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難治性の非細菌性慢性尿道炎

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今年の2月に遊んで、フェラチオをされてから尿道炎にななった患者さんが来院されました。地元の泌尿器科で性病検査を行いましたが、陰性でした。雑菌性尿道炎の診断で抗生剤の投与を受けました。尿検査を行っても炎症の所見は認められませんでしたが、尿道のムズムズ感と絵陰部の痛みが出てきて治りません。何回も抗生剤を変えられたのですが治らないのです。

 

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インターネットで当院を探して来院しました。排尿回数は1日5~6回、夜間には2回オシッコで起きるそうです。現在服用しているお薬は、エビプロスタット(50年前からある前立腺の一般的病気の薬)、ザルティア(前立腺の血流を改善する)、桂枝茯苓丸(瘀血の治療薬)でした。処方内容は、原因の分からない前立腺の病気にいい加減に処方する調味料的内容です。

初めの超音波エコー検査で分かるように排尿機能障害の見られる前立腺です。膀胱出口がVの字、膀胱排尿筋が2つに分裂、膀胱頚部周囲の血管が静脈瘤になっていまさう。

2枚目の写真でも、膀胱出口がVの字、膀胱頚部周囲の血管が静脈瘤になっています。以上の事から、この患者さんには排尿機能障害があるにもかかわらず、頻尿症状がほぼ無いのです。体としては、頻尿にならないので、何とかあらゆる手段を使って、本人に警告しようとしていたのです。その時に遊んだことをキッカケに、尿道炎に感染したのです。その際に症状を作るために使用した特定の脊髄神経回路と膀胱・前立腺の神経支配の脊髄神経回路が合体(シナップス結合)して、難治性の非細菌性慢性尿道炎になったのです。細菌感染はなくても、頻尿情報を尿道炎の神経回路に流出させるので、水を飲めば飲むほど、頻尿の代わりに尿道炎症状になるのです。

治療としては、排尿機能障害の治療薬であるユリーフ・シロドシンと、情報発信している膀胱三角部の興奮を抑えるβ3作動薬ベタニス・べオーバを処方しました。

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