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免疫抗体の推移

Bcggrph1 東京大学の児玉名誉教授の新型コロナウィルス感染の免疫抗体の研究結果を公開しました。

 通常のウィルス感染の場合、初めての感染者は、先ずはIgM抗体が上昇し、一定の時間後にIgG抗体が増加します。IgM抗体は、IgG抗体と同じリンパ球B細胞で造られますが、効果が弱いのです。恐らく特定のウィルスに強く効果のあるIgG抗体を作る時間稼ぎのために、IM抗体を作るのです。IgG抗体は初めて作るのには時間がかかりますが、特定のウィルス殺菌効果は強いのです。

Bcggrph2 過去に感染経験があると、リンパ球のB細胞が記憶していますから、先にIgGが高くなり、後から補助的にIgMが反応するのです。またこの変化は、ウィルス・ワクチンを予防接種している人にも、免疫抗体の同じ変化推移を示します。

Bcggrph3  新型コロナウィルス感染者で重症化した患者さんの場合は、一般のウィルス感染の初感染と同じグラフになります。当然でしょうね。ところが新型コロナウィルス感染者の軽症の患者さんは、このグラフと異なり、過去にウィルス感染症の経験のある患者さんの免疫抗体のグラフに近いのです。

Bcggrph4  それがIgG抗体が先に生産されて、IgM抗体よりも早く増加するのです。この抗体の推移は、過去にウィルス感染の既往があるか、ウィルス・ワクチンを接種している人の場合です。

 コロナウィルス感染症が日本で広まったことはありません。研究者によると、過去に風邪として流行ったのが、実はコロナウィルスに似たような感染症だったのではないか?と言うのです。 

 私はもう一つの可能性を考えています。BCGワクチンを接種している日本人だからではないでしょうか?BCGワクチンを接種しても100%も免疫抗体が記憶される訳ではありません。過去にBCGワクチンを接種しても、ツベルクリン反応が陰性になり、複数回BCGワクチンを接種する人もいました。その後、結核が長い期間流行しなかったので、BCGワクチン接種は、中学2年生までに3回することになっていましたが、副作用で骨炎を起こすことがあったので、平成17年に1歳までに1回することになりました。

3回行っていたのが1回になった訳ですから、当然、結核菌に対する免疫抗体が作れない人がいるに決まっています。そのような人がコロナウィルスにかかり重症化したのかも知れません。

【備考】
グラフはインターネットに掲載されたものを改変したものです。

 

 

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コメント

日本は、これから梅雨の時期に入りますが。
新型コロナウイルスは、どの様な動きになって行くのでしょうか?
【回答】
雨で地面に流れて、川から海に排泄されます。
自然界では死滅します。

投稿: | 2020/05/23 21:30

6年ほど前に、熱が42度を記録し2日も40度だったことがあります。咳は2ヶ月続きました。味覚も嗅覚も明らかに低下し、鼻水は毎日1箱は使い、悪戦苦闘しながら徐々に回復しました。内科には行きましたが風邪でしょうと言われ、まさか当時はsars mars を疑いはせずに詳しい検査はしていません。

例の国のウイルス施設はずさんな管理のまま10年以上運営されていたようですし、そういう施設が複数あるそうです。レベル2施設のままでレベル4を扱うなど恐ろしいです。いろいろなものが長年に渡り、拡散されてきたと考えるほうが自然だと思っています。

投稿: イノマタ | 2020/05/27 02:16

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