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膀胱三角部の症状

 

Sankakubu_20210408105201 膀胱にいろいろな病気があります。急性膀胱炎、慢性膀胱炎、過活動膀胱膀胱、間質性膀胱炎、膀胱疼痛症などがあります。

それらの症状は、頻尿、残尿感、排尿痛、膀胱痛などの症状の組み合わせです。でもどうして、これらの症状が出るのか医師は理解していません。あくまでも膀胱全体の症状だと思っているのです。その証拠として、ボトックス治療として、膀胱全体に20カ所(過活動膀胱の処置)〜30カ所(神経因性膀胱の処置)も膀胱筋肉に注射するのです。

実は、膀胱の病気の症状を作るのは「膀胱三角部」だけなのです。膀胱三角部を除く膀胱全体は、膨らんだり縮んだりするためだけの臓器なのです。膀胱の知覚はないのです。

膀胱の症状を作っているのは、膀胱三角部だけなのです。その根拠は、イラストのように排尿障害が原因で膀胱三角部に負担がかかるからです。膀胱三角部は実は尿管の延長の変形なのです。膀胱三角部は伸びたり縮んだりしないのです。尿管の出口が膀胱内圧で極端に強く圧迫されると、尿管口から尿が出なくなり、腎臓に負担がかかるからです。ですから内圧の負担を尿意として感じるのです。

しかし。その負担が長期間繰り返されると、尿意だけでは不十分と考えて、脊髄神経回路が混乱して、尿意神経と異なる神経の痛み、痒み、痺れ、尿意切迫感、残尿感などに切り替えるのです。その結果、さまざまな症状になるのです。その症状の組み合わせで、いろいろま病名になるのです。 バカみたいでしょう(笑)。

ここまでのお話しで理解できるように、先ず第一に排尿障害の治療すれば良いのです。ユリーフ・シロドシン。ハルナール・タムスロシン、エブランチルを処方します。次に様々な症状があっても頻尿治療薬であるβ3作動薬であるべオーバ、ベタニスで治療すれば良いのです。

61hinnyo32007年に初診された60歳の患者さんのお話しです。一日何と61回の頻尿と夜間10回の頻尿と、一日3回の陰部の激痛で、2件の大学病院を受診しました。「間質性膀胱炎」と診断されて、2回の膀胱水圧拡張手術を受けました。……ところが、ちっとも治らなかったので、女性の有名教授に相談しました。すると、大声で怒鳴られました。患者さんは、泣きながら埼玉から高橋クリニックに受診されたのです。検査をしてみると排尿障害が確認されました。患者さんの強い希望があり手術を実施しました。当時は現在の薬剤師がなかったので、止む無く手術を行いました。膀胱出口と膀胱三角部の切開だけです。

手術後1ヶ月では、1日の頻尿60回→30回、夜間頻尿10回→5回に減り、毎日3回の激痛が無くなったのです。その後、頻尿は一日5回、夜間頻尿は0回でした。患者さんには、とても感謝され、ご夫婦で毎年2回再診されて状態を報告されました。写真は学会報告に出した患者さんの喜びのお顔です、ら

術後12年経ったある日のこと、ご主人から電話がありました。ご夫婦で食事中に奥様が脳出血で突然死されたのです。後日、ご主人が来院され「妻は本当に先生に感謝していました。手術後12年間、体調が良く、とても幸せでした。本当にありがとうございます。」………医師として悲しくもあり、感謝されて嬉しくもありました。私があの世に行った時には、歓迎してくれるでしょうね。

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