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神経因性膀胱と言う「嘘」

Nb1 おシッコの出が悪く、さらに残尿があり、男性で前立腺が大きくなく、さらに女性の場合にも、「神経因性膀胱」と診断されます。そして治療は、神経がダメになり回復させることは出来ないので、毎日3回〜5回の自己導尿の指導を受けるのです。

正常の場合には、神経の命令で膀胱がイラストのように収縮します。ところが、何らかの原因で神経が作用しないと、膀胱は十分に収縮しなくなり、排尿障害と、残尿量が50ミリリットル以上も残ると、「神経因性膀胱」と診断されるのです。

……しかし、この理論はは絶対に嘘と私は考えています。

膀胱の壁に存在する筋肉である、縦走筋と輪状筋は、腹圧が掛けられた膀胱が均一に圧迫・収縮できるようにするだけの弱い力の平滑筋なのです。尿を押し出すための強力な筋肉ではないのです。

43245090c62c40e5ad1c28be9ab1bec1 発生学的に考えると、膀胱と直腸は妊娠の第4週ごろに認められる総排泄腔の「一卵性双生児」なのです。妊娠の第7週目で膀胱と直腸が別れます。排便する時に直腸の筋肉の力でウンコが出ると思えますか? 違いますよね? 腹圧の力で出しているのです。双子の膀胱の筋肉も力がそれ程なくである、排尿は腹圧で出しているのです。

Nb2 膀胱内の尿を押し出すのは、腹圧の主な筋肉である腹直筋・腹斜筋・横隔膜は、自分の意思で動かすことのできる随意筋です。では、神経因性膀胱と診断された病気は、腹圧をかけても、何故に膀胱が収縮ができないのでしょうか?

実は膀胱出口が開いてくれないからなのです。膀胱出口は男性も女性も「膀胱括約筋」で常に閉じているのです。何故かと言えば、液体であるおシッコのが漏れないようにするためです。排尿の際には、膀胱出口に付着している膀胱縦走筋が収縮して膀胱出口が少し開くのです。同時に腹圧をかけると、膀胱内圧が上昇して膀胱出口がさらに広く開くのです。排尿とは微妙なバランスでしょう?

こも現象が毎日5回、1年で1,825回、50年で9万1,250回、80年で14万6千回も行われているのです。膀胱出口に存在する膀胱括約筋には、常に負担がかかります。当然。負けないように膀胱括約筋が次第に発達して大きく肥大・肥厚しますから、当然、膀胱出口が開かなくなるのです。腹圧をかけても出口が開かなければ、膀胱内圧が上昇して膀胱に負担がかかります。膀胱の内膜が凸凹に変形して、それが肉柱(にくちゅう)になるのです。膀胱の壁が疲労性萎縮して薄くなるので、膀胱の筋肉がダメになった誤解されて、神経因性膀胱と間違った病名に診断されてしまうのです。膀胱を支配する自律神経が原因とされているのです。状態を調べることの出来ない自律神経が原因としている理由が、あまりにもいい加減な診断です。理論的にもっと正確な考え方をしなければいけないのです。結果、自己導尿させるなどの患者さんの人生に不愉快な現象を与えているのです。

【治療】正しい治療としては、❶膀胱括約筋の緊張を緩めるα1-ブロッカーであるユリーフ・ハルナールを服用してもらいます。❷最近、保険適応となったBotoxを膀胱括約筋に注射すれば膀胱括約筋が緩みます。❸しかし、膀胱括約筋が極端に大きく、膀胱出口が硬化している場合には、内視鏡手術で、膀胱出口を切開/切除すれば、神経因性膀胱の症状は軽快します。

神経因性膀胱が治らないと思われているのは、ある意味で誤解です。医学の基本である発生学や解剖学の基礎知識を無視しているからです。但し、私だけの考え方です。

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