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いろいろな患者さん#16 秘術

先日、関西のお医者さんを手術しました。以前から慢性前立腺炎症状で悩まれていた患者さんです。

排尿機能障害が原因の病気ですから、左右対称に切開あるいは切除すると、再度排尿機能障害に陥りやすいのです。そこで、非対称に切開を行うのです。ではどちら方向に切開をすれば良いでしょうか?

Kimon 鬼門・裏鬼門の方角ラインは、北東→南西のラインです。私は手術室の位置関係で北に向かって手術をしています。ですから、幸運の方向ラインである北西→南東に向かって切開手術をするのです(笑)。

Opbns 術前の患者さんの膀胱出口を観察すると、前立腺はそれほど大きくはありませんが、6時の位置の前立腺中葉が12時の方向に盛り上がってします。下から出口を見上げるようなイメージ=Bar in the sky柵形成=膀胱頸部硬化症なのです。

Opbns2 先ずは、6時の盛り上がりを縦に切開します。次に膀胱出口の12時の位置が硬いので12時の方向に切開します。事前に解説したように手術後に左右対称では、術前の病的左右対称と同じなので、4時〜5時の位置と10時〜11時の位置を切開します。

Opbns3 手術後、イラストのように膀胱出口は解放されます。ご覧のように左右非対称にしました。この切開の方向は鬼門の方向ではなく、幸運の北西→南東の方向です。患者さんに幸運が舞い降りますようにという気持ちを含めてです。

Kesagake さらに袈裟懸けの方向=左肩→右腰は、イラストのように身体を守るイメージです。ですから、この方向の切開は避け、右肩→左腰の方向の逆袈裟切りを行ったのです。

術後に患者さんは、現在の体調のイメージを次のように語られました。「今まではサイドブレーキを掛けながらアクセルを踏んで車の運転していた印象だったが、術後はサイドブレーキを外して自由に運転しているような感じです!」とおっしゃったのです。なかなかいい表現です。……良かったですね、先生!さらに改善されることを期待致します。

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コメント

高橋先生
先日はありがとうございました。
鬼門を避けていただいたわけですね(笑)ご配慮ありがとうございます。
さて、手術では疼痛のトリガーゾーンが判明し、「なんで尿がでにくいんだろう?」という15歳以来の悩みも「排尿障害という病態」であると解明され、感慨深いものがあります。もともと、機能的な異常があって、長期間その状態のため、二次的に膀胱頸部の硬化や三角部の肥厚が発生し、さらに排尿障害が増悪するという悪循環だったんですね。内視鏡で、膀胱の内面が長年の圧力でマッチョになっていたのも驚きでした。今、排尿しようと意識したら、尿がすぐ出てきます。これから少し、ダイエットさせますね(笑)また、術中、いきんだ際、膀胱頸部が閉じるところを再現していただいた時も感動しました。こういうメカニズムで時に数分も排尿開始時間がかかったということがよく分かりました。また、尿道バルーンカテーテルが入っている時は痛みがなく、結構楽でした。
やはり、膀胱頸部の負荷が減って休めていたんでしょうか。

さて、現状ですが、右陰囊部の痛みは時々あります。以前は鈍痛で、神経因性疼痛って感じでしたが、今は蒸散した後の侵害性疼痛の感覚です。鋭い痛みの感覚です。
昨日から先生がおっしゃったように肉眼的血尿が再出現し、止血剤を再開しています。血尿は排尿開始時に目立ちますが、中間尿ではわかりません。3ヶ月間は不安定ということですので、服薬とニコウェーブで経過みていきます。
しかしながら、膀胱頚部硬化症のことを解明されたのは日本では、いや世界では高橋先生だけと存じますが、願わくば早く泌尿器の教科書に膀胱頸部硬化症のことが記載されて、悩んでいる人が救われるように祈っています。この時代に生まれていなければ、先生にも出会えず、私自身、悶々とした人生を送っていたものと思います。先生、ありがとうございました。お元気でいらして下さいね。今後とも宜しくお願いいたします。

【回答】
歴史上、新たな発見や正しい概念を発表しても、認められた人はなく、惨めな思いで亡くなられ、死後何十年も経ってから認められる人がほとんどです。
ですから、私は気楽に、ほそぼそと生きることにしています。
ただただ人を助けることが医師の異名ですから。
体調が良くなったら、先生は頑張ってくださいね。

投稿: YO | 2019/11/21 14:32

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