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脊髄神経回路という宇宙

Ansinseki 以前から解説したように、排尿機能障害が原因で、膀胱出口周辺の膀胱括約筋・膀胱三角部が過敏になり、その大量の情報が脊髄神経回路に伝達されると、尿意の神経回路だけでなく、他の神経回路にも情報漏出してしまうのです。その症状のバラエティによって、症状は多彩になります。それが、臨床医の診断する、前立腺肥大症、慢性前立腺炎、慢性膀胱炎、間質性膀胱炎、過活動膀胱、膀胱疼痛症、慢性骨盤疼痛症候群、急性腎盂腎炎、急性前立腺炎、急性副睾丸炎、慢性副睾丸炎、精索静脈瘤、非細菌性慢性尿道炎、陰嚢瘙痒症、カンジダ性膣炎などです。

これらの症状は、尿意の神経回路周辺の神経回路が主に利用されているので、下半身を主体の症状になります。ですから、患者さんが泌尿器科を受診するのも当然ですし、医師が症状によって病気を分類するのも自然な流れでしょう。

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ところが、脊髄神経回路は脳中枢に届くまでに、複数回に渡って神経ニューロンさ細胞が情報リレーを行います。それがシナップス結合です。シナップス結合は固定されている訳ではなく、臨機応変に自由に結合することがあります。そのキッカケは、慢性的な大量の情報が送り込まれて来る場合です。脊髄の各高さのリレー地点の周辺の神経回路に間違ってリレーしてしまうのです。神経ニューロン細胞は、まるで星⭐️のようです。脊髄の中には、この神経ニューロン細胞が無数にある=星が無数にあるという意味あでは、脊髄神経回路は、「宇宙」そのものです。

Ansinseki2 その結果、多彩な全身症状が発生するのです。その例が、坐骨神経痛、腰痛症、慢性胃痛症、逆流性食道炎、頸肩腕症、上肢振戦、上肢シビレ、舌痛症、幻臭症、顔面神経麻痺などです。これらの病気を症状に合わせて治療しても、当然治りません。なぜなら、病気の原因が膀胱出口周辺の膀胱三角部と膀胱括約筋の情報だからです。内科、胃腸科、神経内科、耳鼻科、整形外科の医師たちが下部尿路が原因とは想像もしないでしょう。

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目隠しをしながら「ガチャポン」にコインを入れ、どんな「カプセルおもちゃ」が出て来るのか?と同じイメージです。ガチャポン装置が脊髄神経回路で、入れたコインが尿意情報で、出て来たオモチャが症状なのです。

脊髄神経回路は生命の範疇です。生命は、ある意味で混沌とした小型の宇宙です。単純な配線コードではありません。必要に応じて適切な?対応処置を取る生きた配線コードなのです。脊髄神経回路は複雑なそれを物(単純な配線コード)として医師が扱うので、病気の本質を想像出来ずに誤診してしまうのです。医師は、覚えた知識だけで患者さんを診てはいけません。覚えた知識を基礎にして、想像力を豊かにしながら患者さんを診なければならないのです。

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