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ひと言

開業医になって10年ほどした頃、慢性前立腺炎のために痛みや頻尿で苦しんでるいる患者さんがいました。

当院に来る前から、他の病院で前立腺の手術をしたり、大学病院で治療していたのですが、治らないので当院に来院したのです。今から20年前ですから、今のようないろいろなクスリもなく、また、私にも慢性前立腺炎に関して、その本質を十分に理解していませんでした。いろいろな治療しても、なかなか治らないので困っていました。

711e85223bff4eb6a07cb14e55d32ae1 当時の私は総合診療科として開業していましたから、大学病院を辞めて13年以上経過していましたので、泌尿器科の最先端の専門医からしばらく時が経っていました。そこで、最新の情報を知りたくて、大学の関連病院で頻尿や神経因性膀胱などを専門に研究している後輩に電話しました。患者さんの症状や経過についてお話しして、「何か良い治療法はないかな?」と相談をしました。すると後輩の医師は、苦笑しながら「無理です。出来ません。分かりません。」といとも簡単に答えて話しを終えました。………電話を切って彼の「ひと言」を聞いてから『💢何だ!馬鹿野郎!お前は専門家だろう!』

その事をキッカケに、原因不明の非細菌性慢性前立腺炎について興味を持つようになったのです。問題の患者さんは当院に来院しなくなったのです。その後、慢性前立腺炎で治らないタクシー運転手さんが来院し、偶然に排尿機能障害を見つけました。そして、内視鏡手術で前立腺の手術を行ったところ、慢性前立腺炎症状が消えてしまったのです。これで医師としての私に火が付きました。その後、慢性膀胱炎、間質性膀胱炎、過活動膀胱、膀胱疼痛症の患者さんに全て排尿機能障害が発見できたのです。それらの症例をたくさん経験して、さまざまな経過を見て、お陰で新書を出すことができたのです。

現在の私があるのは、ある意味で、カチンと来た後輩医師のお陰です。この後輩医師は、現在、間質性膀胱炎や神経因性膀胱などの研究の第一人者で学会などで講演をしています。でも彼の考えでは、慢性前立腺炎や間質性膀胱炎は治せないでしょう。 

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