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原因不明の泌尿器科の病気#1

Imuno6_20200727095301  原因不明の泌尿器科分野の病気としては、非細菌性慢性前立腺炎、間質性膀胱炎、非細菌性慢性尿道炎、過活動膀胱、慢性骨盤疼痛症候群、陰部掻痒症があります。しかしながら、これらの病気の原因は実はすべて排尿機能障害です。当院に来院された、これらの病気で治らなかった患者さんの8割以上は、排尿機能障害に関連したお薬で症状は軽快しました。

❶非細菌性慢性前立腺炎

 男性の病気です。年齢は若年者から高齢者に認められます。症状は、軽度の頻尿、陰部の痛み、睾丸の痛み、射精直後の痛み、肛門の痛みなどです。前立腺が大きい場合には、前立腺肥大症と診断されますが、前立腺が小さければ、この病名になるのです。本当の炎症ではありませんから、抗生剤・抗菌剤・セルニルトン・エビプロスタットを処方しますが治らないと、主治医は「この病気は治らないから………」と言うのです。では、どうして主治医が排尿機能障害を調べないのでしょう。それは患者さんが排尿機能障害を自覚しないので、医師に訴えないからです。一般の医師は患者さんが訴えないと調べもしないのです。

 脳腫瘍・肺がん・胃がん・肝臓がん・大腸がんなどは、患者さんのほとどが症状は訴えません。検査で初めて診断できることが現実です。泌尿器科の医師は排尿障害が隠れていると考えるべきです。

 子どもの頃から、排尿機能障害があれば、それが自然で自分の体質だと思い込むのですから、排尿機能障害を患者さんが訴える訳もありません。その証拠に、「小学生の頃に授業が終わる45分ごとにトイレに行ってませんでしたか?」と質問すると、「え〜!なぜ分かるのですか?」と驚かれるのです。

 以前に解説したエコー検査の所見で、排尿機能障害は診断できるのです。

http://hinyoukika.cocolog-nifty.com/kobore/2020/07/post-a1c682.html

 体としては排尿機能障害をチョッとした頻尿しか自覚してくれないので、何十年もかけて頻尿以外の別の症状を作っていたのです。それこそ脊髄神経回路が工夫して関連痛症状を作り上げたのです。それが、陰部の痛み・痒み・痺れ、肛門の痛み・痒み、睾丸の痛み、坐骨神経痛などです。

 治療薬は、排尿障害の治療薬であるα1-ブロッカーであるユリーフ(シロドシン)、ハルナール(タムスロシン)です。隠れた頻尿を抑えるβ3作動薬のベオーバ、ベタニスも必要です。

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