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人間はソフトウエア

Soft 科学や医学の進歩で、人間を診断・治療していますが、完璧ではないことが、よくあります。数字で言うと、20%くらいでしょう。

その原因は、人の体を物体と思って扱っているからです。確かに科学は物理学、化学で物事を研究理解していますが、そこには生命のソフトウェアを無視しているのです。ソフトウェアは物ではないので、見えないものには興味を持たないのです。科学は見えている事、見えなくても実験で証明された事しか信じないのです。例えば、重力は見えないのですが、実験で1gが9.8m/sec2と判明したのです。

例えば、人間には臓器や血液やリンパ液やホルモンがあります。顕微鏡的にも化学物質的にも確認できます。それをコントロールするのが、脳中枢や脊髄神経回路です。一般的には、そこまでしか追求しないのです。

身体の状況に応じて、脳中枢や脊髄神経回路がソフトウエアを作成して、身体をコントロールするのです。一度でも作成されたソフトウエアは無くならずに、一生残るのです。

20d4fd00cd244870a41cdad2c1d5864f 例えば、真っ赤な酸っぱい匂いのする梅干しを一回でも食べたことのある人は、その後に梅干しを見ただけでも、酸っぱい唾液が出てきます。

例えば、自転車に1か月〜2か月かけて乗れるようになり、その後、しばらくの間乗らなかったとしても、30年後に久しぶりに自転車に乗ってもスムーズに乗れるでしょう。過去に練習で作り上げた自転車操作のタイミングのソフトウェアが確立して、ず〜と残っているのです。

C510d814c91b4c9dacc6748796023b23 それと同じで、病気の原因を治しても、脊髄神経回路のソフトウェアは残っているのです。そのため、患部の感覚センサーが治療で除去されても、脊髄神経回路が情報が来ないことで危機感を感じて、患部に新たなセンサーを作り上げてしまい、再び症状が出て来るのです。

その例として、膀胱頸部硬化症の内視鏡手術で治療して、慢性前立腺炎・間質性膀胱炎症状を治しても、10年後くらい経ってか、再び症状の出てくる患者さんがいるのです。それは、センサーが再生され、脊髄神経回路のソフトウェアが喜んで活動し始めたからです。

病気の治療は、身体の中の臓器・内分泌・免疫と、それを支配する脳・脊髄神経と、作成されたソフトウェアの3段階で考えなければいけないのです。ソフトウェアが関与しないのが、ガンです。ガン細胞を正常の臓器細胞と誤解して、脊髄神経回路で症状を作るためのソフトウェアが作成されないからです。ガンが骨に転移して微小骨折をすると初めて痛み症状が出るのです。

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