歳を取ると次第に記憶能力が低下します。特に海馬の萎縮によって、短期記憶=記名力が衰えるので、『あれ?何でここに来たんだろう?』『何を聞いたっけ?』という現象が起きるのです。認知症でなくても、高齢者の標準的な現象です。この対策として記憶術を応用してみます。
以前に大野式記憶術の初級コースを勉強しました。記憶術のプロは、何十何百という数字や物事の順番を覚えることができます。私はそこまで能力を上げるつもりはありませんから、上級の記憶術のコースには入会しませんでした。
人を助けるための医師活動では、記憶力の低下が、患者に迷惑を掛けてしまうかもしれないので、記憶術を勉強したのです。高齢者になると、何かをするために別の部屋へ移動した時に、『アレ?何しに来たんだっけ?』と思う事があります。他の事をしていると、思い出して『本当に、自分はおバカさん!』と思う事があります。その対策として、記憶術を利用しています。自分の日頃から知っている場所を決めて、順番をつけ、そこに記憶したい事を貼り付けるのです。
私は週3回の透析中に、両足(ふくらはぎ)が時々攣る(つる)のです。4時間の透析中に3時間過ぎた頃からです。その理由は、尿が出ないので、透析で体に余った水分を吸収すると、筋肉内の水分が急に足りなくなり、筋肉が収縮・痙攣=攣るのです。しかし、体から水分を十分に吸収しないと、心不全で死ぬかもしれないので、仕方がありません。対策として、湿布薬を急いで貼ると治まります。
私のクリニックは整形外科も診療していますから、湿布薬があるのは当たり前です。足が攣った時に『今度は湿布薬を余分に持って来よう』と思うのですが、翌日には忘れてしまうのです。いわゆる高齢者の記名力低下です。一時的な記憶が、直ぐに忘れてたしまうことです。
そこで、記憶術を応用します。私は自分のクリニックを記憶の貼り付け場所にイメージしています。玄関の自動ドアを1番、待合室のイスを2番、受付を3番・・・という具合です。詳細に説明すると、大野式記憶術から公開は厳重に禁止されているのですが、この程度の事は書店で販売されている記憶術の単行本にも記載してありますから、いいでしょう。
さて、短期間に覚えておきたい事をクリニックの玄関自動ドアの場所とします。写真のように、自動ドアに湿布薬を貼るイメージを作るのです。このシーンのイメージを記憶すれば、何時間経っても、『自動ドアに何が貼ってあったけ?』と考えれば、直ぐに思い出せるでしょう。このように一番身近な場所を設定して、そこに記名したい事を具体的なイメージにしてトッピングするのです。これであれば、いろいろな事をトッピングしても思出せます。
記憶術のプロは54枚のトランプカードを混ぜて、その順番を簡単に言えるのです。さらに、具体的な物ではない事柄を100個も200個も順番に覚えていられるのです。すごいですね!初級コースは30万円弱でしたが、上級コースは60万円弱でした。初級コースは勉強になりなりましたが、上級コースにも興味を持ちました。同じ金額だったら、上級コースにも参加したかもしれませんね?
しかし仕事と言うものは人を助ける事が使命で、お金儲けは二の次だと私考えていました。例えば、ガンの患者さんの保険証明書は通常5千円前後ですが、私は無料でお渡ししています。診断書も長期間来院されている患者さんにも無料です。人の能力を上げるための、秘密の手段だとしても、60万円弱は、さすがに高額です。興味を持たれた人は低額で引き付け、その後は高額で釣っていると思えて仕方がありません。講師の先生は、そのような考えではないのでしょうが、経営のバックアップのスタッフが金儲けに興味があるのでしょう。………残念です。
同じ初級コースの同級の卒業生にface bookの友達がいます。今も一生懸命に勉強なさっています。この記事をお読みになって、お怒りを受けるかもしれません。私の自分勝手の考えで、ゴメンなさい。