いろいろな患者さん#21 偽の五十肩
私が開業して10年くらいは、整形外科に関連した病気の患者さんが多数来られていました、
ある日、40代のご婦人が、左肩の四十肩で来院されました。当日になって、とても痛がっているのです。しかし、一目見て!影が薄いのです。顔面蒼白です。命にかかわる左肩の関連痛は、……心筋梗塞です。
そこで、早速、心電図の検査をさせてもらいました。すると、予想通り心電図波形のST異常が確認できました。心筋梗塞の典型的な所見です。患者さんに心筋梗塞ですと説明すると、精神的ショックで逆に心筋梗塞の病状が悪化させるかもしれません。そこでご自宅に電話して、ご主人に来てもらいました。
ご主人に「心筋梗塞ですから、地元の赤十字病院にすぐに搬送したください!」とお願いして、紹介状を渡しました。奥さまには、「心電図に異常があるので、すぐに赤十字病院に行きましょう!」
無事にタクシーで日赤に向かい、ICU入院して助かったのです。それから20年以上も経過していますが、私が健康のために散歩していると、時々スレ違います。今でも元気に挨拶されています。
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コメント
高橋先生
お世話になってます。
40歳代の女性で急性心筋梗塞はトラップですね。
「まさか」って思います。しかし、先生の場合、アラームが鳴るんですね。羨ましいです。私が勤めている病院でですが、入院している高齢者の方で年1〜2人ぐらい急変されるんですが、私の場合、何も感じません。映画の「シックス センス」の子供のように霊感があると病院で働いていたら大変ですので、まぁ〜よしかな。(笑)でも、将来的にビッグデータを使うAI なんかと相談して医師も疾患を鑑別していくんでしょうね。
重箱の隅をつつくような病気も直ぐ教えてくれるので助かりますねー。
投稿: YO | 2019/11/26 21:41