メール相談 乳幼児の尖圭コンジローマ
★お世話になります。
先生のホームページの製作に感謝しております。
相談内容は,息子(生後○ヶ月)のイボについてです。お手数ですが,貼付の写真をご覧下さい。
○要点
・尖圭コンジローマですか?
・今後1ヶ月間、放置して様子を見ても問題ないのでしょうか?
・症状が悪化した場合、将来において性器の機能不全は起きないでしょうか?
○コレまでの経緯(詳細です。お時間のある時にご覧頂ければ幸いです。)
・まず,包皮にイボが3カ所(直径1mm以下)できたので、皮膚科を受診。様子を見ましょうとのこと。投薬は無し。
・2週間後、包皮、カリの部分にイボが増殖しているのを確認したので、あわてて泌尿器科を受診。
病名は尖圭コンジローマとのことで、治療薬としてブレオマイシンを処方されました。添付された注意書きをよんで,副作用が強いことに驚き,使用を躊躇しました。(どう考えても,正常なまわりの皮膚を痛める割合の方が大きいので)
・次の日に前述の皮膚科を受診したところ,汗をかく時期だと他の病気に感染する恐れがあるから,やはり、涼しくなってから(1ヶ月後)治療しましょうとのことでした。病名については言及して頂けませんでした。
・これら双方の診察結果に納得できなかったため,インターネットで調べるうちに,先生のwebサイトと出会うことができました。
●先生のサイトの写真から判断すると尖圭コンジローマのようですが、いかがでしょうか?
●夫婦ともに性病にかかる覚えはなく、症状も全くありません。乳児が性病にかかるとは考えにくいのですが、強いて思い当たるのは、4ヶ月前に前述の泌尿器科で、真性包茎→仮性包茎の処置をして頂いたときくらいです。簡単に罹病するものなのでしょうか?
●ほうっておくと、どんどん増殖しそうなので、早く処置してもらった方が良いと思うのですが、やはり、皮膚科の先生がおっしゃるようにもう少し待った方が良いのでしょうか?
●妊婦が発症している場合は、新生児のために帝王切開に切り替えるそうですが、それほど重篤な病気にかかっても将来に問題は出ないのでしょうか?
以上、長文になってしまいましたが、どうぞよろしくお願いいたします。 ○○
★お答えいたします。
肉眼的所見からは、尖圭コンジローマです。治療しなければ、増殖するのみです。治療するべきです。
小児では免疫が低下している場合に、一般的な性行為感染症・STDではなく、尖圭コンジローマ感染することがあります。理由は分かりません。花粉症・アトピー性皮膚炎・喘息の小児が急増しているのと関係あるかも知れません。
このメール相談を始めてから、3家族4人目の小児の尖圭コンジローマ感染の相談です。
現在の主治医を信用できないのであれば、大学病院などの大きな病院を受診したらいかがでしょうか。
お大事に。 高橋クリニック 高橋 知宏
★お願い:
貴方様のメールのやり取りと、添付された写真を修整し、私のブログにて、同じ病気で悩んでおられる方々の啓蒙に役立てたいと考えています。もちろん匿名内容です。
無理にとは申しません。回答をお待ちします。
また、その後の対処はどのようになさいましたか?お教え下さい。
お大事に。 高橋クリニック 高橋 知宏
★先日はご丁寧に回答頂きありがとうございました。また、お礼の遅延についてお詫び申し上げます。
メールを頂いた後の経緯を述べます。
前回のメールで記載した皮膚科の先生は、以前、他の病気で見てもらったときから信頼していた先生でした。
今回の件では診察は全て妻が付き添っており、念のため直接私も先生に会ってから自分たちなりの通院方針を判断することにしました。
昨日、診察して頂き、治療を延期する理由の説明をお願いしました。
30分くらい話し合い、先生の意見の趣旨は変わりませんでしたが、それでも保護者(私)の意見が早期治療だったので、液体窒素で治療することになりました。
最後のコメントは、二次感染に気を付けてねとのことでしたが、だったら、外用の抗生剤位処方してくれても?と今になって思っています。(現場では、先生の話と自分の意見を伝えることで頭がいっぱいでした) 現在は、治療部分が少々腫れている部分がありますが、順調そうです。完治するまでには、半年くらいかかるでしょうとのことでしたので、根気よく頑張っていくつもりです。
また、メール、写真のブログへの活用は快諾します。
(メールの内容で、理解しがたい部分がありましたら、訂正、追加説明を行いますのでご指摘下さい。)
進展がありましたら、またご報告させて頂きます。どうもありがとうございました。 ○○
★お答えいたします。
快諾ありがとうございます。貴方様のご好意を無駄にはしません。
早速、http://hinyoukika.cocolog-nifty.com/std/に掲載させていただきます。
さて、二次感染の対処の仕方に関しては、私も抗生剤の処方を行いません。なぜなら、抗生剤が、悪さをしていない常在菌を殺してしまうからです。常在菌は皮膚を常に刺激して、皮膚の免疫力を高めてくれる働きがあります。また、皮膚の細胞も抗生剤が殺してしまうかもしれないからです。
今後の経過もお知らせいただければ幸いです。
お大事に。 高橋クリニック 高橋 知宏
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コメント
以前、高橋先生に相談させて頂いた者です。
同じような事柄ですので、参考になればと思いコメントさせて頂きます。
我が家は、三人の息子(7、4、1才)が居りますが、昨年9月に
とある泌尿器科において当時3才と生後5ヶ月の息子達にそれ
ぞれオチンチンの皮むきをして頂きました。
その後、2ヶ月くらいで一番下の息子にコンジローマをが発症し、
まもなく次男が同様の症状となりました。
我が家も、夫婦共に思い当たる節も無く、病院に対し不信感が
あったためそれからは大学病院へと変え、液体窒素による治療
を行いました。
やはり泌尿器科では、ブレオを添付するように指示を受けたのですが、
子供達の皮膚はタダれてそれは「将来大丈夫か?」と思う位でした。
幸い大学病院では、時間は掛かるが…という説明を受けたのですが、
上記液体窒素による治療でした。
昨年暮れから約半年間にかけて週一のペースで治療を行い、
この7月にやっと再発も無く現在に至っています。
その間は、自分を含め二次感染を防ぐために消毒、風呂等それは
大変でしたが、今の子供達のオチンチンを見ると良かったと思って
います。
取りとめない文章になってしまいましたが、同じようなご家族が居られたので
少しでも参考になればと思い投稿させていただきました。
とにかく時間は掛かりましたが、必ず治るということで…
投稿: dorapapa | 2005/09/19 01:11
コメントありがとうございます。経過が良好でよかったですね。
早速、このメール相談の方に、このコメントをご連絡いたします。実際に経験された方の励ましのお便りは、現在悩んでおられる方々には何よりです。
ありがとうございます。
投稿: 高橋クリニックからの回答 | 2005/09/19 09:27