症状の推移・変遷
慢性前立腺炎や間質性膀胱炎の患者さんに薬の治療をすると、症状が変化して、患者さんから、1週間もしない内に、心配で電話がかかります。患者さんからすると、『薬が効かなくて、逆に症状が悪化した?』『薬の副作用で別の症状が出た?』と思うのです。
実はこの現象は、薬の効果が得られている所見なのです。排尿障害が原因の症状としては、❶頻尿❷残尿感❸下腹部痛❹陰部痛み❺足の痛み❻足の痺れ❼陰部のかゆみ❽肛門の痛み・かゆみ❾胃の痛み➓手の震え・痺れ等があります。
患者さんによっては全ての症状があり、悩む人もいれば、1つか2つくらいしか発現しない人もいます。そのような人は、発現しない症状が隠れている人たちもいるのです。
そんな人を治療すると、表面の症状が次第に軽快しますが、それまで無かった隠れていた症状が出てくるのです。当然ながら、患者さんは治療薬で悪化したり副作用だと思い、私に電話をかけて来るのです。
この現象を解説するために、イメージを2つ述べます。
🅰️中学生のあるクラスで、勉強の出来る自信に満ちた発言力に強い生徒が1人居たとします。学級委員長にもなります。当然として、クラスメートは、彼の言いなりに行動して、皆んな同じ発言もするでしょうね。クラスが彼の考え方や発言をします。
ところが、彼が両親の事情で、転校したとします。すると、今まで影を潜めていたクラスメートのひとりが、発言するようなり、クラスメートを牽引する様になります。クラスメート全員が、新たな学級委員長の考え方や発言するのです。
🅱️汚れた部屋を掃除しなさいと、両親に命令された子供が、掃除を一生懸命に始めたとします。なかなか終わらないので、状況を確認しに部屋に入りますね。すると、掃除の真っ最中で部屋全体にホコリが舞っており、部屋の中で深呼吸も出来なくなります。……掃除する前には深呼吸出来たのに……とは思いますよね?
治療を始めると、上記のイメージの様に隠れていた症状が出現するのです。ですから、一定の時間(1ヶ月〜3ヶ月)は我慢するしかないのです。この体験を経験なさった人は何人もいます。
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