« ステロイドの有効性 | トップページ | 次亜塩素酸の存在 »

熱中症とコロナ感染の鑑別

Faeb49683cd04b1383a683bb542657a9

 発熱があると、熱中症とコロナ感染の区別がつかないので、搬送するべき病院の選択が困り、無駄な時間が長くなるので、それぞれの患者さんが重症化してしまいます。熱中症の場合は急いで治療しなければ、患者さんは亡くなってしまいます。逆にコロナ感染の場合は、タイムラグがありますから、急死することはないのですが、タイミングを間違えると、重症化して呼吸困難の重症肺炎になります。

 では、どのように鑑別すればいいのでしょう。
❶熱中症
体温が上昇し、さらに脱水するので全身倦怠感が強く、会話することも出来ません。
9e26c2fa4ef7490a9d8d80ad7019285e

❷コロナ感染症
ある意味で、感染者がウィルスに支配されていますから、顔が無表情=人間ではない=ロボットの様=無機質に近いので、人間性の個性的な表情がなくなるのです。笑顔・疲労感・辛そうな表情では無くなるのです。インフルエンザの患者さんの場合、私がよく経験することです。

Facem

 ですから、患者さんを一目見ただけで、検査をしなくても判断できます。ここまでは医学的根拠が漠然としているので、もう少し詳しく解説しましょう。

 では何故にウィルス感染症の場合、顔に表情が無くなるのでしょう。このイラストは表情筋を示しています。表情筋はすべて皮膚だけに繋がっている横紋筋なのです。通常の横紋筋=骨格筋は関節を挟んで骨と骨との間に存在します。決まった方向に動かすだけですから、通常の骨格筋の動きはとても単純です。

Facebrain  ところが表情筋はイラストを見て分かるように、18種類の多数の表情筋と互いに連絡しています。当然動きは複雑です。苦笑・大笑い・悲しみ・ガッカリ・怒り・驚き・喜び・幸せ・号泣・軽蔑などあらゆる表情を作成するのです。表情筋同士が微妙に動きを調整するのです。その神経支配が脳中枢の感情を支配する前頭連合野です。イラストの9番と11番です。

Facem4  表情に関連した交感神経は、興奮すると白血球=好中球を増やし、リンパ球を少なくするのです。逆に副交感神経は白血球を少なくして、リンパ球を増やすのです。ですから、ウィルス感染の場合は、交感神経が抑制され、副交感神経が強化されるのです。ところが、新型コロナウィルスは、白血球免疫を興奮させるので、交感神経は徹底的に抑えられます。

 交感神経は悲しみ・喜び・怒りなどのあらゆる感情を支持します。ウィルス感染症に対しては、液性免疫=抗体免疫=リンパ球をたくさん使用するので、当然として、交感神経と密接に関与している表情筋も抑制されてしまい無表情になるのです。

 熱中症の場合は、炎天下の中で運動や労作業をしているので、交感神経が徹底的に使用されます。高温で湿度が高いために、体はたくさんの汗をかきます。これも交感神経の仕事です。体内の水分循環が不全になり、熱中症になるのです。当然、交感神経も極度の疲労で働かなくなり、血圧は下がり無表情になりますが、過度の疲労という表情です。

|

« ステロイドの有効性 | トップページ | 次亜塩素酸の存在 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« ステロイドの有効性 | トップページ | 次亜塩素酸の存在 »