尿失禁の保存的治療
2回連続の腹圧性尿失禁の内容から分かるように、腹圧性尿失禁の保存的治療は、
❶下がってしまった尿道括約筋を正常の位置に戻すことです。そのために良く知られている骨盤底筋体操(赤い矢印)を実行してください。代表的なイメージが、肛門や膣を締め付けるトレーニングです。オシッコの回数分の数と同じに骨盤底筋に負担がかかる訳ですから、同じ数だけ骨盤底筋体操をすれば良いでしょう。ですから、オシッコのたび毎に毎回体操をすれば、骨盤底筋は下がりにくくなるでしょう。
❷骨盤底筋が正常の位置に戻っても、病気の根本的原因である排尿機能障害をなおさなければ、排尿時の腹圧を軽減してオシッコをすることは出来ません。。そのために、膀胱括約筋の緊張をゆるめるαブロッカー(エブランチル・ハルナール・ユリーフなど)の服用が必須です。(赤いクネクネ線)
腹圧性尿失禁の外科的手術があります。これは、テフロン製のテープを使って尿道を恥骨側に吊り上げる手術です。尿道が開きにくくなるから尿失禁にならなくなると考えるのです。しかし、これは治療の本質ではありません。テープを使って尿道周囲を吊り上げることで、間接的に膀胱と尿道括約筋の位置を上げることになるのです。しかし、ここで注意しなければならないことがあります。それは、骨盤底筋と膀胱が腹圧で下がった根本原因の治療にはならないからです。排尿機能障害の治療を手術後に実施しなければいけません。アメリカでは、この尿失禁の一部の手術での手術後に、後遺症が問題になり、手術キット商品の販売停止になりました。
【参考】手術の問題点に関しての文献は下記のページをご覧ください。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsejje/25/2/25_258/_pdf
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