約束
妻が近所のご婦人(私の患者さんでもある)から耳にしたエピソードです。
彼女の実のお兄さんにまつわる話です。
お兄さんは体を患い、死を覚悟していました。しかし、心残りなことが一つありました。
奥さんには先立たれ一人身だったお兄さんには、15年仲よく連れ添った老犬がいました。自分が入院した後、その老犬のことが気になって気になって仕方がありません。入院する時に親戚に、その老犬を預けました。その時に「俺が逝った時には必ずこの犬を迎えに来るから、それまでよろしく・・・」と言葉を残して入院してしまいました。
大方の予想通り、お兄さんは天に召されました。残された老犬はさぞかし悲しんでいるかと思いきや、元気いっぱいで毎日うるさく吠えています。飯はガツガツ食べます。お兄さん以外になつかない犬でしたから、親戚は大弱りでした。「あの約束はどうなったんだ!」と親戚中が思っていたそうです。
お兄さんの葬儀が終わり、49日に納骨する予定でした。しかし、親戚の都合で急遽35日に納骨することになりました。元気いっぱいに騒いでいた老犬が、納骨の日の朝、ポックリと亡くなっていたそうです。
『お兄さんは約束を果たした・・・』親戚一同皆そう思いました。
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