追っかけ漏れ

Bcf68c1909f04569baec95aa6478d057テレビのCMなどで、男性がトイレから出て来た直後にズボンにオシッコのシミが付くことがあります。「尿漏れ」、「追っかけ漏れ」と呼ばれています。尿漏れパッドの購入をススメていますね。

医学用語では「遺尿enuresis」と言います。これは尿失禁の現象ではなく、オシッコ直後に尿道に残った(遺留)尿が、体の動きで尿道が圧迫されて漏れ出て来る現象なのです。泌尿器科学会では、体質的であると考えられていますが、実は明確な理由があるのです。

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初めのイラストは男性の下部尿路(膀胱・前立腺・尿道)を表しています。排尿の前には尿道(青色のライン)全体は必ず閉じています。排尿の際には(2枚目のイラスト)、膀胱出口と前立腺が、それぞれ膀胱括約筋と尿道括約筋によって開きます。

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尿の勢いによって尿道全体も直径が大きく太くなります(青いライン)。しかし、尿道は尿の勢いだけに依存しているばかりでなく、排尿の際に反射的に尿道の緊張が緩んで、尿道が太くなるのです。そして、排尿が終わると、膀胱出口から尿道口の尿道全体が収縮閉じて、尿道内の尿を無くすのです。

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排尿機能障害があると、本人が自覚あるいは自覚していないに関わらず、尿道は必死になって太くして、尿流抵抗を極限まで下げるのです。ところが、排尿が終わっても尿道は『まだまだ終わっていないよ!』と誤解して、尿道を閉じないで太いまま継続するのです。当然、尿道内に尿が残ってしまいます。これが「遺尿」です。排尿が終わってペニスを一生懸命に振っても、ペニスの根元から前立腺にかけての尿道球部は振れませんから、尿道球部にタップリの尿が残って(赤いスペース)しまうのです(3枚目のイラスト)。この現象は、排尿機能障害の患者さんに形成される条件反射と言えます。ある意味で、ネガティブな条件反射です。

膀胱の排尿が終わる時間と尿道が閉じる時間とが、ほぼ一致するのが、正常です。しかし、排尿障害があると、両者に時間が次第に延長して、さらに時間差が出てきます。経過が長ければ長いほど、この時間差のギャップが開いて来るのです。それが、遺尿という現象になるのです。

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「遺尿」の対策としては、排尿後にミルキング(Milking牛の乳しぼり)を行えば良いのです。ミルキングとは、会陰部(陰嚢〜肛門の間)を手を使って、圧迫しながら前方に押して、尿道球部に残った遺尿をペニスの方向にしぼり出すのです(4枚目のイラスト)。その直後にペニスを振ることで移動した遺尿を外に出すことが出来ます。この操作を2〜3回行えば、尿道球部の遺尿は無くなります。結果、下着などにオシッコのシミが出来なくなります。

「遺尿」現象は、排尿機能障害が原因で起こった条件反射ですから、排尿機能障害の治療薬であるα1ブロッカーを服用すれば多少とも改善します。なぜ完全に改善しないかと言えば、一度作られた条件反射は生涯残るからです。

 

 

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急性膀胱炎に2つのタイプ

Acmecha「急性膀胱炎」には大きく分けて二つのタイプがあります。

若いご婦人の急性膀胱炎と、中高年のご婦人の急性膀胱炎です。一見すると、同じ膀胱炎ですが、実は原因がまったく違うのです。若いご婦人の急性膀胱炎は、時々で年に数回しかありません。ところが中高年のご婦人の急性膀胱炎は、年に5回以上、場合によっては毎月起きることがあるのです。

若いご婦人の急性膀胱炎は、性行為・セックスが原因で、陰部に存在する雑菌が膀胱内に押し込まれてしまうので、発症します。膀胱内に入った大量の雑菌に対して、膀胱粘膜の白血球が雑菌に攻撃をかけて、結果、急性膀胱炎になるのです。

ところが、中高年のご婦人の場合は、そんなに頻繁にセックスをしませんよね?なのに、何故、頻繁に急性膀胱炎になるのだと思いませんか?例えば、80歳の高齢者の方が、急性膀胱炎を繰り返した時に、毎回セックスをしたとお思いですか?

膀胱粘膜に存在する白血球が、常在菌と偶然に出会うと、常在菌に攻撃をかけるのです。実は高齢者の方の場合には、患者さんが自覚していない排尿障害がもともと隠れているのです。その排尿障害が原因で、膀胱には常に負担がかかります。それが原因で、膀胱の粘膜の白血球が常にイライラと興奮いているのです。その興奮した白血球が常在菌と偶然に出会うと、立ち所に攻撃するのです。攻撃された常在菌は、他の雑菌と同じように対抗手段として、細胞分裂を行い、数を増やします。過敏な白血球は当然のように、数の増えた常在菌に攻撃をします。常在菌をたくさん食べた白血球は破裂します。破裂すると白血球内の毒物が放出し散らばり、周囲の膀胱粘膜に炎症を作るので、結果として急性膀胱炎になるのです。

高齢者の急性膀胱炎の患者さんに対して、「入浴の際に陰部をキレイに洗ってくださいね!」とか、「オシッコの後は、トイレットペーパーで前から後ろに拭いてくださいね!」「排便の後も、前から後ろに拭いてくださいね!」とアドバイスしますが、急性膀胱炎は繰り返します。病気の本質を考えもしないで、素人的発想をするのが情けないですね。この世界で毎日入浴するのは日本人だけです。そんな日本人が不潔にする訳がないでしょう!そんなアドバイスをする医師の無知にガッカリです。

Lutstotal_20190914100201「嘘」の急性膀胱炎があります。急性膀胱炎の典型的な症状は、①頻尿(日中だけ)と②排尿痛(オシッコの最後だけの痛み)、③血尿(オシッコの最後だけの血尿)、⓸残尿感の4つが典型的な症状です。ところが、夜間頻尿や常時膀胱が痛い、出始めの血尿、残尿感がないのに、急性膀胱炎と診断されたら、本当の急性膀胱炎ではありません。典型的な症状が無いのであれば、排尿障害が原因の過活動膀胱、間質性膀胱炎、慢性膀胱炎、心因性頻尿、膀胱疼痛なのです。そして抗生剤や抗菌剤で症状が落ち着くから、細菌性の急性膀胱炎と確信してしまう患者さんも医師も多くおられます。そこに誤解があるのです。抗菌剤や抗菌剤は殺菌するばかりでなく、人間を含めた生命の活性を低下させる作用も持っているのです。病気の症状は生命活性の表現のひとつですから、症状が軽快したからっと言って、雑菌が原因の急性膀胱炎とは限らないのです。単なる抗生剤や抗菌剤の副作用効果なのです。

【予防・対策】

若いご婦人が急性膀胱炎の場合は、セックスの直後にオシッコをしてください。膀胱内に侵入した大量の雑菌が排出できるからです。したがってセックスの前には、オシッコをからっぽにしないで下さい。

❷❸排尿障害が原因の中高年のご婦人の場合には、排尿障害の治療を行いましょう。α1ブロッカーのエブランチルと、β3作動薬であるベタニス・べオーバを処方してもらって下さい。

以上の解説は医学書には記載されていません。私だけのユニークな発想です。信じるか信じないかは、貴方次第です。

 

 

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泌尿器科の病気の全体像

Lutstotal泌尿器科の病気には、数多くの原因不明の病気がたくさんあります。原因不明のまま治療します。でもそれは、根治的治療ではなく、対症療法なのです。実は、根本的原因が患者さんの自覚しない排尿機能障害が原因なのです。患者さんが訴えもしない排尿機能障害を医師が調べもせずに、目の前の症状だけに振り回されて、さまざまな病名・病気が作られるのです。

ここで示した病気・病名は、それぞれ私が何十人も実際に治療して、治した経験のある患者さんばかりです。

原因が1つなのに、こんなにたくさんの病気になってしまうのは、脊髄神経回路=生きたソフトウエアに依存するからです。情報量の多さによって、ソフトウエアが次々にバージョンアップ(過剰更新)するからです。ただし、そのバージョンアップが、患者さんに警告するだけでなく、苦しめ悩ませるから原因不明の病気になってしまうのです。

排尿機能障害→【無自覚】

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膀胱出口の肥厚➡︎➡︎➡︎膀胱出口の過敏

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       ⬇︎⬇︎⬇︎              脊髄神経回路の工夫

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    排尿障害→【自覚】 ❹過活動膀胱:頻尿・尿失禁

       ⬇︎⬇︎⬇︎                ❺間質性膀胱:頻尿・痛み

❶前立腺肥大症            ❻慢性前立腺炎:痛み・しびれ

❷神経因性膀胱            ❼膀胱疼痛:痛み

❸PSA髙値                 ❽慢性骨盤疼痛症候群:痛み

                                 ❾陰嚢掻痒症:かゆみ

                                 ➓❶カンジダ性膣炎:かゆみ

                                 ➓❷慢性胃痛症:痛み

                                 ➓❸坐骨神経痛:痛み

                                 ➓❹舌痛症:痛み

                                 ➓❺幻臭症:臭い

                                 ➓❻頸肩腕症:痛み

                                 ➓❼四肢振戦:運動神経

                                 ➓❽四肢しびれ:知覚神経

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追っかけ漏れ

Bcf68c1909f04569baec95aa6478d057 テレビのCMなどで、男性がトイレから出て来た直後にズボンにオシッコのシミが付くことがあります。「尿漏れ」、「追っかけ漏れ」と呼ばれています。尿漏れパッドの購入をススメていますね。

医学用語では「遺尿enuresis」と言います。これは尿失禁の現象ではなく、オシッコ直後に尿道に残った(遺留)尿が、体の動きで尿道が圧迫されて漏れ出て来る現象なのです。泌尿器科学会では、体質的であると考えられていますが、実は明確な理由があるのです。

Ansinokkake_20190827161001
初めのイラストは男性の下部尿路(膀胱・前立腺・尿道)を表しています。排尿の前には尿道(青色のライン)全体は必ず閉じています。排尿の際には(2枚目のイラスト)、膀胱出口と前立腺が、それぞれ膀胱括約筋と尿道括約筋によって開きます。

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尿の勢いによって尿道全体も直径が大きく太くなります(青いライン)。しかし、尿道は尿の勢いだけに依存しているばかりでなく、排尿の際に反射的に尿道の緊張が緩んで、尿道が太くなるのです。そして、排尿が終わると、膀胱出口から尿道口の尿道全体が収縮閉じて、尿道内の尿を無くすのです。

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排尿機能障害があると、本人が自覚あるいは自覚していないに関わらず、尿道は必死になって太くして、尿流抵抗を極限まで下げるのです。ところが、排尿が終わっても尿道は『まだまだ終わっていないよ!』と誤解して、尿道を閉じないで太いまま継続するのです。当然、尿道内に尿が残ってしまいます。これが「遺尿」です。排尿が終わってペニスを一生懸命に振っても、ペニスの根元から前立腺にかけての尿道球部は振れませんから、尿道球部にタップリの尿が残って(赤いスペース)しまうのです(3枚目のイラスト)。この現象は、排尿機能障害の患者さんに形成される条件反射と言えます。ある意味で、ネガティブな条件反射です。

膀胱の排尿が終わる時間と尿道が閉じる時間とが、ほぼ一致するのが、正常です。しかし、排尿障害があると、両者に時間が次第に延長して、さらに時間差が出てきます。経過が長ければ長いほど、この時間差のギャップが開いて来るのです。それが、遺尿という現象になるのです。

Ansinokkake4_20190827161001
「遺尿」の対策としては、排尿後にミルキング(Milking牛の乳しぼり)を行えば良いのです。ミルキングとは、会陰部(陰嚢〜肛門の間)を手を使って、圧迫しながら前方に押して、尿道球部に残った遺尿をペニスの方向にしぼり出すのです(4枚目のイラスト)。その直後にペニスを振ることで移動した遺尿を外に出すことが出来ます。この操作を2〜3回行えば、尿道球部の遺尿は無くなります。結果、下着などにオシッコのシミが出来なくなります。

Okkakemore

「遺尿」現象は、排尿機能障害が原因で起こった条件反射ですから、排尿機能障害の治療薬であるα1ブロッカーを服用すれば多少とも改善します。なぜ完全に改善しないかと言えば、一度作られた条件反射は生涯残るからです。

 

 

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インポテンツと排尿障害

中高年の男性が、インポテンツ・EDでお越しになることがあります。一般的には、老化現象と思われていますが、なかにはそうでない方もおられます。

75d8473fe09d4596b32c0c464850cbeb勃起は海綿体静脈と陰茎動脈と交感神経・副交感神経・脊髄神経のバランスで成り立っています。その神経中枢のタバが陰部神経叢です。その具体的な脊髄神経は、腰椎4番・5番と仙骨2番・3番・4番です。

勃起の仕組みは、こうです。視野や周囲の状況や皮膚感覚によって、脳中枢が性的興奮をします。すると、陰茎動脈(海綿体動脈・陰茎深動脈)が開き、3つの海綿体(陰茎海綿体2個、尿道海綿体1個)に動脈血液が流れ込みます。次第に海綿体は膨らみます。

Erction
海綿体の外側に存在する白膜下静脈(海綿体静脈)が、動脈血液を排泄しようとしますが、海綿体が膨らむので、外側の白膜下静脈が強く圧迫されて排泄の静脈血流が低下します。動脈血流が変わらなければ、海綿体の体積はさらに増加します。硬い白膜の体積は一定ですから、海綿体はそれ以上大きくならないので、次第に海綿体は充血し硬くなるのです。これが、勃起です。

陰茎動脈を弛緩させて開かせるのは、副交感神経+仙骨2番〜4番の勃起中枢です。

性的興奮が頂点にに達し射精すると、陰茎動脈が閉じて、海綿体に動脈血流が流れなくなります。交感神経+仙骨2番〜4番の中枢が陰茎動脈を収縮して閉じるのです。すると海綿体の充血血液は白膜下静脈(海綿体静脈)から流れ出て、海綿体は次第にしぼむのです。この一連の流れに支障があると、インポテンツのなるのです。勃起に関して一番重要なポイントが、陰茎動脈の弛緩・開放と血流です。

Erection勃起中枢のある仙骨2番〜4番には、実は「排尿中枢」も存在しているのです。もしも、排尿障害が隠れていると、排尿中枢にはかなりの負担がかかります。排尿中枢と勃起中枢は、それぞれ独立していますが、明確に分かれている訳ではありません。神経ニューロン細胞ですから、状況に応じて、さまざまな神経ニューロン細胞とシナップス結合します。排尿回数と勃起回数を比較すれば、排尿回数の方がはるかに多いのです。排尿障害があれば、排尿中枢は神経回路を工夫して、排尿しやすいようにします。当然、近くの勃起中枢の神経回路を利用してシナップス結合して、排尿を改善しようとします。

排尿障害が長期間継続すると、勃起中枢神経回路は、正常な回路ではなくなります。結果、本来の勃起中枢の機能は低下して、インポテンツになるのです。

排尿障害の治療薬でザルティアというクスリがあります。この薬剤の副作用として『勃起』があります。この薬は尿道の平滑筋の緊張を緩める作用で排尿障害を改善するのですが、陰茎深動脈の平滑筋や海綿体の平滑筋をも緩める直接作用があるので、仙骨の勃起中枢を介さないで勃起しやすくなるのです。排尿障害でお越しの患者さんに、このクスリを処方すると、後日、患者さんは喜びの笑顔でお越しになります。

大雑把に言えば、排尿障害で疲れ切った仙骨2番~4番中枢が、勃起にまで手を貸す余裕が無くなるのです。仙骨中枢から観れば、毎日10回のオシッコは、毎日10回の勃起と同じなのです。11回目の勃起まではしませんよね?排尿と勃起のどちらが中高年の生命にとって重要かと考えれば、自ずと勃起は破棄されてしまうのです。さらに真理的に言えば、『オシッコを満足に出せない男に、子どもを作らせるか!』というのが自然の摂理でしょう。

 

 

 

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不完全な医療常識

8ee8892dfb3a4c62a5106a5a20516c80❶慢性腎不全の最終的なゴールは、透析と腎臓移植です。腎臓を治す方法が無いのです。しかし、健康な腎臓を移植で提供したドナーは、しばらくすると、残った腎臓が1.5倍くらいに大きく増殖するのです。その原因は調べられていません。手術した何百人ものドナーを手術後に定期的に血液検査を行い、どのようなホルモンや酵素が増えるのかを調べれば、慢性腎不全を治すヒントが見つかるかもしれません。

❷自分の父親が脳梗塞で倒れ、1ヶ月の入院後に64歳で亡くなりました。原因は、糖尿病でした。息子である私にも糖尿病の血は流れており、30代で糖尿病が発症しました。当然、積極的に糖尿病の治療を行いました。最終的にはインシュリン注射を工夫してバンバン打ちました。血糖を正常値に安定させたのです。当時は糖尿病の患者さんは早期にインシュリン注射でコントロールするべきだ、と言うのが世間の常識でした。

60歳代になると体が疲れて仕方がありません。血糖は正常なのに⁇…と思っていたら原因不明の貧血になり、調べてみたら慢性腎不全だったのです。そうなると、治療のゴールは透析か腎移植で、私は透析を選択しました。妻と娘が移植のドナーになると言われたのですが、これ以上、家族に迷惑を掛けたくないので拒否しました。

その後、インシュリンについて調べてみると、体内でインシュリンを代謝分解するのが、何と腎臓だけだったのです。インシュリンを大量に注射すればするほど、腎臓にかなりの負担がかかり、結果、慢性腎不全になったのでしょう。近年、糖尿病性腎不全の患者さんが、うなぎ上りに増えているのは、インシュリン注射を積極的に行ったり、膵臓からのインシュリン分泌を大量に促進させたことにあるのです。最近の糖尿病治療薬で血糖を腎臓から排泄させるクスリが発売されているので、インシュリン分泌量が下がるので、腎不全患者さんが減るかも知れません。

江戸時代から昭和初期までの平均寿命は、50歳未満でした。しかし50歳にも満たなかったのに、当時は老衰が死亡原因の筆頭でした。今から考えると、日本人はお米しか食べていませんでした。少量の塩分の多いオカズで、どんぶりご飯を3杯くらい食べていました。お米→ブドウ糖→血糖になりますから、当然、インシュリンが大量に出ます。それを40年間以上続けるので、結果として慢性腎不全になったのでしょう。当時も不完全な医療でしたから、原因不明のまま。「老衰」という診断にしたのでしょう。

❸視覚が不鮮明でメガネを何回も変えて購入しても治りません。眼科で調べてもらったら、何と!50歳代で白内障が見つかりました。大学病院の眼科で白内障の手術を受けたら、今度はそれまでなかった緑内障になり、網膜浮腫になり、レーザー光線で網膜の血管を焼かれ、虹彩が動かなくなり、明るい時には虹彩が閉じないので極端にまぶしく、暗い時には虹彩が開かないので真っ暗なのです。最終的には現在、視野が4分の1、光度が10分の1しかありません。外出時には白いテープを貼ったステッキを持ち、周囲の人に『目が悪いんですよ』とアピールしています。どう考えても目の治療がキッカケにさまざまな眼の病気になったような気がします。目の前の所見だけで治療して、その後の経過がどんなにひどくなっても、その人の体質だと思って気にしていないようです。

❹この世には難病が沢山あります。厚労省の指定難病が333件もあります。これは医師の無能さによるところが多いのです。なぜなら、難病の一つのハンナ型間質性膀胱炎の患者さんを何人も治しています。

❺50過去に胃潰瘍の原因が、胃の下3分の1部分の胃酸分泌細胞の多さが原因とされ、手術で胃の3分の1を切除されることが多かったのですが、今ではピロリ菌が主な原因で、また胃酸分泌を抑えるクスリが出て来たので、胃潰瘍の手術はほとんどなくなりました。当時は、ピロリ菌の存在は知られていましたが、体内の常在菌が体に影響する訳がないと思われていました。

❻更年期を過ぎたご婦人がコレステロールが高くなります。医師は、その理由を言及せずに、肝臓が作るコレステロールをクスリで下げるため処方します。これにも問題があります。なぜなら、更年期を過ぎれば必ず女性ホルモンが低下します。体は女性ホルモンを増量させるために、ホルモンの材料であるコレステロール、特にLDLコレステロール(悪玉コレステロール)作るのです。ところが、卵巣は材料が供給されてもホルモンが作れないので、血液中のコレステロールが増加してしまうのです。それが動脈硬化の原因になるのです。では下げるためには、女性ホルモンを補充してあげれば、コレステロールを下げてくれます。それが自然体の流れです。一般的な治療では、コレステロールを抑えるクスリで肝臓に負担がかかります。

昔、コレステロールの高い患者さんは、コレステロールを含んだ食材を避けるようにと言うのが常識でした。血液中のコレステロールは、肝臓で作られた自家製です。食べたコレステロールは、分解されて吸収されるだけです。ですから、食事のコレステロールの制限は意味のないことでした。最近になって、食事のコレステロールは制限の必要はないことになったのです。

❼大人の亀頭包皮炎のほとんどが「カンジダ性包皮炎」です。ところが、一般の医師は、「化膿性亀頭包皮炎」と診断し、抗生剤の軟膏を処方されるのです。当然治らずに、患者さんはさまようのです。化膿性亀頭包皮炎になるのは、乳幼児だけです。

❽中高年のご婦人が、膀胱炎症状で医療機関を受診して、尿検査を実施します。ばい菌が見つかると「膀胱炎ですね。」と診断され、抗生剤を処方されます。しかしながら、症状が消えないと、抗生剤を何度も変えられて、最終的にには、ばい菌が見つかりませんからと言って「膀胱炎は治りました。」「今は、気のせいです。」と診断されてしまうのです。ここに盲点があるのです。

ご婦人は、オシッコの際に、性器を洗浄しながら排尿しているのです。当然、洗浄後の尿検査では、「ばい菌や白血球」が見つかるのは、当たり前です。また、本当の急性膀胱炎は、性行為の後に発症するのです。中高年の方で性行為を頻繁になさる方はいません。結果、違う病気で膀胱炎症状を膀胱炎と誤診しているのです。だから、治らないのです。

❾怪我や手術のあとに消毒をする医師が、今でも多く存在します。消毒は、ばい菌を殺菌するのは当然ですが、再生細胞も殺してしまうのです。そして、傷を乾かすことでも、細胞は死んでしまい、傷が目立ち瘢痕化ケロイド化するのです。ですから、怪我や傷跡を消毒してはいけません。もしも、そのような医師に出会ったら、逃げましょう。

➓夜寝る前に脱水予防のために水分を補給してくださいとアドバイスする医師がいます。排尿に問題がなく、夜間にオシツコで起きない患者さんであれば問題ありませんが、何回も起きる患者さんの場合は、禁忌です。

➓❶PSAは、正常の前立腺細胞が作るタンパク分解酵素です。この酵素が漏れ出ないように密閉されていますが、排尿障害や炎症があり、漏れ出ると当然、血液中のPSA値が高くなります。馬鹿な医師は、ワンパターン思考で、PSA値が高い→前立腺ガンの疑い→針生検をするのです。結果、必要以上の前立腺ガンの患者数と死亡数が増えているのです。

 

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切迫性尿失禁の本質

過活動膀胱の代表的な症状が「切迫性尿失禁」です。尿意を感じたと同時に尿意切迫感になり、急にオシッコが漏れてしまうのです。切迫性尿失禁のメカニズムについて解説します。

Bulubulu男女問わず、排尿機能障害が存在すると、膀胱出口周辺に物理的負担がかかります。膀胱出口が排尿時に十分に開かないでオシッコする訳ですから、腹圧が膀胱出口に必要以上にかかるのです。すると膀胱出口は細かく振動します。ちょうど、空気を吸って口から吹く時に口を閉じ気味にすると、唇(くちびる)がブルブル振える現象と同じです。結果、膀胱出口周辺の平滑筋(内臓筋)が振動します。この現象が長期間にわたって何度も繰り返し起きることで、平滑筋が次第に増殖して過敏になるのです。

膀胱出口周辺の平滑筋は、膀胱括約筋と膀胱三角部なのです。これら平滑筋は尿意のセンサーでもあります。膀胱に尿(オシッコ)が十分に溜まると、その圧力が膀胱出口周辺の平滑筋を刺激するので、尿意が生じてオシッコをするようになるのです。ところが、排尿機能障害によって、膀胱出口周辺の平滑筋が予想以上に敏感になると、わずかな尿の圧力で尿意を感じてしまうのです。

 

Ansinoabinc_20190827160701脊髄神経回路を介して、尿の圧力情報が脳中枢に伝達されます。脳中枢は、情報の回数を蓄積します。時間の経過とともに情報はかなりたまります。仮に例えば、3時間で20パルスの情報が脳中枢に伝達するとします。(イメージで言うと、トン・トン・トン・・・と3時間です。)一定のライン(閾値)を超え、20パルスが溜まると「尿意」を感じます。個人差がありますが、200〜300mlです。さらに時間が経過すると次のライン(閾値)を超え、50パルスが溜まると「尿意切迫感」として感じます。400〜500mlです。膀胱に尿が溜まると、膀胱内の圧力が高まるので、3時間かけて20パルスで尿意を感じてから、さらに2時間ほどで、30パルスが溜まります。結果、20+30=50パルスになるのです。すぐにオシッコに行くのです。これが基本的な生理反応なのです。

 

Ansinoabinc2_20190827160701ところが、排尿機能障害のために膀胱出口周辺の平滑筋が過剰に敏感であると、膀胱内の水圧(尿圧)に関係なく情報パルスが短時間で脳中枢に伝達されるのです。当然ですが、脳中枢の情報の蓄積速度も速くなります。例えば、1時間で20パルスの速さです。(イメージで言うと、トトトトトト・・・)そのため、短時間20パルスの情報刺激で尿意を感じます。膀胱内のオシツコの量は少ないけれど、平滑筋が敏感なので、さらに短時間で情報パルスが等比級数的に増加するのです。短時間で正常と同じ20パルス回数になるので尿意を感じるのです。さらに短時間で30パルスの追加があり尿意切迫感も感じるのです。これが過活動膀胱の裏の仕組みなのです。この状況が繰り返し起きると、生体内は無駄な時間やルートを省こうとします。それが、いわゆる条件反射です。この条件反射によって、初めの尿意と尿意切迫感が近接し、さらに時間が経過すると、尿意切迫感と排尿近接して、結果、切迫性尿失禁になるのです。

❶【初めの尿意→我慢→尿意切迫感→我慢→排尿】(1枚目のイラスト)というルートを省略して、

❷【初めの尿意→尿意切迫感→我慢→排尿】次第に、

❸【初めの尿意≒尿意切迫感→我慢→排尿】(2枚目のイラスト)そして最後に、条件反射が完成されて、

❹【初めの尿意=尿意切迫感→排尿】すなわち、切迫性尿失禁になるのです。

治療としては、尿意情報の速度を抑えるために、β作動薬(ベタニス・べオーバ)や抗コリン剤(ベシケア・トビエース)を使用するのです。これだけで、症状が軽快する患者さんもおられます。しかし、膀胱出口周辺の平滑筋が過敏になった原因である排尿機能障害を治療しなければ、難治性過活動膀胱になってしまうのです。

これまでの解説は、全て私のオリジナルです。教科書的な内容ではありません。教科書的な解説では、過活動膀胱を完璧に理解出来ないので、私の想像力で、矛盾のない整合性を得られました。膀胱の情報は常に神経で伝達されます。その神経情報が、私たちのようにスマフォで話しているとは思えません。また、症状が激しいから、神経のエネルギーが倍以上に強くなったとも思えません。生命エネルギーですから、常に一定(フォメオスターシス)の筈です。そう考えると、一定のエネルギーで情報を伝達するためには、単位時間当たりのパルスの数で表現するしかないでしょう。脳中枢は単位時間当たりのパルスの数で判断するように、おそらく作られているのでしょう。

皆さん、いかがですか?切迫性尿失禁について、素人でも理解できたでしょう?単なる膀胱の過敏さだけが、過活動膀胱→切迫性尿失禁を作っている訳ではないのです。生命の幾重にも重なる複雑なシステムが病気を作っているのです。ひとつひとつの症状・現象を正確に考察すれば、複雑な現象も理解出来るようになります。

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難治性過活動膀胱の実態

Oabsystem過活動膀胱と診断されて、抗コリン剤(ベシケア・トビエースなど)やβ3作動薬(ベタニス・ベオーバ)を処方されても治らない患者さんが、悩んだ末にインターネットで当院を探し当てて遠方から来院される方が多くいます。
過活動膀胱の治療薬を服用しても治らないので、主治医から「気のせいですよ!」「ストレスが原因です!」と診断される方が多いのです。治らないのは、それなりに理由がある筈で、気のせいやストレスが原因ではありません。第一、過活動膀胱そのものの原因も泌尿器科学会では定かではないのに、そんな診断をして結果が得られないから、すべてを患者さんのせいにすること自体が医師として情けないことです。

抗コリン材やβ3作動薬は、膀胱、特に膀胱三角部の興奮を鎮めるお薬です。しかし、その治療はあくまでも対症療法です。原因を治していないので治る訳がありません。まるで虫歯の治療を痛み止めだけで治療しているのと同じです。膀胱の訴える症状は、基本的に排尿に問題を抱えているからと連想し想像するべきです。排尿困難ほどの明確な症状がなくても、微妙な排尿障害でも、人によっては強い関連症状を作るのです。ある意味で、患者さんの個性です。医師から見れば、軽微な排尿障害であっても強い症状を作る人がいるのです。標準診断、標準治療にこだわっていると、患者さんを救うことはできません。

Oab36619f56pp過活動膀胱の治療は、膀胱三角部の興奮を鎮める抗コリン剤・β3作動薬はもちろんのこと、排尿機能障害の治療薬であるα1ブロッカーの併用が必須です。ハルナール、ユリーフ、フリバス、エブランチルが代表です。

ここで症例をご紹介しましょう。患者さんは56歳のご婦人です。平成29年3月に頻尿と下腹部の痛みで「膀胱炎」と診断され、その後から頻尿(20回)と尿意切迫感などで地元の泌尿器科を何軒か受診しましたが、細菌感染は認められず、「過活動膀胱」の診断で抗コリン剤を処方されましたが治りません。そこで1年半経過した平成30年8月に当院を初診で訪れました。

超音波エコー検査では、写真のように膀胱排尿筋が膀胱出口に向いていません。(黒し→)これは排尿機能障害の後遺症です。相対的に膀胱三角部が厚く肥厚し(赤い↔)、膀胱三角部の形状も台座のように厚く広いスペースになっています。膀胱三角部は尿意センサーですから、頻尿症状・尿意切迫感=過活動膀胱症状が出現しても不思議ではありません。

そこで、排尿機能障害の治療薬であるα1ブロッカーと頻尿治療薬であるβ3作動薬を処方しました。すると、20日後には頻尿が20回→6回に激減しました。1カ月後には排尿回数が3回、痛みはほぼ無くなりました。難治性過活動膀胱も原因の本質を把握すれば、容易に軽快するのです。

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尿失禁の原因

Stressinc中年以降になると、ご婦人で咳やクシャミなどでオシッコを漏らしてしまう方がいます。医学用語で『腹圧性尿失禁』と呼びます。その原因は明確ではなく、ほとんどが「歳のせい」と思われています。

このような患者さんをエコー検査で調べてみると、過活動膀胱や間質性膀胱炎の患者さんと同じ所見が得られます。つまり、膀胱排尿筋が膀胱出口には向いていなく、外側の尿道口の方向に向いていて、さらに膀胱三角部が厚くなっています。結果、排尿機能障害が隠れていることが分かります。

Stressinc2膀胱の出口は、二重構造になっています。手前が膀胱括約筋で外側が尿道括約筋です。自分の意志(随意神経=運動神経)尿道括約筋が開くと、自動的(不随神経=自律神経)に膀胱括約筋が開くのです。

Stressinc3しかし、何かの原因で膀胱括約筋が自動的に開かないと、尿道括約筋が開いても十分に排尿が出来なくなります。この状態が何年も何十年も繰り返し繰り返し行われることになります。

当然、必要以上の腹圧が毎回かかります。すると膀胱の下端のラインが少しずつ下位に下がります。また、尿道括約筋も次第に下位に下がります。

Stressinc4そして、下位の位置で次第に膀胱や尿道括約筋が固まり固定されてしまうのです。その状態は、ちょうど排尿の際の膀胱の位置と尿道括約筋の形に似てくるのです。そのため、咳やクシャミで腹圧が少し高まるだけで、尿が漏れてしまう腹圧性尿失禁になるのです。

腹圧性尿失禁の手術は、テフロン糸やテフロンパッチなどで膀胱の下端を吊り上げる手術なのです。でも、執刀医は、何故下がったのかを考えずに手術しているだけです。当然として、元の位置に戻るので、オシツコのでは悪くなり、患者さんは苦しむのです。

もしも、手術後オシッコが出にくくて辛ければ、α1ブロッカーを服用してください。出来れば、前立腺肥大症の排尿障害の治療薬であるユリーフ・シロドシンがおススメです。しかしながら、男性向けのクスリですから保険適応外です。

保存的の治療手段としては、骨盤底筋の訓練をして、尿道括約筋の位置を上に挙げることと、α1ブロッカーを服用してください。

ですから、排尿機能障害が原因の「頻尿や尿意切迫感」のある人は、早めに治療しないと、必ず腹圧性尿失禁になるのです。

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条件反射

病気には、条件反射で症状が出るものがあります。

条件反射とは、見たり聞いたり感じたりすると、脊髄神経回路を介して特定の反応することです。

Reflexhiza条件反射の例としては、❶梅干しを見ただけで、酸っぱい唾液が出るアレです。❷寒かったり恐ろしかった時に起こる鳥肌、❸目にゴミが入った瞬間に涙目になる、❹失恋した彼女と姿が似た人を見ると、失恋した当時の気持ちを思い出してしまう、❺犬にエサをあげる時に鈴を鳴らすと、鈴の音がすると犬にヨダレ出る、❻曲げたヒザを叩くと、ヒザがのびる(膝蓋腱反射)。

ご覧のように、「条件」は単純な物や事ばかりですが、出てくる「反射」反応は脊髄神経回路(ソフトウエアー)を介するので、千差万別です。

Reflex病気の条件反射も同様のことが言えます。私の専門分野での排尿障害が原因の病気では、この条件反射が多々あるのです。

❶水を飲む(条件)と、急に尿意や尿意切迫感が出る(反射)。❷トイレに入ろうとする(条件)と、尿意切迫感が強く出て、漏らしてしまう(反射)。❸歯を磨いたり(条件)、水の音や水に触れる(条件)と尿意切迫感(反射)が出て、人によっては切迫性尿失禁(反射)になる。

このような現象を患者さんが主治医に訴えても、「気にし過ぎです」と言われることが多いのです。長い期間に排尿障害を経験していると、このような条件反射が起きることを主治医は習っていないから知らないのです。生物学の基本的概念を知っていれば、素人でも想像できることです。医師と言えども、自らの想像力を活かさないで、過去の教わった事しか考えないのです。……本当に情け無い⤵︎。

これらの反射症状は、排尿障害を連想しやすい症状です。しかしながら、脊髄神経回路の特性によっては個性的な反射症状の出る人がいます。例えば、水をたくさん飲むことによって、睾丸の痛み、陰部のかゆみ、錯覚の尿臭、舌の痛み、胃の痛み、坐骨神経痛、腰痛などです。また、これらの条件反射は瞬間的に出現するのではなく、ある程度の時間差で出現するので、条件反射と思えないのです。

生き物の行動は、ある意味で全て条件反射が基本です。河の流れがあれば、鮭は上流に泳ぎ、草原でメスの鹿が目に入れば、オスが交尾に走り、深夜に光があれば虫が集まるのです。この条件反射を何度も繰り返し複雑に経験することで、脊髄神経回路が発達して、結果的に知性のある人間になったのでしょう。

泌尿器科の病気に限らず。あらゆる分野で様々な条件反射がある筈です。そしてそれが原因不明の病気として処理されている可能性もあるのです。

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ガンの利点

Noiroze毎年、平均寿命が延びています。その関係か、ガンで亡くなられる患者さんも増えているのです。統計学的に言えば、死亡原因がガンの人が、2人に1人〜3人に1人の割合なのです。単純な考え方では、年齢を重ねれば重ねるほど、ガンのリスクが高まる訳です。逆にガンにならないで長生きすればするほど、今度は老衰や認知症の患者さんが増えるのです。厚労省の方針で、生活習慣病を回避して健康寿命を期待すればするほど、老衰や認知症の患者さんが増えるのです。

ところで、厚労省は病院での高齢者入院を避けて、自宅で家族に見守ってもらう方針でもあります。一見理想的なのかも知れません。専門医である他人に任せないで、素人である家族に、老衰や認知症の患者さんを任せようとしているのでしょう。これは裏の考え方をすれば、国家の医療費負担を抑え、家族=国民の所得財産から消費させようとしているのです。

Nintiこれからすれば、ガンの患者さんは、家族に負担をかける老衰や認知症を回避できるのです。老衰や認知症の患者さんの家族は、精神的にも肉体的にも金銭的にも時間浪費的にも、ものすごい負担がかかるのです。長期間続くと、『早く死んで欲しい』、『やっと死んでくれた、ホッ!』あるいは、介護する家族によって殺人事件まで起きるのです。そうなると、患者さんもご家族もとても不幸になります。

それに比べて、ガンの場合は寿命が確実に制限されます。頭は正常ですから、自分の過去を振り返ることが出来ます。その頃の思い、感情、後悔などを十分に堪能できます。また、周囲の家族から心配されることに本当に感謝します。そして、生前の予想通り、みんなに惜しまれ悲しまれながら、天国に旅立たれるのです。人生の終末のクオリティの観点からすれば、目の前の事しか見えない長生きの老衰・認知症患者さんと、ガン患者さんのどちらが良いと思われますか?

以上は、私の奇想天外の考え方ですから、参考程度にお読みください。

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排尿機能障害の証拠

排尿機能障害が原因で、見せかけ上の様々な病気が発症します。前立腺肥大症、慢性前立腺炎、慢性尿道炎、慢性膀胱炎、過活動膀胱、間質性膀胱炎、膀胱疼痛症、慢性骨盤疼痛症候群などです。

これらの病気の検査で排尿機能障害を確認するための、尿流曲線検査ウロフロメトリー、膀胱内圧測定検査を行っても、極端な後遺症が出なければ、異常と認められません。明確に確認される場合は、その時点で「神経因性膀胱」と診断されだけです。それまでは、初めのたくさんの病気として苦しまれるだけなのです。そして、神経因性膀胱と診断されても、治療方法がないのです。

そのような経過にならないように、事前に知るべきなのです。その検査が、エコー検査なのです。そこで、エコー検査の主な特徴的な所見を解説しましょう。

Ef77601868eb4e1c82f3ee62ccc752b3❶膀胱出口がVの字:健常であれば、膀胱出口は少し凹んでいるか、ほぼ平の筈です。ところか、排尿機能障害が長期間継続すると、出口の周囲が膀胱サイドに飛び出てくるのです。

Oab36619f56pp❷膀胱排尿筋の走行異常:膀胱括約筋に柔軟性が無くなり、排尿する際に膀胱出口が開かないまま、尿道括約筋の方向にオシツコの度に引っ張られます。すると、膀胱排尿筋が出口と一緒に尿道サイドに引っ張られるので、膀胱排尿筋の方向が偏位するのです。この偏位が、膀胱三角部に影響を与えるのです。

6e0bc90c56b14b66a8f85be81f86547b❸膀胱排尿筋の形態変形:引っ張られる力のエネルギーベクトルの幅が広いと、膀胱排尿筋が変形してしまいます。ヘビの口だったり、お団子状になるのです。この写真では、まるでヘビが大きな口を開けているように見えます。患者さんの苦しんでいる姿を見ると、ヘビに憑かれているように思えて仕方がありません。

❹膀胱三角部の肥厚:膀胱排尿筋が引っ張られると、膀胱粘膜と膀胱排尿筋の間に隙間が空きます。生体ですからスペースをそのままにはしません。そこに周囲の細胞が増殖して埋め合わせをするのです。それが膀胱三角部の肥厚です。

Calprostpp❺前立腺結石:膀胱出口が十分に開かないで排尿すると、尿道内に流れる尿流は、ジェット流になります。ジェット流は尿道粘膜に傷害を与え、粘膜がボロボロになったために、そこに尿中のシュウ酸リン酸カルシウムが付着して石灰が出来ます。石灰が大きくなると尿道が塞がるので、それを避けるために石灰が少しずつ前立腺に吸収されます。それが積もりに積もって前立腺結石なるのです。

Calurethpp❻尿道周囲結石:前立腺結石と同じ理由で、ご婦人の尿道周囲にも石灰・結石が蓄積します。写真は、なかなか治らない慢性膀胱炎で来院した37歳のご婦人の超音波エコー所見です。尿道の知覚に明確な結石が認められます。

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❼膀胱頸部の静脈瘤:一般的に瘀血(おけつ)と呼ばれる状態です。排尿時に膀胱出口が十分に開かないと、排尿の圧力(腹圧・膀胱圧力)がすべて膀胱出口=膀胱頚部に物理的負荷がかかります。当然、膀胱頚部周囲の血流が悪くなり、うっ血状態になります。その結果、静脈が拡張して、静脈瘤になるのです。写真の赤い矢印がすべて静脈瘤です。瘀血に対して血流を良くするために、漢方薬である桂枝茯苓丸を処方されますが、原因を解決しないで、血流だけを良くして何の効果があるだ?と思います。

Bnspp❽膀胱出口の硬化像:排尿の際に、膀胱出口が十分に開かないでオシッコをすると、膀胱出口はブルブル震えて振動します。その状況が毎日何回も何年も起きれば、膀胱出口は振動に負けないように硬くなるのです。硬くなればなるほど膀胱出口の振動は強くなりますから、膀胱出口はますます硬くなるのです。その結果、エコー検査の所見では、出口部分が白く見えるのです。

61c385b29a234f628b9234a0f1e47f27❾前立腺肥大症:前立腺の健常な大きさは、20CCです。これを少しでも超えたら前立腺肥大症と診断されます。この写真は、大きさが60CCを超えています。さらに膀胱出口がVの字で膀胱三角部が膀胱側に飛び出ており、膀胱排尿筋が膀胱出口から距離があり、だるま状に収縮しています。

以上のどれか一つでも所見があれば、排尿機能障害が隠れていると判断して治療するべきです。

 

 

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難治性の慢性尿道炎

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今年の2月に遊んで、フェラチオをされてから尿道炎にななった患者さんが来院されました。地元の泌尿器科で性病検査を行いましたが、陰性でした。雑菌性尿道炎の診断で抗生剤の投与を受けました。尿検査を行っても炎症の所見は認められませんでしたが、尿道のムズムズ感と絵陰部の痛みが出てきて治りません。何回も抗生剤を変えられたのですが治らないのです。

 

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インターネットで当院を探して来院しました。排尿回数は1日5~6回、夜間には2回オシッコで起きるそうです。現在服用しているお薬は、エビプロスタット(50年前からある前立腺の一般的病気の薬)、ザルティア(前立腺の血流を改善する)、桂枝茯苓丸(瘀血の治療薬)でした。処方内容は、原因の分からない前立腺の病気にいい加減に処方する調味料的内容です。

初めの超音波エコー検査で分かるように排尿機能障害の見られる前立腺です。膀胱出口がVの字、膀胱排尿筋が2つに分裂、膀胱頚部周囲の血管が静脈瘤になっていまさう。

2枚目の写真でも、膀胱出口がVの字、膀胱頚部周囲の血管が静脈瘤になっています。以上の事から、この患者さんには排尿機能障害があるにもかかわらず、頻尿症状がほぼ無いのです。体としては、頻尿にならないので、何とかあらゆる手段を使って、本人に警告しようとしていたのです。その時に遊んだことをキッカケに、尿道炎に感染したのです。その際に症状を作るために使用した特定の脊髄神経回路と膀胱・前立腺の神経支配の脊髄神経回路が合体(シナップス結合)して、難治性の非細菌性慢性尿道炎になったのです。細菌感染はなくても、頻尿情報を尿道炎の神経回路に流出させるので、水を飲めば飲むほど、頻尿の代わりに尿道炎症状になるのです。

治療としては、排尿機能障害の治療薬であるユリーフ・シロドシンと、情報発信している膀胱三角部の興奮を抑えるβ3作動薬ベタニス・べオーバを処方しました。

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毎月の膀胱炎に苦しむ高齢のご婦人

今日、新潟から80歳のご婦人がお嬢さんに連れられて来院されました。3年前から何度も何度も膀胱炎を繰り返したのです。ほぼ毎月1回の頻度です。その都度、抗生剤・抗菌剤を処方されて多少は軽快しましたが、またすぐに膀胱炎になるのです。

現在の症状は、毎日25回の頻尿と、オシツコに関係なく常に感じる尿道の痛みです。泌尿器科の専門医に2件受診しましたが、初めは「膀胱炎」という診断でしたが、次に「歳のせい」、「気のせい」という診断でした。

Oab37301f80pp苦しんでいるお母さんを見て辛くなったお嬢さんがインターネットで当院を見つけて来院されたのです。お話しをお聞きして、早速超音波エコー検査をおこないました。予想通りでした。膀胱排尿筋が本来膀胱出口に向いている筈が、見当違いの方向(黒い→)に向いています。尿道口に向いていると思われます。
これは相当以前から排尿機能障害が存在していて、排尿の都度、膀胱排尿筋が尿道括約筋に引張られるので、次第に方向が変異したのです。

そのために相対的に膀胱三角部が厚く肥厚(赤い↔)します。膀胱三角部の厚さは、通常では膀胱排尿筋の先端から約2mmです。この患者さんの場合は、厚さが10mmを越えています。通常よりも5倍以上も厚いのです。例えば、膀胱三角部の厚さ2mmで排尿回数5回だとすれば、単純計算で10mmあれば、5×5=25回になっても不思議ではありません。

排尿機能障害にもかかわらず、以前の主治医が、「膀胱炎だから、水分をたくさん飲みなさい!」と言うので、症状はさらに悪くなるのです。


病気の原因をお話ししたら、患者さんご本人とお嬢さん二人が涙していました。それまでさんざん主治医に相談したにもかかわらず、「歳のせいだ!気のせいだ!治る訳がない!」と怒るように言われていたのだそうです。原因が分かり治療法も分かったので、喜びのあまり泣いてしまったのでした。

治療としては、排尿機能障害の治療薬であるα1ブロッカーと、膀胱三角部の興奮を鎮めるβ3作動薬を基本に処方しました。さらに強い痛みが生じた時のために、一般的な鎮痛剤ではなく、脊髄神経回路をブロックするトラムセットを処方しました。効果があることを期待します。

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医師の使命

風邪や怪我などは、1週間から数カ月で治りますから、患者さんの将来の人生に影響を与えません。

ところが、原因不明の病気にかかると、患者さんの人生はガラッと変わります。治らないために、長い間の病気によって、患者さんが想像できる将来の自分の人生は、おそらく地獄でしょう。医師は患者さんのその病気を完璧に治せないまでも、日常生活に支障のないまでに軽快させることです。

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ところが医師には、経験を重ねる毎に名声・社会的地位・趣味・お金に目標を持つ人間がかなり多いのです。テレビドラマの「白い巨塔」は、その典型的イメージでしょう。本来ならば、「赤ひげ先生」であるべきです。医師は人を助けること、そのヒトの人生を幸福にさせることが第一の使命です。

しかしながら、そうはならない理由があります。医師になるためには、人よりもたくさんの勉強と、人を押しのけて受験を勝ち続けなければならないのです。幼少期から、それらの事を繰り返し繰り返し行なって、医学部に入るまで12年以上も勝ち抜いてきた人間に、困っている人を助けようとする気持ちに、果たして自然になると思いますか?

自分で得た知識や技術が『これで全てだ!』と勘違いしてしまうから、次の目標(名声・名誉・社会的地位・趣味・金銭)に興味が移ってしまうのです。「甘〜い!」神さまの作ったこの世界や人間の体が、たかが人間の知識だけで、全てが理解できる訳がないでしょう!混沌としたこの世界を単純な科学や医学知識を寄せ集めて理解しているだけのことです。それらの知識が全てを網羅する訳がありません。さらに、的を得た知識であっても、学会発表で何回も何百人症例も報告し、常識的な知識の医師に理解してもらわなければ、標準的知識にはならないのです。結局、社会的地位の高い常識的な考えの医師が、たくさんの部下に意味のないデーターを集めさせた報告しか表に出ないのです。

私は認められなくても、一人でコツコツと自分の使命を果たしたいと思います。医学会に認められることがなくても、たくさんの人々を救うことができれば、使命を果たせ、死ぬ間際でも十分に満足です。

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前立腺ガンの性格


926325e66a47463789354919242fee71 前立腺ガンは、ご存知のように多くが前立腺の外腺から発生します。外腺はそれまで散々内腺と硬〜い前立腺被膜によって挟まれ圧迫され続けたのです。そんな時に更年期になり頑張っていたエネルギーの男性ホルモンが一気に低下したために、男性ホルモンに依存していた外腺の細胞が、体質的にさらに苦しくなり、才能のある前立腺細胞が、遂に男性ホルモンを究極作ることのできるガン細胞に変身したのです。つまり、前立腺外腺の細胞は物理的にもホルモン的にも、常に緊張状態が続いた結果です。前立腺外腺は生まれてから更年期に至るまで、一生緊張状態にあったとも言えます。

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さらに検査のための針生検で刺激(攻撃)され、ホルモン治療で刺激(攻撃)される訳ですから、ず〜っと緊張しっぱなしです。刺激されれば刺激されるほど、攻撃されれば攻撃されるほど、才能のある前立腺ガンは抵抗力を増して前立腺ガンの悪性度を高める=男性ホルモンを作ることのできる=去勢抵抗性前立腺ガンの原因になるかも知れません。でしたら、ガン細胞が緊張しないように『リラックス』させてあげれば良いことになります。

ガン細胞の緊張を解くリラックスさせる方法を考えてみました。

❶排尿機能障害の治療薬であるα1ブロッカーのフリバスが、前立腺ガンの再発を抑えてくれるという文献データがありました。α1ブロッカーは平滑筋だけでなく、その他の細胞の緊張をも解いてくれるのでしよう。それを元に、当院で前立腺ガンの患者さんにはフリバスを処方しています。でも、効いているとは思えない患者さんもおられます。これは、フリバスの作用するα1受容体が主にα1‐d受容体で、前立腺ガンによってはα1‐d受容体が存在しないので、フリバスを処方してもガン細胞の緊張が取れないのでしょう。

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❷やはり排尿機能障害の治療薬であるザルティア=タダラフィルは、細胞膜表面の受容体を介さないで全ての細胞の緊張を抑えてリラックスさせてくれます。細胞が裸でゆっくりとお風呂に入っているイメージです。当然、前立腺ガン細胞も同じで、リラックスして緊張も取れるでしょう。緊張が取れれば、裸ですから防御能力は低下して、医師の行う様々な治療攻撃に負けてしまうのです。

ですから、今後の前立腺ガンの患者さんには、前立腺ガン細胞をリラックスさせる排尿機能障害の治療薬であるフリバスと、さらにザルティアを処方するつもりです。もちろん、この考えは私の思い付きですから、正しいかどうかは、今後を観ていかなければ分かりません。

 

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バランス

生命は幾重にも重なるバランスで成り立っています。しかしながら、歳を重ねらごとにバランスが乱れて来ます。

Balance例えば、ご婦人が更年期を過ぎると、卵巣が老化のため萎縮し女性ホルモンが低下します。中枢は、その事を察知して女性ホルモンを増やそうとします。女性ホルモンの材料であるLDLコレステロールを肝臓で増やします。ところが、萎縮した卵巣はLDLコレステロールを利用しませんから、LDLコレステロールが大量に余ってしまいます。しかしLDLコレステロールは貴重な材料なので、分解代謝しないで血管壁内膜に蓄えます。

血管壁内膜に次第にコレステロールが貯まります。すると、血管壁中膜の平滑筋細胞がコレステロールを固定しようと、中膜から内膜に浸潤して平滑筋が貪食肥満細胞に変身してコレステロールを食べます。たくさん食べた貪食肥満細胞は泡沫細胞に変身します。

泡沫細胞を固定するために、別の平滑筋細胞が線維芽細胞に変身してコラーゲン線維を大量に作り、血管壁内膜にシコリが出来上がります。これが動脈硬化になり、シコリが大きくなると脳梗塞・心筋梗塞になります。シコリの周囲に血栓ができて、それが剥がれると脳血栓・動脈血栓になるのです。

では、治療はどうすればいいか想像できますよね?女性ホルモンを増やすか、擬似ホルモンの大豆イソフラボンを服用すれば、中枢は女性ホルモンが低下していないと騙されて、コレステロールを増やしません。

血管年齢の若い人は、動脈硬化になりにくいのですが、そんな人のコレステロールを下げると、ますます動脈硬化にならずに、さらに血流が良くなります。すると、末梢の毛細血管の血流もさらに良くなります。毛細血管近くの細胞は十分に栄養が良くなります。しかし、毛細血管の届かない細胞との相対的差が開いていきます。相対的栄養不足の細胞は困り果てて変身するのです。それがガン細胞になるのです。実際にコレステロールを下げると、一定の確率でガンのリスクが増えるのです。

550771f2da2e47e6afa28d485c3264ea更年期を過ぎた男性に「うつ病」になる確率が高くなります。一般人はご存知ありませんが、脳中枢でも男性ホルモンが作られているのです。『え〜!脳で男性ホルモンが?』とお思いでしょう?実は、男性ホルモンは「ネガティブな心」を吸収してくれるのです。実業家や出世街道真っしぐらのヒトの男性ホルモンは常に高いのです。40年間以上に渡って血液中の男性ホルモンが高ければ、脳中枢は血中の男性ホルモンに依存して、脳中枢での男性ホルモンの生産が『バランスを保つ』ために落ちてしまいます。ところが、更年期を過ぎて、睾丸での男性ホルモンの低下に対して、脳中枢での男性ホルモン生産が対応仕切れないのです。すると、脳中枢での男性ホルモン全体量が低下しますから、ネガティブな心を吸収することが当然できなくてなります。結果、元気だった人ほど更年期を過ぎると「うつ病」になるのです。逆に、ご婦人の場合は、若い時も血中の男性ホルモンは少なかった訳ですから、脳中枢の男性ホルモン生産は常に多くて、更年期になっても脳中枢で男性ホルモンは十分に作られていますから、更年期を過ぎたご婦人で「うつ病」になる人は少ないのです。逆に元気で男らしくなるのです。

前立腺に隠れていた前立腺ガン(ラテント癌)は、正常組織内でひっそりとバランスよく存在しています。ところが、PSA値が高いと針生検でそのバランスを崩してしまうので、ガン細胞に火がつき、命にかかわる悪性度の高いガン細胞に変身してしまうのです。病気に対してワンパターン認識だけでは、人の複雑なバランスを必ず崩してしまいます。

 

バランスの乱れで生じるヒトの病気は、幾重にも重なるバランスを十分に認識して治療しなければ、逆効果になるので注意が必要です。

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初対面の人に自己紹介


47427cbba39d4657867eb2d5f990053e週3回の透析をするために、品川駅近くのクリニックに行きます。品川駅にたまたま早く到着したので、品川駅構内のコーヒー店でユックリと休憩していました。アイスコーヒーと蛸のマリネを注文してオリーブオイル(+亜麻仁油+ごま油+胡椒+すり胡麻の混合ドレッシング)をかけようとしていました。

すると隣席のご夫婦の奥さまが「ご自分のドレッシングを持参されているのですね?」と驚かれていました。「実は私は身体障害者(透析患者)で、生きる世界が狭い(空間的にも時間的にも)ので、少しでも興味を持った事に熱中してしまうのです。その一つがオリーブオイルに凝っている事です。」神さまは人生にいろいろな仕掛けをするのです。私が医師にも関わず慢性腎不全になってしまいました。でも、限られた人生と認識すると、残りの人生を一生懸命に生きようとします。そう言った意味では、何事もなくダラダラと生きる人生よりも充実した人生だ思っています。小説にすれば、ダラダラ人生の主人公の小説よりも波乱万丈の主人公の小説の方が、はるかに面白いでしょうね。

病気のお話しをすると、その奥さまもご自分は膠原病だとおっしゃるのです。その症状は目の渇きと口の渇きなのだそうです。主治医は血液検査を行ってもハッキリした原因は不明とのこと、結果、膠原病と診断されたのです。『あれ?よくあるパターンだ!』と思いました。原因不明の症状の患者さんで頻尿があれば、ほとんどの病気の原因が排尿機能障害で、それを治すと症状は改善するのです。

そこで、排尿回数をお聞きしたら、……案の定、何と毎日12回だったのです。名刺をお渡しし、私の自著をAmazonで紹介して、日常の生活習慣をアドバイスしました。私に声をかけた事が、この奥さまのラッキーになると良いですね。

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上皇陛下と前立腺ガン

ニュースの記事で下の記事を見つけました。私の考えを✴️【備考】で解説しました。

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現在、上皇陛下は公務から離れられ、皇居内の生物学研究所で専門のハゼの研究を続けられたり、美智子さまと共に都内のテニスクラブをお忍びで訪問されたりと、日々を慈しむように過ごされている。だが、陛下は「がんサバイバー」としてのお姿もある。

 陛下の前立腺がんが見つかったのは、2002年末のことだった。検査結果について、当時の皇室医務主管だった金沢一郎さんは会見でこう説明した。

「お採りした組織の病理検査の結果、前立腺にがん細胞の存在が確認された。高分化型腫瘍で、比較的たちのよい腫瘍で転移はないと判断される。関係する医師の協議の結果、前立腺全摘出手術をお受けいただくこととした。手術は東京大学医学部附属病院で、東大病院と国立がんセンターの合同チームが行う」

✴️【備考】高分化型とはグリソンスコア6以下の前立腺ガンです。通常であれば、そのまま放置か、あるいは放射線治療になります。それを前立腺全摘手術をされたのです。』

 ステージ(進行度)について記者から質問が飛ぶと、「真ん中ぐらい」(金沢さん)と答えたので、ステージII程度だったと推測される。

✴️【備考】ステージ❷は前立腺の被膜を超えていない『限局型』の前立腺ガンです。』

 翌年1月18日、東大病院で、手術を受けられた。この時、陛下に病名を伝え、治療方針やリスクについて説明し、手術を取り仕切ったのが、国立がんセンター名誉総長の垣添忠生さん(78才)だった。

 がんの専門医としてがんセンターに長年勤務し、中央病院長や総長を歴任してきた垣添さんは、医師人生をがん治療に捧げてきた人物だ。

「手術に際しては、前立腺の絵を描いて、それをご覧いただきながらがんがあると思われる場所をお伝えし、手術や放射線治療など、考えられる治療方法についてご説明しました。

 結果的にはありませんでしたが、前立腺を摘出することで尿失禁が起きる可能性があります。そういったリスクも含めて、治療はどういう経緯をたどることが想定されるのか、包み隠さずお話ししました。それをお聞きになったうえで陛下は、『わかりました、お願いします』とおっしゃいました」(垣添さん)

✴️【備考】結果的には、上皇さまは、その後に前立腺ガンの転移が認められてホルモン治療を受けることになったのです。と言うことは、ステージ❷が誤診だったのか、あるいは針生検によってガン細胞が転移したのかも知れません。』

 一般的に、がんの告知を冷静に受け入れることができる患者は少ないとされている。特に告知されてからの2週間は「魔の2週間」と呼ばれ、受診結果が信じられず、セカンドオピニオンを受診したり、うつ病になったりするリスクがもっとも高まる期間だという。

「陛下は常に冷静でいらして、私どもが提案した治療方針に真摯に耳を傾け、受け入れてくださいました。陛下はサイエンティストでもいらっしゃるから、がんとわかっても客観的に、科学的にご自分の体を見つめていらっしゃるのだと感じました」(垣添さん)

 治療や病状の説明へのご質問や異論を口にされることはほぼなかった陛下が、1つだけ強く主張されたことがあるという。

「それは、ご自身の病状や手術の経過を『包み隠さず国民に伝えてほしい』ということでした」(垣添さん)

 皇室ジャーナリストの神田秀一さんは、上皇陛下の意図をこう解説する。

上皇陛下は1989年、即位後初めてのお言葉で《皆さんとともに日本国憲法を守り、これに従って責務を果たす》と誓われました。憲法を守るとは、天皇として『国民主権』を宣誓されたということです。

 陛下は、がんを告知されるという極限の状況においても、“天皇は自分自身が第一であってはならず、その身体は国民のためにある”とお考えになられた。そこで、病状を包み隠さず、国民に逐一伝えてほしいと述べられたのでしょう」

 父である昭和天皇が、十二指腸がんを告知されないまま崩御されたことも、公表を強く望んだ理由の1つだったのかもしれない。神田さんが続ける。

「昭和天皇ががんになられた当時は、手術ひとつとっても『玉体にメスを入れるとは何事か』と、宮内庁や政府、医師の間で大激論を重ねるほどがんに対してナーバスだった時代です。国民の間でも“がんは死の病である”という認識が強く、当然国民にも昭和天皇の病状は伏せられていました」

 昭和から平成への御代がわり(1989年)当時は、昭和天皇に限らず、患者本人にすら病名が伝えられないことが一般的だった。実際、厚労省が行った「第42回がん対策推進協議会」(2014年)の資料によると、1993年頃までは、終末期の患者に告知する割合は2割を切っている。

「昭和天皇ががんであったことは、崩御されたあとの宮内庁記者会見により発表されました。がんとわかっていながらも告知することができなかった担当医の苦悩や、病名は伏せられているのに連日のように血圧値や脈拍数が報道され、不安を煽られる国民の姿をご覧になられていたことも、陛下がご自身の病状を公表することを強く望まれた一因だったのではないでしょうか」(宮内庁関係者)

 がんと向き合い、闘病するお姿をすべて公表する――そのお言葉通り、手術が終了したあとは、宮内庁より、

《天皇陛下の前立腺全摘出手術は,本日午前執刀を開始され,3時間40分で無事終了いたしました。(中略)手術は順調に進み,予定通りの手術ができ,前立腺の全摘除及び両側閉鎖リンパ節廓清は成功裏に終わりました》と病状が発表された。上皇陛下ご自身も手術後の退院に際して次のようなお言葉を表明されている。

✴️【備考】ステージ❷であれば、リンパ節の郭清をする必要があるのだろうか?ステージ❸であれば、リンパ節廓清の必要がありますが。』

《今回の入院に際し,治療に当たってくれた医療陣の努力に深く感謝します。また,大勢の人々が,心配し,回復を願ってくれたことを,心からうれしく思っています。退院に当たり,今病を得ている人々の回復を祈り,国民皆が,それぞれ体を大切に,元気に過ごすよう願っています》

※女性セブン2019年7月18日号

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✴️【備考】日本で最高のVIPである上皇陛下が、最高の医療機関と一流の医師たちによって、標準的診断と標準的治療を受けたのです。しかしながら、その結果は一般の人々と変わりませんでした。それから想像できることは、前立腺ガンに対する考え方の甘さと、標準的な診断と標準的治療の間に矛盾が存在していると考えられます。陛下は、ある意味で、現代医療による被害者だとも考えられます。

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PSA値と前立腺ガン発見率

PsariskPSA値が高いと前立腺がんを強く疑われます。このグラフは日本泌尿器科学会が公表しているものです。見て分かるように、PSA値が4.0を超える(〜10.0)と前立腺がんの発見率は40%〜50%を超えます。

しかし、高橋クリニックでPSA値が高いと言われて来院された患者さん500人の中、私の触診とエコー検査でがんを見つけることが出来たのは、60人つまり500人の12%でした。しかし、棒グラフの発見率と比べると、28%〜38%のこの差はどうしてでしょうか?

 

Stage5y_20190707170401これは、実は私が『前立腺針生検』を行わないで診断しているからです。針生検をすれば、前立腺に隠れているガン細胞(ラテント癌)が発見されるからです。エコー検査や触診で見つけることの出来ない前立腺がんは、ステージ❶と言う事になります。ステージ❶の前立腺がんの5年生存率と10年生存率は、ガンのなかった健康な人とまったく同じ生存率なのです。触診で判定可能なステージ❷、ステージ❸も5年生存率は健常人ろほぼ同じ生存率です。それでは、針生検をしてまで前立腺ガンを発見する必要があるのでしょうか?……ガンを発見したことで、ガン死のリスクよりも、ガンの恐怖で精神的に追い詰めることの方が、患者さんの人生のQOL(人生の充実度)低下のリスクの方がはるかに高いと思います。

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Tumor Dormancy Therapy 癌の休眠治療

Tumordormancybook癌の治療で手術ができない場合、あるいは不完全な手術の場合は、手術後に抗ガン剤などを使用した化学療法が一般的に行われています。

通常は体重当たり(◯◯mg/kg)、体表面積当たり(◯◯mg/m2)の投与量が決まっており、一般的にその通りに処方し治療します。検査などで確認できるガンの大きさが縮小して、主治医も患者さんも安心します。

しかし、それは一定期間に限られているのです。ある時期を境にガンの勢いが急に増して増加・増大し、最終的には患者さんはガンでお亡くなりになります。現実的にはあらゆる診療科でそのような症例がたくさん存在します。

素人的発想で思えば、ガン細胞を殺す抗がん剤で、何故に全滅出来ないのだろうと思いますよね?何故このような現象が起きるのかと言えば、抗ガン剤でガン細胞のすべてを消滅させることが出来ないからです。ガン細胞に抗がん剤の効果を確認する実験は、ガラス・シャーレで培養したガン細胞に薬液(抗がん剤)を注入し反応を観察するのです。実験のガラス・シャーレにガン細胞は2次元的に均一に広がっていますから、薬液は満遍なく注がれます。ところが、生体内のガンは3次元的立体的構造で存在します。表面に存在するガン細胞と、深部に存在するガン細胞とでは生きるための環境が異なります。毛細血管に接する表面のガン細胞は、当然ながら抗がん剤で容易に死滅しますが、毛細血管の届かない深部のガン細胞は生き残ります。生き残ったガン細胞は、死滅したガン細胞の情報を得て、抗ガン剤を勉強して抵抗力を工夫し、そして一気に増えるのです。

Tumordormancyppイラストは高橋豊著の「Tumor Dormancy therapy」という医学書に記載された、抗がん剤の治療での効果推移と生存期間を示したイメージグラフです。常識的・標準的な投与法・投与量でガンを治療すると、一時的には極端に収縮(50%以下)しますが、一定の期間が過ぎるとガン細胞が急に増え始め、抗がん剤も効かなくなり患者さんは亡くなるのです。しかし、抗がん剤の投与量と投与法を少なくすると、当然としてガン細胞の減少・収縮の効果はそれほど期待できませんが、不思議なことに生存期間は、延びるのです。そうです、延命効果が期待できるのです。このイラストを考案した研究者によると、抗がん剤の処方量が少ないと、免疫力の低下や体調の低下もわずかなので、ガンに対する抵抗力も維持できるので、標準治療に比べて延命効果が出ると言うのです。ガン細胞を抹殺するのではなく、抗がん剤を利用してガン細胞を休眠・冬眠させようとする考え方です。ある意味でガンと共存しようとも言えます。

しかし、この先生の考え方は、私は不十分だと思います。抗がん剤の副作用だけに注目しているからです。なぜかと言えば、ガン細胞は物でなく生命そのものです。例えば、細菌感染症の患者さんに、抗生剤や抗菌剤を長期間繰り返し繰り返し投与すると、抗生剤の効かないバイ菌が生まれるのです。いわゆる、薬剤抵抗性細菌と呼ばれます。バイ菌でさえ工夫して工夫して薬剤抵抗性の能力を確保するのに、高度の細胞である人間の細胞は、もっと能力が高いのに決まっていますよね?人間の細胞から変身したガン細胞にも同様の能力があるはずです。

前立腺ガンも他のガン細胞と同じです。標準的なホルモン治療を行うことで、50%以上の危険率で発生する「去勢抵抗性前立腺ガン」も、これまでお話ししたガン細胞の努力・工夫の結果と同じと考えます。以前にお話しした「去勢抵抗性前立腺ガンの対応」で解説したように、少量・微量の抗がん剤やホルモン剤で前立腺ガン細胞は確実に抑えることができるのです。

  【参考】去勢抵抗性前立腺ガンの対応 

 

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隠れた排尿困難で苦しむ前立腺ガンの患者さん

 静岡から70歳代の男性が前立腺ガンの相談に起こしになりました。PSA値が162(正常値4.0)にもなり、地元の基幹病院で骨シンチ検査を行ったら、左肩・左肋骨・骨盤・左大腿骨に前立腺ガンの骨転移が発見されたのです。

4月25日に前立腺針生検を行ったところ、14本中14本にガン細胞が発見されました。前立腺全体にガンが広がっていることを示しています。悪性度はグリソンスコアGS4+4=8の悪性度の高いガンだったのです。(GS5以下=軽度悪性、GS6・7=中等度悪性、GS8・9・10=極めて悪性)

ところが、患者さんは骨の痛みを訴えているのではなく、排尿困難と尿失禁、下腹部の痛みと陰部と下半身の浮腫み(むくみ)を訴えているのです。地元の主治医に症状を訴えても、「前立腺ガンだから仕方がない。早く前立腺ガうンの治療をしてください。」と言うだけで、症状に対する治療はしないのです。

Pcaretension37235m76pp悩んでいた時に、ある製薬会社の主催する前立腺の講演会が地元で行われていました。もちろん参加して視聴していた時に、隣の席の人と会話をしたのです。ご自分の今の悩みを少し口にしたら、その人が「騙されたと思って高橋クリニックに相談に行きなさい」と勧められたのです。たまたま当院に通院している患者さんだったのです(笑)。

早速、エコー検査を行い前立腺ガンを観察しました。先ずお腹を見たら…『!?……何だこれは!』お腹がパンパンでガッチガッチなのです。どう見ても「尿閉」です。そして陰部もむくんでいるのです。エコー検査で観ると、膀胱はパンパンです。そして、膀胱の粘膜が凸凹=肉柱(にくちゅう)形成が認められました(白い矢印)。これは明らかに排尿障害の後遺症の所見です。

2fae7c7c41074a9ea574a7cad162a238早速、カテーテルを使って導尿をしました。何と!1700㎖(写真)も取れたのです。患者さんはお腹がスッキリになりました。数ヶ月前に残尿が500㎖と言われましたが、「前立腺ガンだから」と言って主治医はそのまま放置したのです。そして体重も、この1ヶ月で5kgも増え、下半身もむくんだのです。その話しを必死に訴えても、無視されたのです。どう考えても、【前立腺肥大症→→→排尿障害→→→尿閉→→→閉塞性腎機能低下→→→浮腫み→→→体重増加】だったのです。

Pcaretension37235m762ppさらにエコー検査で前立腺を詳細に観察しました。前立腺の大きさは70cc(正常20cc)の一見前立腺肥大症ですが、前立腺の全体像が均一ではなく、外腺の左右に黒い部分(赤い矢印)が認められ、おそらく前立腺ガンの所見です。直腸触診で前立腺は全体的に硬く、左右のそれぞれ一部にさらに硬いシコリが触れました。おそらく、この2つの部分が前立腺の被膜を破り、前立腺の外に出て骨転移になったのでしょう。

この患者さんの現時点で一番辛いのは、前立腺肥大症による排尿障害です。前立腺ガンの治療も大切ですが、今、命に関わる病気は閉塞性腎機能障害に他ありません。ガンのことしか考えていない馬鹿な医師がいるのです。患者さんの状況を把握して、治療の優先順位を考えなければならないのです。もしかすると、4月ごろに行った前立腺の針生検がキッカケで、排尿障害が増悪して尿閉になったのかも知れません。取り敢えず先に、前立腺を小さくするプロスタールを処方して、排尿障害の治療薬であるユリーフを処方しました。

骨転移しているステージ④の前立腺ガンの治療は、針生検を実施した地元の基幹病院で行なってもらったら?とアドバイスしました。しかし、患者さんは当院での治療を希望されました。私の奇想天外の治療も同時に開始することになったのです。

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テレビCM

 

 

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テレビCMで包茎手術専門クリニックが頻繁に宣伝されています。タートルネックの若者が躍るのです。あれをご覧になって、どのように思われますか?素晴らしいと思われますか?

 どう見ても包茎に悩まれている人の劣等感を増加させているだけですよね?日本人の男性は、70%〜80%は包茎なのです。つまり包茎であることが日本人男性の正常なのです。それなのに、包茎である男性に劣等感を感じさせるとは、医師として情け無いのです。どう考えても、患者さんのためではなく、金儲けのためだけのコマーシャルです。

テレビのあれだけ沢山のコマーシャルは、かなり高額の金額(1千万円以上?)になりますよ。その経費をどこから集めると思いますか?どう考えても、手術した患者さんから頂くのです。雑誌やインターネットなどの手術金額は、7万円程の比較的お安いのです。しかし、実際に相談のため受診すると、「あ〜、あの金額は基本的な手術ですね。でも、基本的手術をすると、こうなります。」と言って醜くなった術後の写真を見せつけられるのです。

(注)基本的手術で仕上がりがひどいのは、手術テクニックが下手くそだということです。

「でも高度の難しい手術をすると、…」と言って『きれい』になった術後の写真を見せつけるのです。「ただし、この手術は基本的手術の』料金にプラウ10万円になります。さらに貴方は包皮が長くて厚いので、さらにプラス10万円です。」

(注)包茎の長さや厚みは、包茎手術テクニックには無関係です。もしも包茎の長さや厚みが手術に影響するのであれば、手術をする執刀医がよっぽど下手くそだということです。

22b3a86fd7314ea484f13187b4a24676「また、よく見ると、亀頭が小さいので、包茎手術をしても包皮がかぶってしまいます。それを避けるために亀頭を大きくする必要があります。亀頭にヒアルロン酸を注射すると大きくなります。ヒアルロン酸は1本10万円で、貴方の場合には3本必要ですから、プラス30万円です。総額57万円になります。」

(注)ヒアルロン酸の注射で亀頭が溶けたり腐って亀頭が取れてしまった患者さんを私は診ています。

「今日、貴方はラッキーですね。手術のとても上手い先生が、たまたまキャンセルが出たので、今日であれば直ぐに手術ができます。料金も特別割引きして、57万円ー10万円=47万円で手術しましょう!」

どうですか?こいつらは、どう考えても人を助ける使命を帯びた医師ではありませんね。騙されてはいけません。どうしても包茎手術をしたいのであれば、上◯◯クリニック、A◯◯クリニック、東京ノ◯◯クリニック、ヒル◯◯クリニックなとのテレビにも雑誌にもたくさんコマーシャルを出しているチェーンクリニックではなく、病気の治療している「普通」の泌尿器科の個人クリニックを受診してください。

 

 

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前立腺ガンを心配する患者さんに「ひと言」

PSA値が高く前立腺ガンを地元に医師に疑われ、当院に飛行機や新幹線を使って来院する患者さんがたくさんおられます。その患者さんの中で実際に前立腺ガンを確認できたのが、12%でした。2年間にPSA値が高い人が500人来院して、その内60人に、触診と超音波エコー検査で前立腺ガンを確認できました。440人には前立腺ガンは確認できませんでした。ただし、絶対にガンがないとは言い切れませんから、半年に一度、あるいは1年に一度のペースで定期検査に来ていただいています。前立腺ガンの倍加速度(細胞の数が2倍になるまでの期間)が、2年~30年とされていますから、年に1回の定期検査でも十分と思われます。

前立腺ガンの5年生存率や10年生存率をその他の癌と比較してみましょう。
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 【癌ステージ②:5年生存率、10年生存率 】

前立腺癌:99%(100%)、80.6%(100%)

食道がん:52.2%、27.5% 

胃 がん  :58.7%、43.4%

肝臓がん:32%、13.2%

肺 がん  :48.8%、22.9% 

膵臓がん:15.9%、7.4% 

大腸がん:81%、64.2%
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 【5年生存率は2008年~2010年。10年生存率は2002年~2005年のデータ】

ちなみに前立腺ガンの(100%)は、健常者の生存率と比較して全く同じ=100%と言うことです。

この表を見て、どう思われますか?他のガンと比較すると、前立腺ガンは断トツに良性ですよね?まして健常者の寿命とほぼ同じなのです。これから考えれば、前立腺ガンを積極的に治療する必要があるのだろうか?と思われます。

Kanngaeppところが一度PSA値が高く前立腺ガンを疑われたら、その後ズ~と『前立腺ガン(悲)、前立腺ガン(涙)、前立腺ガン(悩)』と悩まれる続ける患者さんが多くおられるのです。そこで私は患者さんに次のような事をお話しします。

「人間は思ったものにしかなれないのです。高層ビルを作りたいと思ったから、資金を集め設計し建築会社に依頼して建物が建てられるのです。例えば、私は医師になろうと思ったから医師になれたのであって、誰かが私に相談もなく医師にした訳ではありません。要するに、この世界はヒトが『思った事しか現実化』になれないのです。ですから、逆の悪い意味でガンの事ばかりを考えていると、現実化して癌ができてしまいますよ。ネガティブな事ばかり考えているとネガティブな現象が起き、ポジティブな事を考えていればポジティブな現象になりますよ。」

 

 

 

 

 

 

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カンジダ性皮膚炎の治療

カンジダ性皮膚炎には、カンジダ性膣炎やカンジダ性亀頭包皮炎があります。ご婦人の場合は、抗カンジダ菌の膣剤が使用されます。男性の場合には治療として、まずは誤診されてステロイド軟膏や抗生剤軟膏を処方されるのです。なかなか治らないので、初めてカンジダ性?と気が付かれるのです。

先ずは、抗真菌剤の塗布や患部を石鹸で洗わないようにしなければなりません。真菌は、ある意味で植物細胞なので根が張っています。ですから、石鹸で洗えば洗うほど敵対する細菌(動物細胞)は取れて、根の生えたカビだけが残るのです。

健康な人は、皮膚に存在する雑菌とカビであるカンジダ菌が互いに牽制し合って、お互いの増殖が抑えられています。

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男性で水分を多く摂取する人は、水の排出反応である炎症が起きやすくなります。特に性行為の後にご婦人の一部の常在菌であるカンジダ菌の感染でカンジダ性亀頭包皮炎になってしまいます。石鹸で洗えば洗うほど皮膚の雑菌は排除されますが、根を張り巡らしているカンジダ菌は残ります。結果、牽制相手である雑菌がいなくなり、カンジダ菌が逆に増殖します。人間はカビを殺菌することはできないので、免疫が頑張っても炎症が起こるだけでカビ=カンジダ菌が残るので、炎症がドンドンひどくなりカンジダ性亀頭包皮炎になるのです。

最近、新たな治療方法を業者さんの提案で思い付きました。「次亜水」という殺菌水が最近注目を浴びています。殺菌薬なのに強い酸性でもなくアルカリ性でもない、皮膚に適した弱酸性の薬液なのです。次亜水の濃度に応じて、雑菌、ノロウィルス、インフルエンザウィルス、カンジダ菌などの広範囲の病原菌を殺菌します。そして、生体には悪影響がないのです。

石鹸で患部を洗っても、その後で次亜水をスプレーすれば、残ったカンジダ菌が殺菌されます。なかなか良いでしょう?ただし、保険薬品ではないので、自費です。1ヵ月分の50㎖スプレー1本で1200円になります。

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PSA検査評価の誤解

前立腺ガンの腫瘍マーカーであるPSA検査によって多くの前立腺ガンの患者さんが発見されることは事実です。しかしながら、寿命に影響しないステージ1の患者さんまで発見されて、多くの患者さんがガンノイローゼになり精神的に落ち込んでいます。その後の人生が暗〜くなってしまうのです。

Psasys1前立腺は分泌組織で腺構造です。その腺構造の外側に前立腺細胞があります。前立腺細胞はPSAというタンパク分解酵素を生産して腺腔構造に貯めるのです。PSAは射精の時に精液に混じり、ドロドロの精液をサラサラにして妊娠し易くします。ところが、何らかの原因でPSAが腺腔構造から漏れ出る→血液に混じる→PSA検査で注目されることがあります。

その漏れ出る原因が、次の5項目が挙げられます。

Psasys2❶排尿機能障害:膀胱の出口が十分に開かないで排尿すると、腹圧が直接的に前立腺に負担となになります。

その結果、前立腺が絞られますからPSAが腺腔から漏れ出ます。病気としては、前立腺肥大症、膀胱頸部硬化症、神経因性膀胱などがあります。

Psasys6❷慢性炎症:排尿障害などで前立腺に物理的負担が排尿のたび毎にかかるので、当然として慢性的傷害性炎症が発生し、一部の前立腺細胞は死滅します。死滅細胞が欠落した跡に新たな細胞が補充されるまでの間に、そこからPSAが漏れてしまうのです。一般的に炎症だからと言って抗生剤を2週間ほど処方され、再度PSA検査行い、高いと前立腺ガンの疑いが強いと診断されます。しかし、たった2週間くらいで、欠損部に新たな細胞が補充されるでしょうか?……疑問です。

Psasys3❸先天性瘻孔:前立腺細胞の接合部が生れながら不完全で亀裂=瘻孔ができ、そこからPSAが漏れてしまうのです。

全ての人類がみんな完璧でみんな同じとは限りません。

PSA検査の観点からみれば、ある意味で先天性PSA値異常症です。

Psasys4❹針生検の後遺症:上記の三点が原因でPSA値が高くなり、前立腺ガンを疑われ針生検をされた患者さんがたくさんおられます。針生検後の経過観察で定期的にPSA検査が行われます。すると時間とともに次第にPSA値が高くなるのです。主治医は、また針生検をしましょうと強要するのです。ところが、針生検で前立腺の中に当然傷ができます。傷が必ずしもきれいに治るとは限りません。そこからPSAが漏れても不思議ではありません。さらに1回の針生検で10本〜16本も傷つけられるのですから、針生検の後では、必ずPSA値は次第に上昇するに決まっています。

Psasys5❺前立腺ガン:腺腔構造の壁の一部にガン細胞ができると、周囲の多数の腺細胞との接合が不完全ですから、そこからPSAが漏れてしまうのです。これだけが前立腺ガンのPSA値の上昇なのです。

以上のように、さまざまな原因でPSA値は高くなるのです。PSA値が高い場合は、前立腺の直腸触診とエコー検査で前立腺ガンを確認できなければ、寿命に影響しないステージ①あるいは上記の原因❶❷❸❹であると考えて、無闇に針生検をしてはいけないのです。そうすれば多くの犠牲者を出さなくて済みます。 逆に針生検をすることで、隠れていたラテント癌を傷つけ刺激して、最終的には悪性度の高い前立腺ガンを作るキッカケを医師が創ってしまうのです。神さまは人生のあらゆる所にトラップ・罠を仕掛けているのです。私たち医師は自分たちのために医療を行うのではなく、患者さんの人生をクオリティーの高いものにしてあげるべく、創意工夫努力しなければならないのです。

【備考】内容についてのご質問やご相談は、コメントもしくはお電話(03-3771-8000午前中のみ)でご連絡ください。

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膀胱三角部から見た二足歩行と四足歩行

Bladderposition_1 膀胱のセンサー部分である膀胱三角部は、イラストのように膀胱出口の真裏(お尻側)にあります。膀胱は内臓の中で一番下に位置していますから、イスに座る時や立って歩行している際には、内臓全ての重さを受けることになります。そして、圧力のかかっている膀胱の一番圧力がかかるのはイラストで分かるように膀胱三角部です。

ところが、横になって寝ると膀胱にかかる内臓の重さは、ほぼ無くなります。その一例が急性膀胱炎の患者さんは、昼間起きている際には頻尿や残尿感、尿意切迫感で苦しみますが、夜に寝ると頻尿が出なくるのは、過敏になつている膀胱三角部に内臓の重さがなくなるからです。

Bladderposition2さて、四つ足動物(四足歩行)は、イラストで示すように膀胱がその他の内臓と同じ平面上に位置しますから、膀胱には内臓の圧力がかかりません。ですから、四つ足動物で頻尿になることはほとんどないと言えます。ですから、頻尿や残尿感で苦しまれている方は、周囲の視線を無視して四つん這いになれば、多少の症状は軽減できます。

Bladderposition3夜間頻尿で苦しんでいる患者さんは、横になってていても頻尿症状が消えないのです。その理由は膀胱の内圧力に関係なく、膀胱三角部が興奮しているからです。何故かといえば、隠れた排尿機能障害で膀胱三角部が厚くなり平滑筋が常に興奮している場合と、前立腺肥大症の中葉肥大で膀胱三角部が下から圧迫されている場合に分けられます。

写真は中葉肥大型の前立腺の超音波エコー所見です。赤い線で記した膀胱三角部が前立腺に下から強く圧迫されています。当然、オシッコがたまっていなくても、頻尿や残尿感が出ます。

 

 

 

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ラジオ放送に出演

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6月1日の土曜日の午前10時半に、名古屋のCBCラジオから生放送のインビューを受けました。お相手の北野誠さんは、お笑い芸能人です。電話で直接お話ししました。事前に質問を受け取り、回答を送りました。すると、台本を送って頂きました。インタビューでの会話のやり取りは、台本通りにはいきませんでしたが、ほぼ6割ほどは話せたと思います。しかし私も緊張しましたから、恥ずかしながら多少どもってしまいました。さて、台本の内容は下記のようでした。

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【ズバリこの人に聞きたい!】

2019年 6月1日10時30分~(10分)

ゲスト:高橋クリニック院長 高橋知宏(たかはし・ともひろ)先生

    03-3771-8000

「ズバリこの人にききたい」コーナーTM・CI~BG(変更)

加藤:話題の本の著者や、話題の人に、インタビューするコーナーです。

   今日のテーマは、「排尿トラブル」です。

ゲストは、書籍「本当はこわい排尿障害」の著者で、日本泌尿器科学会専門医で、高橋クリニック院長の高橋知宏(ともひろ)先生です。

中高年のおよそ半数が、頻尿や尿漏れ、排尿時の痛み、残尿など、何らかの「排尿障害」を抱えているといわれます。

高橋先生は、「膀胱の出口が十分に開かない」ことに着目した治療により、全国から「シモの悩み」を抱えた患者が訪れています。

今週は、「排尿トラブル」をテーマに伺います。

     

北野:高橋知宏(たかはし・ともひろ)先生です。

電話がつながっています。

ゲスト:(あいさつ)

Q1:排尿障害、排尿トラブル、どんなものがある

*一般的に思われているのは、前立腺肥大症と神経因性膀胱です。しかし、これは排尿機能障害の結果の一部です。

  • 排尿機能障害はいろいろな病気を作ります。

慢性前立腺炎、間質性膀胱炎、過活動膀胱、心因性頻尿、膀胱疼痛症などです。他に関連症状として、陰部搔痒症、舌痛症、慢性胃痛症、腰痛症、坐骨神経痛、多汗症、花粉症、過敏性腸症候群、自律神経症などがあります。

Q2:なぜ、排尿障害がおこる?

*発生学的に膀胱と直腸は一覧双生児です。ところが、膀胱出口は液体である尿を溜めなければなりません。結果、個体の大便を溜める直腸の出口=肛門に比較して尿漏れがないような構造=出にくい構造=排尿機能障害になりやすいのです。

また、四足歩行の両生類(3億6000万年前)から二足歩行の類人猿(2800万年前)までに完成した膀胱が、二足歩行になってからの膀胱からすれば期間は短く環境に適応していないのでしょう。

Q3:尿漏れの原因、どんな病気と関係ある?病気じゃない時は?

*腹圧性尿失禁、切迫性尿失禁、追っかけ漏れ、錯覚漏れの4つです。

どちらも排尿機能障害が原因です。

❶腹圧性尿失禁:排尿障害で腹圧を長年かけているので骨盤底筋の位置が下がったので、外尿道括約筋が緩むため

❷切迫性尿失禁:排尿障害で膀胱が過敏になり、尿意を我慢することができなくなり、結果的に条件反射で腹圧をかけ尿が漏れるのです。

❸追っかけ漏れ:排尿障害があると、尿道が反射的に拡張して排尿します。排尿が終わると尿道全体が収縮するのですが、排尿障害が続くと拡張したままになり、男性の場合、尿道の奥が振り切れないので、後から尿が漏れるのです。

❹錯覚漏れ:排尿障害のヒトは頻尿になるのですが、人によって脊髄神経回路の個性によって嘘の漏れ感覚を作るのです。

Q4:頻尿の原因、どんな病気と関係ある?

A:患者さんが自覚するしないに無関係に、排尿機能障害が原因で、膀胱三角部に負荷がかかり過敏になり、それが頻尿を作ります。

先ほど記載した、前立腺肥大症、神経因性膀胱、慢性前立腺炎、間質性膀胱炎、過活動膀胱、膀胱疼痛症などです。

Q5;排尿障害がかゆみの原因に?

A:男性の場合は、陰嚢掻痒症で皮膚炎と誤診されます。ご婦人の場合は、膣の痒みでカンジダ性膣炎と誤診されます。男女共通では肛門の痒みで肛門周囲炎と誤診されます。

診断された系列の治療で治り再発がなければ、診断が正しかったと考えて良いでしょう。しかし、なかなか治らないのであれば、それは誤診と考えます。

排尿障害が原因で膀胱三角部が興奮して脊髄神経回路を介して頻尿になるのが普通ですが、脊髄神経回路の個性によって頻尿にならずに、他の部位の痒み感覚になるのです。

Q6:排尿障害の予防、対策は?

A:もともと人間は発生学的および解剖学的に考えて、排尿機能障害の素因があります。昭和10年(1935年)ごろの平均寿命は50歳に満たなかったので、排尿機能障害の症状は顕在化しませんでした。ところが現在では、平均寿命が80歳を越えて90歳近くにまで延びています。その結果、排尿機能障害の症状が顕在化したのです。

  • 予防

排尿の際には、腹圧をかけ息んでオシッコをしないでください。それをやると、膀胱出口に負荷がかかり、膀胱出口がマッチョになり、さらに排尿機能障害が強くなるのです。

  • 対策

無知な医師が「血液をサラサラにするために水分をたくさん飲みなさい、出来れば2リットル以上飲みなさい」とテレビで放映してから、多くの人々が水分を多く摂取するようになりました。そのため膀胱に増々負荷がかかり症状が顕在化したのです。水分摂取は出来れば1日1リットル程度に制限してください。ちなみに水分を多く摂ろうが撮るまいが、血液は体内の内部環境ですから「常にサラサラ」です。

 

「本当はこわい排尿障害」 集英社新書800円+税

北野:高橋先生ありがとうございました。「ズバリこの人に聞きたい」でした。

 

 

 

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前立腺肥大症の割合とラテント癌

Bphglaf現在の日本人は、80歳までに80%の人が前立腺肥大症になると言われています。

このグラフは、An Atlas of PROSTATIC DISEASEというイギリスの専門書に掲載されているグラフを改変したものです。赤い折れ線グラフは亡くなられた人の解剖の結果で、前立腺肥大症の割合を表しています。年齢数字の下に記載されている(数字)は剖検数・解剖数です。緑の折れ線グラフは別の統計結果で、臨床的に前立腺肥大症(症候性前立腺肥大症)の割合を表しています。解剖学的にも臨床的なにも割合はほぼ同じです。

これらグラフはイギリスのデータですが、日本人でもほぼ同じとされています。では何故?こんなに日本人男性も前立腺肥大症が増えてくるのでしょうか?私が研修医の頃は、80歳までに前立腺肥大症になるのは、20%くらい、つまり5人に1人でした。ほとんどの人は前立腺が萎縮していました。今の泌尿器科医師は過去に比べて、前立腺肥大症だけに関して言えば、需要が4倍も増したことになります。

その理由は2つあると思われます。

1つは平均寿命が延びたという事です。40年前は今の20%でしたから、80%の人は前立腺肥大症ではなかったと言う事を考えれば、前立腺肥大症になる人は短命だと考えられます。

2つ目は、栄養状態が良くなったのが、前立腺肥大症の増殖を刺激しているのでしょう。つまり栄養状態良好が短命な前立腺肥大症の患者さんの延命効果があるとも言えます。

Bphpcaこのグラフは、前立腺肥大症の年齢別の発生割合と、前立腺ラテント癌の年齢別の発生割合を比較したグラフです。後輩に和田鉄郎先生の研究結果です。前立腺肥大症の割合が増えると、同調するようにラテント癌も増えています。前立腺肥大症と前立腺ガンは無関係と思われますが、何故、このようにガンが増えるのでしょうか?それには理由があります。

Bphstage前立腺の外腺は、胎児の初期の男性ホルモン上昇で始めて生まれます。出生直後に再び男性ホルモンが上昇して前立腺の内腺が生まれるのです。子供が成長して思春期に入ると、男性ホルモンが長期間高くなるので、前立腺が完成します。そして更年期前後から男性ホルモンが確実に低下していきます。その時期くらいから、前立腺肥大症の患者さんが増えます。

前立腺の外腺から見ると、次の環境です。

🔲ホルモンレベルでは、男性ホルモンの上昇が3回、明確な下降が1回の計4回です。(①〜④)

🔲物理的刺激は、⑤出産直後に内腺ができ、初めて外腺が圧迫されます。⑥思春期になり内腺が成長して外腺はさらに圧迫されます。⑦そして更年期前後から内腺が前立腺肥大症になり、さらに外腺は強烈に圧迫されるのです。

Bphstage2結果、外腺は生まれてから7回(ホルモン刺激4回+物理的刺激3回)も受け続けるのです。内蔵でこれほど刺激を受ける臓器があるでしょうか?結局、前立腺外腺からガン細胞が生まれるのです。

ただこの時点では、沈黙した悪性度の低いラテント癌ですが、では何故に死に至るような前立腺ガンになるのでしょうか?その理由は、排尿機能障害による前立腺に対する物理的負荷が、PSA値を高めてしまうため、ワンパターン思考の医師によって前立腺針生検をされ、8回目の強烈な刺激を受ける結果😱、死に至る悪性度の高い前立腺ガンに変身☠️させているのです。

 

 

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日米の前立腺ガンの比較

7498e69a9cc3438a95b2ad9c3efd6300日米の前立腺ガンの発生率(10万人当たり)年齢別の比較したグラフがこれです。こんなに格差のある前立腺ガンの多いアメリカでは、PSA検査を行うのを条件付きの制限を加えています。

何故、アメリカではPSA検査を日本のように自由にしなかったのか?実は、PSA検査はアメリカで考案・普及した検査です。PSA検査の考案者は、転移した前立腺ガンの状況を把握・確認するための検査として開発したのでした。ところが、『PSA検査で前立腺ガンを早期発見ができるかも知れない?』と考えた医師や企業が、PSA検査・検診を普及させたのです。

その結果、寿命に影響のない、治療の必要のないラテント癌を発見し、「そうら!ヤッパリ前立腺ガンですね!」と言って積極的な治療(前立腺全摘手術、放射線治療)、あるいは保存的治療を行いますが、患者さんは『癌だ!ガンだ!がんだ〜!』と常に神経症にさせてしまい、その後の人生のクオリティーが下げてしまうのです。

では何故、アメリカで開発したPSA検査が、アメリカで普及し、日本の3倍以上の人口のアメリカで、日本の7倍以上の前立腺ガン(3✖️7=21、実質的に日本の21倍以上)を発見したにも関わらず、アメリカではPSA検査を制限したのでしょう?その理由は政府の要請で、寿命に影響しない前立腺ガンを必要以上に発見し、治療することで患者さんの精神的・肉体的後遺症を作るので、患者さんにとっては統計的には不利益であると評価されたからです。

PSA検査を輸入した日本では、アメリカでの経過を無視して、日本独自の統計結果を優先して、「PSA検査!PSA検査!針生検!針生検!ガンだ!ガンだ!」と固執するのです。統計は研究者の意思により統計結果は容易に変えることができます。日本の泌尿器科学会が根拠にするヨーロッパの前立腺ガンPSA検診鯛規模調査ERSPC文献をよく読むと、結果は反対にも解釈できる中途半端な文献でした。

日本がPSA検査・PSA検診に固執するには、それなりの理由があるのです。アメリカでは前立腺ガンを除いても、泌尿器科の病気がはるかに多いのでPSA検査で前立腺ガンを発見しなくても、泌尿器科学会の収入ははるかに多いのです。ですから、アメリカ政府のPSA検査の評価に対して、簡単に受け入れたのでしょう。またアメリカは自由診療で治療の単価も高額なのです。例えば、盲腸の虫垂炎手術治療は一泊二日で100万円を超えます。でも日本では健康保険制度が確立し、また政府の決めた治療費の単価も安いのです。そして人種の違いにより泌尿器科疾患がアメリカに比べてはるかに少ないのです。せっかくPSA検査で泌尿器科がやっと注目を浴び、また健康診断や人間ドックの結果で泌尿器科に紹介される患者さんは今まではほとんどなかったのに、PSA検査のお陰で人気の診療科目になったのですから、それを泌尿器科学会が拒否するとは到底思えません。

 

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前立腺がんと大豆イソフラボン

米国がん学会で2005年(平成15年)に発表があった文献の内容をここでご紹介します。

Pcainvitroハーバード大学医学部とイソフラボンの会社(ニチモウ・バイオテックス(株))の共同研究の報告です。乳がん細胞と前立腺がん細胞を利用したイン・ビトロ(in vitro試験管・培養器)実験です。

乳がん細胞と前立腺がん細胞をそれぞれ培養器に入れ増殖させます。2つのグループに分け、そのまま増殖させるグループと、イソフラボンを注入したグループに分けるのです。そしてがん細胞の増殖の経過を観察したのです。

初めのグラフは、前立腺がん細胞の増殖率の比較です。通常に培養したコントロール群の増殖率を100%とすると、イソフラボン(Agly Max)群の増殖率は32.2%です。その差は何と67.8%にも及ぶのです。イソフラボンの培養液で育った前立腺がん細胞の増殖率は、通常のがん細胞の増殖率の3分の1になるのです。生体内でも同じ条件だとすれば、前立腺がんになってしまった患者さんがイソフラボン(Agly Max)を服用すれば、服用しない患者さんと比較して3倍長生きできることになります。乳がん細胞の場合も前立腺がん細胞とほぼ同じで、その差が63.9%でした。

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次に、前立腺がん細胞の培養中のアポトーシス(細胞の死滅)を比較すると、イソフラボンで培養した前立腺がん細胞のアポトーシス(細胞の死滅)率は20.7%でした。つまり培養したがん細胞の5分の1が死滅したのです。乳がん細胞のアポトーシス死滅率は16.5%でした。

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この実験のキッカケは、乳がんと前立腺がんの罹患率を比べると、アジア人の発症率が西洋人に比べてはるかに少ない事実からです。 その理由は何か?と考えた時に食習慣、特に大豆食品の摂取量に可能性を指摘されたのです。そして、大豆の摂取量が多いほど、これらのガンの発生率が低いのでした。当然、大豆の何らかの成分が、これらのガンの発生率を抑えていると考えられたのです。大豆と言えば、イソフラボンです。

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上のグラフは乳がんで下のグラフは前立腺がんの日米比較のグラフです。この両方のグラフを見ると、日本と比較してアメリカでは、断トツにそれぞれの癌の発症率は高いのです。

これから分かるように、納豆・味噌汁などの大豆食品の摂取している日本人の方が、はるかにガンの発生率は少ないのです。しかし、最近の日本人の食習慣も変わり、毎日納豆を食べ味噌汁を飲む人は少なくなってきています。それから考えると、徐々に乳がんも前立腺がんも次第に増加してくるでしょう。

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これらのサプリメントを服用すれば、抗がん剤を服用しなくても、ガンの成長や勢いや増大をある程度抑える可能性があると考えられます。神経質でガン神経症の人にはオススメです。このページでご紹介した大豆イソフラボンは、ニチモウ・バイオテックス(株)のアグリマックスというサプリメントです。乳がんや前立腺がんの患者さんやこれらの病気の疑いをかけられている人は、このサプリメントをオススメします。ご希望の方は、右のパンフレットをお読みください。

http://draglymax.jp/

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原因不明の痛み症候群

泌尿器科の病気で、原因不明のために、患者さんが苦しむ病気がいくつもあります。痛み症候群(私の造語)として解説致します。

❶膀胱疼痛症

❷前立腺痛症

❸うっ血性慢性骨盤疼痛症候群

❹陰部疼痛症

❺間質性膀胱炎

❻慢性前立腺炎

今、パッと思いつく病気は上記の通りです。どの病気も、原因が明確に確定されず原因治療ができないので、どんな痛み止め(鎮痛剤)を処方しても、当然のように治りません。

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開業医ななって30年間に、痛みで苦しんでいた上記の患者さんをたくさん拝見しました。私のブログでもいくつも症例をご紹介しました。その患者さんの多くに排尿機能障害が認められました。しかし、多くの患者さん自身が排尿機能障害を自覚してはいないのです。私の造語、いわゆる「隠れ排尿障害」です。

具体的な症例として下記のブログをご覧ください。

①痛みでアメリカから来院したご婦人 http://hinyoukika.cocolog-nifty.com/cc/2018/06/post-9fc5.html

②痛みで徳島から来院した男性 http://hinyoukika.cocolog-nifty.com/kobore/2019/04/post-6fa87c.html 

③痛みで苦しむ娘さんをお連れになったお父さん http://hinyoukika.cocolog-nifty.com/kobore/2018/08/post-3fd3.html 

④1日3回の激痛が大学病院で治らず来院したご婦人(学会報告の症例1) http://hinyoukika.cocolog-nifty.com/cc/2008/04/2008_4cfc.html

医師は患者さんが訴えなければ、排尿機能障害を調べようとも治療しようとも考えないのです。患者さんの訴える自覚症状だけに注目・固執して治療するので、患者さんは当然治りません。

患者さんが自覚しない程度の排尿機能障害は、検査・治療の「必要なし・問題なし」と医師が勝手に判断してしまうのです。しかし、排尿機能障害の負担を評価するのは、患者さんの意思ではなく、患者さんの「体自身」なのです。患者さんが自覚しない病変を医師が「問題なし」と判断すること自体が「問題」なのです。

例えば失恋しても、次々に恋愛を繰り返す人もいれば、たった一回の失恋で自殺する人もいます。病気の状況を診断基準だけで単純にに判断してはいけないのです。病気の状況を判断するのは、体なのです。医師の常識が誤診や原因不明を生むのです。患者さんが自覚していない=病気の原因ではない、と思い込んでいる医師の誤解が、痛み病気症候群を治せないでいるのです。病気の程度が問題ではなく、それに反応する脊髄神経回路=ソフトウェアの個性の問題なのです。

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目の前の患者さんは単純な生命体=単細胞生物=例えばミドリムシではありません。超複雑な精密ロボットだと思って診察しなければならないのです。目の前の表面的な症状だけに惑わされずに、裏の隠れた症状も推理しなければなりません。

 

 

 

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痛みで苦しむ徳島の患者さん

私の著書を読み、徳島県から男性患者さんが娘さんと二人で来院されました。陰部と会陰部の強い痛みと肛門の痛みで苦しんでいた患者さんです。

平成30年11月に血尿認められ、地元の内科医で膀胱炎と診断され抗生剤を処方されました。その後、陰部・会陰部の痛みが出てきて、次第に強くなり、12月には救急車で搬送されました。救急病院で精密検査を行いましたが、「異常なし」でした。

その後、地元の市民病院で痛みの原因を調べたところ、超音波エコー検査で膀胱腫瘍(癌)の初期が偶然にも発見され、平成31年1月に手術(経尿道的膀胱腫瘍切除)を行いました。

Pain37115m72ところが、膀胱腫瘍を治療したにもかかわらず、問題の痛みが治りません。主治医に相談しても「分かりません」「貴方の気のせいです」「慢性前立腺炎でしょう?」と冷たく対応されてしまいました。この悩み解決のために、内科、肛門科、泌尿器科合わせて10軒以上も診察・検査したが、痛みの原因は分りませんでした。

たまたま友人に紹介された私の著書を書店で取り寄せ、本の内容と自分の病状が一致したことに驚き、3回も読んでしましました。そして当院に来院されました。

Pain37115m72pp早速、超音波エコー検査を行いました。パット見て分かりにくい所見です。膀胱出口に白く硬化像が確認できます。

一番気になる所見が、膀胱縦走筋と前立腺結石の区別がつきにくい所です。一つの塊に見えます。当然、排尿機能障害の結果です。また、膀胱括約筋も白く肥大しています。これもまた排尿機能障害の結果です。当然、膀胱三角部が肥大・変形しますから、膀胱三角部が過敏になり、この患者さんの苦しみである原因不明の痛みになったのです。

排尿障害治療薬と頻尿治療薬で治療を開始しました。1ヶ月後に症状が軽快したかどうか、連絡を楽しみです。

【備考」

この患者さんが来院したのが4月23日(火)でした。4月25日(木)に電話があり、痛みが50%になったという喜びの電話でした。何と!クスリを服用して3日目には症状が改善したのでした!

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新書の出版後、80代の患者さんがたくさん

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1月に新書が出版されてから、全国から80歳過ぎの平均年齢を超えた高齢者がたくさんお越しになっています。

 

今週の4月15日〜20日の6日間だけでも、表のように80歳代の新患の患者さんが4人もおいでになりました。

川崎から81歳の方は頻尿が治らず、地元の泌尿器科を受診しても異常なしと診断されていました。エコー検査で確認すると膀胱頸部硬化症でした。所が頻尿とは無関係に前立腺ガンを発見しました。偶然でラッキーでした。

逆にPSAが高いことで杉並区から来院された82歳の患者さんは、膀胱頸部硬化症が原因の排尿障害でPSAが高いだけでした。

青森から来院された80歳の方も頻尿で、やはり膀胱頸部硬化症でした。

ポイントは、頻尿、PSA値の高値、膀胱頸部硬化症、前立腺ガンであり、この4つの組合せのいろいろな症例でした。ワンパターンで患者さんを診察してはダメなのです。

 

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高橋クリニック「休診のお知らせ」

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院長の高橋知宏が、慢性腎不全という大病したため、当分の間、診療は午前中だけです。

 

また、院長が精密検査のため、大学病院に受診することがあり、臨時休診することがあります。
初診の患者さんは、事前に高橋クリニックにお電話で、休診日を直接ご確認ください。ご迷惑をおかけします。Img_0006

6月29日(土曜日)は、京都の研究会に出席するため、正午12時前には診療を終えます。

診察希望の方は、午前11時までにお越しください。

当院の夏休みは、

8月9日(金曜日)〜8月12日(月曜日)、

8月16日(金曜日)〜8月18日(日曜日)です。

8月13日(火曜日)〜8月15日(木曜日)は午前中のみの診療になります。

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本当はこわい排尿障害

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ついに2019年1月17日から私の書いた新書「本当はこわい排尿障害」が販売になりました。

私の治療で軽快した患者さんが実は作家で「先生のユニークな考え方をもっと公開すべきだ」と言って出版社を紹介し、トントン拍子に出版されることになりました。
ご覧のようにクリニックの受付けカウンターに置いています…さてさて売れるでしょうか?たくさんの人に読まれることで、多くの悩まれる患者さんが救われる筈です。
Amazonでもご購入できます。

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膀胱・直腸の違いで分かる病気の本質

膀胱と直腸は、元々は同じ臓器だったのです。
以前にも、膀胱の発生学的構造について解説しました。そこでおさらいです。

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まずは、胎児の4週の時点で、膀胱の基礎が出来上がります。それが、「総排泄腔」です。その形はとてもシンプルです。総排泄腔の前に「へその緒」が繋がっています。総排泄腔の前後の真ん中辺りにクビレが生じます。これを「尿直腸中隔」と呼びます。イラストでは「中隔」と示しています。
胎児の6週に成ると中隔というクビレがドンドン深くなっていきます。深くなるに連れ、総排泄腔の前は膀胱に、背後は直腸になろうと変形します。つまり、膀胱と直腸は、発生の途中では同じ臓器だったのです。ですから、出産後に成長して成人になれば、別の臓器と思われますが、神経的には脊髄神経で繋がっている方もおられます。その証拠に、膀胱炎になると便意を催すヒトもいれば、下痢すると頻尿になるヒトも存在します。
胎児の7週に成ると、尿直腸中隔は完成して膀胱と直腸は完全に分離独立します。膀胱の末端は、体壁皮膚の外側まで通過して「尿道」になります。胎児の11週には男性の場合は、この尿道から芽が出て、それが「前立腺」になります。背後の直腸は、大腸(S字結腸)の末端と接続して、大腸は直腸まで連続します。

ここまで見ると、膀胱も直腸も、ほぼほぼ同じ臓器です。何が違うかと言うと、膀胱は腎臓・尿管と繋がり尿を溜め排泄し、直腸は消化器官末端の大腸と繋がって大便の通り道です。尿管の粘膜細胞である移行上皮が膀胱の粘膜として広がり、大腸の粘膜細胞の円柱上皮が広がり直腸の粘膜になるのです。最初は同じ臓器なのに、粘膜細胞は異なるのです。
さて、ここで疑問が生じます。オシッコが出なくなる「神経因性膀胱」の原因は、膀胱の力が無くなったから尿が出なくなると言われています。しかし、直腸の力が無くなったから大便が出なくなる病気は存在しません。もともと直腸には、そのような力がある構造でもなく、大便の塊を腹圧をかけて押し出す際に、便意を感じてチョコっと力を補助するだけです。直腸の筋肉はただ単に蠕動(ぜんどう)運動するだけです。膀胱もほぼ同じで、尿を溜める時に膨らみ、尿を出す時に一滴も残らず閉じるだけの力があればよく、肝心の排出力は腹圧をかけて尿が出るだけです。ではどうして、「神経因性膀胱」という病気で尿が出なくなるのでしょうか。それは、生まれは同じ双子の臓器ですが、膀胱出口の構造が直腸の出口よりもシンプルではないからです。

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ここで、先ず直腸の出口=肛門の仕組みを見てみましょう。内〇〇括約筋と外〇〇括約筋が隣り合わせで接しています。排便の際には、外〇〇括約筋が開きますが、内〇〇括約筋は軽く収縮します。なぜなら、直腸の縦走筋と協力して、直腸を漏斗状に姿を変えて大便が出やすくするのです。ここで容易に分かることは、内〇〇括約筋が頑張っても骨格筋である外〇〇括約筋には負けてしまうので肛門は容易に開くのです。

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直腸と比較すると、膀胱の出口は少し複雑です。
内〇〇括約筋と外〇〇括約筋が上下に位置しているのです。
排泄物が液体の膀胱の場合は、直腸と同じに隣接していると、尿が漏れ出てしまうからです。しかし、排尿時は、直腸と同じ動きをします。外〇〇括約筋が開こうとすると、内〇〇括約筋が収縮して同時に膀胱縦走筋が収縮します。その相互作用で膀胱の頸部は漏斗状に姿を変えて排尿しやすくなります。
ところが、直腸と違い、内と外〇〇括約筋が上下に位置していて、外〇〇括約筋の力が内〇〇括約筋に十分な伝わりません。そのため、微妙なバランスで内〇〇括約筋が開くことになります。もしも、このバランスが乱れれば、内〇〇括約筋は十分に開かず、排尿障害になるのです。

つまり、直腸は内〇〇括約筋と外〇〇括約筋が並行に位置し、膀胱は内〇〇括約筋と外〇〇括約筋が縦に位置しているのです。力の強さは、骨格筋・随意筋である外〇〇括約筋の方が、内臓筋・不随意筋である内〇〇括約筋よりもはるかに強いのです。ですから、並行に並んでいる直腸の場合は、内〇〇括約筋は外〇〇括約筋の言いなりです。そのため、外〇〇括約筋が開くと内〇〇括約筋が容易に開いてしまうのです。しかし、ある程度の距離を置いて縦に並んだ膀胱の場合は、内〇〇括約筋が自己主張するので、外〇〇括約筋の言いなりにならないのです。その程度は、歳を重ねるごとに強くなり、また男性の場合は前立腺が大きくなるほどに強くなるのです。

便秘などの大便の出が悪いのは、大便の固さに問題があるのです。しかし尿は液体ですから、出の悪さは膀胱出口の開閉だけに依存しています。内尿道括約筋(膀胱括約筋)と外尿道括約筋の連携プレイが問題になるのです。神経因性膀胱は膀胱全体の筋肉の力がないからと言うのは「嘘」です。『治らないんだ😞』と詐欺被害者になってしまいます。騙されてガッカリしないでください。ですから、神経因性膀胱などの治療には、内尿道括約筋を緩める薬や手術で内尿道括約筋をカットしてあげればいいのです。

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医療サイトの投稿原稿#12 「痛みで悩むご婦人」

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アメリカ在住の30代のご婦人が、2017年の9月から、夜間に突然、陰部がとても痛くて目が覚めました。陰部全体の痛みと尿道が引っ張られるような痛みです。これ以降、毎晩起こる痛みのため不眠症になってしまいました。
地元アメリカで、泌尿器科・婦人科などいろいろな医師を受診し、治療を受けましたが治りません。何回も通院すると、医師に見放されたような態度を取られてしまいました。患者さんは、そのような状況になってもくじけないで、インターネットで情報をいろいろ収集しました。その中で、私の書いているブログ記事をたまたま発見したのです。
地元のアメリカでは、私の推薦するクスリを調達できなかったので、日本にいる家族に連絡して、α-ブロッカーのエブランチルを送ってもらい服用してみました。すると、今まで自覚していなかったオシッコの出が良くなったのです。痛みには、それほど効き目がありませんでしたが、私の理論が正しいことを実感したのでした。

その後、日本に帰郷して、関東近県の地元の内科の先生に、無理にお願いして、お祖父さんにフリバスを処方して頂き、それを服用を始めました。すると、どうでしょう!あれほど苦しんでいた痛みが無くなり、夜グッスリと眠れるようになったのです。地元の内科の先生も、その話しを聞いて驚いたそうです。
日本滞在中に私の診療所へ受診しようと、2018年6月末に来院されました。
早速、エコー検査をすると、写真のように膀胱縦走筋(膀胱排尿筋)の走行が、膀胱出口に向いていません。当然、膀胱三角部が厚くなっています。厚さが約7mmです。正常は2mmです。厚さ2mmで排尿回数5回が正常だとすると、7mmだと、オシッコの回数は15回〜18回のはずです(私の自論展開)。しかし、この患者さんの排尿回数は、1日たったの4回でした。
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膀胱三角部で作られた頻尿のエネルギーがまったく表現されていません。これは、患者さんの脊髄神経回路の特性によるものです。しかし、脊髄に送られた情報(エネルギー)をそのまま貯めておくことはできません。そこで、脊髄が新たな神経回路を形成したのです。それが「痛み」症状なのです。
フリバスは、前立腺肥大症の治療薬でお馴染み、排尿障害治療薬のα1-ブロッカーです。もちろん保険適応外ですが、膀胱出口の緊張をゆるめ、男女関係なく排尿障害の治療に役立ちます。また、α-レセプターは、膀胱出口ばかりでなく膀胱三角部にもありますから、膀胱三角部の興奮もフリバスで抑えられたのでしょう。また、排尿障害のため振動して硬くなった膀胱出口も、膀胱三角部と同じくセンサーが形成されるので、膀胱出口の情報も脊髄を介して痛み症状になったのです。
このような症例に遭遇した場合、一般的には①頻尿症状がなければ、陰部疼痛症・うっ血性骨盤疼痛症候群、②頻尿症状があれば、過活動膀胱・間質性膀胱炎・膀胱疼痛症候群、③子宮筋腫があれば、子宮筋腫の関連痛、④他に症状がなければ、陰部神経症と診断されるのが「落ち」でしょう。病気の症状発現のためには、「ブラック・ボックス」である脊髄神経回路が介入していることを医師は肝に銘じるべきです。
また、この患者さんはフリバスで痛みが消失しましたが、不十分な場合、炎症による痛みではありませんから、通常の痛み止め(ロキソニンなど)は無効です。脊髄中枢の「痛み回路」抑制効果のある、リリカ・トラムセットが有効です。

フリバスは地元の内科の先生に継続して処方いただき、さらに膀胱三角部を的確に抑えるベタニスを追加で処方しました。

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医療サイトの投稿原稿 「神経因性膀胱が治らないと言う誤解」

 膀胱の収縮力低下の結果、オシッコが出なくなる病気を「神経因性膀胱」と呼びます。
一般的に泌尿器科の医師は、男性で前立腺が大きくなく残尿量が多ければ、神経因性膀胱と診断します。また、女性の場合でも残尿量が多ければ、やはり神経因性膀胱と診断します。その理由は、排尿障害の明確な原因がなく、単純に膀胱の収縮力が低下しているからだとされます。そして、脊髄神経や脳の精密検査を行い、脳梗塞の後遺症だ、椎間板ヘルニアの影響だ、二分脊椎だ、馬尾神経障害だ、過去の骨盤内手術の後遺症だなどを理由に、「治りません」と結論づけるのです。
治療手段は、「生涯に渡って膀胱カテーテル留置か、毎日何回もの自己導尿しかありませんね。」と告げるのです。ここには、病気を治そうと努力する医師の姿が一かけらも見えません。
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このイラストは、排尿の際の膀胱周囲の物理的力を表現しています。
① 自分の意志で尿道括約筋が開く
② 呼応して自動的に自律神経で膀胱括約筋が開く
③ 蓄尿の重量(重力)
④ 膀胱が収縮する
⑤ 臓器の総重量(重力)がかかる。
⑥ 腹筋・腹圧がかかる
以上の6つの要素で排尿します。
この中で、物理的力が一番強いのが腹筋・腹圧です。2番目が各臓器の総重量、3番目が膀胱収縮力です。その3番目の強さの膀胱収縮力が無くなったからと言って、オシッコが出なくなるでしょうか?どう考えても、他に原因があるとしか思えてなりません。
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ここで、簡単にできる実験をお示しします。
点滴のビニール・バック溶液に着色し、点滴を全開にします。5分後、中身は空っぽになります。当たり前の光景です。点滴バックに外から圧力は掛かっていません。点滴を全開にしたので、溶液の重量(重力)で空っぽになっただけです。これから考えれば、膀胱の収縮力が欠如しても、膀胱出口が十分に開いていれば、オシッコは完全に出るはずです。まして腹筋・腹圧、臓器の重さ、畜尿の重さの三つの力が働くのですから、オシッコが出ない訳がありません。結局、オシッコが出ない神経因性膀胱の原因は、膀胱出口が十分に開かないためです。尿道括約筋は、骨格筋・横紋筋で自分の意志で開きます。しかし、膀胱括約筋は内臓筋・平滑筋の自律神経支配で自分の意志では開くことが出来ません。あくまでも尿道括約筋と連動してオートマティックに膀胱括約筋が開くのです。神経因性膀胱の患者さんは、このオートマティックが故障していると考えられます。その原因として、膀胱出口が硬くなってしまった膀胱頚部硬化症や前立腺肥大症が考えられます。
膀胱出口を開くための自律神経支配のオートマティックを直すことは出来ませんが、膀胱出口を緩めたり開くことは可能です。
① 保存的にはαブロッカー(エブランチル・ハルナール・ユリーフなど)を利用して膀胱出口の緊張を緩める。
② 前立腺肥大症の硬さを柔らかくするために抗男性ホルモン剤(アボルブ・プロスタール)を投与する。
③ 保存的治療で改善が得られなければ、外科的治療・経尿道的内視鏡手術を行い、膀胱出口を円錐状・漏斗状に開放する。膀胱括約筋と尿道括約筋は、男性で3㎝~4㎝、女性で2㎝の距離があるので、術後の尿失禁の心配はない。
神経因性膀胱を専門とする医師は、膀胱内圧測定や筋電図などを駆使して、神経因性膀胱を次のように分類します。
1弛緩性膀胱、2無抑制膀胱、3過活動性膀胱、4排尿筋括約筋協調不全
これらの分類は、ダメになり疲弊した膀胱の現状を分類しているだけで、患者さんの悩みや苦しみに対して何の解決にもなりません。
貯水タンクから水の流出がなければ、タンクの排水口が何かで詰まったと考え、排水口を点検・清掃して修理するでしょう。貯水タンクに収縮力がないから流出しないとは思いませんね。それと同じで、自己導尿して尿の排出できるのに膀胱収縮力がないからと診断するのは見当違いです。

【医療関係読者からの感想】

また、以下には高橋先生の記事の感想をいただきましたので、一部を記載させていただきます。
記事は全体の89.8%の方が満足していると回答しており、


・眼前の患者に診断をつけたら終わりではなく、病態生理を突き詰めてどうしたらその症状を改善できるかという、医療の根本姿勢を考えさせられるお話でした。
・明日からの外来で、患者への説明と頻尿への治療に役立てたいと思います。ありがとうございました。
・以前からブログを拝見し勉強させていただいてます。
・ぜひ継続してください もっと勉強したいです
・他科の医師としてとても勉強になりました。
・専門外ですが患者さんから相談されることがありますので、大変参考になりました。
・神経因性膀胱の診断でも膀胱出口が硬くなってしまった膀胱頚部硬化症や前立腺肥大症があることに今まで気づいておらず中々薬の効果が出ない人がいると思っておりました。とても参考になりました。

などのお声をいただいております。
今後の執筆のモチベーションにしていただけますと幸いです。

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慢性前立腺炎と慢性膀胱炎の見方

Lutsimg
この記事は、泌尿器科の専門医に読んで頂きたいですね。

慢性前立腺炎の症状は、下部尿路症LUTS (Lower Urinary Tract Syndrome)の一部です。他には、前立腺肥大症、慢性膀胱炎、過活動膀胱、間質性膀胱炎、膀胱疼痛症などです。

これら下部尿路症の症状の中心にあるのが、膀胱の症状です。頻尿、残尿感、痛み、下部尿路周辺の痛み・痒み・シビレ・不快感です。この症状の組合せによって、病気が決まると考えます。例えば、
①前立腺肥大症は、尿の出が悪くて、頻尿や夜間頻尿があって、前立腺が大きい場合です。
②慢性前立腺炎は頻尿・痛みがあって、前立腺が小さく年齢も比較的若い場合です。
③慢性膀胱炎は頻尿・残尿感があって、年に何回も症状が起きて、尿検査で白血球や常在菌が発見される場合です。
④過活動膀胱は頻尿・尿意切迫感があって、検査に異常がない場合です。
⑤間質性膀胱炎は頻尿・痛みがあって、膀胱粘膜に異常所見が認められた膀胱です。
⑥膀胱疼痛症は痛みが主で、ハッキリした原因かない膀胱です。

どうですか?このように並べて比較すると、症状は、ほぼほぼ同じで、チョッとした検査結果の違いにしか見えませんね?症状の作成の元は膀胱ですが、原因の違いによって症状の違いが出るのではなく、膀胱を神経支配している仙骨神経の仙髄2番〜仙髄4番レベル(人によっては腰髄4番〜仙髄5番)の神経回路が作る違いです。
Blackbox
症状の多様性は、膀胱と排尿障害の程度と脊髄神経回路との組合わせの結果です。それが、病気の多様性を作るのです。排尿障害が強くて前立腺が大きいと前立腺肥大症、前立腺が大きくないと神経因性膀胱、前立腺のないご婦人も神経因性膀胱と診断されます。排尿障害はそれ程でもなく前立腺が小さいと慢性前立腺炎、前立腺のないご婦人の場合は過活動膀胱、頻尿と痛みで間質性膀胱炎、痛みだけだと膀胱疼痛症と診断されます。

慢性前立腺炎の患者さんは、医師が「炎症」と言う固定観念に縛られて、ひたすら炎症を抑えるクスリ、抗生剤・抗菌剤・セルニルトン・エビプロスタットを処方するのです。しかし、慢性前立腺炎の本質は排尿障害と膀胱の過敏さですから、炎症の治療で治る訳がありません。積極的に排尿障害の治療と膀胱刺激症状の治療をすればいいのです。

排尿障害による慢性膀胱刺激の患者さんは、定期的に頻尿や残尿感などの膀胱の症状が出現し、さらに尿検査で白血球やバイ菌が確認されるので、膀胱「炎」と誤診断されます。

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膀胱の構造から考えた治療の選択肢

Lutstherapy
慢性前立腺炎や間質性膀胱炎などの下部尿路症の主な原因は、患者さん本人が気付いていない排尿障害です。
機能性排尿障害が、膀胱括約筋を肥厚させ、さらに強い器質性の排尿障害になります。
それと同時に膀胱三角部が肥厚・過敏になります。
膀胱出口の膀胱括約筋と膀胱三角部が肥厚して排尿障害が強くなるため、膀胱体部にも負担が掛かります。
膀胱括約筋のスイッチである受容体は、α1受容体ですから、治療薬はα1ブロッカーのユリーフ、ハルナール、フリバスです。
膀胱三角部のスイッチである受容体は、β3受容体ですから治療薬はβ3作動薬であるベタニスです。
膀胱体部のスイッチである受容体は、ムスカリン受容体ですから、治療薬は抗コリン剤のベシケアなどです。
下部尿路(膀胱・前立腺・尿道)の慢性的病気は、この膀胱括約筋と膀胱三角部と膀胱体部の三つ巴で作られる症状です。ですから、α1ブロッカーとβ3作動薬と抗コリン剤の3つを駆使すればいいのです。

Recepter3type
ところが、この理論で治療しても、すべての患者さんがスッキリ、ピッタリと治る訳ではありません。
なぜなら、平滑筋に作用するスイッチである受容体は、万人が常に均一均等に配分している訳ではないからです。膀胱括約筋=α1受容体、膀胱三角部=β3受容体、膀胱体部=ムスカリン受容体とデジタルにキッチリと配分しているとは限りません。
イラストのグラフで示すように、人によって、受容体の分布配分が様々です。
私なら、まずはα1ブロッカーを投与します。早めに結果を出す時や患者さんの症状が強い際には、β3作動薬を併用します。この処方で大方8割の患者さんは症状が軽快します。
一部の患者さんでは、効果がイマイチの場合があります。その場合には、α1ブロッカーの種類を変えるか、抗コリン剤を併用します。

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排尿障害が原因のいろいろな病気

医師になって約40年(正確には39年)、それまで蓄積した臨床体験から、一見、排尿障害と無関係に思える病気の原因が、排尿障害と密接に関係している事が分かりました。
原因を分かりにくくしているのが、膀胱や前立腺を神経支配している、脊髄神経回路だったのです。
Lutsgroup
脊髄神経回路は、人によってさまさまな症状を作ります。医師は、その神経回路の様子を想像出来ませんから、たくさんの原因不明の病気を創るのです。その発想の貧弱さが、結局は患者さんたちを苦しめて来たのです。

①排尿「機能障害」→膀胱括約筋の肥大・膀胱三角部の過敏

②膀胱括約筋の肥大→排尿障害の悪化→前立腺に負担→前立腺肥大症→排尿障害がさらに悪化

③前立腺に負担→PSA値の上昇→前立腺癌を疑われる→前立腺針生検

④膀胱に負担→膀胱の疲弊→膀胱の弛緩→神経因性膀胱→治らない病気と誤解

⑤膀胱の疲弊→膀胱の萎縮→間質性膀胱炎→水圧拡張術→さらに萎縮が進む

⑥膀胱三角部の過敏→神経回路の興奮→❶慢性前立腺炎❷慢性膀胱炎❸過活動膀胱❹膀胱疼痛症❺慢性骨盤疼痛症候群❻線維筋痛症❼舌痛症❽慢性胃痛症❾幻臭症➓坐骨神経痛→気のせいと誤解

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医療サイトの投稿を断念

私が契約した医療サイトに、1月から12篇も投稿しているのに、未だ4篇しか公開されていません。
そこで、質問メールを送ったところ、下記の回答が寄せられました。

-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
高橋知宏先生 御侍史

平素より大変お世話になっております。
いつも○○○○への投稿、誠にありがとうございます。

10月のサイトリリースに合わせまして、
改めて原稿を確認し、読者からのご意見を元に掲載基準の見直しを行いました。

その結果ですが、大変申し訳ありませんが
「古代医師の地位」の原稿以外は掲載は見送らせていただきます。

○○○○は様々な医療従事者が閲覧されるメディアであり、医療従事者といえども読者の前提知識は揃っておりません。泌尿器科の医師と他科の医師、コメディカルなど読者の職業や専門により、曲解され、それが日常の臨床行為に影響する可能性があります。そのため、臨床内容に関しての仮説や私見の掲載は、正誤にかかわらず本サービスでは控えさせていただきます。

またもう1点お問い合わせいただいておりました
「古代医師の地位」につきましては、閲読数は約2,600程度となります。サイトの移行完了後は週次で閲読数などのレポートは執筆者の皆様に配信いたします。お待たせをしておりまして誠に申し訳ございません。

また何かございましたらご連絡くださいませ。今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。
-------------------------------------------------------
○○○○編集部 ○○○○
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-

○○○○編集部 ○○○○ 様
ご返信ありがとうございます。
私なりに思う事があり、掲載させて頂きます。

私の投稿内容の影響を一般の素人ではなく、医学知識を十分お持ちの、医師をはじめとする医療関係者に対する、このような「…曲解され…」可能性発言は、本当に上から目線の発言としか思えません。ある意味で、貴社のサイトの視聴者に対する侮辱です。専門外とはいえ、医学情報に対してご自分でお読みになり、理解して正否を判断する筈です。それを盲目的に信じて実行する訳がありません。この表現は、群れを成して突き進む牛や豚・羊に対する侮辱表現です。
Img_1401
初めての投稿の際に、現在の医療常識を別の観点から見れば、新たな病気の解決策が見つかるという私の信念をお認め頂き、さらに偏った内容の投稿を採用して頂き、とても喜んでいました。それまでの4つの投稿に対して、サイトの医療関係者の視聴者から頂いた多くの感想にも励まされました。
恐らく、貴社の方針の変更で、下記のようなメッセージを送られたのでしょう。貴社の中心的存在である医療関係者の指示でしょうか?収集した文献やデータから研究者の意向で作り上げた知識だけに固執した医療関係者によくある考え方です。患者さん一人一人を十分に診もしないで、数字やデータだけで統計を取るワンパターン思考の人間が多いのです。そのような見知らぬ人の作ったエビデンスに固執した人間は、私のように無名の非常識な意見に対しては、本能的に合わないのです。

沢山の患者さんの臨床経験や体験を元に閃めいた知識を元に、患者さんを助けようとする無名の医師の知恵よりも、世界的名声や権力を持った研究者や医師たちの作り上げた、固定観念に縛られたデータや文献を信じて止まないのです。「長い物に巻かれろ」的な小心者的配慮です。

医学の歴史上、常識からの進歩はありませんでした。コルトコフの発見した血管雑音しかり、種痘しかり、聴診器しかり、産ジュク熱しかり、脚気の原因を発見した高木兼寛先生しかり、常識菌であったピロリ菌しかり、アメリカでの否定されたPSA検査の有効性しかりです。既にある知識に執着・固執する事が、患者さんに不利益を与える犯罪とも言えます。

私は、これまでに日本泌尿器科学会総会、東部総会、城南地区(目黒区・世田谷区・品川区・大田区)泌尿器科講演会、大森医師会研究会などで、十数回も講演・発表しています。その際に、視聴者からの感心こそあれ、否定されたことはありません。つまり、非常識な知識を公開している訳ではありません。

私はブログを10サイト持ち、各種の病気に関する私の考えや検査結果・治療成果を正直に公表しています。そのため、常識的な治療で治らない多くの患者さんが、北は北海道から南は九州・沖縄まで、中には海外からもたくさんお越しになります。その患者さんの時間と交通費のことを考えたら、病気が治っても、ある意味で患者さんには時間と金の無駄使いという不利益です。医療サイトを介して、私の突拍子もない考えをヒントに、全国の医療関係者が、自分なりに消化吸収し理解して、地元の悩まれている患者さんを助けて頂ければと思い投稿したのです。
しかし、このような返信内容では、私の信念を曲げてまで、貴社に平服して、これ以上投稿する気持ちが無くなりました。今後一切の投稿は致しませんので、ご了承ください。

【備考』
ちなみに、投稿原稿は下記の通りです。

投稿日 テーマ
1   PSAが高くなる理由
2   三つの膀胱炎
2/25 オシッコの臭いで悩む若者
3/11 神経因性膀胱が治らないという誤解
3/25 古代医師の地位
4/8 前立腺癌の自然増加
5/3 前立腺針生検の弊害
5/27 ひとりの体に二人の自分
6/13 更年期とコレステロール
6/21 禁句「病は気から」
7/10 痛みで悩むご婦人
7/27 治る病気と治らない病気

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あるサイトの投稿を断念

私が契約した医療サイトに、1月から12篇も投稿しているのに、未だ4篇しか公開されていません。
そこで、質問メールを送ったところ、下記の回答が寄せられました。

-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
高橋知宏先生 御侍史

平素より大変お世話になっております。
いつも○○○○への投稿、誠にありがとうございます。

10月のサイトリリースに合わせまして、
改めて原稿を確認し、読者からのご意見を元に掲載基準の見直しを行いました。

その結果ですが、大変申し訳ありませんが
「古代医師の地位」の原稿以外は掲載は見送らせていただきます。

○○○○は様々な医療従事者が閲覧されるメディアであり、医療従事者といえども読者の前提知識は揃っておりません。泌尿器科の医師と他科の医師、コメディカルなど読者の職業や専門により、曲解され、それが日常の臨床行為に影響する可能性があります。そのため、臨床内容に関しての仮説や私見の掲載は、正誤にかかわらず本サービスでは控えさせていただきます。

またもう1点お問い合わせいただいておりました
「古代医師の地位」につきましては、閲読数は約2,600程度となります。サイトの移行完了後は週次で閲読数などのレポートは執筆者の皆様に配信いたします。お待たせをしておりまして誠に申し訳ございません。

また何かございましたらご連絡くださいませ。今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。
-------------------------------------------------------
○○○○編集部 ○○○○
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○○○○編集部 ○○○○ 様
ご返信ありがとうございます。
私なりに思う事があり、掲載させて頂きます。

私の投稿内容の影響を一般の素人ではなく、医学知識を十分お持ちの、医師をはじめとする医療関係者に対する、このような「…曲解され…」可能性発言は、本当に上から目線の発言としか思えません。ある意味で、貴社のサイトの視聴者に対する侮辱です。専門外とはいえ、医学情報に対してご自分でお読みになり、理解して正否を判断する筈です。それを盲目的に信じて実行する訳がありません。この表現は、群れを成して突き進む牛や豚・羊に対する侮辱表現です。
Img_1401
初めての投稿の際に、現在の医療常識を別の観点から見れば、新たな病気の解決策が見つかるという私の信念をお認め頂き、さらに偏った内容の投稿を採用して頂き、とても喜んでいました。それまでの4つの投稿に対して、サイトの医療関係者の視聴者から頂いた多くの感想にも励まされました。
恐らく、貴社の方針の変更で、下記のようなメッセージを送られたのでしょう。貴社の中心的存在である医療関係者の指示でしょうか?収集した文献やデータから研究者の意向で作り上げた知識だけに固執した医療関係者によくある考え方です。患者さん一人一人を十分に診もしないで、数字やデータだけで統計を取るワンパターン思考の人間が多いのです。そのような見知らぬ人の作ったエビデンスに固執した人間は、私のように無名の非常識な意見に対しては、本能的に合わないのです。

沢山の患者さんの臨床経験や体験を元に閃めいた知識を元に、患者さんを助けようとする無名の医師の知恵よりも、世界的名声や権力を持った研究者や医師たちの作り上げた、固定観念に縛られたデータや文献を信じて止まないのです。「長い物に巻かれろ」的な小心者的配慮です。

医学の歴史上、常識からの進歩はありませんでした。コルトコフの発見した血管雑音しかり、種痘しかり、聴診器しかり、産ジュク熱しかり、脚気の原因を発見した高木兼寛先生しかり、常識菌であったピロリ菌しかり、アメリカでの否定されたPSA検査の有効性しかりです。既にある知識に執着・固執する事が、患者さんに不利益を与える犯罪とも言えます。

私は、これまでに日本泌尿器科学会総会、東部総会、城南地区(目黒区・世田谷区・品川区・大田区)泌尿器科講演会、大森医師会研究会などで、十数回も講演・発表しています。その際に、視聴者からの感心こそあれ、否定されたことはありません。つまり、非常識な知識を公開している訳ではありません。

私はブログを10サイト持ち、各種の病気に関する私の考えや検査結果・治療成果を正直に公表しています。そのため、常識的な治療で治らない多くの患者さんが、北は北海道から南は九州・沖縄まで、中には海外からもたくさんお越しになります。その患者さんの時間と交通費のことを考えたら、病気が治っても、ある意味で患者さんには時間と金の無駄使いという不利益です。医療サイトを介して、私の突拍子もない考えをヒントに、全国の医療関係者が、自分なりに消化吸収し理解して、地元の悩まれている患者さんを助けて頂ければと思い投稿したのです。
しかし、このような返信内容では、私の信念を曲げてまで、貴社に平服して、これ以上投稿する気持ちが無くなりました。今後一切の投稿は致しませんので、ご了承ください。

【備考』
ちなみに、投稿原稿は下記の通りです。

投稿日 テーマ
1   PSAが高くなる理由
2   三つの膀胱炎
2/25 オシッコの臭いで悩む若者
3/11 神経因性膀胱が治らないという誤解
3/25 古代医師の地位
4/8 前立腺癌の自然増加
5/3 前立腺針生検の弊害
5/27 ひとりの体に二人の自分
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7/10 痛みで悩むご婦人
7/27 治る病気と治らない病気

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尿意の秘密

Oabnyoi
膀胱や前立腺の数々の病気を調べ研究して治療するに当たって、基本的な概念を明らかにする必要があります。その対象が「尿意」です。
泌尿器科学会で名だたる先生たちが唱える、尿意のメカニズムは次のようです。
まずは、膀胱の基本的構造をイラストで示しました。膀胱粘膜があり、その下に粘膜下組織、平滑筋層、神経組織のC線維があります。
Oabnyoi2
①オシッコがたまり膀胱が膨らむと、当然、膀胱粘膜が引き伸ばされます。
②すると、膀胱粘膜からATPやアセチルコリンなどのさまざまな「生物活性物質」が放出されます。
③それら生物活性物質が膀胱粘膜のすぐ下に存在するC線維を刺激して、それが脊髄神経回路に伝達されて尿意になるのです。
Oabnyoi3
もしも、この通りだとすると、説明できない現象があります。
頻尿や尿意切迫感を抑えるβ3作動薬のベタニスや抗コリン剤のベシケア・ステーブラ・トビエースなどは、膀胱の平滑筋を緩める働きがあります。そのお陰で、頻尿や尿意切迫感の患者さんが、オシッコを我慢できるようになるのです。しかし、もしそうだとしたら、平滑筋が緩み、膀胱がさらに膨らみ、膀胱の粘膜はなお一層伸びて、生物活性物質が大量に放出される筈です、すると、頻尿の尿意切迫感が強くならなければなりません。したがって、この理論は、間違いです。
Oabnyoi4
では、どのように考えればいいのでしようか?
ヒントは、β3作動薬や抗コリン剤が平滑筋にしか効かないことにあります。そして、平滑筋を緩める=尿意が低下する点にあります。平滑筋細胞は、細胞間が電気結合=ギャップ結合で繋がっていて、1個の細胞の情報がすべての細胞に伝わります。つまり、1個の細胞の意識が、すべての細胞の共通の意識になるのです。膀胱が膨らむと、平滑筋は引き伸ばされて緊張(赤いギザギザ線)し、平滑筋全体に伝達されます。その緊張情報=膀胱内圧=尿意情報が神経に伝達されて尿意になるのです。この仕組みは、ほぼ神経細胞と一緒です。神経は線状なので1次元ですが、平滑筋は立体的なので3次元です。膀胱平滑筋は、収縮と弛緩する物理的な動力装置としての働きと、機能的な感覚センサーとしての働きがあるのです。

実は平滑筋には他にも違う働きがいろいろあります。動脈壁の中膜にある平滑筋は、動脈壁の内膜に溜まった悪玉コレステロールを食べて泡沫細胞になります。これはマクロファージ=貪食細胞と同じです。また、動脈壁の内膜に集まった泡沫細胞を固めるために平滑筋がコラーゲンを作ります。これは線維芽細胞と同じです。

以上のように平滑筋には、多彩な能力があるのです。その平滑筋には、私たちが知らない能力があるかもしれません。その不明の能力が原因不明の病気に関与しているかもしれません。そういう意味では、平滑筋の興奮を抑える大豆イソフラボンが、さまざまな病気の予防に役立つ可能性があります。

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誤解

Lutsmap2
今まで解説してきた下部尿路症は、基本的考え方は恐らくこうでしょう。

①前立腺肥大症は、前立腺肥大症が膀胱を刺激して、頻尿・残尿感・尿意切迫感が出現する。前立腺の手術をしても治らない人がいる。
②急性膀胱炎は、バイ菌が刺激して、膀胱粘膜が過敏に反応して、頻尿・残尿感が出る。若いご婦人のこの病気はセックスの後に起こる。しかし、高齢者の場合は原因不明である。
③慢性前立腺炎は、前立腺の炎症が膀胱を刺激して、頻尿・排尿痛・陰部の痛みが出る。抗菌剤を長期間投与しても治らない。
④間質性膀胱炎は、膀胱の粘膜に原因不明の炎症が起きで、頻尿・膀胱の強い痛みになる。萎縮した膀胱を水圧拡張しても治らない。
⑤過活動膀胱は、原因不明で頻尿・尿意切迫感・切迫性尿失禁になる。
⑥膀胱疼痛症候群は、原因不明で軽い頻尿程度がある程度、主症状は排尿に関係なく膀胱の痛み。麻薬の痛み止めを服用しても治らない。

結局は、すべての病気の原因を膀胱が受け止めて、下部尿路症状を作っているのだろうという考え方です。その割には、原因と思われる病態を治療してもなかなか治りません。さらに原因が別としても、膀胱は同じですから、同じ症状でもいいと考えられませんか?何故いろいろと違う症状なのでしょう。明らかな膀胱粘膜の炎症である細菌性急性膀胱炎と同じ頻尿・残尿感・排尿痛にならないのでしょう?……どうしてでしょうか?
Lutsmap
これには、理由があるのです。
前回解説したように、疫学的調査で症状を比較すると、尿勢低下のみが「機能障害」です。一般的に、病気の症状は、機能障害が原因で、その他の症状を作っていると考えられます。機能障害で排尿時に膀胱括約筋と膀胱三角部が弛緩しないため、膀胱出口が開かないために排尿障害になります。弛緩しない膀胱括約筋と膀胱三角部は、縦走筋と力比べするために、膀胱括約筋・膀胱三角部が肥大化・肥厚化し、ますます排尿障害を悪化します。
①排尿障害が悪化すると、
ⅰ.膀胱内圧のエネルギーが、長期間前立腺を刺激したため、前立腺が対応反応して肥大化→「前立腺肥大症」になる。
ⅱ.膀胱内圧が長期間に渡って上昇するので、膀胱自身が疲弊する。疲弊の結果、
a)膀胱が弛緩する→「神経因性膀胱」
b)膀胱が萎縮する→「間質性膀胱炎」

さらに膀胱三角部は尿意を知覚するセンサーですから、肥厚化によって尿意エネルギーは大量に産生されるために、脊髄神経回路を介して、頻尿・残尿感・尿意切迫感・切迫性尿失禁・膀胱の痛み・陰部の痛み・シビレ・痒みになるのです。
①男性で不定愁訴があって、前立腺が大きくないと、→「慢性前立腺炎」
②尿検査で白血球/細菌が見つかると、→「慢性膀胱炎」
③検査結果がほぼ正常で精神的に落ち込むと、→「心因性頻尿」
④検査結果が多少異常があっても、痛みがとても強いと、→「膀胱疼痛症」
⑤痛みの領域が広いと、→「慢性骨盤疼痛症候群」
⑥検査結果がほぼ正常だと、→「過活動膀胱」

ご覧のように、下部尿路症で付けられた診断名の根拠が、如何にいい加減か分かります。診断名から治療しても、病気が治るとは思えません。診断名を考案した医師たちの短絡的な発想が情け無い。表向きの症状だけで病名を作るのは、素人でも作れることです。
イラストで示すように、病気の根本的原因は、排尿障害と膀胱括約筋・膀胱三角部の肥大化と異常興奮が原因です。そのために、排尿障害の治療薬であるα1ブロッカーと、膀胱三角部の興奮を抑えるβ3作動薬と抗コリン剤が必要になるのです。

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下部尿路症のいろいろ

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「下部尿路症」には、次のようないろいろな病気があります。
①前立腺肥大症
前立腺が大きいから頻尿になる。
でも、手術で前立腺を除去しても、頻尿が治らない患者さんが存在する。「歳のせい」にされる。
②急性膀胱炎
バイ菌が原因で膀胱粘膜が炎症を起こし頻尿になる。頻尿=炎症?=バイ菌と単純に思われる。
③慢性膀胱炎
バイ菌はいないのに、繰り返し膀胱炎症状の頻尿になる。頻尿=炎症?=見つからないバイ菌=不潔にしている
④過活動膀胱
バイ菌も明確な原因もなく、頻尿になる。ダメな膀胱
⑤間質性膀胱炎
膀胱粘膜下の間質に炎症所見が認められる。バイ菌はいない。アレルギーが原因と思われている。頻尿と痛みが併発する。
⑥膀胱疼痛症
バイ菌はいない、膀胱粘膜に炎症もない。頻尿±ただ痛みが前面に出る。
⑦非細菌性慢性前立腺炎
前立腺に明確な原因もなく、頻尿や痛みが出る。只ひたすらに抗生剤とセルニルトンを処方するだけ。
⑧慢性骨盤疼痛症候群
男女問わず、原因不明で痛み±頻尿で苦しむ。
⑨神経因性膀胱
排尿直後にもかかわらず、残尿が50㎖以上も残っている。そして頻尿±残尿感±不快感が出る。原因は膀胱の神経がダメになった➡︎治せない。
⑩前立腺がんの手術後の頻尿
手術前には、なかった頻尿が手術後から頻繁に出る。主治医は、手術の後遺症だからと言って、何もしてくれない。理由は、膀胱と尿道を接合縫合する際に、膀胱三角部を縫ったからです。

以上の病気の原因はいろいろだったり、不明ですが、症状は似たり寄ったりの頻尿・残尿感・尿意切迫感です。しかし同じような症状なのに、症状を作る明確な原因が突き止められていません。何となく膀胱が過敏になっているから、という対症療法で済ませるので、すべての病気をいい加減にしか治せないのです。こんな事で、よく偉そうに泌尿器科学会を専門医がリードしていますよね?

Oabepi
これらの下部尿路症の患者さんのいろいろな症状のうち、ある一定の確率で尿勢低下=排尿機能障害を認めます。機能障害が病気の原因で、膀胱を苦しめていると考えるべきです。治療としては、排尿機能障害を中心にα1ブロッカーであるユリーフ・ハルナール・フリバスを処方して、膀胱三角部の過敏反応を抑えるために、β3作動薬のベタニスと、抗コリン剤であるベシケア・ステーブラ・トビエースを処方します。
世間では、頻尿や尿意切迫感だけに振り回されて、原因を追求せずに、β3作動薬や抗コリン剤だけを処方しています。もちろん、それだけでも症状が落ち着く患者さんもおられますが、繰り返し症状は出てきて、次第に治療が困難になるほど症状が強くなります。なぜなら、患者さんの脊髄神経回路がバージョンアップするからです。そして、過活動膀胱➡︎間質性膀胱炎➡︎膀胱疼痛症➡︎慢性骨盤疼痛症候群という表面的な病名に診断されてしまうのです。そも病名に流れる根底には、ただ一つ「排尿障害」があるのです。

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平滑筋の秘密

膀胱炎や慢性前立腺炎患者さんの頻尿や残尿感などの知覚異常の症状が、平滑筋に作用する抗コリン剤やβ3刺激剤で緩和することに疑問を感じませんか?知覚異常に対して平滑筋という筋肉をゆるめるクスリです。

一般的に人体には知覚神経の末端に特有な形状のセンサーがあります。痛みセンサー、圧力センサー、熱センサー、冷感センサー、触覚センサーなど本当にいろいろです。しかし、……しかしです、膀胱には尿意を感じるセンサーが発現されていないのです。センサーがないのに、何故、尿意を感じることができるのでしょうか?
泌尿器科学会で超有名な専門医たちは、そこに「C線維」という裸の神経線維があり、そこに膀胱粘膜から放出された化学伝達物質が、C線維という裸の神経を刺激して「尿意」を感じると説明しています。……裸の神経?そのような神経は、自律神経の末端だけです。体性神経なのにセンサーなしで、裸はおかしいだろう!膀胱だけが、センサーがなく、こんな原始的な形状とは、その考え方に絶対に無理があります。電話機がないのに、電話線に向かったしゃべると情報が伝わるというマンガの様なお話しです。

Smoothma
組織学的に平滑筋は、無数にある細胞の一つ一つがつながっているのです。1つの細胞の意識➡︎無数の細胞の意識と同じなのです。それが細胞間結合(電気結合・ギャップ結合)です。その無数にある平滑筋の一部に自律神経が付着しています。自律神経からの情報・命令を一部の平滑筋が受け取ると、その情報を細胞間結合を介して、次々に無数の平滑筋に伝達します。つまり、平滑筋は動力装置としての働きの他に、伝達装置としても働くのです。

Semi2016sensorこの形状を見ていると、何かに見えませんか?……そうなんです、……知覚神経とセンサーの組合せです。実は、平滑筋そのものが「センサー」なのです。ですから、膀胱の平滑筋が緊張すると、尿意が強くなり、平滑筋が緩むと尿意がなくなるのです。教科書的な知識だけが全てだと思っている、貧弱な発想の専門医師が原因です。抗コリン剤やβ3作用剤が尿意を抑える作用があるのは、平滑筋の緊張を低下させてくれるからです。つまり、抗コリン剤とβ3作用剤の2つは、どちらもセンサーに直接作用するのです。同じ意味で、ユリーフ・ハルナール・フリバスなどのα1-ブロッカーも、平滑筋の緊張を低下させるので、頻尿・残尿感を軽快させることになります。

以上のように排尿障害し続くと、何故に頻尿・残尿感・尿意切迫感などの症状が発現するのでしようか?実は、膀胱三角部の括約筋は、圧力センサーでもあるのです。通常は蓄尿で膀胱内圧が高まると、その圧力が膀胱三角部の圧力センサーを刺激して尿意を感じるのです。ところが、膀胱三角部が肥厚したために膀胱三角部の組織密度が高まり、膀胱内圧の反応閾値に関係なく、圧力センサーが過剰に反応してしまうのです。

治療としては、膀胱括約筋の緊張を緩めて上げれば良いのです。そのために、ユリーフ・ハルナール・フリバスなどのα1-ブロッカーの処方です。ご婦人の場合は、エブランチルしか処方できません。
次に膀胱三角部に特異的に作用するベタニスなどのβ3刺激剤が有効になります。
また、膀胱内圧を下げることで、膀胱三角部の圧力センサーを二次的に刺激しないように、輪状筋の過敏性収縮を抑えることです。そのために、ベシケア・ステーブラ・トビエースなどの抗コリン剤が必要になります。
一般的に、抗コリン剤で膀胱収縮力が低下するというデータはありませんから、縦走筋には抗コリン剤の作用するムスカリン受容体は、おそらく分布が少ないのでしょう。ですから、膀胱内側の薄い輪状筋だけに抗コリン剤が作用するのです。

ところが、抗コリン剤にもβ3作用剤のも「副作用」として排尿障害が起こることがあります。抗コリン剤では服用した患者さんのうち5%未満程度、β3作用剤の場合は1%未満程度でしょう。これには、理由があります。
本来は、膀胱内側の輪状筋だけにあるはずのムスカリン受容体が、膀胱外側の縦走筋にまで及ぶ人がいるのです。同じくβ3受容体も縦走筋にまで及ぶ人がいるのです。そのため、排尿時に膀胱出口を開こうとする縦走筋が収縮できなくなってしまうからです。

縦走筋のムスカリン受容体やβ3受容体の分布が少なければ、副作用が出る確率は低いです。前立腺肥大症が大きく成長して、排尿時に縦走筋の負担が大きいと、縦走筋はとても疲弊します。そのため、受容体の分布がわずかであっても収縮しにくくなるので、排尿障害が顕著に出ます。

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過活動膀胱OABの診療ガイドライン

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日本泌尿器科学の作成した過活動膀胱のガイドラインについて問題点を解説しましょう。
先ずは、一般医のためのアルゴリズムです。



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*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー
原因不明の「過活動膀胱」
⬇︎➡︎細菌➡︎膀胱炎➡︎抗生剤治療➡︎治らない‼︎
⬇︎⬅︎抗コリン剤+β3作用剤
治らない‼︎
⬇︎
専門医へ
*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー
問診と尿検査で感染症を否定すれば、それが過活動膀胱と診断されます。
抗コリン剤やβ3作用剤で容易に治らない患者さんを専門医に紹介する手順です。
オーソドックスの簡単な検査とすぐ手に入る治療薬で治らない場合は、過活動膀胱の専門医に紹介されます。

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2番目のアルゴリズムは、専門医の診断・治療手順です。

*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー
紹介の治らない「過活動膀胱」の患者さん
⬇︎➡︎神経疾患➡︎神経の治療➡︎後遺症➡︎治らない‼︎
⬇︎➡︎前立腺肥大症➡︎肥大症の治療➡︎歳のせい➡︎治らない‼︎
精密検査
⬇︎……➡︎行動療法?➡︎治らない‼︎
⬇︎……➡︎神経作動薬➡︎治らない‼︎
⬇︎……➡︎電気治療➡︎治らない‼︎
⬇︎……➡︎磁気治療➡︎治らない‼︎
⬇︎……➡︎ボツリヌス菌毒素➡︎治らない‼︎
膀胱摘出‼︎
*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー
過去に神経疾患、例えば脳梗塞・脳出血・脊髄疾患などの既往があると、神経内科、整形外科、脊髄外科に紹介するので、過活動膀胱の治療はされません。前立腺肥大症があれば、その治療に専念しますが、結局は過活動膀胱の原因をつかめないまま電気治療、磁気治療、外科手術に至るのです。究極、膀胱を摘出です。過活動膀胱の患者さんから見たら、最終ゴールは膀胱全摘?という印象でしょう。

偉い先生たちが寄ってたかって決めたアルゴリズムが、この程度なのです。
ここの問題点は、ただ1つです。過活動膀胱の発症原因を突き止めていないこと。原因の根本治療せずに、只ひたすら対症療法、頻尿・尿意切迫感・切迫性尿失禁の治療に徹していることです。前立腺肥大症や膀胱炎の際にも、過活動膀胱の症状になる理由を突き止めもしないで治療することが、対症療法に過ぎません。もっと本質的に考えなければなりません。下部尿路の多くの病気の症状で、何故、頻尿・残尿感・尿意切迫感が発症するのかということです。

こんなアルゴリズム:診断治療手順は、チョッと勉強すれば、素人でも思いつくことです。プロフェッショナルな3人以上集まって「文殊の知恵」とならないのはなげかわしい!獲得した知識の奥深さを認識しないで、ただひたすらダラダラと積んでいるだけだから、医師としての責務を果たすことができないのです。

【参考資料】
過活動膀胱の診療ガイドライン

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見えてきた排尿障害の仕組み

過去にたくさんの排尿障害の仕組みを考察してきました。
検査所見の存在に対して、疑問点が常にありました。排尿障害の患者さんには、男女問わず、膀胱出口が硬く盛り上がっていました。その理由については、排尿障害のために膀胱出口が排尿時に振動するので、次第に膀胱出口が盛り上がると考えていました。でも実際に、内視鏡手術の際に膀胱出口を切開・切除すると、そこは必ず平滑筋組織です。もしも振動エネルギーで盛り上がっているのであれば、線維組織のはずです。つまり、盛り上がった膀胱出口の組織は、膀胱括約筋の二次的な姿なのです。排尿障害の患者さんの膀胱括約筋は、必ずマッチョなのです。

マッチョになるためには、振動エネルギーではなく、筋トレによるものだと考えられます。筋トレ?……膀胱括約筋の筋トレ相手は、排尿時に収縮する膀胱出口周囲の縦走筋です。つまり何らかの理由で、排尿時に膀胱括約筋が柔らかく弛緩しないので、縦走筋に引っ張られる際に鍛えられたのでしょう。

そう考えると、α1-ブロッカーであるユリーフやハルナールなどの即効性の理由が理解できます。α1-ブロッカーは、前立腺や尿道の緊張を緩めるのではなく、膀胱括約筋=内尿道括約筋の緊張を緩めるので、膀胱出口が開きやすくなるのです。
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膀胱の構造は、大きく分けて膀胱体部、膀胱三角部、膀胱出口(膀胱頸部)に分けられます。筋肉の観点から見ると、膀胱体部は二層構造で、内側が輪状筋、外側が縦走筋です。輪状筋は、膀胱の横方向の直径を小さくするように収縮させます。縦走筋は膀胱の外側に存在し、膀胱の天辺の部分が膀胱出口に向かうように収縮させます。この2つの筋肉の働きで、膀胱は膨らんだり縮んだりするのです。膀胱出口は複雑で、膀胱出口ギリギリまで輪状筋と縦走筋が到達し、その内側に膀胱括約筋=内尿道括約筋が位置します。先ほど説明したように、排尿障害のある人は、膀胱出口周囲の膀胱括約筋が発達・肥厚しています。これは、縦走筋と膀胱括約筋の排尿時の動きがシンクロせずに、逆にバランスが悪く、縦走筋が収縮する時に膀胱括約筋が緩まないで対抗している証拠です。

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この画像は、3Dエコー検査で観察した膀胱出口の所見です。
見て分かるように、膀胱出口を中心とした同心円状ではありません。
これを分かりやすく説明したのが、次のイラストです。


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イラストで見えるように、輪状筋は、膀胱三角部を挟んでブーメランの様な形をしています。
何故この様な形状をしているかは、それなりの理由があります。
発生段階で、尿管の原基を囲むように輪状筋が発達したからです。そして、尿管の原基から膀胱三角部が形成したのです。

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3Dエコー画像を元に、下部尿路の基本的構造を左のイラスト側面像で示しました。
膀胱出口周囲に存在する赤い部分が、どちらも膀胱括約筋です。
前の部分が膀胱出口前面で、後ろの部分が膀胱三角部に当たります。
膀胱内側の肌色の部分が輪状筋で、外側の空色の部分が縦走筋です。

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健常であれば、右のイラストで示すように排尿時に、前後の膀胱括約筋が先ず緩みます。
そして縦方向に収縮した縦走筋の意のままに膀胱出口は開き、オシッコがスムーズに出るのです。
一連の動作は自律神経によってコントロールされており、人の意識は息むだけです。
この排尿に関わるいくつかのステップに支障が出ると、排尿障害になるのです。

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排尿障害の患者さんは、どう言う訳か膀胱三角部も含め、排尿時に弛緩しないでギューっと収縮します。縦走筋が収縮して膀胱出口を開こうとしても十分に開かないのです。
この経過が長期間に渡ると、膀胱括約筋が縦走筋と筋トレしていることになり、イラストのように次第にマッチョになります。排尿障害の患者さんをエコー検査で観察すると、膀胱出口前部の膀胱括約筋と膀胱三角部の膀胱括約筋が厚くなり、膀胱側に突出しています。

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この膀胱括約筋の肥厚は、イラストで表現したように、まるで膀胱出口を鍵でロックした状態になるのです。
この状態が何十年も続けば、縦走筋や輪状筋は疲れ果てて、男女関係なく神経因性膀胱と診断されます。排尿時の圧力が前立腺を刺激して、前立腺肥大症になります。膀胱三角部が突出すると、中葉肥大型と判断される形状です。
排尿障害の患者さんの内視鏡手術の際には、この固くなった膀胱括約筋の切開・切除が重要になります。ところが、前立腺肥大症だと、「肥大症」とい言葉に翻弄されて前立腺しか手術しないので、手術後も排尿障害が続くのです。

以上のように排尿障害し続くと、何故に頻尿・残尿感・尿意切迫感などの症状が発現するのでしようか?実は、膀胱三角部の括約筋は、圧力センサーでもあるのです。通常は蓄尿で膀胱内圧が高まると、その圧力が膀胱三角部の圧力センサーを刺激して尿意を感じるのです。ところが、膀胱三角部が肥厚したために膀胱三角部の組織密度が高まり、膀胱内圧の反応閾値に関係なく、圧力センサーが過剰に反応してしまうのです。

治療としては、膀胱括約筋の緊張を緩めて上げれば良いのです。そのために、ユリーフ・ハルナール・フリバスなどのα1-ブロッカーの処方です。ご婦人の場合は、エブランチルしか処方できません。
次に膀胱三角部に特異的に作用するベタニスなどのβ3刺激剤が有効になります。
また、膀胱内圧を下げることで、膀胱三角部の圧力センサーを二次的に刺激しないように、輪状筋の過敏性収縮を抑えることです。そのために、ベシケア・ステーブラ・トビエースなどの抗コリン剤が必要になります。
一般的に抗コリン剤で膀胱収縮力が低下するというデータはありませんから、縦走筋には抗コリン剤の作用するムスカリン受容体は、おそらく分布が少ないのでしょう。ですから、膀胱内側の薄い輪状筋だけに抗コリン剤が作用するのです。

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血尿で困惑したご老人

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92歳のご高齢の男性が、血尿でご家族と一緒に来院されました。
前立腺の出血か腎臓からの出血かと私は思いました。 尿検査で確認すると、尿の全てが真っ赤です。
前立腺の出血は、出始めの尿だけです。腎臓からの出血は、出始めから最後まで血尿です。膀胱からの出血は、そのどちらかです。
そこで、エコー検査をすると、排除障害があるようで、残尿が200ml以上も残っていました。すると、前立腺のすぐ後ろの膀胱に直径2センチ程のイビツな陰影が確認できました。

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側面、正面の2枚の写真に赤い影が見えますね。これは、ドップラーエコーで血流を確認したところ、イビツ陰影の中心に動脈血流が確認できたのです。間違いなく膀胱腫瘍(膀胱ガン)です。
90歳超えで、いろいろな病気をたくさんお持ちなので、地元の医科大学病院にご紹介しました。
大学病院の内視鏡検査の結果も、やはり膀胱腫瘍でした。治療をどうするかを現在検討中だそうです。

今回の膀胱腫瘍は、直径2センチくらいの大きいものでしたが、エコー検査で判別できるのは、5ミリ(0.5センチ)くらいまで確認できます。膀胱には、同じように炎症性ポリープも観察することもありますが、その場合、ドップラーエコー検査で血流を確認できれば膀胱腫瘍、確認できなければ炎症性ポリープと判定します。


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グリソンスコア5+5=10のラテント癌

今回、ご紹介するのは、PSA値が高く心配になり、平成29年6月に来院した72歳の男性患者さんです。
平成28年にPSA値が5以上になり、診療所や大学病院で前立腺針生検をすすめられました。当院初診時には、超音波エコー検査でも触診でも、前立腺癌の所見は認められませんでした。

夜間頻尿(2回~6回)があり、超音波エコー検査で前立腺結石と膀胱三角部の肥厚を認めたので、排尿障害によるPSA値上昇と判断したのでした。
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その後も超音波エコー検査と触診を2回実施しましたが、前立腺癌の所見は得られませんでした。
その間、PSA検査を受け、その値が11を超えることもあり、患者さんは悩みました。また、周囲の友人のアドバイスも受け、私に内緒で、某がんセンターで前立腺針生検を受けてしまったのです。その結果、12本中2本に前立腺癌が発見されてしまいました。それもグリソンスコア5+5=10の悪性度の一番高い前立腺癌でした。
エコー検査や触診で確認できなくて、針生検で12本中2本ですから、ステージⅠのラテント癌ということです。問題なのは、悪性度の高いグリソンスコア10の前立腺癌を針生検で刺激してしまったことにあります。患者さんは、急いで当院を受診して今後の方針を相談に来られました。半ば後悔をしているようです。
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先ず、針生検した病院での治療方針が決まるまで、骨シンチ、MRI検査の結果待ちで3週間ほどありました。主治医は何も考えずに、計画を立てて待っています。
その間に針生検による傷害を治すために、体内の免疫・炎症システムが活発になります。結果、免疫細胞に傷付いた癌細胞は、マクロファージに貪食されるか、別の場所に運ばれてしまいます。それが、前立腺癌の骨転移や前立腺癌の浸潤になる可能性もあるのです。

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能力の高い前立腺癌細胞が、自分たちの受けている状況を何もせずに傍観している訳がありません。癌細胞にとって、出来ることは、細胞分裂しかありません。癌細胞が細胞分裂をすればするほど悪性度が増すのです。癌細胞は通常3〜6週間に1回バラバラに分裂しますから、放置できません。
治療方針が決まるまで、エストラサイトを週1回1カプセルの低容量を服用してもらいました。その後、重粒子線治療を決めたのですが、人気で混んでいるため9月に開始することになりました。それまで、エストラサイトを続けて服用していただきました。

今回の記事は、この患者さんからのご希望で掲載しました。いろいろな体験をされる患者さんがおられます。記事を参考にベストの選択をされてください。


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泌尿器科の医師は、排尿障害と言う基本概念に戻れ!

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①前立腺ガンの腫瘍マーカーであるPSAが高くなる原因のほとんどが、前立腺肥大症や膀胱頚部硬化症による排尿障害が原因です。500人中の88%、440人が排尿障害でPSAが高い患者さんでした。

②慢性前立腺炎の患者さんも調べると、前立腺肥大症や膀胱頚部硬化症などの患者さんが自覚しない「隠れ排尿障害」が認められ、排尿障害の治療を行うと症状は軽快します。

③間質性膀胱炎や過活動膀胱の女性患者さんにも、「隠れ排尿障害」が潜んでいて、排尿障害を治療すると、症状は軽快します。

④陰部がかゆくなる陰嚢掻痒症・陰部掻痒症・陰門掻痒症(肛門のかゆみ)などの患者さんにも、「隠れ排尿障害」が潜んでいて、排尿障害を治療すると、かゆみは軽快します。

⑤原因不明の坐骨神経痛の患者さんの中にも、一定の割合で、「隠れ排尿障害」が潜んでいて、排尿障害を治療すると、痛みが軽快します。

⑥神経因性膀胱は、膀胱に力が無くなったから排尿できないと、一般的に考えられます。しかし、なぜ突然に神経因性膀胱になるのかという議論はなされません。長年かけて膀胱出口が十分に開放されないために、疲労・疲弊してしまった膀胱を「神経因性膀胱」と診断しているだけです。ダメになった膀胱を検査結果で、幾つにも分類しても、患者さんを治すことができませんから、全く意味がありません。隠れ排尿障害であったために、患者さんは排尿障害を自覚していません。しかし、膀胱は次第に疲れて、ある日突然に排尿障害を自覚して、それが神経因性膀胱と診断されるのです。

病気の原因をおろそかにして、目に見える症状だけに振り回されている医師は、素人同然です。長い年月をかけて得た知識と経験を利用して、患者さんの病気し本質を見つけようではありませんか!


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夜尿症・おねしょ

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夜尿症いわゆる「おねしょ」は、子供の成長と共に改善すると思われていました。
本来、膀胱は尿がある程度たまると反射的に収縮して排尿するのが本能です。起きている時には、膀胱からの情報が脊髄を介して膀胱の収縮を抑えます。
夜尿症・オネショの発生率の年齢分布は、このグラフの通りです。
5歳で15%、12歳で10%、大人で0.5%存在します!千人で5人=1億人で何と5万人!にもなります。

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しかし、幼少期の睡眠時には、脊髄回路が未成熟のために、膀胱からの情報が脊髄を介して十分に脳に到達出来ません。「尿が満杯になった!」という情報が脳に到達しなければ、脳が膀胱を抑えることは出来ませんから、膀胱は身勝手に収縮・排尿=尿失禁=夜尿症・オネショになるのです。

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順調に発育・成長すると、脊髄に夜間の排尿抑制回路が形成されるので、夜間に目を覚まさなくても、オシッコを我慢でき、オネショにならないのです。

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ところが、オネショに関して、まったく無頓着であると、この抑制回路が形成されずに、逆に、尿意=排尿と言う尿意・排尿反射回路が形成されてしまい、大人になっても、夜尿症・オネショが治らなくなるのです。

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このオネショの対策として、
①夜間に尿がたまったことを見計らって、子供を無理に起こす。
②オネショしたら、警笛を鳴らすセンサーを装着して、その都度起こす。
③膀胱の尿意を鈍感にする次のクスリを服用する。
ⅰ)ブラダロンⅱ)抗うつ剤(トフラニール・アナフラニールなど)
④最近、採用されたのが、抗利尿ホルモン剤です。夜間に利尿ホルモンが作用して、日中に身体にたまった水分をオシッコで出そうとします。その作用を抑えることで、夜間を尿量が減少して、尿意、排尿反射回路を育てないようにするのです。ミニリンメルトが商品名です。

とりあえず、積極的にオネショを治そうとしないと、大人になっても生涯オネショ人間になってしまいます。

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尿失禁と骨盤底筋体操

咳やクシャミなどで、オシッコが漏れるのを腹圧性尿失禁と言います。
前立腺肥大症の男性と比べて、女性患者さんの方が、はるかに多いのです。その理由は、一般的に何回も出産したからと言われていますが、出産経験のない患者さんもおられます。それから考えると、出産の有無は無関係です。

どうして、ご婦人に腹圧性尿失禁が多いのかを考えてみましょう。
イラストは、ご婦人の排尿の仕組みを分かりやすく描きました。
膀胱出口が開くためには、膀胱括約筋と尿道括約筋の両者が協調しなければなりません。膀胱括約筋は、膀胱出口を前後左右(平面方向)に開いてくれます。尿道括約筋は、膀胱出口を下の方向(縦方向)に引っ張ります。その2つの力学的ベクトルで膀胱出口は、ロート状(円錐状)に開くのです。
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ところが、膀胱括約筋は、内臓の筋肉=平滑筋で出来ており、尿道括約筋は、骨格筋=横紋筋で出来ています。その力は、尿道括約筋>>>>>膀胱括約筋です。更年期を過ぎた頃には、弱者である膀胱括約筋は疲れ切って、膀胱出口を十分に開けなくなり、膀胱出口が尿道括約筋に強く引っ張られてしまいます。その結果、膀胱出口が尿道側に「お辞儀」するように狭くなるのです。

「息んでリキんで」オシッコをする習慣のあるご婦人は、この現象が隠れていて尿失禁が生じやすくなります。その理由は、
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①腹圧をかけてオシッコするため、強力な腹圧のために膀胱を固定している靭帯や筋膜がゆるみます。尿道括約筋は外側に引っ張る方向にあったのが、尿道括約筋の位置が下にズレたため、内側に引っ張る方向になるのです。この状態は尿道括約筋が閉まらなくなります。
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②膀胱括約筋が、力んだ尿道括約筋に負けて、膀胱出口の本来の境界線の位置が、尿道側に下降し、二次的な膀胱出口ができてしまいます❶。本来の膀胱出口と尿道括約筋は十分に距離❷がありますが、二次的膀胱出口と尿道括約筋の距離❸は極端に短くなります。この状態にあると、尿道括約筋に膀胱内圧が直接作用するので、尿道括約筋は容易に開いてしまいます。

①+②の2つの理由で、腹圧や咳などで膀胱内圧が急激に高まると、尿道括約筋が簡単にゆるみ、尿失禁になるのです。オシッコが漏れてしまう腹圧性尿失禁の患者さんは、本質的には長年の間、オシッコが出にくいヒトなのです。結局のところ、オシッコが出にくいから、オシッコが漏れるように身体が変身したと言うのが真実です。腹圧をかけて息めば息むほど、膀胱出口の境界線は、次第に尿道括約筋に近接するのです。

さて、腹圧性尿失禁の対策として、骨盤底筋体操があります。体操することで尿道括約筋の緊張が高まり、尿道括約筋の走行が、内側の方向→平行あるいは外側の方向へ向かうので、尿道括約筋が締まりやすくなり尿失禁が減少するのです。
ただし、尿道括約筋の位置が下方に位置していない時期に体操で骨盤底筋である尿道括約筋を鍛えると、膀胱括約筋と尿道括約筋の力の差がますます増えます。その結果、排尿ごとに膀胱出口が強く引っ張られるので、逆に尿失禁しやすくなるかもしれません。男性のように硬い前立腺が、尿失禁を防がないので、ご婦人の場合は尿失禁が多くなるのです。
ご婦人が尿失禁を作らないためには、この隠れた排尿障害を早期に発見して、αブロッカーを服用させるべきです。隠れた排尿障害の症状としては、頻尿、冷え性などがある筈です。

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痛みで苦しむご婦人

アメリカ在住のご婦人が、昨年の9月から、夜間寝ていると、陰部が口で表現できない痛みで目が覚めました。これが原因で眠れなくなってしまいました。
地元アメリカでいろいろな医師に受診し治療を受けましたが治りません。何回も通院すると、医師に見放されるような態度を浴びせらました。そこで、患者さんはくじけないで、インターネットで情報を採集しました。その中に、私の書いているブログを発見したのでした。
地元のアメリカでは、私の推薦するクスリを調達できませんから、日本にいる家族に連絡して、エブランチルを送ってもらい服用してみました。すると、オシッコの出が良くなったのです。痛みは、それほど効き目がありませんでしたが、私の理論が正しいことを認識したのでした。

その後、日本に帰郷して、関東近県の地元の内科の先生に無理にお願いして、お祖父さんにフリバスを処方して頂き、服用を始めました。すると、どうでしょう!あれほど苦しんだ痛みが無くなり、夜グッスリと眠れるようになったのです。
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日本に滞在中に高橋クリニックへ受診しようと、来院されました。
早速、エコー検査をすると、写真のように膀胱括約筋の走行が、膀胱出口に向いていません。当然、膀胱三角部が厚くなっています。厚さが約7mmです。正常は2mmです。厚さ2mmで排尿回数5回が正常だとすると、7mmだと、オシッコの回数は15回〜18回のはずです。しかし、この患者さんの排尿回数は、1日たったの4回でした。

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膀胱三角部で作られたエネルギーが頻尿の症状として表現されていません。これは、患者さんの脊髄神経回路の特性によるものです。しかし、脊髄に送られた情報(エネルギー)をそのまま貯めておくことはできません。そこで、脊髄が新たな神経回路を形成したのです。それが「痛み」症状なのです。


フリバスは、前立腺肥大症の治療薬でお馴染み、排尿障害治療薬のαブロッカーです。保険適応は男性にしかありませんが、膀胱出口の緊張をゆるめ、男女関係なく排尿障害の治療に役立ちます。また、αレセプターは、膀胱出口ばかりでなく膀胱三角部にもありますから、膀胱三角部の興奮もフリバスで抑えられたのでしょう。また、振動して硬くなった膀胱出口もセンサーが形成されるので、膀胱出口の情報も脊髄を介して痛み症状になったのです。

フリバスは地元の内科の先生に処方していただき、さらに膀胱三角部を的確に抑えるベタニスを追加で処方しました。


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膀胱出口閉塞症・症候群と言う考え方

アメリカには膀胱出口閉塞症と言う考え方がありますが、具体的に明確な定義がありません。日本では、膀胱に関する病気がたくさんあります。膀胱の病気には、アレルギー性膀胱炎・細菌性急性膀胱炎・慢性膀胱炎・心因性頻尿・過活動膀胱・膀胱疼痛症・間質性膀胱炎・うっ血性骨盤疼痛症候群・慢性骨盤内疼痛症候群・神経因性膀胱などです。ところが、すべての病気が原因不明です。
この中で、ハッキリした原因があるのはアレルギー性膀胱炎と細菌性急性膀胱炎の2つだけです。この2つ以外の病気の原因は、とてもいい加減です。

①慢性膀胱炎:
陰部を不潔にしている、お尻を拭く時に後ろから前に拭くので不潔になる、などの理由で膀胱炎になるとされる。患者さんが一生懸命に陰部を清潔にしても治らない。
②心因性頻尿:
ストレスなどで神経が過敏なった結果、頻尿になる。
③過活動膀胱:
原因不明で頻尿・尿意切迫感・切迫性尿失禁の総合的病名。
④膀胱疼痛症:
原因不明の膀胱を中心とする痛みの病気。他の膀胱の病気に併発することがある。
⑤間質性膀胱炎:
極端な頻尿と痛みを伴う病気である。アレルギーと思われている。膀胱粘膜の所見で確定診断をする。
⑥うっ血性骨盤疼痛症候群:
ご婦人の原因不明の下半身疼痛を示す病名。うっ血所見(静脈血の低下・静脈瘤)があります。
⑦慢性骨盤内疼痛症候群:
慢性前立腺炎の別名。
⑧神経因性膀胱:
膀胱に力がなくなったからオシッコが出ない・・・その理由は不明。

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これらの患者さんを調べると、多かれ少なかれ、排尿障害が隠れています。ところが、極端な排尿障害ではないので、診察している医師が重要視せずに無視するので、結果、原因不明になるのです。その根源は、排尿の仕組みを正確に理解していないからです。尿道括約筋が開くから、連動して(白い破線矢印⇕)膀胱出口が自動的に開いて排尿すると思っているのです。生身の生体の扉が、そんな単純な仕組みで出来ていると思う方がおかしいでしょう。

Urinmecha2
尿道括約筋は開くのではなく、引っ張っている(けん引)のです。特に膀胱三角部が尿道括約筋のギリギリ手前まで伸びていますから、前後方向に開きます。同時、に膀胱括約筋が収縮することで、膀胱出口がロート状に開くので尿がスムーズに出るのです。

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膀胱括約筋は内臓の筋肉=平滑筋です。尿道括約筋は体を動かすための骨格筋=横紋筋です。
力強さは、横紋筋>>>平滑筋ですから、年齢を重ねる毎に平滑筋=膀胱括約筋は疲労困憊して十分に収縮できなくなります。すると、力強い横紋筋=尿道括約筋だけが頑張るので、イラストの如く、膀胱出口が逆に狭くなり(ガチン)、オシッコが出にくくなるのです。

その状態が、繰り返し繰返し、長期間に渡って繰り返されると、膀胱出口は硬くなります。また、膀胱三角部もその振動で硬くなります。組織が硬くなると言う事は異常現象ですから、情報収集のためにセンサーが生まれ、脊髄神経回路と密接の繋がります。これがすべての病気の症状出現と結びつくのです。
膀胱三角部が過敏になれば、頻尿・残尿感・尿意切迫感・尿失禁になります。それぞれの症状の程度と組合せにより、慢性膀胱炎・過活動膀胱・間質性膀胱炎と診断されるのです。
膀胱三角部と連結している脊髄神経回路がバージョン・アップすると痛み症状が強くなり、膀胱疼痛症・間質性膀胱炎・慢性前立腺炎,慢性骨盤疼痛症候群と診断されるのです。
膀胱出口の硬さが増して、膀胱全体が疲弊すると、神経因性膀胱と診断されるのです。神経因性膀胱の専門医は、ダメになった膀胱をいろいろな検査で分類分けするのです。ダメになった理由を追求しないで、……「神経がダメになったのだから、治せませんね。」と、安易な診断をするのです。本当に無能です。
このように考えれば、極端なオシッコの出の悪さを自覚しなくても、病気が作られるのは理解できるでしよう。


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PSA値141で悩む患者さん

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健診の血液検査で、PSA値が何と141も高かかったので、医療関係者の娘さんとご一緒に60歳代の患者さんが心配そうな面持ちで来院されました。
エコー検査の所見は、写真で示すように、前立腺の外腺に相当な体積(3.44㏄)で前立腺ガンを確認できます。赤い矢印➡が前立腺ガンで青い矢印➡が精嚢腺です。
触診でも右葉〜中央にかけて硬結が触れます。間違いなく前立腺ガンです。触診の硬さからすると、グリソンスコア7〜8でしよう。

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患者さんは、針生検は受けたくないが、手術か放射線治療を選択したいという雰囲気です。しかし、針生検を受けないと、希望する治療法は選べません。私が唱える、「針生検が逆に前立腺ガンに火をつけて、悪性度が増すかもしれない」という理論にも納得しているので、決断がつかないのです。
グラフで示すように、前立腺針生検直後から悪性度の高い前立腺ガンの患者さんの生存率は極端に低下します。前立腺針生検するまでに、隠れていた悪性度の高い患者さんがすでに多く亡くなっていあたというデータはありません。どう考えても前立腺針生検が引き金になっていたのでしょう。

そこで、患者さんに提案をしました。針生検の2日前と前日の2日間だけエストラサイト(女性ホルモン+抗ガン剤)を1カプセル服用して、針生検によるガンの興奮を一時的に抑えること。術後、毎週1回1カプセル服用して、その後のガンの興奮を抑え込もうというものです。患者さんは、私の提案を承諾して頂けました。


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陰部の痛みを「歳のせい・気にせい」と言われた高齢者

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以前からオシッコが近い70歳過ぎのご高齢の患者さんです。ご家族3人でお越しになりました。
昨年の夏頃から陰部がピリピリ痛くて仕方がありません。そこで、診療所や病院を3軒受診しましたが、前立腺肥大症の診断で、ハルナールとセルニルトンを処方されましたが、症状は改善しません。
最近では、肛門まで痛くなり、肛門科を受診しましたが、いぼ痔があるだけで、特に問題なしと診断されたのです。
泌尿器科の医師は、「歳のせい・気のせい」とまで言われてしまいました。
早速、超音波エコー検査を行いました。この写真だけでは分かりにくいので、下にコメントを記しました。

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すぐに分かることは、膀胱括約筋ふが四方に分裂していることです。これは、排尿障害によって、膀胱括約筋に物理的負荷がかかった結果です。そのため、膀胱三角部が厚くなり、膀胱刺激症状がいくつも作られても不思議ではありません。陰部のピリピリ感も肛門の痛みも膀胱刺激症状の一つと考えられます。
前立腺も大きさは31㏄と若干大きいだけです。治療薬としては、
①ユリーフ
排尿障害を改善させるため
②アボルブ
前立腺を柔らかくすることで、前立腺から膀胱三角部への緊張がゆるませるため
③ベタニス
膀胱三角部の緊張をゆるませるため

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膀胱炎を繰返すご婦人

2004年から、膀胱炎を毎年4回〜5回起こしてきたご婦人が、ご夫婦で来院されました。

2018年までの15年間に、少なくても、のべ65回の膀胱炎に苦しんでいるのです。当然、当院に来院するまで、たくさんの病院・診療所を受診し、その都度その都度、尿検査でバイ菌(大腸菌・肺炎桿菌・プロテウス菌など)が確認されて「膀胱炎」と診断されました。いろいろな抗生剤(アミカシン・クラビッド・ミノマイシン・ST合剤・ホスミシン・セファレキシンなど)の処方を繰り返されていました。(患者さんから頂いたメモ用紙から)

しかし、数ヶ月で膀胱炎は、すぐに再発してしまうのです。そして、最近では次の膀胱炎まで、1カ月も持たなくなりました。患者さんは、重複腎盂尿管があるために慢性腎盂腎炎を心配されています。抗生剤の効かない耐性菌が検出されたと、さらに心配はつのるばかりです。

早速、超音波エコー検査を行いました。
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膀胱を横から観察した所見です。
膀胱括約筋が、膀胱出口ではなく明後日の方向に向いています。本来ならば、点線の矢印のように膀胱出口に向いていなければなりません。これは排尿障害による膀胱括約筋の形状変化です。
その結果、膀胱三角部が厚くなっています※。正常であれば、膀胱三角部の厚さは2mmですが、この患者さんの場合は9㎜と4倍以上厚くなっています。
膀胱三角部は、尿意を感じるセンサーですから、厚くなればなるほど頻尿になります。2㎜=5回とすると、9㎜=20回以上ということになります。ところが、患者さんの頻尿は1日15回ですから、毎日5回以上の頻尿のエネルギーが隠れていることになります。そのため、定期的に溜まったエネルギーを発散するのです。それが、繰り返される膀胱炎になるのです。

さて、このご婦人は、毎日なんと3リットルもの水分を摂取していました。医師がよく言う「膀胱炎だから、水分を多く取りなさい。」という言葉に翻弄されたのです。バイ菌が原因ではない膀胱炎の場合、水分を多く取ることで、ますます症状は悪化します。
まずは、水分摂取を控えることを指導しました。次にα−ブロッカー(ユ…)で排尿障害の改善を図り、ベタニスで膀胱三角部の過敏さを抑えることを目標にしました。

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