四季と神々
日本の四季折々が明確に区別ができ、さらに火山噴火、台風、竜巻き、地震、土砂崩れ、津波、落雷、雪、雹など、、驚くべき自然です。その自然の強さに応じて、多くの人びとが亡くなってしまうのです。そのような世界に対して、ひとつの神様しか信仰しないとは、思えません。
太陽の神さま、月の神さま、風の神さま、海の神さま、湖の神さま、川の神さま、落雷の神さま、山の神さま、農作物の神さま、動物の神さま等、たくさんの神々、すなわち八百万(やおよろず)の神が存在するのです。そして、それぞれの神さまは、人間の五感で認識できますが、科学なかった頃は、嵐が突然起きたり、地震の後の津波は予想できないので、神々の意志によるものだろうと諦めていたのです。
すなわち、認識できる存在を日本では神として崇め立てられたのです。その流れで、偉大な事を成し遂げた人間も、死後に神さまとして祀られるのです。伊勢神宮(天照大御神)、明治神宮(明治天皇)、法隆寺(聖徳太子)、太宰府天満宮(菅原道真)などが人神です。
ところが、四季折々の区別があまり無い世界の国々には、自然を中心とした八百万の神はいないのです。その結果、気の強い預言者(モーゼ、モハメッド等)とされる人が作り出した「一神教」になるのです。一神教は、人間が作り上げた神様なので、規則や経典を作るのです。
1.あなたは、わたしのほかに、何ものをも神としてはならない。(他にも神様が存在する可能性があると思われる)
2.あなたは、自分のために、刻んだ像を作ってはならない。(人のためには、偶像を作ってもいいのか?)
3.あなたは、あなたの神、主の名をみだりに唱えてはならない。(呼びたくても、本当の名前を教えてくれない)
4.安息日を覚えて、これを聖とせよ。
5.あなたの父と母を敬え。(人間として当然)
6.あなたは、殺してはならない。(人間として当然)
7.あなたは、姦淫してはならない。(人間として当然)
8.あなたは、盗んではならない。(人間として当然)
9.あなたは、隣人について、偽証してはならない。(人間として当然)
10.あなたは、隣人の家をむさぼってはならない。(人間として当然)
これが「十戒」の本文です。
1〜3は、教祖であるモーゼの立場の考え方です。お願いできるのは、モーゼだけしか出来ないように、神様の正式の名前を教えてくれないのです。ヤハウェという名称は仮の名前です。もしも本当の名前が知られたら、あらゆる人々が一斉にお願いするでしょう。
5〜10は、道徳観のある人間であれば、当然です。しかし、それまでの旧約聖書では、洪水伝説やソドムとゴモラ伝説の二大都市破壊で多くの人々を殺害しています。そんな神様が5〜10のような道徳的な注意点を告げるとは思えません。これも人間としてのモーゼの道徳的発想です。