いろいろな患者さん#4

私が開業してから週に1回救急病院に出張していた頃のお話しです。

当時は木曜日の朝から救急病院の外来と病棟回診をしていました。ある精神科病院の患者さんが毎週1回救急病院に来院していました。腰痛症の一般治療でお越しでした。精神科病院としては、気分転換させるための治療として、どうやら外出させたようです。治療効果には特に問題がなかったのです。

ある日、先生方に相談があると、医師のスタッフルームに入って来ました。そして、聞いたことのないお話しをなさるのです。神さまからの御指示で、あーだこーだと一生懸命に奇想天外のお話しされるのです。ある程度お聞きしたところで、これで終わりにしましょうと告げました。その後も病院事務局の前でベンチに座り必死になってメモ？手紙？を書いていたのです。実は、ある整形外科の先生にラブレターを書いているということが分かりました。（笑）ところが、その先生も私と同じに、その後に開業して救急病院には来なくなりました。

すると、私の診察日に来院することになったのです。再び、患者さんが私にラブレターを書くようになったのです。さらに、神さまのご指示で既婚者の私と、結婚することになったのです。すると、結婚式が決まり、いつ結婚式をあげるのかと、シツコク相談して来たのです。当然、私は拒否しました。

ある日の昼時に、私が昼食を食べていると、電話がかかり奥さんが出ました。すると、あの患者さんからの電話だったのです。救急病院で私の電話番号を受付に聞いたのです。受付はうるさい患者さんだったので、逃げるためにアルバイトの医師である私の自宅の電話番号を教えてしまったのです。電話の内容は、結婚式をあげる日程を決めてくださいと言うのです。奥さんは冷静に答えました。「今、高橋は留守です。私は高橋の妻ですから、あなたとは絶対に結婚できません！」とビッシと答えたのです。………それ以降、連絡は来なくなりました。さすが私の奥さんです。感謝、感謝、感謝です。