慢性前立腺炎・間質性膀胱炎・難治生過活動膀胱の患者さんへ
慢性前立腺炎、間質性膀胱炎、難治性過活動膀胱でなかなか治らない患者のお役に立てれば良いと思い、主治医に下記の文面を参考にお渡しください。
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日本全国から慢性前立腺炎・間質性膀胱炎・難治性過活動膀胱などの患者さんが、たくさんおいでになります。その原因のほとんどが排尿機能障害です。しかしながら、患者さんが自覚しない軽微な排尿機能障害が原因なのです。現代医学では、原因不明の病気として対処するのは、科学的とは言えません。
ところが、患者さんが自覚しないために、警告するために患者さんの脊髄神経回路が工夫して、医師が予想しないさまざまな症状、頻尿・尿意切迫感・切迫性尿失禁・さまざまな痛みやシビレ感やかゆみなどの症状になるのです。その症状に応じて、関与した医師が、慢性前立腺炎、間質性膀胱炎、難治性過活動膀胱、膀胱疼痛症、慢性骨盤疼痛症候群などの病名が付けられて、症状に応じた対症療法しか行わないので、患者さんがなかなか治らないのです。「原因不明」のまま教科書やガイドライン通りに治療することは、非科学的な行為そのものです。
地元の主治医先生にお願い申し上げます。ウロフロメトリーや残尿測定や前立腺の大きさに明確な異常が無くても、軽微な排尿機能障害が膀胱三角部と脊髄神経回路を介して、イラストのように症状を作っていると思ってください。
①そして第1の治療は、排尿機能障害の治療薬としてα1ブロッカー(ユリーフ、ハルナール、フリバス、エブランチルなど)を必ず使用してください。ご婦人の場合は、使用出来る保険薬はエブランチルしかありません。反応が弱ければ、ユリーフ・シロドシンを処方してください。もちろんご婦人の場合は、保険適応外になるので、自費で処方されたら助かります。シロドシンだとジェネチックですから、1カ月分2千円ほどですから、患者さんへの負担が少ないのです。もしも治療を優先するのであれば、ご主人やお父様の許可を得て、保険で処方して頂ければ、患者さんは医師の使命感にとても感謝されるでしょう。
②尿意センサーである膀胱三角部の興奮を鎮めるために、β3作動薬であるベオーバ、ベタニスを使用してください。頻尿だけでなく、痛み、痒み、しびれ、違和感にも効果が得られます。
③β3作動薬で不十分な場合は、抗コリン剤のベシケア、トビエースなどを使用してみてください。
④前立腺が大きければ、アボルブを併用すると、症状の改善を補助します。
⑤経過が長いために、脊髄神経回路の完成度が高く、とても興奮しやすいと、上記のクスリだけでは、なかなか治りません。その場合は、トラムセット、リリカを併用してみてください。
少なくても3ヶ月間の治療は続けてください。お願い申し上げます。この病気は高血圧や糖尿病と同じで、治る病気ではないので続けてください。症状が落ち着いたら、処方量を患者さんに応じて減らしても構いません。よろしくお願い致します。
ご質問は下記にどうぞ。
高橋クリニック 高橋知宏(無名の開業医)
東京都大田区中馬込2-22-16
03ー3771ー8000
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コメント
高橋先生
お世話になります。
情報発信お疲れ様です。また、患者の一人としては感謝申し上げます。
少しでも医療難民の方が救われること切に願って止みません。
お陰さまで、私のケースでは膀胱頚部を2mmから6mmに開放していただき、排尿の勢いも良く、さらに術後4週間以降は痛みも消えてきつつあります。以前は排尿時間は90秒ぐらいでした。チョロチョロチョロという表現で分かっていただけると思いますが、今は45秒と約半分の時間で出切ります。目の前の霧が晴れてきた感じです。本当に手術、ありがとうございました。
しかしながら、3kg以上の哺乳類の排尿時間は21±13秒という話があるようですが、まだそこまでにな戻っていません。(笑》動物として人は立位になってから、膀胱三角部や膀胱頸部に負荷がかかっているのでしょうか?単に長生きして不具合が目立っているだけなのでしょうか。
ところで、ザルティアの関係で1年前から神戸の比較的大きな泌尿器にもかかりだしましたが、ウロフロメトリーをやっている人を見かけません。先生方は排尿障害を患者の訴えのみで了解しているのでしょうか。
【回答】
ウロフロメトリーを行って排尿障害の異常曲線が認められても、『たまたまだろう。』と思われてしまうのです。
また、排尿障害があっても、ウロフロメトリーが正常にであることもあるので、難しいところです。」
また、排尿障害自身が疾患の結果であると考えて、もしかして原因であるかもという仮説を考えてみたりしないんでしょうか。仮説を立てて、治療して理解して欲しいところです。高橋先生は慢性前立腺炎炎症状で来院したタクシーの運転手さんで気づかれたとのことですが、かなりの患者さんが毎年、泌尿器に受診しているはずで、「また来たか」と思わず、Googleで検索してもらえたなら、先生のブログや患者の切実な訴えが垣間見られ必ず気づけるはずだと思います。ある一定の泌尿器科医が気づくと一気にブレイクスルーしていくものと思います。高橋先生、今後も発信よろしくお願いします。
【回答】
教科書に書いてあることしか信じないのです。
でもそれは、過去の人間が考えた事に過ぎないのに・・・。
投稿: YO | 2019/12/13 17:42