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慢性前立腺炎の患者さんに隠れた病気

Btcp37582m423pp 神戸から男性の方が来院されました。2017年の春ごろから、排尿痛、排尿困難、陰部の痛みが出てきて、地元の泌尿器科で診察を受けました。「慢性前立腺炎」の診断で抗生剤とセルニルトンの処方を受けましたが治りません。2019年には少しばかりの血尿が出現して、また地元の泌尿器科を受診して、内視鏡検査を受けたのですが、「膀胱炎」という診断になりました。

慢性前立腺炎=膀胱頸部硬化症というのが私の考えです。早速エコー検査を行ないました。すると予想通りの所見でした。膀胱出口がVの字で膀胱排尿筋が膀胱出口に向かってなく、相対的に膀胱三角部が厚くなっています。当然ですが、膀胱三角部が興奮して頻尿と関連痛が出るのです。また、前立腺内に複数の石灰(前立腺結石)が認められました。

Btcp37582m42pp …?!…すると膀胱に怪しい陰影が見れるのです。直径2.5cmの大きさです。陰影が膀胱腫瘍であるかどうか確認するためには、ドップラーエコー検査で確認します。案の定、陰影の中に動脈血流が確認できました。

Btcp37582m422pp エコーの側面画像でも陰影の中に動脈血流が確認できました。これが血尿の原因だったのです。これは間違いなく膀胱腫瘍(膀胱ガン)です。しかし過去に内視鏡検査を検査を行なっていたのに、何故に腫瘍を確認出来なかったのでしょう。

Btcp37582m423d 1年前では、今より小さかったのでしょう。でも、今の10分の1の大きさでも確認できたはずです。その理由は、腫瘍の位置が膀胱出口近くの真下にあったので、盲点だったからでしょう。そのイメージを3D画像を利用して示しました。

当院では膀胱腫瘍の手術は行えませんから、地元の神戸で実施してもらわないといけません。そこで、次のように地元の医師に説明してもらいました。

東京に仕事で行った時に、たまたま血尿が出たので、街中の泌尿器科クリニックを受診しました。エコー検査を行ないました。すると、膀胱内に怪しい陰影があったので、「地元の主治医に診てもらいなさい」と言われてエコーの写真を渡されたました。

インターネットで高橋クリニックを探して来院したと言ってはいけません。そのような事を告げると、主治医としてのプライドが傷つき、対応処置が不十分になるからです。今後の治療が上手くいくようにお祈り致します。頑張って下さい。

後日、3月6日に患者さんから電話がありました。 地元で膀胱ガンを確認されて、無事に手術を終えたそうです。良かったです❣️

 

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