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アキレス腱断裂の対処

Akiresu

運動をしていて、アキレス腱が損傷を起こすことがあります。アキレス腱が損傷すると歩行が難しくなり、特につま先立ちが出来なくなります。整形外科の治療としては、太めの縫合糸で、は皮膚を切開するか、皮膚の上から上下に断端を「無理やり」縫合します。そしてギブスで固定します。

 

Ebb1e0451ea04fec8c6a6d33e119d530 ギブスを2週間毎に交換して、その都度、足関節の角度を尖足位から直角に近づけて6週間から8週間でギブスを外してリハビリを始めます。治療後に、断裂部分を触れると、凸凹で断裂部分が容易にわかるのです。

では私が習った整体術でのアキレス腱断裂の治療法はちょっと変わっています。

①イスに腰掛けてもらい、お湯を入れたバケツに「ふくらはぎ」近くまで足を漬けてもらい、足首をブラブラと5分間リラックスしてもらいます。

②次に患者さんをうつ伏せになって頂きます。頚椎の1番2番3番の棘突起の真横の患側(天柱)を指圧してください。

③胸椎7番~8番の横の患側(督兪・隔兪)を指圧します。

④腰椎4番~5番の横の患側(大腸兪)を指圧します。

⑤最後に腰椎1番の横(三焦兪)を指圧します。

Akiresu2 ⑥最後に、断裂したアキレス腱のカカトとふくらはぎを同時につまんで、断端部が合わせるように引き寄せるのです。

⑦足を尖足位にしてギブスやシーネで固定して終了です。

⑧2週間後に固定を外して、足の角度を90度に近ずけて再び固定です。その際に、断裂部の凹みが無くなっていることを確認します。

Keiraku この一連の流れで、疑問を感じることはありませんか? 何で頚椎や胸椎や腰椎を指圧するの?だと思います。実は、「足の大腸膀胱経」という気の流れの経絡に沿って処置をしているのです。アキレス腱は、この大腸膀胱経の流れの一部です。アキレス腱が断裂したために、この大腸膀胱経に不具合が生じているのです。アキレス腱の緊張を鎮めるために、この経絡の緊張を除去して上げる必要があるのです。もう一つの考え方として、アキレス腱断裂の患者さんの多くは、自覚しない急激な血圧上昇が原因らしいのです。そのために心臓の真裏にある胸椎7番をゆるめるのです。

この方法を学んでから1カ月ほどしたある日のこと、近くの体育館でバレーボールの試合をしていた主婦が、アキレス腱断裂で当院を受診しました。アキレス腱の部分を触れると、ベッコリと凹んでいます。完璧なアキレス腱断裂でした。

師匠の習った通りに、対処しました。2週間後にギブスを外して、アキレス腱を触れると凹みがなくなっているのです。どこが断裂したの?と確認できないくらいの治り方です!私は感激しました。この患者さんが初めてで最後のアキレス腱断裂の患者さんでした。

通常の手術だと断裂縫合部に瘢痕が残りますが、なぜ整体術だと瘢痕ができないで自然に治るのでしょう?それには理由があるのです。アキレス腱の腱は、血流がほとんど無くもともと再生能力がないのです。手術で無理やり寄せるだけの手術では、合わさった断面部が癒着して線維化が起きて瘢痕形成になるのです。ある意味で接着剤を使用しているようなものです。

ところが、整体術は関連した経絡を刺激してアキレス腱の緊張をゆるめるのです。すると、上のアキレス腱が『あれ?あれ?』と思わせ、端から腱の成長を促して、自然縫合を作っているのです。

この方法を利用すれば、アキレス腱炎などの患者さんにも応用できるかも知れませんね?

 

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コメント

先生のクリニックで治療を受けさせて頂いてます。ランニングを始めてから慢性的にアキレス腱痛と言いますか不調です。次回診療時に膀胱頚部硬化症と併せてご相談に乗って頂く事は可能でしょうか?
【回答】
OKです。

投稿: ゴリ | 2019/10/27 10:33

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