原因不明の泌尿器科の病気#3
❸治療しても治らない病気に、非細菌性慢性尿道炎があります。
確かに最初は雑菌やクラジミア・淋菌が検出されました。何週間も抗生剤・抗菌剤を投与してバイ菌が検出されなくなったのに、尿道からの分泌物がなくならないのです。あらゆるバイ菌は検出されませんが、分泌物を調べると、必ず白血球が含まれているのです。医師は、「白血球=バイ菌が存在する」と思い込んでいるので、原因不明のバイ菌か、細菌の存在しない原因不明の「非細菌性慢性尿道炎」と診断するのです。
この患者さんたちを私が調べると、必ず排尿機能障害が見つかるのです。そこで、α1-ブロッカーであるユリーフやハルナールとべオーバ・ベタニスを処方するrと、分泌物は出なくなり、尿道炎の不快感も無くなるのです。
『え〜!どうして?』と思われるでしょう。実は、これらの症状は、排尿機能障害の頻尿の裏・別の症状なのです。
イラストは脊髄神経回答内のイメージです。膀胱・前立腺から伝達される、たくさんの尿意情報が脳中枢に伝達出来なくて仙骨神経の神経ニューロンが困っていました。その際に脊髄内の闇の中で光る急性尿道炎に関与した痛みや尿道分泌腺の神経ニューロンが輝いて見えるのです。その輝きに、尿意に関与する神経ニューロンが気が付きます。これらの患者さんたちは、大昔から排尿機能障害の症状である、頻尿や残尿感が脳中枢に伝達できなかったので、症状が全く無いのです。たまたま、バイ菌で感染を受けて症状が出ると、それまで症状を作れなかった神経ニューロンが『やったー!』と大喜びするのです。そして、感染の症状に利用された脊髄神経回路の一部に注目して、膀胱・前立腺から伝達された多くの尿意情報をシナプス結合で繋げて、今回利用された「分泌腺の神経」や「尿道の知覚神経」に流すのです。その結果、感染症が治っても、白血球の含む分泌物や尿道の不快感が生じるのです。
http://hinyoukika.cocolog-nifty.com/cp/2006/09/3_8705.html
排尿機能障害を緩和させると、尿意の情報量が極端に低下するので、慢性尿道炎の症状が無くなるのです。何年も治らなかった患者さんは、ビックリして大喜びです。
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