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こころとは?魂とは?

開業医のひとり言のブログで「ハードとソフト」というテーマで自説を述べました。
また、慢性前立腺炎のブログで「入力と出力」というテーマで病気の本質を探究しようと、やはり自説を述べました。

これらを書いているうちに、人間のからだに起こる無形の何か、病気が病気として発現できるための「何か」や子どもが健全な発育を維持できるための「何か」は、脳や脊髄の媒体そのものである神経細胞が形成する複雑な神経回路、すなわち「プログラム・ソフト」ではないか?と強く思うようになりました。そしてその「何か」が、「こころ」・「魂」に似ているように思えてなりません。
もちろん「こころ・魂」が一つのプログラム・ソフトである訳もありません。神経細胞がプログラム言語となり複雑なプログラム(神経回路)を形成します。そしてその一つの複雑なプログラムが、また一つの大きなプログラム言語となり、そのプログラム言語で構成された複雑な巨大なプログラムが形成され・・・次々に幾重にもプログラム階層が作られて、とても大きなプログラムの塊りになります。この大きなプログラムが起動すると、「こころ・魂」という無形の形になるのでしょう。

今、私が操作しているこのパソコンも、私には理解できないほどの、プログラム言語の集合体であるプログラム・ソフトで動いています。単なる記号の組合せが、キーボードの連打で堅固な意味のある行動をとるのです。そして有形のものを作り上げます。無形から有形に、まるで奇跡です。こころ模様から行動にです。頭の中で思い描いた建物を設計図に仕立て、資金を集め建設会社に注文すれば、思い描いたこころの中の絵が、現実の高層ビルになるのです。

もしも「こころ・魂」が神経細胞の巨大なプログラム・ソフトであるならば、立体的な神経回路を2次元の図面におこし表現することは、今は無理でしょうが、遠い未来には可能でしょう。するとその描かれた神経回路図は「こころ・魂」そのものを図として絵として具現化されたことになります。その全体像を遠くから眺めることができたなら、きっと意味のある絵として見ることができるかも知れません。単なる神経回路図ではなく、意味のある図・絵として認識できてしまった時・・・恐ろしい秘密をまた覗いてしまうのかも知れません。そう、知らなくても良い秘密を・・・

人間の脳・脊髄を合わせた神経細胞の数は有限です。有限ですが、50億個とも60億個ともいわれるほど膨大な数です。20歳を過ぎてから脳細胞が1日に10万個死滅すると云われていますから、単純計算で155年(20+135)維持できることになります。人生が50年であれば全く問題はありませんが、今や日本は80年90年の時代です。50%近くの神経細胞は死滅しています。
もしも「こころ・魂」が有限の神経細胞で作られたプログラムソフトであるならば、寿命に近づくにしたがい、こころのプログラムは壊れるに相違ありません。

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