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東大出身の友人が天国へ

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私が大学病院を辞めて救急病院の勤務医時代に、内科に関することを教えてくれた東大出身の内科医がいました。山川和夫先生です。現在の日本に正式に存在する「臓器移植ネットワーク」の開発者です。当時、腎臓移植の延長線上に、臓器移植ネットワークを作ったのです。当時、出世や金儲けのために主導権を奪い取ろうと、移植手術を行なっていた総合病院・有名病院・大学病院の教授・院長・医師たちの争いの中で、まったくし絡みのないネットワークとセンターを親友が作り上げました。当然、臓器移植ネットワークの初代総裁になるべき人物だったのに、完成されたのを確認してから、ゴタゴタの責任を全て持って、在野(SONY健康管理部)に降りた人でした。「もったいない!」と私は思いましたが、正義を貫いた人でした。人脈も豊富で博識で尊敬できる医師でした。そして一流をとても愛した人でした。

彼は武蔵高校を卒業、慶応大学医学部に現役で合格したのですが、亡くなったお父上の親戚が皆、東大出身だったので、お母様のために翌年東大の理Ⅱに入り、教養課程で最高の平均点を獲得して、3年生から理Ⅲ(医学部)に転部した脅威の頭脳の持ち主でした。
私の医師としての考え方、物事の曖昧さを排除し、事象をクリアカットに定義し、分からない部分は不明と定義する、そんな考え方を教わりました。ですから患者さんにもクリアカットに説明できるようになりました。医師が曖昧に説明すると、混乱し困るのは患者さんだからです。

泌尿器科医の苦手とする超音波エコー検査を私が得意となったのも、彼のアドバイスで受けた一言(真髄)のお陰です。現在までに一万人以上もエコー検査を行なっています。救急病院にまだ勤めている時に、彼が奥さんを連れて来ました。妊婦なので胎児が男か女か調べてくれと言ったのです。自分で検査すれば分かるのに私に検査させたのです。私の診断で男の子でした。出産したら、やはり男の子でした。後に医学部に入り医師になりました。

お父上も東大出身で順天堂大学の有名な内科教授で、教授の任期中に心臓で亡くなられていました。
彼もある日の朝、自宅において急性心不全で亡くなられたそうです。

Yamakawakazuoある日、新聞を開いたら死亡欄に、友人の記事が記載されていたのです。ビックリです。

お通夜に行きました。大勢の参列者がいました。彼の叔母さんで同時に私の患者さんでもある方と会釈をしました。参列者に話しを聞くと、彼は5月に不整脈で入院精査していたそうです。6月には仕事場に出ていたそうです。突然の死です。
私の右手は90%近く回復し、自分の氏名をいつもと同じに記帳することができました。私と違って、例えいたずらでも、やることにそつがない先生でした。味方にすると頼りがいがあり、敵にすると恐いタイプの友人でした。

彼のご冥福を、合掌。

Yamakawadrあれから2年が経った、平成22年6月6日(日)神谷町近くのお寺で三回忌法要があり参列しました。その後、ホテルオークラで「偲ぶ会」がありました。
生前の山川先生のお人柄や業績をみんなで歓談し、とても和やかな会でした。奥様をはじめ三人のお子様も立派に成長され、山川先生もきっと安心されていることでしょう。時々、彼と電車で一緒に移動する夢を見ます。今でも奥さんを愛していると言うのです。私が死んだら天国で一緒に勉強するでしょうね(笑)

彼のお陰で、私は医師として成長しました。彼の好きで持っていたジャガーも私も購入しました。彼の親戚の叔母さんも私にご紹介して頂き、現在も時々治療しています。

 そのうち、私も天国に行って、彼と一緒に遊びたいです。😂🤣😸

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