胱炎=排尿障害➕膀胱三角部の過敏➕脊髄神経回路の完成
★間質性膀胱炎=排尿障害➕膀胱三角部の過敏➕脊髄神経回路の完成
★過活動膀胱=排尿障害➕膀胱三角部の過敏➕脊髄神経回路の完成
★前立腺肥大症=排尿障害➕膀胱三角部の過敏➕前立腺の肥大➕脊髄神経回路の完成
★神経因性膀胱=排尿障害➕膀胱出口の硬化→→→排尿障害の強化
★PSA高値=排尿障害±炎症±前立腺肥大症±先天性±前立腺ガン
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
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ご覧の通り、すべての病気に排尿障害が絡んでいます。その排尿障害の程度はピンからキリまであります。なかには、患者さん自身が自覚しない程度、あるいは医師が評価しない程度の排尿障害のため、まったく治療しないので中々治らないのです。

病気はイラストのように4つの時期に分けて判断します。
★1期は排尿障害があるにもかかわらず症状の出ない状態です。いわゆる「未病」の状態です。
★2期は、脊髄神経回路が完成して症状がで始めた状態です。
★3期は、排尿障害が治療されないために、脊髄神経回路がバージョンアップしてしまい、症状が強く出ている状態です。
★4期は、脊髄神経回路が排尿障害から独立・独り立ちして、神経回路がますます複雑になり、完成度が極めて高くなった状態です。排尿障害を治療しても治リません。信じられないほどの強い症状になります。頻尿が毎日80回以上、突然あるいは持続性のナイフで刺されたような痛み、血が出るくらい何遍掻いてもカユミが収まらない状態です。

治療する医師は、この状態を十分に把握して治療しなければなりません。
★排尿障害に対してはアルファブロッカー(ユリーフ、ハルナール、フリバス、エブランチル)です。
★膀胱三角部の過敏さに対しては、ベタニス、ベシケア、ウリトス、ステープラ、アボルブ、タガメット、サプリメント(イソフラボン、ノコギリヤシ、カボチャの種、正露丸)です。
★脊髄神経回路に対しては、トラムセット、リリカ、カロナール、仙骨神経ブロック、サプリメント(グリシン)です。

世間では、患者さんを十分に調べもせずに、病名だけで治療する輩の何と多いことか!親身になって、患者さんの言葉を真摯に受け止めて治療しようと努力する医師が、もっと増えて欲しいと思います。


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子宮頸がんの原因

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最近、増加傾向にある子宮頸がんの原因は、
ヒトパピローマウィルスHPV(Human Papilloma Virus)の感染が原因とされています。
グラフを見てお分かりのように、20歳過ぎてから急激に増加しています。
では、何故ヒトパピローマウィルスが感染するとガン細胞が生じるのかをイラストを使って解説しましょう。

Img_1019
ヒトパピローマウィルスは性感染症STDの一種です。
性行為により子宮頸部の粘膜にウィルスが感染すると、ウィルスは粘膜の基底細胞層に侵入します。
粘膜細胞の核内にウィルス侵入し、核を支配してウィルスの構造に必要な部品を無理矢理造るのです。
Hpvinfection
大量に造られたウィルスは、次々に細胞内に放出され、細胞はパンパンになります。
ウィルスを作っていた核は、大量のウィルスに潰されてしまいます結局、細胞は破裂して、細胞の周囲にウィルスは拡散します。
拡散したウィルスは、近くの粘膜細胞に感染し、同じ工程を繰り返します。
Img_1018
この工程を何回も何回も繰り返すうちに、ウィルス産生を中断して破裂しない中途半端な細胞が生まれてきます。
そのような細胞の核は、ウィルスにより変性し正常な核ではなくなります。この異常な核がガン細胞になるのです。

Img_1063このウィルス感染とウィルス増殖を抑えることで、子宮頸がんを防ぐことができる筈です。
ところが普通の体は、このウィルスを抑えることが出来ないのです。
その理由は、粘膜の基底細胞層のウィルス感染を探知する免疫の樹状細胞が侵入できないからです。基底細胞層は、基底膜に覆われています。この基底膜の中に樹状細胞が大き過ぎて侵入できない結果、ウィルス感染を探知できないのです。
ー*ー*ー*ー
この考え方からすると、粘膜異形成が確認されたらHPVウィルスに感染した証拠ですから、基底膜を一部破壊して樹状細胞に認識させればよいでしょう。そのためには、剣山のような道具で子宮頸部を数カ所刺せばよいでしょう。
ー*ー*ー*ー

免疫抗体は小さいので、容易に基底膜に侵入しウィルスを攻撃できます。そのため、子宮頸部・粘膜に異常細胞(異形成)を認めたら、一般的に行われている定期的検診しながらガン細胞に成熟するのを待たないで、HPVワクチンを注射して体にHPV抗体を積極的に造らせるべきです。

改めて言います。子宮頸がんはHPVウィルス感染症の終末の状態です。感染症を抑えないで、この病気を防ぐことは出来ません。子宮頸部の粘膜に異常細胞(異形成)が発見されたら積極的に免疫抗体を作らせるべきです。

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前立腺ガンの低用量治療法

前立腺ガンはモノではなく、生き物です。ところが、医師は患者さんの前立腺ガンをモノとして対応しているとしか思えません。もしも、モノであるのならば、治療法に抵抗するホルモン抵抗性・去勢抵抗性前立腺ガンCRPCにはならないでしょう。
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ガン細胞だって意思はないかもしれませんが、正常の細胞と同じに、それなりの感受性はあるはずです。そのガン細胞を針生検で10カ所以上も突いて突いて突いて、その後大量のホルモン剤や抗ガン剤を投与され正面から攻撃されたら、何とか自分を守ろうと努力工夫して強くなるのに決まっています。
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そのような考えで、
①まずは、針生検をしないで前立腺ガンを確定診断する。
②次に、ホルモン剤を通常の投与を続けると、ガン細胞もその攻撃に対して気がつき対抗手段を画策するので、極少量か、前立腺肥大症の治療薬を投与する。
③抗ガン剤も同様で、極少量を投与して、ガン細胞に気付かれないように毒を盛る。
④排尿障害のあるヒトは、排尿の際、前立腺に物理的刺激がかかるので、なるべく回避するために排尿障害の治療薬を処方する。

もともと穏やかな前立腺ガンです。ですから、穏やかな治療するべきです。もしも、本来、穏やかな前立腺ガンが対応能力に長けているガン細胞であれば、強い攻撃に対しては強く報復する性格があるのかもしれません。しかし、どうやったら巧妙に前立腺ガンをだまして毒であるホルモン剤や抗ガン剤を取り込ませるかです。
以前にエストラサイトを利用した低用量処方について記事を揚げています。エストラサイトに限らず、強いお薬は低用量処方を試みることにしています。

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前立腺ガンが生まれる理由

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前立腺ガンは、前立腺の外腺(辺縁領域)に多くできます。その理由は、いろいろと言われていますが、前立腺の構造学的観点から考えてみます。
このイラストは、胎児11週目の下部尿路を表現しています。
まず、尿道から前立腺の原基である芽が出てきます。それが、中心領域と辺縁領域です。

Prost2
中心領域と辺縁領域がある程度の成長後に、遅れて移行領域が発芽します。
中心領域と辺縁領域の成長がある程度で休んでいると、移行領域の発育がますます大きくなり、尿道の前側から後ろ側に、尿道を覆いかぶさるように発育します。その結果、移行領域と中心領域が1つに融合して内腺になるのです。

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内腺はドンドン発育し大きくなり、次第に辺縁領域を外側に圧迫することになります。
辺縁領域=外腺は、内腺による圧迫と、硬い繊維組織でできている前立腺被膜の間に、ギューギューと挟めれ常に圧迫刺激を受け続けます。
40歳過ぎてから、内腺はますます大きくなって前立腺肥大症になりますから、外腺は更に一層圧迫されます。また、前立腺肥大症で排尿障害が出現し、排尿の際に排尿圧力が前立腺に直接かかり、外腺はトコトン刺激を受けます。
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つまり、前立腺外腺は、前立腺が生まれた時は辺縁領域として、出産後は外腺として、40代以降は内腺にできた前立腺肥大症に強く圧迫される外腺として、何回も圧迫刺激を受け続けています。そして、男性ホルモンであるテストステロンの変動刺激を胎児の頃から6回も受けています。これほど物理的刺激・化学的刺激を受ける窮屈な分泌腺は生体内には存在しません。外腺にガン細胞が生まれても不思議ではないでしょう。

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ガンの5年生存率(週刊現代の記事から)

今日4月2日月曜日に発売された週刊現代で、治る「がん」治らない「がん」というテーマの記事がありました。記事の根拠になるデータは、全国がんセンター協議会の統計から得ているそうです。
各臓器のガンを年代別(50代・60代・70代)・ステージ別(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ)で記載されています。ガンの特徴を著しく表現できるのが、60代のステージⅢ(臓器の外側に浸潤)だと思います。そこで、ここに簡単にまとめてみました。
ー★ー★ー★ー★ー★ー★ー★ー★ー★ー
Syukangendai20184
肺がん: 35.1%
胃がん: 49.4%
直腸がん: 89.3%
結腸がん: 87.8%
肝臓がん: 8.4%★
膵臓がん: 6.0%★
腎臓がん: 58.2%
食道がん: 42.3%
胆嚢がん: 10.9%★
前立腺がん: 100.0%※
膀胱がん: 58.9%
甲状腺がん: 99.3%※
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このデータを見て、いかが思われましたか?
ガンとして恐怖しなければならないのは、生存率70%以下のガンだと思います。なぜなら3人に1人が5年持たないからです。そのようなガンが、肺がん、胃がん、肝臓がん、膵臓がん、腎臓がん、食道がん、胆嚢がん、膀胱がんです。特に、★で印したガンは、5年間に10人に1人しか生き残れません。
それらのガンと比較すると、前立腺がんや甲状腺がんは、同じガンとは思えません。有名な先生が唱えた「ガンもどき」と考えることができます。
記事の中では、前立腺がんは治療法が進歩したので、生存率が良くなったと言うことでした。それにしても、前立腺がんと甲状腺がんの生存率は断トツで高過ぎませんか?そういう意味では、前立腺がんは、「ガンもどき」かもしれません。前立腺の中に眠っている時は、「ガンもどき」で針生検で発見されると「癌」になってしまうのかもしれません。もちろん、「ガンもどき」から「癌」になるものもあるでしょう。そのタイミングを見つけるのが、PSA検査+触診+エコー検査かもしれません。

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膀胱とと直腸は双子の兄弟

以前にも、膀胱の発生学的構造について解説しました。

前回、解説に使用したイラストは、発生学専門書から引用したものでした。医師や医学生であれば、容易に理解できる内容でしたが、今回は私がイラストを作り直しました。母体中の胎児の発達状況は、とてもダイナミックなものです。
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まずは、胎児の4週の時点で、膀胱の基礎が出来上がります。
それが、「総排泄腔」です。その形はとてもシンプルです。
総排泄腔の前に「へその緒」が繋がっています。
総排泄腔の前後の真ん中辺りにクビレが生じます。
これを「尿直腸中隔」と呼びます。イラストでは「中隔」と示しています。

Sohaisetu2
胎児の6週に成ると中隔というクビレがドンドン深くなっていきます。
深くなるに連れ、総排泄腔の前は膀胱に、背後は直腸になろうと変形します。
つまり、膀胱と直腸は、発生の途中では同じ臓器だったのです。
ですから、出産後に成長して成人になれば、別の臓器と思われますが、神経的には脊髄神経で繋がっている方もおられます。その証拠に、膀胱炎になると便意を催すヒトもいれば、下痢すると頻尿になるヒトも存在します。

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胎児の7週に成ると、尿直腸中隔は完成して膀胱と直腸は完全に分離独立します。
膀胱の末端は、体壁皮膚の外側まで通過して「尿道」になります。
胎児の11週には男性の場合は、この尿道から芽が出て、それが「前立腺」になります。
背後の直腸は、大腸(S字結腸)の末端と接続して、大腸は直腸まで連続します。

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総排泄腔外反症という先天性の病気があります。
この病気は、総排泄腔が胎児の成長過程で分化せずに、膀胱と直腸が分離しなかったために起きる現象です。次回のブログで詳細を掲載します。

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針生検で発見できなかった前立腺ガンの患者さん

患者さんは50代の男性です。
平成29年11月にPSA値が26(正常値4.0)と高く、地元のがんセンターで前立腺針生検(10本)を実施したのですが、ガン細胞が発見されませんでした。その後の主治医対応に納得がいかないので、高橋クリニックに訪問されました。
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初診時の触診では、前立腺がとても大きく、前立腺全体が前立腺肥大症!の雰囲気です。
しかし、前立腺の奥の右上部(膀胱寄り、精嚢腺側)に前立腺肥大症よりも若干堅い硬結が触れます。前立腺ガンと思われます。
私の人差し指がギリギリ届く範囲の距離です。
自分の指の長さが短いと思った時が、自分の診断能力の限界を感じる瞬間です。

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そこで、エコー検査で観察すると、前立腺は114cc(正常値20cc)と5倍以上の大きな前立腺肥大症でした。さらに丁寧に観察すると、前立腺の膀胱よりの精嚢腺手前にガンと思われる陰影が確認できました。この写真の赤い矢印の部分がガン組織です。
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恐らく、前の主治医が事前に十分に下調べもせずに、PSAの値だけで大雑把に針生検した結果だったのでしょう。前立腺肥大症であれば、前立腺針生検の本数を増やさなければ、発見の確率は低くなります。前立腺20㏄で10本ならば針1本当たりの単位体積は2.0㏄ですが、前立腺114㏄だと1本当たり11.4㏄になってしまいます。同じ単位体積にするには、57本もの針生検をしなければ一致しません。しかし、現実的には無理です。なぜなら、本数を重ねる毎に前立腺がグチャグチャになってしまうからです。
この患者さんのガン発見のためには、エコー所見を参考に、イラストのように針を5センチ程先に刺入させ、その場所からパンチ刺入すればガン組織を採取できるでしょう。

エコー所見では、陰影が丸味のある形状をしていますから、悪性度は低いものと思われます。先ずはプロスタールを処方しました。前立腺肥大症が小さくなると同時にガン組織も小さくなるでしょう。

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神経因性膀胱の誤解

膀胱の収縮力低下の結果、オシッコが出なくなるのが「神経因性膀胱(しんけいいんせいぼうこう)」と呼ばれる病気です。
泌尿器科の医師は、男性で前立腺が大きくなく残尿量が多ければ、神経因性膀胱と簡単に診断します。また、女性の場合も残尿量が多ければ、やはり神経因性膀胱と診断してしまうのです。その理由は、単純に膀胱の収縮力がないからだということです。そして、脊髄神経や脳の精密検査を行い、脳梗塞の後遺症だ、椎間板ヘルニアせいだ、馬尾神経障害だ、二分脊椎だ、過去の骨盤内手術の後遺症だなどの理由に、「治りません!」と簡単に結論づけるのです。さらに、治療手段は、「膀胱カテーテルを一生留置するか、自己導尿しかありません!」とワンパターンの回答です。これを聞いた患者さんはお先真っ暗です。
ここには、『神経因性膀胱は絶対に治らない』という思い込みが医師にあるのです。

このイラストは、排尿の際の膀胱周囲の物理的力を表現しています。
Mechaurination排尿するまでの下部尿路のシステムを順番に説明しています。
①自分の意志で尿道括約筋が開く
②呼応して自律神経で膀胱括約筋が開く
③蓄尿の重量(重力)
④膀胱が収縮する
⑤各臓器の自重(重力)がかかる(膀胱は内臓の中で最低位置)
⑥腹筋・腹圧がかかる
以上の6つの要素が作用して排尿します。
この中で、物理的力が一番強いのが腹筋・腹圧で、2番目が各臓器の総重量、3番目が膀胱収縮力です。その3番目の強さの膀胱収縮力が無くなったからと言って、オシッコが本当に出なくなるでしょうか?どう考えても、他に原因があると思えてなりません。

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ここで、誰でもできる簡単な実験をお示しします。
ビニールの点滴バッグ溶液に着色(左の写真)し、点滴を全開にします。5分ほどで中身は空っぽになります。どう見ても当たり前の光景です。点滴パックに外から圧力は全く掛かっていません。点滴を全開にしたので、溶液の重量(重力)だけで空っぽになったのです。
この点滴バックを膀胱に例えれば、収縮力のないからと言う理由で、神経因性膀胱に残尿が認められる現象が理解できません。なのに神経因性膀胱と呼ばれる病気は、なぜ、オシッコが出なくなるのでしょうか?
膀胱はこの点滴バックに比較して、蓄尿の重量以外に腹筋・腹圧、臓器の重さの3つの出力の要素が健在しているにもかかわらず、オシッコが出ないのです。理由は簡単です。膀胱出口が開放しないからです。その原因は膀胱頚部硬化症(男女共通)か前立腺肥大症(男性のみ)です。ですから、『神経因性膀胱は治せない』病気ではなく、『膀胱出口の緊張を緩めるαブロッカーの投与や、内視鏡手術(TUR-Bladder neck)』を実施すれば治ります!

医師は目の前の現象を正確に緻密に理解し、苦しんでいる患者さんを助けるのが使命です。膀胱収縮力が低下したからオシッコが出ないなどと素人的発想で安易に臨床を済ませないでほしい。学生時代に習った解剖学・生理学を駆使して患者さんを助けろ!疲弊した膀胱を分類するために無意味な検査(膀胱内圧・筋電図など)して、データを集めて遊ぶのはヤメろ!

神経因性膀胱の患者さんが自己導尿でカテーテルを使えば、容易に排尿できます。膀胱の収縮力とは無関係です。膀胱出口が単に開放されれば、排尿できるのです。


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膀胱の基礎医学#4①(臨床医学的観点)

膀胱の発生学、解剖学、生理学を利用して詳細に解説しました。
これらの知識をフルに使って病気を観察すると、適確な治療法を見い出すことができます。
膀胱に関わる病気は次の通りです。
❶急性膀胱炎
❷慢性膀胱炎
❸過活動膀胱
❹膀胱疼痛症
❺膀胱尿管逆流症
❻神経因性膀胱
❼間質性膀胱炎
❽尿管瘤
❾膀胱結石
❿膀胱憩室
⓫膀胱子宮内膜症
⓬膀胱腫瘍


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❶急性膀胱炎
一番有名な誰でも知っている、細菌が原因の膀胱炎です。抗生剤・抗菌剤で治ります。
出産前のご婦人の性行為後が原因のほとんどです。中高年のご婦人の急性膀胱炎は稀です。
また、臨床的には一見急性膀胱炎ですが、実は本質が異なる方も……。

❷慢性膀胱炎
急性膀胱炎-様症状が繰り返し定期的に出現する膀胱炎です。原因は性行為ではありませんし、細菌が認められないこともしばしばです。後で述べる子宮内膜症が原因のことがあります。

❸過活動膀胱
細菌感染もなく、年中の頻尿や尿意切迫・尿失禁で苦しまれています。ハッキリした原因もなく対症療法のための病名です。

❹膀胱疼痛症
頻尿や尿意切迫はあっても、悩むほどではありません。ただ痛みが持続したり、発作的に出現します。
痛みの場所は、性器、膣、肛門、下腹部など様々です。婦人科や泌尿器科や外科などで精密検査をしても理由が分からずに、やはり原因不明です。

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❺膀胱尿管逆流症
腎臓→尿管→膀胱へと尿の流れは一方通行です。
ところが、尿管口の逆流防止弁作用が不完全だと、排尿時に膀胱の尿が膀胱→尿管→腎臓へと逆流してしまいます。その結果、急性腎盂腎炎を発症します。見方を換えれば、腎盂腎炎を起こした経験のある人は膀胱尿管逆流症があることになります。
この写真は、ラジオアイソトープを利用した膀胱尿管逆流症の患者さんの検査結果です。画面の右下が排尿直後の所見です。膀胱内に残尿が認められます。つまり、膀胱尿管逆流症の患者さんには、実は排尿障害が隠れているのです。

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❻神経因性膀胱
膀胱の排尿筋が弱くなったから排尿出来なくなったと言われてしまう患者さんです。
ところが、排尿の際に膀胱にかかる圧力は、膀胱内の尿の重力、腹腔内の内臓全ての重圧、腹筋による圧力、最後に膀胱の排尿筋の力で駆出するのです。排尿筋の力がなくなったくらいで尿が出ない訳がありません。オシッコが出ないのは、膀胱出口が十分に開かないからです。
この写真の患者さんは60代で、ある大学病院で神経因性膀胱と診断された方です。どう見ても前立腺肥大症です。前立腺肥大症の治療もしないで、毎日6回の自己導尿をさせられました。


❼間質性膀胱炎
極端な頻尿と痛み症状で、内視鏡検査で特有?の所見を認めて、診断されます。治療法は、膀胱水圧拡張術ですが、原因治療ではないので、対症療法に過ぎません。
しかし、間質性膀胱炎をはじめ、上記の慢性膀胱炎・過活動膀胱・膀胱疼痛症・膀胱尿管逆流症・神経因性膀胱の患者さんのほとんどに、本人が自覚しない排尿障害が隠れています。その排尿障害を治療すれば、症状は軽快します。

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❼尿管瘤
原因不明の膀胱炎や前立腺炎の患者さんを調べてみると見つかるのが尿管瘤です。
先天性の尿管末端の不良が原因です。尿管末端が風船のように膨らんで、膀胱を刺激するので症状が出るのです。この写真は、左右両方に認めた尿管瘤の患者さんの3Dエコー所見です。

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実際に内視鏡検査で確認した両側尿管瘤です。


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膀胱の基礎医学#3(生理学的観点)

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膀胱三角部の真下には、膀胱括約筋が三角形の形で存在し、膀胱出口近くに位置しています。この筋肉は平滑筋で出来ており、骨格筋である尿道括約筋とは性格が異なります。平滑筋は自律神経の支配で、骨格筋は随意神経(運動神経)の支配下にあります。これらが、排尿機能に関わっています。
膀胱三角部は尿管由来ですから、神経支配は尿管と同じで、膀胱のほとんどの部分と神経支配が異なります。尿管の方が膀胱の知覚よりも鋭敏ですから、膀胱の尿意のほとんどが膀胱三角部なのです。

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膀胱の機能は、尿を溜め(蓄尿)、膨らんでも一定の量まで我慢し、脳中枢の許可を得て膀胱出口が開き膀胱全体が収縮して排尿するのです。
❶膀胱出口・膀胱括約筋(内尿道括約筋)
交感神経の支配下にあり、自分の意志とは無関係の平滑筋です。αレセプター(受容体)を刺激して収縮させます。排尿時には、交感神経の刺激がストップして開き易くします。ただし、尿道括約筋の協力がなければ開きません。
❷膀胱三角部・膀胱括約筋
このイラストのように教科書的には、膀胱出口と膀胱三角部の膀胱括約筋の区別はありません。しかし、膀胱頚部が排尿の際に漏斗状の円錐状に開放するためには、膀胱三角部が適度に収縮し、膀胱出口の部分が緩んで、その形状になります。膀胱出口は交感神経支配で、膀胱三角部は交感神経・副交感神経支配かも知れません。排尿時に交感神経が声掛けをストップして膀胱出口が緩み、逆に交感神経が声掛けして膀胱三角部が軽く緊張するのです。膀胱三角部は尿意センサーですから、尿を我慢する時に膀胱三角部が緊張すると、尿意が強くなってしまいます。ですから、頻尿の患者さんは、膀胱三角部の括約筋が過緊張のために尿意が強くなり、その過緊張を抑えるαブロッカーが頻尿の治療薬になるのです。坑コリン剤も頻尿治療薬ですが、αブロッカーほど効きませんから、膀胱三角部の主導権は交感神経でしょう。
❸尿道括約筋(外尿道括約筋)
膀胱出口から4センチ程の場所に存在する筋肉です。自分の意志で収縮する骨格筋です。恥骨と肛門と尾骨が一連で繋がっています。神経支配は体性神経・随意神経です。
❹膀胱全体・膀胱輪状筋・膀胱縦走筋
膀胱の弛緩・収縮に関与しています。ムスカリン受容体(コリン受容体)が、その反応に関わっています。神経支配は副交感神経・自律神経です。
❺前立腺(男性)
前立腺の間質成分は平滑筋です。ですから、自律神経の支配下の交感神経がコントロールしています。膀胱括約筋とシンクロして前立腺も同調します。しかし、前立腺肥大症があるとシンクロし難くなってしまいます。

何かの原因で、この5つの要素に障害があると、排尿障害になります。ところが、臨床医師が、この1つ1つの要素のチェックをしないで、簡単に診断してしまうのです。隠れた排尿障害を見つけてもらえず、症状だけに注目するのです。患者さんは、たまったものではありません。

【参考文献】
「解剖学」金原出版
「人体解剖学」成美堂出版

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膀胱の基礎医学♯2(解剖学的観点)

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膀胱は膀胱頚部、膀胱三角部、膀胱体部に分けることができます。ところが、膀胱三角部は、現在膀胱に位置しますが、前回解説したように本当の出身地は尿管なのです。左右両側の尿管が、胎児期に成長と共に膀胱内で左右が結合したのです。その結果、三角形になり膀胱三角部と称される部分になったのです。
四つ足動物、四足歩行だった頃、排尿時にかかる圧力は、ちょうど膀胱出口に当たるように設計されていました。ところが、人間が二足歩行に進化すると、その圧力は膀胱出口の後ろ側、つまり膀胱三角部に直接当たるようになってしまったのです。要するに、四足歩行の動物に比べて膀胱三角部への負担が大きいのです。これが、人間の排尿に関する産まれながらの欠陥なのです。
膀胱三角部は尿管由来ですから、膀胱の中で一番敏感な部分です。その敏感な部分が産まれてから1年前後で二足歩行になり、排尿の度ごとに膀胱三角部に負担をかける訳です。40〜50年も生きれば、膀胱三角部の過敏症になってもおかしくはないでしょう。それが、過活動膀胱、間質性膀胱炎、慢性膀胱炎、慢性前立腺炎、前立腺肥大症の症状になるのです。

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膀胱三角部の直下に膀胱括約筋が存在します。
しかし、このイラストで分かるように、膀胱括約筋は膀胱三角部の直下とそれ以外の周囲に存在するものとに分けることができます。
この膀胱三角部直下の膀胱括約筋が排尿時に収縮し、それ以外の周囲の膀胱括約筋が緩むと、膀胱出口が開きます。しかし、尿道括約筋と同時に活動しないと膀胱出口は開きません。
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膀胱三角部は、知覚のセンサーと駆動力の膀胱括約筋の2つの顔を持っているのです。その割には、泌尿器科学会では、重要視されていません。その理由は膀胱三角部を客観的に観察できないからです。内視鏡検査、いわゆる膀胱鏡検査で観察しても、表面を見ているだけなので、医師が異常に気付かないのです。
超音波エコー検査で、膀胱三角部は詳細に観察することが出来ます。膀胱三角部の厚さ、膀胱括約筋の形態的変化などです。この写真は間質性膀胱炎症状の47歳のご婦人の超音波エコー所見です。膀胱三角部が非常に厚くなり、さらに膀胱括約筋があさっての方向に向いています。この所見は排尿障害を示唆しています。

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前立腺ガンの年齢階層別推移

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前立腺ガンの罹患数を年代別に観察すると、グラフのようになります。(2016年統計)
40歳過ぎてから、罹患数は急激に上昇します。

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前立腺ガンのラテント癌の潜伏率と、年代別の増加推移を比較したグラフです。
年齢を重ねる毎に潜伏率は増えます。この曲線と前立腺ガンの罹患数の増加曲線が近似したものになります。
つまり、罹患数の増加は、加齢に伴うラテント癌の潜伏率に比例しているのです。
もしも男性全員に前立腺針生検を実施すれば、罹患数はこんなものでは終わりません。桁が2桁は多くなります。80代は、930万人存在しますから、ラテント癌は、465万人存在することになります。

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初めのグラフと男性生涯の男性ホルモン(テストステロン)の推移を比較すると、このグラフになります。
男性ホルモンが下降に沿って、次第に前立腺ガンの罹患数が増加しているように見えます。
前立腺は男性ホルモンの低下、特に60歳を越えたテストステロンが最盛期に60%に低下した時を境に、その変化を引金にして前立腺ガンが発生すると考えられます。
これから、考えると更年期前後でテストステロンの補充療法が前立腺ガンの抑制効果が得られるかも知れません。

要するに、前立腺ガンの罹患率は、
①年齢による潜伏率
②年齢によるテストステロンの低下
に相関しています。つまり前立腺癌は年齢とともに増加する自然現象です。その自然現象に針生検で刺激することが、寿命に影響するガン細胞に変身するのではないでしょうか?

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膀胱の基礎医学♯1(発生学的観点)

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これまで、男性の前立腺について、詳細に解説して来ました。これからは、男女共通の膀胱について語りたいと思います。
膀胱を単なる袋状の単純な臓器だと臨床医は思っています。しかし、膀胱の基礎医学を詳細に調べ直してみると、違った世界が見えてきます。
このイラストは、胎児の初期の下半身を示したものです。
白枠で囲んだ部分を、これから経時的に順番に解説します。

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胎児の初期に、「総排泄腔そうはいせつくう」と言う袋状の臓器が、体外(胎盤)と臍の緒で連結(尿膜管)していました。胎児が成長して時間が経過すると、総排泄腔の真ん中にクビレ(尿直腸中隔:白い矢印)が出来ます。このイラストは、第4週の胎児です。

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そのくびれ(尿直腸中隔:白い矢印)がさらに進みます。
次第に総排泄腔が前後2つに分離し始めます。
このイラストは第6週の胎児です。

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完全に分離独立すると、前側が膀胱に、後ろ側が直腸になるのです。膀胱の後ろ側と直腸の前側は、ほぼ同じ部位だとも言えます。このイラストは第7週の胎児です。
この発生の流れから考えると、元は同じ袋状の臓器ですから、脊髄内の膀胱と直腸の中枢神経は元は同じであつた筈ですから、かなり隣接しています。その結果、膀胱が刺激されると、脊髄を介して直腸が刺激され、直腸が刺激されると、脊髄を介して膀胱が刺激されるのです。
その証拠に便秘や下痢すると、頻尿や残尿感が出現し、膀胱炎になると、残便感や下痢が出現するのです。
しかし、不思議なのが、膀胱と直腸の粘膜の違いです。膀胱の粘膜は伸び縮みの可能な移行上皮で、直腸の粘膜は円柱上皮です。同じ総排泄腔から発生した膀胱と直腸なのに、何故に粘膜組織像が異なるのか分かりません。

両側の尿管が膀胱内に侵入して、膀胱の一番下位に結合し、さらに尿道内まで進みます。両側の尿管の断端が接合した部分が膀胱三角部です。ですから、膀胱三角部は、正確には膀胱ではなく尿管由来なのです。
膀胱三角部は、膀胱の他の部位に比較して一番敏感な部分です。なぜ敏感か?と言うと、理由があります。膀胱三角部は、圧力センサーです。膀胱内に尿が十分に溜まると、その圧力(膀胱内圧)が膀胱三角部を強く圧迫します。その圧力を膀胱三角部は尿意として感じるのです。
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なぜ、その必要があるのでしょうか?尿管は膀胱の壁を貫通して膀胱内に連結しています。オシッコが沢山たまり膀胱内圧が高まると、膀胱壁の尿管が強く圧迫され潰されてしまい、腎臓から尿を注げなくなります。膀胱内圧を下げるために、尿意を感じて排尿させるのです。オシッコが終われば、膀胱内圧はゼロになりますから、尿管は抵抗なく尿を注ぐことが出来ます。

【参考文献】
ムーア人体発生学 (イラスト改変)
解剖学 金原出版

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前立腺の基礎医学♯4(臨床医学的観点)

【臨床学・泌尿器科学的観点】
前立腺の病気で問題になるのが、次のものです。
❶急性前立腺炎
❷慢性前立腺炎
❸膀胱頚部硬化症
❹前立腺肥大症
❺前立腺ガン
❻男子不妊症
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❶急性前立腺炎
突然の細菌感染と誤診されることが多いのが現実です。急性前立腺炎になる患者さんには、必ず排尿障害が隠れています。一般的には、膀胱頚部硬化症です。排尿障害があると、排尿の度ごとに前立腺は圧迫と振動を繰り返し受けます。その物理的刺激により前立腺内の白血球は過剰に反応し易くなります。そのため、前立腺内の常在菌に過剰反応すると、急性前立腺炎になるのです。

❷慢性前立腺炎
急性前立腺炎を繰り返す患者さんに、慢性前立腺炎症状が発症することが多いのが現実です。理由は、急性前立腺炎と同じで、膀胱頚部硬化症による排尿障害が慢性的に繰り返し繰り返し前立腺を刺激する結果です。この慢性的刺激により、前立腺が神経的に過敏になり、慢性前立腺炎症状になるのです。ですから、抗生剤や抗菌剤を服用しても本質の治療にはなりません。興奮した白血球や常在菌を抑えるだけです。

Img_0904❸膀胱頚部硬化症
生まれつき、膀胱頚部が排尿時に漏斗状に開き難い人が、一定の確率で存在します。そのため、膀胱出口が十分に開きません。膀胱出口が排尿の度ごとに、膀胱出口が振動します。結果、膀胱出口が硬くなり膀胱頚部硬化症になり、前立腺に振動負荷がかかり、前立腺の機能低下や前立腺の膀胱内への突出を促すため、なお一層排尿障害が強くなります。前立腺ガンの腫瘍マーカーであるPSA値が高くなります。この写真は、慢性前立腺炎と診断された患者さんのエコー所見です。膀胱三角部の突出=膀胱の魚の目が確認出来ます。

Img_0902❹前立腺肥大症
食生活の向上により、前立腺肥大症の要素である平滑筋が大量に造られ易くなります。
また、先の膀胱頚部硬化症による物理的振動エネルギーが刺激になって、前立腺肥大症を促進します。ですから、前立腺肥大症の患者さんの多くが、もともと膀胱頚部硬化症があり、排尿障害症状の主な原因が、前立腺肥大症の大きさではなく、膀胱頚部硬化症なのです。その証拠に、前立腺肥大症の症状の強い患者さんに膀胱出口の緊張を和らげるαブロッカー(ユリーフ・ハルナール・フリバス)服用するだけで、前立腺の大きさを無視しても、症状が軽減することが多いのです。前立腺肥大症の大きさが、正常の2倍であれば、PSA値も2倍になります。

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❺前立腺ガン
発生学で解説したように、前立腺外腺はいくつもの刺激を受けます。
⑴胎児期に性別分化のための一時的なテストステロンの刺激
⑵出産直後の大量のテストステロンの刺激
⑶思春期の大量のテストステロンの刺激
⑷更年期以降のテストステロンの減少の刺激
⑸中高年以降の前立腺肥大症による圧迫と排尿障害の排尿時の振動刺激
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少なくても5つの刺激要素で、前立腺の外腺は一生かけて5回の刺激を受けるのです。これほど物理的・ホルモン的刺激を受ける分泌腺が他にあるでしょうか?その結果、癌細胞が発生しても不思議ではないでしょう。この写真は、PSA値が高く来院された患者さんのエコー所見です。小さな前立腺ガン(赤い矢印)が外腺に認められます。

❻男子不妊症
生理学で解説したように、前立腺の分泌する前立腺液は、精子の活動にとって必須の要素です。排尿障害による前立腺の物理的疲労は、分泌腺としての前立腺液が質・量ともに十分に分泌されなくなります。その結果、男子不妊症になるのです。したがって、男子不妊症の患者さんに遭遇いたら、排尿障害を見つけ出して治療して、前立腺の負担を解除し、前立腺液が正常に快復させるのです。
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私の考え方は、とても偏向的です。何にが何でも膀胱頚部硬化症が原因だという考え方です。私は完璧な人間ではありませんから、誤診した時はご免なさい。

【参考文献】
男の更年期 日東書院

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前立腺の基礎医学♯3(生理学的観点)

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前立腺は、4つの役目を担っています。
❶射精器としての前立腺。前立腺を収縮して、その収縮力で精液を体外に噴出させる。射精の押し出す力である。
❷分泌腺としての前立腺。前立腺液を分泌して、子孫繁栄に必要な精子の活動を援助する。
❸ミキサーとしての前立腺。精嚢腺液と前立腺液と精子をミックスする場となる。
❹整流装置としての前立腺。
❺ホルモン反応臓器として前立腺
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❸前立腺液の成分は次の通りです。
⑴弱酸性
精嚢腺液は、強アルカリ性pH7.5で、精子の活動を抑える作用があります。女性の膣内には殺菌作用のある乳酸菌の出す強酸性の乳酸に負けないように、弱酸性pH6.5の前立腺液と強アルカリの精嚢腺液が、適度に混ざって、弱アルカリ性の精液になるので、精子が元気に活動できるのです。
⑵アデノシン三リン酸ATP
精子はエネルギーの蓄えがありません。ミトコンドリアは持っているので、周囲の環境からミトコンドリアにエネルギーの補給の必要があります。そのエネルギーがATPなのです。
⑶PSA
精液の粘り気をサラサラにするのが、PSAというタンパク分解酵素です。精液をサラサラにすることで、精子の活動範囲が広くなって、卵子との遭遇する可能性が高くなる=妊娠し易くなるのです。このPSAが前立腺から漏れ出て血液中の濃度が高くなる事を前立腺ガンの目安=腫瘍マーカーになるのです。
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Img_0899❹整流装置としての前立腺
4センチという短く真っ直ぐな女性の尿道に比べ、男性の場合場合は約20センチと長い(膀胱出口から尿道出口)上に、少なくとも二カ所屈曲しています。前立腺から直ぐ出た所(尿道球部)で約90度曲がり、陰茎の根元(振子部)でまた90度曲がります。そのため、尿道が単なるホースであると、各曲がりの個所で流れの位相差が生じます。その結果、尿道出口から尿が出るときには尿が散ってしまいます。

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乱流・渦流を防止するために、スムーズな流れを作るための施しが、前立腺と尿道に工夫されています。
このイラストは、ある整流装置の説明図です。
何もしない管の中を流れる流体は、管の近辺に乱流・渦流が生じます。ちょうど、電車のホームに立っていて、急行や特急列車がそばを通過すると、電車に引き込まれるような突風が吹きます。あの突風が乱流です。乱流にしないためには、このイラストのような整流装置が必要になります。

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①整流装置としての精丘
前立腺の尿道括約筋手前に精丘(精阜せいふ)と呼ばれる突起が存在します。
ここを尿が流れると、先程の整流装置のように内側・中心部へ向かう渦が出来ます。すると、流れに速い部分と遅い部分になり、層流が出来ます。層流は整流になり、尿道近辺に渦が出来なくなります。
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この写真は、手術後の前立腺内部の内視鏡所見がです。丸い部分が精丘です。
②尿道全体が整流装置
排尿中は、膀胱出口の膀胱頚部や尿道全体がある一定の間隔で直径が変化・拍動します。直径が拍動することで渦流・乱流が出来なくなります。動脈が拍動するのは、乱流を防止して血栓を作らないためです。
前立腺肥大症になると拍動が起きないので、オシッコが散ったり割れたりするのです。
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❺ホルモン反応臓器としての前立腺
男性は生涯をかけて、このぐラグのように男性ホルモン=テストステロンの変化のピークが4回あります。
①胎児期、②出産直後、③思春期、④更年期です。
①胎児期:
第6週の胎児期に、性別を分けるためにテストステロンが予想以上に大量に分泌されます。その結果、前立腺芽が成長して前立腺になるのです。その際に、中心領域と辺縁領域が形成されます。しかし、前立腺肥大症の原因組織である移行領域は、いつ出来るのか不明です。
②出産直後:
出産後数ヶ月で再びテストステロンがピークを迎えます。おそらく、この時期に移行領域が発芽するのでしょう。そして、男としての骨格や筋肉の作られるキッカケにもなるのでしょう。
③思春期:
皆さんもご存知のように、十代後半から男性ホルモン=テストステロンが盛んに分泌され二十代でピークになります。この時期に男の子は男らしくなるのです。そしてある日、精液が出せるようになります。つまり、前立腺が完成するのです。恐らく、この時期に移行領域が成長発達し、エコー所見でも確認できる程の大きさボリュームになるのです。
④更年期:
それまで高かったテストステロン濃度も、45歳頃から分泌が徐々に低下していきます。50代で60%、60代で50%、70代で40%です。その分泌変化が刺激になり、前立腺の移行領域が前立腺肥大症に変化して行くのです。
⑤圧力も刺激?
思春期③を過ぎてから前立腺の移行領域は成長して体積が増えます。前立腺は、すでに存在する辺縁領域の外腺が、移行領域の内腺と硬〜い線維性の前立腺被膜の間に挟まれて圧迫されます。さらに更年期④を過ぎると内腺はますます大きくなり結果、前立腺肥大症になります。外腺はなお一層圧迫されます。ホルモン変化の刺激を4回、圧力刺激を2回もさらされて、外腺はトコトン刺激を受けます。この刺激が前立腺ガンを誕生させるキッカケになるのかも知れません。

【参考文献】
解剖学アトラス
男の更年期 日東書院

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前立腺の基礎医学♯2(解剖学的観点)

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【解剖学的観点】
今まで私たちが学んだ前立腺の知識は、構造的に内腺と外腺に分類されていました。前立腺肥大症は内腺から、前立腺癌は外腺から発生すると信じられています。

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しかし、新しい知識として、前立腺は移行領域、中心領域、辺縁領域に分けることが出来ます。
既存の知識である内腺は、移行領域と中心領域が融合して作られています。外腺は尿道括約筋付近から発生し外側に発育する辺縁領域です。移行領域は前立腺の前面から、中心領域は膀胱頚部から誕生するのです。尿道に沿って発育し、外腺の内側に存在します。つまり、尿道の周囲であるので、排尿の善し悪しに直接関わることになります。前立腺は尿道を挟んで、後側の上下からと前側の真ん中から発生するのです。
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内腺は、思春期の男性ホルモンであるテストステロンの分泌が盛んな思春期以降に更に発育し、更年期の男性ホルモン分泌が低下するタイミングで、その変化が刺激になって前立腺肥大症に変化するのは、納得できる反応です。しかし、移行領域と中心領域由来の内腺からの前立腺肥大症は、尿道に直結しているので、排尿障害に当然関与します。また、内腺部分が大きく発育しても、以前から存在する外腺に周囲を阻まれますから、抵抗のない膀胱側に発育するので、それが膀胱突出型の前立腺肥大症(中葉肥大型)になるのです。このタイプは、極めて排尿機能が低下します。

【参考文献】
解剖学アトラス
An Atlas of Prostatic Diseases 3rd edition


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前立腺の基礎医学♯1(発生学的観点)

前立腺の病気を理解するためには、前立腺の本質を十分に知ることです。しかし、私も含めて臨床医は基礎医学をおろそかにしているので、臨床現場で応用が効かなくなるのです。基本に戻って、前立腺を見直してみましょう。
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【発生学的観点】
胎児第11週の時期に男性ホルモンのテストステロンが一定期間分泌され、その刺激で既にある尿道の原基から、次第に内胚葉性の前立腺芽が周囲の間葉組織中に浸入するように発育し始めます。それが前立腺になります。
第16週には、前立腺がほぼ完成します。この時期に前立腺に対して、精嚢腺に繋がった射精管と、尿管由来の膀胱三角部とが連結します。前者が子孫繁栄に、後者が排尿機能に重要な役割をします。つまり、子作りと排尿は、ほぼ同時に出来上がり、人間の存在には欠かせない二大巨頭になるのです。
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臨床的には、前立腺は、内腺と外腺の2つに区別することが出来ます。これは、発生の時期が異なるという事でしょう。しかし、発生学では、この根拠を見出すことは出来ません。尿道から前立腺が生まれたという事と、外腺が外側に位置するという事で、内腺の方が後から生まれた?、つまり、内腺の方が若いと言う事でしょうか?
そう考えると、外腺の誕生後しばらくしてから、男性ホルモン・テストステロンの分泌が急に増加する時期があり、尿道から再び前立腺組織が発芽して前立腺の内腺が誕生したのでしょう。これが、将来の前立腺肥大症になる組織です。
つまり、前立腺は内腺も外腺も時期をずらして尿道から発生するのです。同じ前立腺にもかかわらず、内腺は若く、外腺は年上で、原始的な性格を有しているであろうと考えられます。したがって、外腺から前立腺ガンが発生するのは理にかなっています。

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以上、発生学の専門書を何冊か読んで、臨床と関連付けて連想できるドラマです。これ以上は記述がないので、裏付けを取れません。そこで、最近の前立腺の事しか記載のない専門書を調べると、前立腺を3つに分けることが出来ます。それは①移行領域、②中心領域、③辺縁領域です。②中心領域は今まで内腺と呼ばれる部分で膀胱頚部から、③辺縁領域は今まで外腺と呼ばれる部分で尿道括約筋付近から発生するのです。①移行領域は、前立腺前面から発生して次第に前立腺の大部分を占め、中心領域と融合して、臨床的に内腺になります。
発生学の記述に比べて、実際の前立腺は発生箇所が異なり、さらに発生時期が異なるであろうという印象です。詳細な時系列も理解できれば、前立腺の本質も見えて来るでしょう。

【参考文献】
ムーア人体発生学第6版・第8版
An Atlas of Prostatic Diseases 3rd edition


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グリソンスコア8:悪性度の高い患者さんが治療して6年

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平成24年の1月に前立腺針生検を実施して、結果、グリソンスコア4+4=8の低分化型=悪性度の高い前立腺ガンでした。当時67歳の患者さんです。
悩んだ末、インターネットで私のオリジナルの前立腺ガン治療のブログをジックリ読み、ある決断をしました。地元の内科の医師に頼んで、エストラサイトを処方してもらいました。私の方法は、週に1回1カプセル〜2週に1回1カプセルのごく少量です。通常であれば、毎日4カプセルですから、私の治療法は通常の28分の1〜56分の1のごく少量です。結果、副作用も1/28〜1/56になる筈です。一般の医師は、この程度の容量では、効くわけないと思っています。
この患者さんは、当初エストラサイトを3日~5日に1回1カプセルを服用していました。

この患者さんは、2年ほど地元の内科にお願いしてオリジナル治療を続け、平成26年7月当院に初めて来院されました。その後は、エストラサイト週1回1カプセルの他に、癌抑制作用のある糖尿病の治療薬メトグルコを処方して経過を観ました。
前立腺ガンを発見されてから、6年が経過した今年の1月10日に患者さんは来院されました。現在、PSA値は0.053と超低下です。現在、エストラサイトは月に1回1カプセルです。通常量の1/120の超超低容量です。こんなに少ない処方量でも安定した治療ができるのです。
この患者さんからブログに寄せられたコメントをご紹介しましょう。
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【コメント】
 先生のブログに何時も勇気をもらっております。先にも2,3度コメント差し上げたことがあります(治療前PSA=12.4、GS=8)。治療初期にはゾラデックス皮下注射+エストラサイト併用でしたが、半年ほど前からエストラサイト(3日毎に1カプセル)の服用のみでPSA監視をしております。この半年間におけるPSA推移は0.06→0.04→0.03と安定しております。エストラサイトは女性ホルモン(エストラジオール)をベースにした抗ガン剤ですが、ゾラデックスと同等にテストステロン産生を効果的に抑制すると理解しています。であるならば、やがては癌細胞が去勢抵抗性となり、再燃することを覚悟しておいたほうがよいのでしょうか?
【回答】
ゾラテックスは抗男性ホルモン作用ですが、エストラサイトは女性ホルモン+抗癌剤の2つの攻撃で、癌細胞自体にテストステロンを作る(去勢抵抗性)ような余裕を与えず、癌細胞を死滅させる目的です。
したがって、漫然とゾラテックスを注射するよりも去勢抵抗性の発現率が低下すると考えています。
また、悪性度が増すのを抑えるために、ビタミンD3の服用も有効と考えます。
投稿: moto | 2013/05/11 21:38

 公務ご多用にもかかわりませず、早速のご回答、ありがとうございました。低用量エストラサイト服用の優位性良く理解できました。ますます、この方向で治療を継続する勇気が湧いてきました!。ビタミンD3についっては癌宣告を受けた時から欠かさず1000IU/dayを服用し、エストラサイトを服用しない日には必ずイソフラボン(60mg)のサプリメント服用、さらに豆乳ヨーグルトと抗酸化性の期待できる野菜ジュースを毎朝摂るよう心掛け、癌との共生に望みをつなげております。何時も簡潔かつ的確のコメントを頂き心より御礼申し上げます。
投稿: moto | 2013/05/12 21:21

その後の経過をご報告申し上げます。ゾラデックスを止め、エストラサイトのみを3日に1カプセル服用を始めて1年4カ月が経ちました。先の報告(2013/5/12)ではPSA0.03まで低下しておりました。現在は0.01以下(タンデム法の検出限界以下)となり、順調に推移しています。今後、5日に1カプセルに変更しようかとも思っていますが、今しばらくは、このままの服用(1カプセル/3日)を続け、ナイトロジェンマスタード細胞毒効果に期待するのも一策ではないかとも考えています。先生の御意見を御伺頂ければ幸いです。公務ご多用の先生ですので、お時間の許す時にでもお答えいただければ結構です。
【回答】
前立腺癌細胞は、45日周期に1回細胞分裂をするというデータがあります。
全ての癌細胞が同時に細胞分裂を起こしている訳ではないでしょうが、45日に1回抗癌剤を服用しても癌細胞は増えないだろうと考えるようになりました。
したがって、3日に1回の抗癌剤の服用は多過ぎるのではないか?と思います。
1週間~2週間に1回の服用ではどうでしょうか?
投稿: moto | 2014/01/07 22:09

ご丁寧且つとても興味深いコメントを頂き、心を強くしております。45日周期での細胞分裂データ、とても興味深いものです! 実は、本日(1月23日)、PSAの最新値が分かりました。やはり、0.01以下と、安定しています。担当医には、2月から1カプセル/5日で様子を見たいとお伝えし、了解を得たところです。半年ほど様子を見た上で、安定していれば、1~2週間に1回服用へと挑戦してみたく思います。
貴重なる御意見を御伺いすることができ、心より感謝申し上げます。公務ご多用のことでしょう。御自愛ください。
投稿: moto | 2014/01/23 14:22

 1月23日に当ブログに投稿後、1カプセル/5日で様子を見ているところです。4月中下旬に採血と診断の予定です。
 私事ですが、5月初め頃、世田谷区〇〇に転居を予定し、準備を始めつつあります。つきましては、転居後は、高橋先生に診察をお引き受け頂きたく、お願い申しあげます。その際には、私なりに記録を続けてまいりました、治療内容、PSA推移データおよび現在の病院から受け取った生検データのコピー(GS=8)を持参したく思います。どうか宜しくご高配ください。
【回答】
はい。
投稿: moto | 2014/03/27 12:51
早速の御快諾ありがとうございました。安心して東京に転居することができます。4月後半の診断でPSA値が安定に推移しているようでしたら、高橋クリニックでの初診を3ヶ月後の7月中旬頃に予定したく思います。どうか宜しくお願いいたします。
投稿: moto | 2014/04/01 20:32

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グリソンスコア8の低分化型=悪性度の高い前立腺ガンの場合、5年生存率は、統計的に約30%です。この患者さんは、発見されてから6年も過ぎていますから、生存率30%を切っている筈です。私の目の前の患者さんは、元気な影の濃い、後10年も20年も生きれる印象の普通の方です。私の考案した超低容量の治療法でも、患者さんを苦しめないで、予想外の結果を得ることができます。

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膀胱水圧拡張手術と膀胱三角部

間質性膀胱炎の治療として膀胱水圧拡張手術があります。
頻尿で苦しむ、敏感で小さく萎縮した膀胱を、水圧で無理矢理風船のように膨らませる治療が膀胱水圧拡張手術です。しかし、この方法は、素人でもチョッと考えれば思い付く短絡的な治療法です。この治療法を行っても効果が継続できるのは、平均で8カ月です。効果が持続しないのは、それなりの理由があるからです。

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膀胱で壁が一番厚くて、一番敏感な部分が膀胱三角部なのです。
この部分の敏感さが、間質性膀胱炎の症状を作っているのです。しかし、膀胱水圧拡張手術で膀胱を膨らませても、厚くなって頑丈な膀胱三角部はビクともしません。その代わり、膀胱水圧拡張手術で傷付いてしまった膀胱の他の部分は萎縮し瘢痕化するために膀胱はさらに小さくなります。その結果、膀胱内圧が高まり膀胱三角部を刺激して、症状は益ます強くなるのです。

間質性膀胱炎お究極の治療法が、膀胱摘出術+人工膀胱増設術です。
2010年の泌尿器科学会で、東京大学の報告で興味深いものがありました。
間質性膀胱炎の患者さんで膀胱全摘出術を実施したのが、4例ありました。その内、2例が膀胱を全て除去して人工膀胱を作った患者さんと、他の2例が、膀胱三角部を残して膀胱を切除して、人工膀胱を三角部に縫合した患者さんでした。膀胱を全て除去した患者さんは、症状が取れましたが、膀胱三角部を残した患者さんは症状が取れなかったという報告です。会場の雰囲気は、『そうか…膀胱は全て切除した方が良いんだ…』という感じでした。私ひとり、『…だったら、膀胱三角部だけ治療すれば良いでしょう…』と思っていました。何故、皆んな気が付かないんだろう?と、悶々としていました。

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PSA検診が前立腺ガンを減らすという根拠

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間質性膀胱炎の問題点

間質性膀胱炎は、難病指定の疾患として、公に認められています。

間質性膀胱炎は、診断基準が設けられており、治療は最終的に膀胱水圧拡張術になります。また、膀胱水圧拡張術を行なっても、平均で8か月で再発します。さらに、膀胱は次第に萎縮小さくなり、最終的には膀胱摘出術+人工膀胱を作られてしまうのです。
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【診断基準】「間質性膀胱炎(ハンナ型)」
A.症状
頻尿、尿意亢進、尿意切迫感、膀胱不快感、膀胱痛などの症状がある。(注)
注)症状には、頻尿、夜間頻尿、尿意亢進、残尿感、尿意切迫感、膀胱不快感、膀胱痛などがある。その種類や程度は多岐にわたるので、症状の特定や程度の規定はできない。
B.検査所見
膀胱内にハンナ病変を認める。(注)
注)ハンナ病変とは、正常の毛細血管構造を欠く特有の発赤粘膜である。病理学的には、上皮はしばしば剥離し(糜爛)、粘膜下組織には血管の増生と炎症細胞の集簇がみられる。ハンナ病変はハンナ潰瘍又は単に潰瘍と称されることもある。
Img_0842注)膀胱拡張術後の点状出血を認める場合も間質性膀胱炎と診断されるが、今回対象となるハンナ型とは異なり間質性膀胱炎(非ハンナ型)と分類される。膀胱拡張術後の点状出血とは、膀胱を約80cm水柱圧で拡張し、その後に内容液を排出する際に見られる膀胱粘膜からの点状の出血である。
C.鑑別診断
上記の症状や所見を説明できる他の疾患や状態がない。(注)
注)類似の症状を呈する疾患や状態は多数あるので、それらを鑑別する。例えば、過活動膀胱、膀胱癌、細菌性膀胱炎、放射線性膀胱炎、結核性膀胱炎、薬剤性膀胱炎、膀胱結石、前立腺肥大症、前立腺癌、前立腺炎、尿道狭窄、尿道憩室、尿道炎、下部尿管結石、子宮内膜症、膣炎、神経性頻尿、多尿などである。
<診断のカテゴリー>
Definite:A、B、Cの全てを満たすもの。
上記B.検査所見で以下の2型に分類し、間質性膀胱炎(ハンナ型)を対象とする。(注)
①間質性膀胱炎(ハンナ型):ハンナ病変を有するもの。
②間質性膀胱炎(非ハンナ型):ハンナ病変はないが膀胱拡張術時の点状出血を有するもの。
注)①の患者の方が高齢で症状も重症で、病理学な炎症所見が強い。治療方法も異なるので、この2者の鑑別は重要である。
<重症度分類>
日本間質性膀胱炎研究会作成の重症度基準を用いて重症を対象とする。
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これらの症状が、他の多くの病気と共通するにもかかわらず、それぞれの病気の症状が何故出るのかという理由を明言している文献や医師はいません。
それなのに、診断基準でいい加減に診断して、病名を付けている事に疑問を感じます。表目的な所見だけで診断するのが、科学・医学でしょうか?
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診断基準に記載されている「点状出血」は、排尿障害の患者さんの内視鏡手術で、よく見掛ける所見です。間質性膀胱炎専門の医師は、ほとんどが内視鏡手術を行わない医師たちですから、寄って集まって、こんないい加減な判断基準を作成したのでしょう。

症状が強く、過敏になっている膀胱を膀胱水圧拡張術で無理やりに膨らませ、膀胱の平滑筋・粘膜・神経・血管を破壊・分断する治療を知的医師の行う行状とは到底思えません。今まで何を修行してきたのか!とお思えて仕方がありません。安易な暴力的破壊的治療は、日本で開発されたものではなく、欧米で考案されたものです。この治療で至るところに傷ついた膀胱は、その傷を必ず治します。平滑筋も粘膜も神経も血管も治ります。ところが、傷は正常に戻る訳ではありません。それぞれが、瘢痕・ケロイドを作りながら治るのです。瘢痕・ケロイドは硬い組織です。膀胱は膨らむ臓器にもかかわらず、そこら中に硬〜い瘢痕・ケロイドが出来ますから、膀胱は膨らまなくなります。さらに瘢痕・ケロイドは痛みが出て、膀胱は小さく萎縮して、症状は強くなるばかりです。

私の考える間質性膀胱炎の周辺疾患のイメージは、この図式の通りです。基本的原因は、軽微な排尿障害です。それが長期に渡って慢性的に繰り返されるので、膀胱出口周辺に形態学的変化が生じ、膀胱の過敏さが様々な形で作られます。その一つ一つの症状の組合せと、診断する医師によって、急性膀胱炎・心因性頻尿・過活動膀胱・間質性膀胱炎・心身症・自律神経失調症・膀胱疼痛症とバラバラに診断されるのです。排尿障害を治療しないから、間質性膀胱炎は難病指定になってしまったのです。

今までに、間質性膀胱炎と診断された患者さんを内視鏡手術で何人も治してきました。もしも、原因不明であるならば、内視鏡手術で治る訳がありません。過去に学会でも発表しました。しかし、学会場での反応は今一でした。医師であっても常識から逸脱することは、なかなか難しいのです。

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鼻先で笑われた!

現在通院しているご婦人のエピソードです。原因不明の痛みで苦しみ当院を受診しました。

たまたま健康診断で、病歴や現在服用しているお薬を健診医師に説明する場面に遭遇したそうです。その際に、私が工夫して処方したお薬を説明したそうです。その時に「フン😏」と鼻先で笑われたそうです。恐らく、『こんな意味のない薬で医師に騙されて…フッ😏』『心の病だろう…フッ😏』と医師は思ったのでしょう?「鼻先で笑う」と言う言葉は知っていましたが、まさか本当にあるんだ!と思い患者さんはビックリしたのと、逆に怒りを覚えたそうです。無知な医師ほど、己れの知識が完璧だ!と天狗に思っているのです。

Pain34754f49psこの患者さんは、排尿障害による膀胱三角部の過敏による痛み・頻尿・むず痒さが主な症状でした。
超音波エコー検査で、膀胱括約筋①が偏向しています。本来なら膀胱出口②に向かっていなければなりません。排尿障害のため膀胱括約筋が引っ張られ偏向したのです。そのため、膀胱三角部③が肥厚しています。圧力センサーである膀胱三角部が厚くなればなる程、内部圧力が高まり刺激を受けやすく、それが症状を作るのです。これらは全て排尿障害による変形です。

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ウロフロメトリー尿流曲線では、尿の勢いが低下しています。正常であれば、平均速度20ml毎秒のはずが、最高速度が10ml毎秒を超える程度です。
通常は、膀胱出口の緊張を緩めるαブロッカー(エブランチル)と、膀胱三角部の興奮を抑えるベタニスの併用服用で症状は軽快するのですが、この患者さんは、なかなか手強い方でした。そのため、薬の処方をワンパターンではなく、いろいろ工夫しました。
まず、排尿障害の治療薬は、男性用の前立腺肥大症の薬がたくさんのあります。本来の薬理作用から考えれば、男女無関係に処方してもよいのですが、保険適応では無理です。そこで、……。
ベタニスの効き目が今いちだったので、これまた、薬をイロイロと変えました。
それでも、完全には症状が取り切れないので、磁気治療器に定期的に受けてもらっています。
さらに、症状を作っているのが、膀胱三角部の平滑筋ですから、平滑筋の興奮を抑える治療薬を工夫しました。
❶サプリメントの大豆イソフラボンは、平滑筋の興奮を抑えます。
❷市販薬の正露丸も平滑筋の興奮を抑えます。
❸自然の睡眠薬であるアミノ酸のグリシンは、膀胱を支配する神経節の興奮を抑えます。
❹胃潰瘍の薬であるタガメットも免疫作用で修復修正作用が期待できます。
現在の患者さんの症状は、一番辛い時100%から比べると10%~20%まで症状が落ち着いています。

以上のように、根拠があって薬剤やサプリメントを勧めているのです。その根拠も考えもせず、狭い教科書的な最低限の世界しか知らないくせに、鼻先で笑うような医師にはなりたくないものです。


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残尿量正常値の意味

一般的に泌尿器科医が、残尿量の正常範囲は50ml以下と判断しています。

ところが、この数値は嘘です。解剖学や生理学の教科書には、排尿後の残尿量はゼロ(0ml)が正常と明確に記載されています。にもかかわらず、臨床の泌尿器科医は、何故50mlまで正常と断定するのでしょう。臨床医学と基礎医学は違うのでしょうか?

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これには、ある訳があるのです。
今でこそ前立腺肥大症の手術は一般的で、日本中どこの泌尿器科でも実施されている手術です。内視鏡手術、レーザー光線手術などいろいろです。出血もなく、私などは日帰り手術で行っています。
ところが、その昔、前立腺肥大症の手術は開腹手術でした。イラストで示すように、下腹部を切開して前立腺を露出します。前立腺被膜に平行に6か所に太い縫合糸で事前に予防的止血縫合をします。前立腺被膜下の動静脈を予め縛って止血することで、術中術後の出血を出来るだけ抑えるための処置です。止血縫合糸の間を切開して前立腺を摘出するという方法です。

この方法が確立するまで、前立腺手術には術中・術後も、かなりの出血でした。そのため、大量の輸血や出血死する患者さんがいました。当時の日本は、泌尿器科の専門医は確立されておらず、外科医が前立腺の手術を行っていました。ある外科医が臨終間際に息子の外科医に遺言を残したそうです。「前立腺だけは、手を出すな!」と。泌尿器科専門医が確立された後も、安全な手術法は確立されていませんでした。そのため、どうしても手術しなければならない程、具合の悪い人だけを手術することにしたのです。

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そのための具体的な基準の一つに、排尿障害の程度を決めたのです。それが、残尿50ml以上だったのです。つまり、無暗やたらに手術での被害者を作らないための方策が、残尿50ml以上だったのです。
その50ml以上の基準が独り歩きして、残尿量50mlまでは正常=排尿障害なしと間違った解釈に進んでしまったのです。

基礎医学の生理学・解剖学に記載されている様に、排尿直後の残尿量は、ゼロ(0ml)が基準です。残尿量が、例え10mlであっても正常ではなく、排尿障害が必ず存在します。

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PSA値326の患者さん

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患者さんのご紹介で、60代の患者さんがお越しになりました。
PSA値がなんと326という高値なのです。
早速、前立腺の触診しました。すると、前立腺の左右に硬結が触れました。間違いなく前立腺ガンです。大きさは、左の方が大きい所見でした。
写真は、前立腺の右のエコー検査所見です。左側の画像が前立腺の正面像で、右側が前立腺ガンの縦断面です。正面像の左下(前立腺の右)に小さな陰影が確認できます。体積は、0.31㏄です。さらに、赤い矢印の下に別の陰影が見えます。左の前立腺ガンの一部でしょう。
前立腺肥大症もあり、前立腺の大きさは58㏄(正常20㏄)です。

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この写真は、前立腺の左のエコー検査所見です。左側の画像が前立腺の正面像で、右側が前立腺ガンの縦断面です。正面像の右下(前立腺の左)に先程の陰影よりも大きな陰影が確認できます。体積は、1.43㏄です。その陰影の左側にかすかな陰影が見えます。右側の前立腺ガンの連続陰影でしょう。

左右に分かれて存在している前立腺ガンから考えて、細胞の悪性エネルギーが強く悪性度は高いでしょう。
両方の前立腺ガンの体積(0.31+1.43=1.74㏄以上)から考えても、PSA値326は高すぎます。おそらく、骨転移しているでしょう。そこで、当院のような街中の開業医では、骨転移の確認ができませんから、大きな病院で検査に行っていただきました。

後日、患者さんが再度ご夫婦で訪れました。大学病院で精密検査と針生検を行いました。結果、大腿骨と骨盤に転移があり、悪性度はグリソンスコア4+4=8の高いものでした。前回の私の診察結果の予想通りでした。現在、大学病院でホルモン療法を始めたそうです。その後、当院でも定期的に診察することになりました。大学病院では、絶対に実行しない代替医療を補助的に患者さんを応援するつもりです。

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前立腺ガン悪性度の見分け方

PSA値が高いことで、前立腺ガンを疑われ、前立腺ガンの悪性度を調べることで、今後の治療に役立てるためにと、針生検を実施します。ですから、PSAが高いと、泌尿器科医は針生検を前提にして、話を進めていくのです。患者さんにしてみれば、PSA高値=針生検という決められた路線に無理矢理乗せられてしまうような印象です。男性は、手術などの痛みに対して、とても過敏です。それに、具体的な説明もなしに針生検!針生検!針生検!と馬鹿の一つ覚えのように迫られて、治療する前から精神的に病んでしまいます。

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PSA高値=針生検には、実は、浅はかな人間(医師)に神様が仕掛けたトラップが隠されているのです。インターネットで容易に手に入る公のデータで、悪性度の高い前立腺ガンの場合、針生検直後から生存率が一気に低下します。5年生存率が30%、10年生存率が20%まで低下するのです。針生検が、癌細胞を刺激して、勢いをつけたターボチャージャー・エンジンの様な印象です。

これを考えると、患者さんからしてみれば、針生検をしないで、前立腺ガンの診断と治療が出来ないものか?と考えますよね?癌細胞を刺激しない触診とエコー検査とMRI検査で前立腺ガンは、かなりの確率で確認できます。一般的には、これらの検査で悪性度は不明とされていますが、医師が検査結果を緻密に考えれば、かなり予想が付けられます。
Img_0809❶触診
・かなり硬ければ、発生してから長期間経過しているか、あるいは悪性度が高いかのどちらかです。
特にガンの表面がイビツで石のように硬ければ、悪性度が高いと考えます。
・前立腺の左右に癌が触れれば、一か所に留まっていられない程エネルギーが強い=悪性度が高いと考えます。
・前立腺肥大症の硬さであれば、悪性度が低いと見なします。

Pca33063m51psa17ps❷エコー検査
・透過度が高ければ(黒く見えれば)、ガン細胞だけの集合体と考えます。触診の結果を考慮して悪性度を決めます。
・前立腺肥大症に近い透過度(白っぽい)であれば、悪性度が低いと見なします。
・前立腺と前立腺ガンの境界線が明瞭であれば、悪性度が低いと見なします。
・前立腺と前立腺ガンの境界線が不明瞭であれば、発育速度がバラバラなので悪性度が高いと見なします。
❸MRI検査
・前立腺の被膜を越えていれば、発育速度が速いと考えて悪性度が高いと見なします。
・また、リンパ節に転移していれば、やはり悪性度が高いと判断します。
❹治療経過
ホルモン治療により反応が弱い、逆に大きく硬くなってきたと判断された場合には、悪性度の高い前立腺ガンと考えます。
❺患者さんの決断
針生検をしないで、確定診断を受けずに治療するのが嫌だと言う患者さんもおられます。白黒ハッキリさせたいと言う性格の患者さんです。
その場合には、針生検の弊害を熟知した上で、針生検→悪性度の確認→手術・放射線治療という流れに乗るべきでしょう。

前立腺ガンの成長は、年単位なので、慌てることなく、ジックリ考えながら判断すれば良いでしょう。悪性度は、膵臓がんの30分の1程度ですから、刺激しなければ、ほとんどの患者さんが天寿を全うできます。私は透析患者ですから、血管病気、心筋梗塞や脳梗塞で突然死のリスクがあります。私の方こそ、天寿が全う出来ない可能性があるのです。

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«代替医療に希望を託す前立腺ガン患者さん