ガン細胞
ガン細胞は、本来の人体細胞から作られます。人体の細胞が60兆個の集団になり、分野を細かく分けて、複雑な構造の人体になるのです。1日で1兆個の細胞が死に再生し、1ヶ月で30兆個、2ヶ月で60兆個の細胞が入れ替わると言われています。脳・神経・心臓・肺・腎臓・膵臓・脾臓・消化菅・甲状腺・卵巣・子宮・睾丸・前立腺・目・耳・鼻・口・平滑筋・骨格筋など、全ての細胞が同じ細胞から作られるのです。
原点は細胞内にある核の遺伝子が作るのです。核内の遺伝子はDNA構成されていて、基本の塩基数は4種類、アデニン(A) 、チミン(T)、グアニン(G) 、シトシン(C)が30億個も並んでおり、その組み合わせで、さまざまな個性が出来上がるのです。DNAは二重構造ですから、片側だけで15億個塩基が並んでいます。塩基の種類が4種類ですから、種類は4の15億乗✖️2種類になります。1個の細胞の核だけでもまるでスーパーコンピュータです。
この多彩な能力のある人体細胞が、ガン細胞を作ったのです。そのガン細胞が無能とは思えませんよね。ガン細胞には、人体細胞ほどの能力はありませんが、その分、無知な本能的な仕事しかしなくなるのです。その結果、周囲の状況は無視して自分の事しか行わないのです。結果、人体の全ての細胞が死んでしまうのです。
臓器によっては、悪性度も違うのです。複雑な仕事をしている臓器、例えば、消化管から吸収されたあらゆる物質を分解・合成をする肝臓、食事で高くなる血糖を常に低下させるインスリン分泌で毎日負担を掛けられる膵臓、決して休むことのない呼吸器の肺なとは、毎日24時間・生涯働き続ける臓器は、細胞に余裕がなくなります。そして散々、細胞分裂を繰り返しますから突然変異が起きて、それがガン細胞になるのです。本来の細胞が優秀ですから、ガン細胞になっても能力が高いのです。当然として悪性度も高くなります。
表に記載されたガン患者さんの生存率をご覧下さい。
肝臓ガンは5年生存率40%、膵臓ガンは9.6%、肺ガンは40.6%、食道ガンは44.4%です。肝細胞は5ヶ月に1回の細胞分裂ですし、食道粘膜は2、3日に1回の細胞分裂、肺胞は再生しないと言われています。細胞分裂の多さと、ガン細胞の発生率は異なります。あくまでも、それぞれの細胞の仕事の負担によって比例するようです。
以上の事実からガン細胞予防のために、❶肝臓にはお酒を飲み過ぎない、薬も飲み過ぎない、❷膵臓には炭水化物・タンパク質を取り過ぎない、❸肺胞には運動をし過ぎて肺胞に負担を掛けない、綺麗な空気を吸う、❹食道粘膜にはアルコール・唐辛子のような刺激物を控える……等などです。
ガン細胞の発見方法・検査方法・治療法だけに固執しないで、何故ガンが発生するのか、それを根拠にいろいろ考えれば、ガンの発生が防げるでしょう。過去の過去の人間が考えた知識だけではなく、自分たちで積極的に考えるべきです。それが医師です。
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