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前立腺肥大症の真実

前立腺肥大症の原因は男性ホルモンのアンバランスで生まれるとされています。疑問を感じるので詳しく考えてみました。
❶男性の年齢と共に50%以上の男性が前立腺肥大症になります。50歳で30%、60歳で60%、70歳で80%、80歳で90%が前立腺肥大症になると言われています。
❷一般的には男性ホルモンのバランスが悪いから肥大症になると思われているのです。しかし疑問があります。年齢と共に男性ホルモンが低下すると肥大症になります。肥大症の治療薬アボルブ・プロスタールで前立腺は30%〜50%小さくなるのです。……???……男性ホルモンが低下したから、前立腺肥大症になるのに男性ホルモンを低下させると前立腺が小さくなる???……矛盾しますよね? 

❸前立腺肥大症の症状は排尿障害ですが、前立腺がとても大きくても排尿障害の症状のない人もいれば、前立腺が少し大きいだけでも排尿障害の症状が強い人もいるのです。

これらの現象を矛盾なく説明できるのは、男性ホルモンのアンバランスとは思えません。私は前立腺肥大症の患者さんを何千にも診察・治療しています。❶その患者さんの多くは子供の頃から頻尿が認められているのです。実は頻尿症状≒排尿障害の症状です。❷冷え性の体質❸昔から水の音を聞くと尿意切迫感が発症します。❹さらに汗っかき❺花粉症❻軟便・過敏性腸症候群があるのです。
これらの症状は排尿障害があり、尿で水分を出し切らないので、違うルートで水分を出す結果、いろいろな症状になるのです。
元々ある排尿障害があると、膀胱出口は十分にに開きません。当然、膀胱内圧が高くなり、その物理的負荷が前立腺にかかります。その負担が 50年間も繰り返せば、生体反応で前立腺が大きくなるのです。そのため違う方法で水分を出そうとするのです。

Bph1_20210303112801 前立腺肥大症になるための過程は、若い頃から排尿障害があり、膀胱括約筋が肥大しています。イラストで示すように膀胱内圧が前立腺に負担をかけます。その現象が何十年も続けば、生体反応として前立腺内の組織に平滑

筋肉と線維組織が増えて抵抗しようとします。前立腺細胞➕平滑筋➕線維組織=前立腺肥大症になるのです。

ですから前立腺肥大症の治療は、①排尿障害の治療と②前立腺を小さくする治療が原則になるのです。
①膀胱括約筋をゆるめるのがα1-ブロッカーのユリーフ・シロドシン、ハルナール・タムスロシンです。
②前立腺を小さくするのが、アボルブとプロスタールです。アボルブの効果は半年間で大きさが最大100%→70%、プロスタールが100%→50%になります。

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