写真撮影の条件と結果
今のデジタルカメラは、ほとんどがオートでカメラが状況を把握して撮影してくれます。マニュアル設定で写真撮影する方も少なくなったでしょう。
絞りを開放にしてシャッター速度を速めれば、明るい所ではピントがシャープに合った写真が出来上がります。出来上がった写真は、被写体だけにピントが合っていて、被写体から前後にずれた背景はピントが合わないボケ気味の写真になります。奥行きのある写真撮影や被写体を強調したり、スピード感あふれる表現を希望する場合の設定です。
今度は、絞りを絞るだけ絞って、シャッタースピードを遅く設定して撮影すれば、焦点深度が深い写真が出来上がります。出来上がった写真は、被写体はもちろんのこと、前後の背景全体もシャープにピントが合います。写真としてはフラットな平面的な表現ですが、撮影されたすべてのものにピントが合っています。
人間の能力にも、この撮影方法の違いと表現の違いのような現象が起きます。
学校教育で望まれるのは、IQの高さです。いわゆる知能指数です。パッと見て判断して、即座に反応できる能力です。記名力が優れ、いつでも知識を引き出すことのできる能力です。ある意味、パソコン的な能力でもあります。
この能力は、学校教育の延長線上の世界や競争社会には通用しますが、それ以外の世界には不向きです。
学校教育では望まれない気質、例えば一つのことを考えだしたら他が見えない非効率的な人、数学的な素養はないけれど直感的な能力に長けている人、一つの質問にいくつも答えが浮かんで正解が出せない人など、いろいろあります。こういった人は現代社会ではアウトローですが、新しい発見や発明をするのは、こういった人たちです。
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コメント
お世話になっております。泌尿器関連以外のブログも楽しく読ませて頂いております。学校教育の話,同感です。高橋先生が,医学の古い教科書や教条にとらわれず,科学理論と研究と実践に基づき実証的で事象に真摯である姿勢に大いに賞賛しております。先生の革新的なお考えや姿勢から,一昨年読んだ「夏井睦」(石岡第一病院傷の治療センター長,形成外科医)著「傷はぜったい消毒するな」(光文社新書)を思い出しました。この本から彼も古い医学界の(非)常識を打ち破るべく奮闘している様子がうかがえます。また小冊子の割には,傷・ヤケドの治療から,消毒の歴史,皮膚の科学,進化,人生(価値)観まで幅広くかつ興味深い内容で大変面白く参考になりました。医学者が読んでも参考になると思いましてご紹介します。(既にお読みになっておりましたらご免なさい)今後とも宜しくお願い致します。
投稿: ダンボ | 2013/10/23 23:58