生き物の存在価値
人間の腸内細菌の数は、少ない人で100兆個、多い人で500兆個あるにもかかわらず、人間の細胞の数は、たった60兆個です。これって不思議に思いませんか?主役の人間の細胞の数が、脇役のはずの細菌数よりも少ないのは?……実は、本当の主役は細菌なのかもしれません。
では、何故細菌が主役なのでしょうか?
細菌は食べたものを発酵します。するとウンコが作られます。ウンコは見方を変えると、植物に必要な肥料になります。ある意味で、植物のための肥料生産動物なのです。またオシッコも外に出るとアンモニアに変化するので、やはり肥料になります。この地球で一番支配しているのが、実は植物なのです。地球の歴史を振り返ると、理解できます。この地球で最初に生まれた生命は、今はほとんど存在していません。
35億年前に初めて生まれたのが、海底の噴火口周囲に生まれた熱性生命体です。この生命体は100℃以上の海底で無酸素の環境で誕生したのです。酸素がないのにどうして生きて行けたのでしょう?この生命体は酸素呼吸ではなく、鉄呼吸をする生命体なのです。不思議に思われるでしょう?鉄は酸素と同じく、生命体に必要な酸化還元反応が容易にできる元素なのです。ですから、当時の地球の海底には鉄呼吸の生命体だけで覆われていたのです。
何十億年も時間が経過すると、氷河期を何回も繰り返していました。すると、単細胞だけの世界が、集合して生きる多細胞生物になったのです。さらに時間が経過すると、太陽の光を利用してエネルギーを作る、光合成の藻の先祖が、突然変異で誕生したのです。有名なのがストロマトライトです。植物である藻と動物細菌が合体して岩のような建物を作っていたのです。すると、この世界はガラリと変わったのです。太陽が燦々(さんさん)と輝くので、藻の光合成により大量の酸素が地球を覆ったのです。海水にもたくさんの酸素が溶けたのです。海水のたくさんの鉄が酸素と結合して、大量の酸化鉄が海底に沈殿したのです。それが現在の地球上の鉄鋼脈です。
すると、海水中の鉄がほとんど無くなったので、鉄呼吸をする生命体は絶滅したのです。しばらくしてから、光合成の藻の仲間が進化して、現在の植物になったのです。その植物生命体に、動物生命体が依存して生きたのです。
この動物細胞は酸素呼吸になっています。鉄呼吸の細胞であるミトコンドリアと、酸素呼吸をする生命体が合体したのです。この酸素呼吸の生命体は、たまたま近くに存在した鉄呼吸の生命体と合体(ハイブリッド)して、植物生命体から独立したのです。でも葉緑体を持っていなかったので、エネルギーを作ることが出来ませんでしたから、植物生命体に依存を続けました。その後、何回もの氷河期をくぐり抜けて、植物も動物細胞もい単細胞生物から多細胞生物に移行したのです。
細胞の中のミトコンドリアは、細菌内に取り込んだエネルギーを増幅する有名な装置です。ミトコンドリアは細胞内でジッとしていません。細胞は静止しているのに、いくつものミトコンドリアは細胞内で細かく動き回っています。それを見ると、装置ではなく生き物に見えます。
動物細胞は植物細胞に依存していた歴史がありますから、現在の植物系の病原菌、カビやウィルスや梅毒などに抵抗できないのです。また、ガン細胞は主に鉄呼吸していますから、自分のミトコンドリアと同等なので、ガン細胞に対する抵抗もできないのです。
では、なぜ植物生命体から動物生命体が生まれたのでしょうか?おそらく、光合成と海水中の栄養だけではエネルギーが十分に作ることが出来ないからだったのでしょう。生命体が死ねば、動物生命体=細菌が食べ発酵して肥料を作れるからです。そのために、植物は自分たちの一部をエサにして動物に食べてもらい、それを発酵して自分たちが生きるための肥料にしようとしたのです。そのシステムが何億年も経過するにしたがい、ウンコとオシッコをするあらゆる動物を作り上げたのです。その最終形が我々人間だったのかも知れません。
昔は肥溜めにオシッコとウンコを貯めて発酵させ、田畑に供給していました。江戸時代の長屋には肥溜めを集め買いに来る商売人もいました。長屋の大家さんにとってはチョッとした収入源でした。でも、人間の文明・文化が発達すると、オシッコもウンコも下水処理して、無くしてしまったのです。植物からすれば予想外でしたが、自分たちが作る子孫(種と果実)を食べるために、植物の育て方を工夫し改良して、効率的な人工肥料を供給してくれたので、植物は喜んでいるでしょう。植物からすれば、発酵しやすい濃いオシッコと臭〜いウンコを作るように人間を作ったのかもしれません。
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