変形の理由
婦人の間質性膀胱炎や男性の慢性前立腺炎の病気の原因は一般的に原因不明です。ところがエコー検査を行うと正常所見ではありません。一般の医師は異常なしと診断します。ある意味でバカです。
初めの写真は間質性膀胱炎のご婦人患者さんの所見です。膀胱三角部の真横にある筈の膀胱出口がはるか上に位置しています。膀胱三角部と膀胱出口が盛り上がっています。
以前に膀胱出口の変形について解説しました。背筋を真っ直ぐにしてオシッコをすると、膀胱内圧の負荷がダイレクトにかかるのは膀胱出口ではありません。膀胱三角部の後ろに負荷がかかるのです。これが何十年も継続すれば、膀胱三角部の後ろ部分が下に凹むのです。すると膀胱出口と膀胱三角部が上に盛り上がっているように見えるのです。しかし全ての人間が、このような変形になる訳ではありません。間質性膀胱炎、過活動膀胱、慢性膀胱炎、慢性前立腺炎、神経因性膀胱、前立腺肥大症の患者さんだけです。
その理由は膀胱括約筋が原因です。膀胱出口の周囲に存在する膀胱括約筋は、膀胱に溜まっているオシッコが漏れ出ないように常に閉まっています。オシッコする時にも閉まっているのですが、尿道括約筋が引っ張り出口を開くために膀胱括約筋が負けるのです。この現象は微妙なバランスの差ですから、膀胱出口が十分に開かない人も存在します。出口が十分に開かないのに膀胱内圧がかかるので膀胱括約筋に負担がかかり、結果として膀胱括約筋が肥大するのです。初めのエコー写真で膀胱括約筋が肥大しているのが分かります。
私の考えですが、人によっては膀胱括約筋と尿道括約筋との距離が異なるのです。距離が短いと、膀胱括約筋が尿道括約筋に簡単に引っ張られ開きやすく、逆に距離が長いと膀胱括約筋が開きにくいのです。ですから前立腺が存在するために膀胱括約筋と尿道括約筋との距離が長い男性には、排尿障害が多い理由です。一般の医師は前立腺肥大症だから排尿障害になるのだと誤解しているのです。前立腺の有無ではなく、膀胱括約筋と尿道括約筋との距離が問題ですから男女問わず排尿障害になるのです。
これを防ぐためには、メス犬と同じ姿勢で、前かがみに座って、男女問わずオシツコするべきです。また腹圧を掛ければかけるほど膀胱出口が圧迫されてオシツコが出にくくなります。特に残尿感のある人は腹圧を強くかけます。結果、病状が悪化するのです。自然にオシツコしてください。
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