❹コロナ治療薬としてのフサン・フォイパン
❹フサン・フォイパン
医師であればご存じのように、昔から存在する急性膵炎の治療薬です。コロナウィルスの治療に急性膵炎の薬を処方する理由を説明します。
この薬は膵臓の分泌するタンパク質分解酵素をブロックするのです。膵臓はタンパク質分解酵素を分泌して総胆管から十二指腸に排出します。胃の内容物が十二指腸に送られた際に、その中のタンパク質を分解して、小腸で吸収し易くするのです。
何かの原因で膵臓が炎症を起こすと、このタンパク質分解酵素が膵臓から漏れ出てしまい、周囲の内蔵全体にタンパク質分解酵素が傷害与えるのです。全ての臓器はタンパク質で構成されていますから、臓器が影響を受けるのです。すると臓器の表面が石鹸化してしてしまうのです。それが急性膵炎による腹膜炎です。
さて、急性膵炎の治療薬であるタンパク質分解酵素をブロックする薬剤が、コロナウィルス感染の治療薬になるのは何故でしょう。
コロナウィルスが細胞に接着する時に、細胞にあるタンパク質分解酵素を利用するからです。人体の細胞膜の表面に、レセプターとタンパク質分解酵素がセットになっているのです。コロナウィルスの体表にタンパク質突起が多数存在しており、それが細胞に触れると、細胞側のタンパク質分解酵素が反応して、コロナウィルスと細胞レセプターを接着させてしまうのです。するとコロナウィルスは細胞に完璧に接合して細胞内に侵入するのです。
ですから、このタンパク質分解酵素をブロックしてやれば、コロナウィルスが細胞に接着しなくなり、感染しなくなるのです。 それが急性膵炎の治療薬であるフサンとフォイパンです。
治療としては、ウィルスに感染した細胞に、アビガンやレムデシビルを処方すれば、感染した細胞は無くなります。フサンやフォイパンを処方すれば、ウィルスは細胞に接着できないまま、全身を巡り廻ります。ウィルスは寿命が短いので、増殖できなければ死ぬしかありません。
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