私独自のユニークな理論
「平滑筋が尿意のセンサー」というのが、教科書にも泌尿器科学会にも記載されていない非常識な考え方です。
でも、この考え方を基本に、治らないたくさんの患者さんを救っています。他の多くの医師が、「筋肉が感覚装置? そんなバカな!」と思われています。私の行なっている行為が患者集客のための「嘘つき」「詐欺広告だ」と思われているのです。
しかし、現実的にたくさんの悩み苦しむ患者さんを治している訳ですから、そのうち信じてもらえるでしょう。今の医学の常識は、100年も前の素人に近い医師たちの考えを元にしているだけです。もっと正確に物事を観察しなければならないでしょう。
身体のすべてに、それぞれユニークな感覚装置センサー(感覚受容体)が存在します。皮膚の触覚、痛覚、温覚、冷覚、深部知覚、眼の視覚、鼻の嗅覚、骨格筋の痛覚、耳の音覚など、それぞれに顕微鏡で観察できるユニークな感覚装置センサーが存在するのです。
ところが、顕微鏡で観察しても膀胱には神経の断端が見えるだけで、感覚装置が発見できないのです。一般的には感覚装置と神経は一体になっているのですから、不思議ですよね? そのため、膀胱が膨らむと膀胱粘膜から生物活性物質(ATP、アセチルコリンなど)が放出され、それが神経の断端を刺激して尿意として感じると誤解しているのです。身体の中で、そのようなシステムは他に存在しません。あまりにもいい加減な理論です。
シナップス結合などの神経と神経の結合部は、イラストのように隙間が描かれていますが、実はほとんど隙間はないのです。あってもナノミクロン単位(0.000001mm)です。ほぼ密着している隙間に、生物活性物質の効果が出るのです。ところが、膀胱粘膜細胞と神経(C繊維)との距離は、はるかに離れてミクロン単位(0.001mm)で、生物活性物質が効くわけがありません。
内臓の筋肉である平滑筋には、さまざまな機能があります。
❶まずは、ご存知のように収縮したりゆるんだりする動力装置です。
❷動脈の壁にある中膜には平滑筋でできています。動脈の内膜にLDLコレステロール(悪玉コレステロール)がたまると、中膜から平滑筋細胞が内膜に侵入して、LDLコレステロールを食べるマクロファージ貪食細胞に変身するのです。
❸さんざんコレステロールを食べた貪食細胞は、最終的に泡沫細胞に変身するのです。内膜に泡沫細胞がたくさん存在すると、まとめなければなりません。そこで再び平滑筋細胞が内膜に侵入して、コラーゲン線維を作るのです。いわゆる線維芽細胞に変身するのです。ところが、平滑筋の作るコラーゲン線維は、Ⅲ型コラーゲン線維で、体内に多く含まれるⅠ型やⅤ型コラーゲンに比較して脆弱なので、動脈硬化の血栓症な梗塞症になりやすいのです。
ここでヒントが隠れているのです。何か分かりますか? 実は❷❸の平滑筋は、悪玉コレステロールと泡沫細胞に敏感に反応して、平滑筋が内膜に侵入したのです。つまり、平滑筋には、さまざまなセンサー能力があるということが分かるのです。
実は、平滑筋が感覚受容体センサーとして働くのです。すべての内臓には平滑筋が存在している訳ですから、感覚受容体センサーが顕微鏡で確認できないのは当然です。例えば、食べ過ぎるとお腹がいっぱいと感じたり、便秘するとお腹が張ったと感じるのは、胃や大腸の平滑筋がセンサーとして感じているのです。
イラストのように膀胱が膨らむと、それに応じて平滑筋も引き伸ばされます。伸ばされた平滑筋は、それぞれに緊張が走り、その緊張情報が神経に流れて尿意になるのです。平滑筋は細胞間で電気結合が存在し、1個の平滑筋細胞が刺激を受けると、すべての無数の平滑筋細胞に情報が流れるのです。神経と接合している平滑筋細胞は一部ですが、神経からの情報もすべての平滑筋細胞に伝わるのです。逆に、すべての平滑筋細胞の情報が神経に伝わるとも言えます。
この平滑筋と神経のスタイルは、感覚神経の基本的スタイルと同じです。「平滑筋」という過去に医学者が命名した名称に固執して、「筋肉!」以外の概念が思いつかないのが、現代医療でしょう。
さらに、おかしな現代医療があります。平滑筋の緊張をゆるめるαブロッカーのユリーフやハルナールと、β3作動薬のベオーバやベタニスと、抗コリン剤のトビエースやベシケアなどが、頻尿を改善できる理論が意味不明なのです。
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コメント
先生、ご無沙汰しております。静岡のozousamaです。
先生、助けて下さい。2週間程前から背中が痛くて痛くてどうにもなりません。背中が痛いので、食事も思うように取れず5㌔位体重が減ってしまい力も入りません。以前から腎臓の機能低下が著しいことは言われています。今は、持っていた座薬やもらった頓服を服用していますが、切れるとまた痛み出し、呼吸も苦しくなります。右の腎臓が腫れてはいるようですが、どうしたら良いでしょうか。
【回答】
すぐに地元の泌尿器科を受診してください。
投稿: ozousama | 2019/10/24 11:21
はじめまして、カワグチと申します。
ブログでの貴重な情報、いつもありがとうございます。
質問があるのですが、治療費用と服薬期間についてお聞きしたいです。
症状としては、
・1日15回前後の排尿
・食事以外で水をコップ一杯でも飲むと1時間に2、3 回は排尿
・緊張状態だと5分おきの尿意切迫感
・5歳頃から34歳までずっと頻尿
・痛みなどはなし
・女性です
服薬治療が基本とのことですが、費用はどのくらいなのでしょうか…?
また、改善されたあとも服薬は継続するものなのでしょうか。
お忙しいところ恐れ入りますが、もし可能ならばお教えいただけますと幸いです。
【回答】
排尿機能障害が原因の病気ですから、もともと貴方に備わった原因ですから、治る病気ではありません。
クスリを飲み続けなければなりません。
高血圧や糖尿病や慢性肺疾患と同じです。
お薬代は、1か月で2千円くらいでしょう。
投稿: カワグチ | 2019/10/24 20:58