七転び八起き#11
生涯ずーっと救急医でもいいかな?と思っていました。ところが、ある日のこと、私を指導してくれた千葉大出身の外科医部長が、私にナイショ話しをしてきたのです。「ある情報で知ったんだけど、いつか分からないけれど、この病院が警察に告訴されるらしい。今のうちに、この病院を辞める準備をした方が良いだろう」とささやかれたのです。部長のその言葉を信用した私は、早速、開業の準備を決心しました。
順調に進んで、無事に開業できました。そして、週に1回だけ救急病院に引き続き出張しました。そこで驚くべき事が分かりました。実は、以前にナイショ話しをした外科部長が、何と脅迫罪で警察署に逮捕されたのです。救急病院で亡くなった患者さんたちのカルテを何十冊も集めて、全て医療ミスが原因として、院長を脅迫して、自分が作る予定の救急病院の資金を稼ごうとしていたのです。
しかし、院長は救急病院で亡くなる患者さんが多いのは当たり前だと思い、すんなりと警察に届けたのです。その結果、部長医師は逮捕されたのです。結局、この医師が以前に私に話した事は、自分でやろうとしていた悪事だったのです。当時のテレビニュースにも週刊新潮にも記事として記載されました。結局、数年の有罪判決と執行猶予3年、医師免許停止になりました。
開業した時点では、総合診療をイメージして、外科、内科、整形外科、泌尿器科、リハビリテーションを掲げました。建築費と医療機械購入費とクリニックの当面の活動維持費でなんと2億4千万円も借金しました。開業したのがバブルが弾けた当時だったので、利息の支払いだけで毎月95万円以上でした。は〜⤵️_| ̄|○ 初年度は患者さんが当然そんなに訪れるわけもなく、少ない日で5人、多い日で20人くらいでしたから、毎月の支払いの時は戦々恐々としていました。当時は胃カメラ、胃のレントゲン、大腸造影など頻繁に行っていました。ところが、どう言う訳か整形外科の患者さんが多く訪れるようになり、1日150人もの患者さんがお越しになることもありました。そのためリハビリテーションの器械も次々にたくさん購入したのです。そうなると、患者さんをクスリやリハビリの器械だけで治療することが、医師でなくても出来るように思えて仕方がありませんでした。そこで鍼灸や整体術に興味を持ったのです。目の前の苦しんでるいる患者さんをその場で治してあげたいと思いました。
たまたま研修医の頃にお世話になった外来の看護主任が定年退職後に、整体術の指導を受けて私に紹介してくれたのです。それが整体術の師匠の唐山先生でした。
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