« ウィルスの違い | トップページ | ウィルスの形状 »

白血球の欠点

ウィルス感染の際に、時として重症化します。今回の新型コロナウィルス感染の場合は、重症化して肺炎で亡くなっられる患者さんが感染者の2%にもなります。私がこの記事を書いている時点で、感染者10,419人で死者229人ですから、2.2%です。(海外では10%以上ですが)

インフルエンザ感染の死亡率は0.06%です。新型コロナウィルスの方が、37倍も重症化しやすいのです。その理由は、もちろんウィルスの性質ですが、実は免疫システムの対応の仕方にも問題があるのです。それが白血球の共喰い・貪食現象による炎症反応なのです。

前回に解説したように、インフルエンザウィルスとコロナウィルスとの形態の違いが、実は重症化の違いです。インフルエンザウィルスは粒子が0.2μmと大きいのですが、外壁の粘着力が弱いのです。それと比較してコロナウィルスは粒子が0.1μmと小さく体積で8分の1と小さいのですが、外壁のの粘着力が強いのです。

Virusecoli

 大腸菌などの細菌は1μmの大きさで、白血球は10倍以上の12μmの大きさです。大腸菌は白血球に貪食されないように逃げまくりますね。でも白血球は動き回って、大腸菌を認識しようとします。白血球は目がないので、接触認識だけです。

Virusinf

 インフルエンザウィルスは、0.2μmの大きさで、白血球に容易に貪食されます。インフルエンザの外壁の粘着力は、それ程でもないので、白血球には接着しませんし、逃げ回ります。しかし、白血球の外壁に付着すると、他の白血球が偶然に白血球のウィルスに接触して「!ウィルスだ!」と誤解して白血球同士が貪食し合います。そのため、白血球内の炎症成分(過、酸化水素・次亜塩素酸)が漏出・拡散するので、肺炎に至るのです。

Viruscor

 ところが、コロナウィルスは小さい上に外壁の粘着力が強く、貪食する白血球に大量に付着密着します。白血球は目が見える訳ではありません。ウィルスに接触して認識するので、近くの白血球がコロナウィルスが密着した白血球を大きなウィルスと誤解して、仲間同士で貪食・共食いするのです。

その結果、白血球内の炎症成分(過酸化水素・次亜塩素酸)が周囲に漏出・発散するので、周囲の組織が炎症が起きるのです。それが最終的には、インフルエンザの肺炎よりも頻発し致死率が高い重症肺炎になるのです。

Crnant2 これを回避するために働くのが、0.01μmの大きさの免疫抗体です。コロナウィルスに多数接着するので、コロナウィルスの外壁の粘着力が極端に低下します。すると、白血球の外壁にコロナウィルスが接着しなくなるので、誤解による貪食・共喰い現象が起きなくなり、炎症反応=重症化肺炎にならなくなるのです。だから、早くワクチンが出来るのを期待します。

ワクチンが生産されるまでの現時点での対策として、コロナウィルスが吸入しないように次亜水を噴霧やミストを行いコロナを殺菌することです。もしも感染したら、白血球が仲間同士で共喰い・貪食しないようにステロイドを利用して白血球の興奮を抑えることです。

 

 

 

|

« ウィルスの違い | トップページ | ウィルスの形状 »

コメント

先生のお考えに納得しております。しかしながら、現在の医療では新型コロナに罹患してもステロイド薬とかは処方しているのでしょうか?
【回答】
していません。」

万が一感染してしまったら先生から処方していただけるのでしょうか。今の状況に不安ばかりです。
【回答】
はい。

投稿: | 2020/04/19 21:45

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« ウィルスの違い | トップページ | ウィルスの形状 »